焼けるのコアイメージ

1.燃焼自動詞初級★★★
表記焼ける
ものが、火の作用によって変化する。
文型
<もの>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
古タイヤが焼ける匂いがする。
生地が焼けたら冷まし、乾燥しないように上からラップを掛けておく。
「この辺りの町並みは、ずいぶん歴史を感じるね」「空襲で焼けずに残っているんだよ」
昨夜、彼女の家が火事で焼けてしまったことを知らされた。
肉がジュージューと音を立てて焼けている
お皿に乗ったベーコンは、カリカリに焼けている
コロケーション
<もの>が
① 食料:肉、魚、サンマ、食材、生地
② 建物・場所:家、町、建物、村、工場、校舎
③ その他:もの、遺体、粘土
④ ものの箇所:表面、一部、片面、半分、全部
<様態>
① 調理:こんがり、パリッと、カリッと
② 全般:すぐ、しっかり、簡単に、完全に、均一に、よく
<出来事>で
火事、空襲、火災、戦災、戦争、戦火
解説
この意味の「やける」は、火の熱により主体の状態が変化することを表す。状態の変化としては、形、色、温度、硬軟などの変化が生じる。なお、熱の作用の仕方には、直接熱源に触れさせる場合(「囲炉裏で魚を焼く」など)や、オーブンレンジなどで電磁波により全体的に熱する場合(「パン生地を焼く」)、フライパンなどに乗せて熱する場合(「肉を焼く」)などがある。
誤用解説
この意味の「焼ける」の主体は、固体のみ可能である。「燃える」は<炎があがる>ことを表すため、気体や液体に対して、「ガスが燃える」、「アルコールが燃える」、また以下の「火が燃える」のように言えるが、「焼ける」は言えない。
 酸素がないと、火は燃えない
 酸素がないと、火は焼けない
また、他動詞の「焼く」の場合、デ格には<出来事>、<手段>、<場所>、<調味料>などがくるが、「焼ける」の場合には<出来事>以外はやや不自然または不可になる。
 戦争で家を焼く。(<出来事>)
 戦争で家が焼ける。(<出来事>)
 卓上グリルで魚を焼く。(<手段>)
 卓上グリルで魚が焼ける。(<手段>)
 川辺で肉を焼く。(<場所>)
 川辺で肉が焼ける。(<場所>)
 ホタテをバターで焼く。(<調味料>)
 ホタテがバターで焼ける。(<調味料>)
類義語・反義語
類義語燃える
反義語


2.燃焼による加工自動詞初級★★★
表記焼ける
ものが、火の作用によって別のものになる。
文型
<生産物>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
お菓子が焼ける
「いい匂いがして来たね」「もうすぐパンが焼けるよ」
今回の陶芸展では、不思議な色合いに焼けた器が話題になった。
固く焼けた備長炭は、火力が強く燃焼時間が長い。
その店は、カリッと香ばしく焼けた餃子が人気です。
店主はたい焼きが焼けるのを待つ間、お客さんとの会話を楽しんでいる。
コロケーション
<生産物>が
① 食品:パン、ケーキ、目玉焼き、ピザ、クッキー、お菓子
② 作品:炭、器、皿
<様態>
おいしく、うまく、ふっくら、上手に、香ばしく、丸く、美しく
解説
この意味の「やける」は、火の熱の作用により主体であるものの状態が変化して別のものになることを表しており、これは語義1から派生した意味である。語義1は主体であるものの性質が火の熱の作用により変化することを表すが、語義2はその結果として別のものになることを表している。これに関連して、語義1のガ格には熱が作用して変化する主体として<もの>がくるが、語義2のガ格には、そのものの状態が変化した結果生じる<生産物>がくる。
 ケーキの生地が焼ける。(語義1、プロセス)
 ケーキが焼ける。(語義2、結果)
 粘土が焼ける。(語義1、プロセス)
 が焼ける。(語義2、結果)
これは特に、料理のプロセスを表す他の動詞にもみられる。
 が炊ける。(プロセス)
 炊き込みご飯が炊ける。(結果)
 海老が揚がる。(プロセス)
 天ぷらが揚がる。(結果)
誤用解説
この意味の「やける」は熱の作用によって<生産物>が仕上がることを表すが、火の熱またはそれと同じ働きをする熱源によって加工品として仕上がる場合に限られる。したがって、日光の熱が当たっていても、主として乾燥によって加工品が仕上がる場合などには「やける」は用いられない。
 三日三晩天日干しして、ようやく梅干が焼けた
 三日三晩天日干しして、ようやく梅干ができた
類義語・反義語
類義語できる、できあがる
反義語


