受けるのコアイメージ

1.移動物の把握他動詞初級★★★
表記受ける
人が、その人(の存在する場所)に向かって移動してくるもの、あるいは上方から下方に向かって移動してくるものを、身体の一部や何らかのものを用いて支え止める。
文型
<人>が<もの>を<もの・身体の一部>に[で]受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
キャッチャーがミットでボールを受けました
父は昨夜、天井からの急な雨漏りを取りあえずバケツに受けたそうだ。
「樋」とは、屋根を流れる雨水を受けて地上や下水道に導くための、溝形あるいは筒状の装置のことです。
山本さんは、雨水タンクで雨水を受け、畑の水やりや農具の洗浄に活用している。
「新郎新婦が結婚式で御神酒をいただく際の作法について教えていただけませんか?」「御神酒を盃に受けたら三口で飲みます。ただし、一口目と二口目は口に付けるだけで、三口目でいただくというのが通例なんですよ」
あんな剛速球は、とても素手では受けられない
コロケーション
<もの>を受ける
ボール、球、雨水、水、酒
<もの>に[で]受ける
ミット、バケツ、桶、タンク、盃
<身体の一部>に[で]受ける
手、素手、頭、胸、顔
<様態>受ける
必ず、まず、しっかり(と)、きちんと、取りあえず
非共起例
<もの>を受ける
 妹は、机の上のリンゴを受けた
 妹は、机の上のリンゴを取った
人による、移動していないものの物理的な把握を表す場合には、「受ける」ではなく「取る」を用いる。
解説
語義1では、「キャッチャーがミットでボールを受ける」という場合のように、人が自らの意志に基づいて移動する物体を支え止めるケースがある一方、「弟は、飛