3.変色自動詞初級★★★
表記焼ける
ものが、太陽光の作用によって変色する。
文型
<もの>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ゴーグルをつけてスキーをしていたら、変なふうに顔が焼けた
桐たんすは何十年と使っていくうちに多少は色が焼けるが、それがかえって味になる。
この畳は、肌触りが良く、掃除が簡単で、なにより耐久性に優れており、ほとんど日に焼けません。 
「なぜみんなと外で遊ばないの」「日に焼けたくないの」
強い日差しで葉っぱが焼けてしまったので、庭のプランターを移動させた。
使用前のヌメ革製品はベージュだが、使い込むと飴色に焼けてくる。
コロケーション
<もの>が
① 身体:肌、体、顔
② その他:葉、葉っぱ、色、カーテン、塗装、畳、家具、木
<太陽光>に
日、陽
<太陽光>で
日差し、紫外線、太陽
<様態>
真っ赤に、小麦色に、真っ黒に、こんがり、よく
<場所>で
海、ビーチ
<行為>で
海水浴、サーフィン
非共起例
<太陽光>に
 畳が紫外線に焼ける
 畳がに焼ける
ニ格には、<太陽光>のなかでも、直接的に主体の変化を引き起こす熱・光ではなく、その熱・光を出す原因となるもの(「日」)がくる。一方デ格は、その両方が可能であるため、直接的に主体の変化を引き起こす「紫外線」などについては、「畳が紫外線で焼ける」のように、デ格が用いられる。
解説
この意味の「やける」は、太陽光の熱が主体に作用し、主体の表面が変色することを表している。これは、熱の作用によって主体の性質や状態が変化するという点で語義1と同様である。ただし、語義1で主体に作用する熱は火の熱であるが、この意味において主体に作用する熱は太陽光が発する熱という点で異なる。さらに、語義1において主体に生じる変化は、形、色、温度、硬軟などの変化であるが、この意味における変化は色の変化に限られ、またその変化が生じる部分も、主体であるものの表面に限定される。
また、本来は自然界の太陽光によってものの表面が変色することを表すが、次の例のように、「日焼けマシーン」等で人工的に変色する場合にもこの意味の「やける」が用いられる。
 日焼けサロンで焼けた肌は、むらがないのですぐ分かる。
なお、尊敬・意思形は、主体が人の場合のみ可能である。
誤用解説
この意味の「やける」の主体として、「肌」は可能だが、同様の身体部位を指すと思われる「皮膚」に対して用いることはできない。
 海でが焼けた。
 海で皮膚が焼けた。
「皮膚」は人や動物の身体の表面を覆い保護している皮である。一方「肌」は、特に人間の表皮を表し、人間の肉体を内部に持つ表面部分、つまり本体の表面に焦点が当たっている点で「皮膚」とは異なる。それゆえ、以下のように本体からの分離を表す場合には、「肌」を用いることはできない。
 ケミカルピーリングは、皮膚をはがす治療法です。
 ケミカルピーリングは、をはがす治療法です。
この例からわかるように、「皮膚」は皮そのものを表す一方で、「肌」は肉体の表面部分を指すため、「はがす」ことはできない。したがって、主体であるものの表面の変色を表す語義3の「やける」は、単に皮そのものを表す「皮膚」に対して用いることはできず、本体の表面部分を表す「肌」にのみ用いることが可能である。ただし、以下のように、「肌」が焼け、それが後に肉体から分離する場合には、「焼けた皮膚」のように表現することも可能である。
 日に焼けた皮膚を無理に剥がすのは良くないよ。
また、次の「皮膚が焼ける」については、<本体の表面部分の変色>ではなく、<ものの損傷>を表すため、語義3ではなく語義7に該当する。
 ほくろ治療で皮膚が焼けた。(損傷、語義7)


4.暖色への変化自動詞上級
表記焼ける
景色が、火・光によって暖色に見える。
文型
<景色>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
西の空が真っ赤に焼けた
このホテルからは、朝夕に焼けるヒマラヤを堪能できる。
海に沈みゆく太陽と、きれいなオレンジに焼ける雲が素晴らしい眺望を成している。
夕日に焼けた雲が湖面に写り、なんとも美しい景色だった。
出火した倉庫付近の空が、赤く焼けている
あたりは少し明るくなっていて、山の向こう側の空は薄ピンク色に焼けている
stairs空が夕日にやけているよ。
コロケーション
<景色>が
空、雲、町、山
<様態>
真っ赤に、赤く、きれいに、ピンクに
<太陽光>に
夕日、朝日
解説
この意味の「やける」は、火や光の作用により主体が変色するという点で語義3と同様である。ただし、語義3は、太陽光から発せられる熱により、主体の表面の色が変化することを表すが、この意味の「やける」は、実際には主体自体が変色するのではなく、朝日や夕日、また火などによって、主体が変色したように見えることを表す。また、語義3の「やける」では、光の熱の作用によって主体の変化が一定期間、あるいは恒常的に続くが、語義4の「やける」では、熱の作用による変色ではなく、光の散乱や火災による塵埃の飛散により、一時的に主体が暖色に色づくことを表すという点でも異なる。
誤用解説
光を反映して主体が赤く見える場合であっても、自然光によるものでなければこの意味の「焼ける」を用いることはできない。
 車のバックライトで、自転車が赤く焼けた
 車のバックライトで、自転車が赤く染まった
類義語・反義語
類義語染まる(町が赤く染まる)
反義語


5.発熱自動詞上級
表記焼ける
ものが、熱せられて熱くなる。
文型
<もの>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今年は猛暑で土が焼け、農作物があまりとれない。
夏場の川原は石が焼けて暑いので、熱射病対策をして遊びに行こう。
夏場は、ベランダのコンクリートが焼けて熱くなることがあるので注意が必要だ。
焼けたトタン屋根の上を職人が器用に歩いている。
ジリジリと焼けた砂の上を、裸足で走った。
犬を散歩させる時は、アスファルトが焼けていないかを確認する。
コロケーション
<もの>が
屋根、土、砂、アスファルト
<様態>
じりじり
解説
この意味の「やける」は、火や光の熱が主体であるものに作用し、それによって主体の表面が熱を持つことを表しており、語義1の「やける」と同様、主体の変化を表している。ただし、語義1の「やける」では、熱によって主体が恒常的に変化することを表すが、語義5の「やける」では、主体の変化は一時的であり、かつ温度の変化に限られる。
誤用解説
この意味の「焼ける」は、火や光に熱せられて主体の表面が熱を持つことを表すため、例えば生理反応で身体が熱を持つ以下のような場合には用いられない。
 恥ずかしくて、顔が焼けてきた
 恥ずかしくて、顔が熱くなってきた


6.熱による損傷自動詞上級
表記焼ける
ものが、熱の作用によって損傷する。
文型
<もの>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
アイドリングを繰り返して、エンジンが焼けた
目詰まりを放置したまま運転を続けると、モーターが焼ける原因になる。
バイクが動かなくなったのは、プラグが焼けているからかもしれない。
ポータブルDVDが故障したので電気屋へ持ち込んで見てもらったら、「基板が焼けている」と言われた。
エアコンがつかなくなったので見てみると、コネクターが焼けていた
複数の電化製品を延長コードでつなぐと、コードやコンセントに負担がかかって発熱し、ついには配線が焼けてしまう危険がある。
コロケーション
<もの>が
モーター、エンジン、配線、ケーブル、プラグ
<様態>
すぐに、いつのまにか、ついに
解説
この意味の「やける」は、熱の作用によって主体が損傷することを表しており、これは、熱が主体であるものに作用して主体が熱を持つことを表す語義5の「やける」の結果生じた意味である。つまり、主体であるものが熱を持つこと(語義5)から、その結果、語義6では主体(の一部)が損傷に至ることを表す。なお、語義5の熱源は火や光(自然光)であるが、語義6の熱源は、電気や摩擦によるものを含む。
誤用解説
この意味の「やける」は、主体が熱を持つなど、単なる温度変化を表すのではなく、その結果主体が損傷して機能しなくなることを表すため、以下のように、単に熱を持った状態を表す場合や、あるいは単に機能しなくなったことを表す場合には用いられない。
 エンジンが焼けている時は、いったん止めると良い。
 エンジンが熱くなっている時は、いったん止めると良い。
 一年ほど原付バイクに乗らなかったら、エンジンが焼けて動かなくなっていた。
 一年ほど原付バイクに乗らなかったら、エンジンが壊れて動かなくなっていた。
類義語・反義語
類義語壊れる
反義語


7.電磁波による損傷自動詞上級
表記
ものが、電磁波の作用によって損傷する。
文型
<もの>が<電磁波>でやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
赤外線を直接見ると、網膜が焼け、最悪の場合失明する可能性もあります。
雪目とは、雪が反射した紫外線で目が焼けることをいう。
従来の炭酸ガスレーザーによるほくろ除去は、皮膚が焼けるため、色素沈着が半年以上続くことがあった。
溶接の光で目が焼けることがあるから、ゴーグルをつけなさい。
部分日食を肉眼で観察したために網膜が焼け、視野の一部が欠けてしまうことがある。
歯茎にレーザーをあてて炎症を抑える際には、歯茎が焼けない程度の照射モードにするので安全だ。
コロケーション
<もの>が
網膜、目、組織、毛根
<電磁波>で
レーザー、電気、赤外線
<様態>
すぐに、少しずつ、完全に
非共起例
<電磁波>で
 エックス線で目が焼けた。
 赤外線で目が焼けた。
電磁波であっても、物を損傷に至らしめない場合には用いられない。
解説
この意味の「やける」は、主体が損傷することを表すという点で、語義6の「やける」と同様である。ただし、語義6の「やける」は主体が熱の作用によって損傷するのに対して、この意味の「やける」では、主体は電磁波(紫外線、可視光線だけでなく、放射線や高周波電流を含む)の作用によって損傷することを表すという点で異なる。
なお、語義3では「肌が焼ける」は可能である一方「皮膚が焼ける」は不可であるとしたが、語義7では「皮膚が焼ける」が可能である。これは、語義3が、<ものの分離不可能な表面部分の変色>を表すのに対して、語義7は<ものの損傷>を表すため、同一部分を表すことのできる「肌」と「皮膚」に対する語義3における区別が、語義7では問題にならないためである。
類義語・反義語
類義語傷付く
反義語


8.刺激性の液体による損傷自動詞上級
表記焼ける
ものが、刺激性の液体の作用によって損傷する。
文型
<もの>が<刺激性の液体>でやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
空腹時のテキーラで、喉、食道、胃が一気に焼けた
外国人力士の金髪は、髪油で焼けて栗色になることがある。
スープで焼けた舌を冷水で冷やす。
肥料で根っこが焼けてしまい、苗木が枯れることがあります。
薬で焼けてしまった髪は戻らないので、生え変わるのを待つしかない。
市販の毛染め液で髪が焼けている
stairs喉がやける感じがあるだろ。
コロケーション
<もの>が
喉、胸、胃、舌、毛、髪、根
<刺激性の液体>で
① 薬品:薬、液、肥料、酸
② 分泌物:胃酸、胃液
③ 酒:酒、アルコール、テキーラ
<様態>
徐々に、少しずつ、完全に
解説
この意味の「やける」は、主体が損傷することを表すという点で、語義6の「やける」と同様である。ただし、語義6の「やける」は主体が熱の作用によって損傷するのに対して、この意味の「やける」では、主体は<刺激性の液体>の作用によって損傷することを表すという点で異なる。なお、<刺激性の液体>には、液性(酸性・アルカリ性)が極端に強く、対象にとって刺激になる場合と、温度が極端に高いか極端に低くて刺激になる場合が考えられる。
また、食べ過ぎや飲み過ぎなどによって胃液(胃酸)が逆流して胸がムカムカして吐き気などが引き起こされることを「胸が焼ける」と言い、この「焼ける」は語義8にあたる。そこからさらに、強い不安、嫉妬、憎しみなどのマイナスの感情を抱くことを「胸が焼ける」と比喩的に表現することもある。
誤用解説
刺激性の液体によってものが損傷する事態であっても、その程度によっては「焼ける」を用いることができない場合もある。
 強い酸で肌が焼けてしまった。
 で肌が焼けてしまった。
 で肌がかぶれてしまった。
「漆」は樹液を加工した塗料であり、これにより肌がかぶれてしまうことがあるが、「やける」は酸での損傷など、その程度が大きい場合に用いられる。
類義語・反義語
類義語傷付く(喉が傷付く)
反義語


9.嫉妬自動詞上級
表記妬ける
人が、嫉妬する。
文型
<人>がやける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「最近田中君と仲が良いんだ」「なんか妬けるな」
独立した元同僚が成功していると聞いて、妬けた
今話題の映画で若手俳優のキスシーンに妬けた人がたくさんいるらしい。
娘がお友達と手をつないでいるのを見て、夫が「ちょっと妬けちゃうな」とつぶやいた。
アツアツな二人を見ていると、妬けてくる。
彼の最近の成長は目覚ましく、妬けてしまうほどだ。
コロケーション
<人>が
私、俺、僕
<様態>
なんか、ちょっと、すごく
非共起例
<人>が
 は、同僚の話を聞いて妬けた。
 は、同僚の話を聞いて妬けた。
主体は一人称のみ可能である。
解説
強い感情は<炎>にたとえられることがある(「やる気に燃える」、「怒りの炎を燃やす」、「愛が燃え上がる」など)。嫉妬もこれと同様強い感情であり、以下のように、「火が付く」、「煽る」、「メラメラと燃やす」など、炎に関する一連の表現が<嫉妬>に関する様々な側面を表すのに用いられる。
 嫉妬心に火が付く
 嫉妬心を煽る
 嫉妬の炎をメラメラと燃やす
怒りや嫉妬などの強い感情を抱き、興奮状態になると、実際に顔や身体が熱くなり、赤みを帯びることがある。このような経験に基づき、強い感情と熱が結びつけられる。さらに、ある感情を抱き、それが強くなるプロセスと、火が付き、炎が大きくなるプロセスは類似している。嫉妬することを「やける」を用いて表すのはこのような捉え方に基づいている。
類義語・反義語
類義語嫉妬する、ねたむ
反義語


焼けるの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<もの>が
5 が好みの加減に焼けたら取り出して器に盛り、粉唐辛子をかけ、1のソースを添える。
(金本J.ノリツグ著 『フライパン1つでおいしいごはん』, 2005, )
一昨年(一九九七)の五月、療養所のすぐ背後を屏風のように囲っているが火事で焼けたのだという。
(江種満子著 『大庭みな子の世界』, 2001, 910)
<様態>
ホットプレートは、たいらで熱が均一に伝わるのでこんがりきれいに焼けます。
(大久保洋子監修;寺嶋則子料理 『ママといっしょにワクワククッキング』, 2001, )
<出来事>で
横浜の生家も空襲で焼けたため、一家はしばらく千葉に住み、私はそこから東京に通った。
(藤沢秀行著 『人生の大局をどう読むか』, 2003, 159)
<生産物>が
ケーキ型やオーブンがなくても、立派にホールのケーキが焼けちゃうからびっくりです!
( 『メチャメチャ明るい節約おかず200』, 2005, 596)
窯の温度が1000℃ぐらいになると、さらに硬いがやけます。
(山梨県・身延竹炭企業組合編;片田義光著 『竹炭をやく生かす伸ばす』, 2002, 658)
<様態>
プレーンケーキはふっくら焼けるのですが、ココアを入れるとふくらみが悪くなります。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 料理、グルメ、レシピ)
<もの>が
メコンデルタの澄んだ空気で、太陽の熱は、そのまま私の肌を照らし、音を発てるようにがジリジリと焼けた。
(佐田亜矢著 『トホホなベトナムのほほんラオス』, 2005, 292)
2ハウスが直射日光をさえぎって,が焼けるのを防ぐことができる。
(竹本常松,西本喜重編著 『みんなの薬草あまちゃづる』, 1984, 617)
<太陽光>に
に焼けた彼の右手とは対照的に、左手が真っ白だったのだ。
(川上健一著 『虹の彼方に』, 2004, 913)
<太陽光>で
ウォータースポットはルーフやボンネットに付いた水滴がレンズの役目をして太陽ので塗装が焼けてしまう現象です。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 自動車)
<様態>
夏が近付くと,みるみる日に焼けて二回も三回も皮がむけ、おふろに入るとヒリヒリしました。
(谷口直子著 『星居山の星の子たち』, 2002, )
足元は素足にデッキシューズで,小麦色に焼けた足首が見える。
(スーザン・ブロックマン作;仁嶋いずる訳 『きみに捧げるラブレター』, 2004, 933)
<行為>で
先月のグアム撮影で少し日に焼けたので、白のビキニが映える!
(JJ, 2005, 一般)
<景色>が
手を擦りながら歩いていると、住宅街の隙間から見えるが焼けていて、まるで火事のように真っ赤だった。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<太陽光>に
そのはるか向こうの夕陽に焼けた地平線にハーレムがあり、四頭のオスライオンが雄叫びをあげ、たてがみを振り乱している。
(剣鷹著 『鷹戦士F』, 2005, 913)
<もの>が
夏は屋根が焼けて暑くて暑くてどうにもなりません。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家事、住宅)
昼間の暑さで道路が焼けていて、夕方でも足下は暖かい。
(Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ)
<もの>が
このとき,コイルにあまりにも強い電流が流れると,コイルが焼けたり,大きな振動のためにスピーカーがこわれたりすることがあります。
(新しい科学 1分野上, 2005, 中)
<様態>
渋滞や坂道発進するとすぐクラッチが焼けるのな。
(福野礼一郎著 『最後の自動車ロン』, 2005, 537)
<もの>が
ビキニ環礁での十五メガトンの原子爆弾の爆発のあとでは、三百四十五マイル離れたところでも、小動物たちの網膜が焼けているのが発見された。
(今福竜太ほか編 『旅のはざま』, 1996, 908)
{毛根}が焼ける前に{表皮}が焼けてしまったのでは意味がありません。
(浅見善康著 『より身近になった医療レーザー永久脱毛最新Q&A』, 2001, 494)
<もの>が
飲むと内臓が焼けただれてしまう。
(岩佐陽一編;石ノ森章太郎原著 『仮面ライダーV3大全』, 2001, 778)
<様態>
「やっぱり,なんかやけちゃうんだよな、俺」
(岡田惠和著 『ちゅらさん』, 2004, 912)






























空が夕日にやけているよ。
喉がやける感じがあるだろ。
世話が焼ける

意味
他者の助けが必要である
用例
「お母さん、宿題を手伝って」「まったく、世話が焼けるわね」
コーパスからの用例
中途半端な実力で、無謀にも「自分でやりたい」という子どもは、大人にとって、かえって世話が焼けます。 (萩原光著 『お母さんの抱っこでよい子に育つ』, 2005, 599)
手が焼ける

意味
対処に困る、てこずる
用例
「あの子にはいつも心配ばかりさせられる」「まあまあ。手が焼ける子ほど、かわいいって言うじゃないか」
コーパスからの用例
目の前に置かれた死体をめぐって、何かよからぬ事情があると思えたのはその時くらいで、あとは泣き崩れる妻の介抱に手が焼けた。 (安東能明著 『15秒』, 2002, 913)
複合動詞 V1

焼け落ちる、焼けこげる、焼け死ぬ、焼けただれる、灼けつく、焼け果てる、焼け広がる
複合動詞 V2

焼け跡、焼け石、焼け焦げ、焼け野原、朝焼け、酒焼け、霜焼け、日焼け、胸焼け、夕焼け
焼ける(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板型
辞書形やける
ない形やけない
~なかったやけかった
ます形やけ
~ませんやけま
~ましたやけした
~ませんでしたやけまんでした
~ときやけるとき やける
ば形やけ
意向形やけ
て形やけて
た形やけた
可能形
受身形やけられる
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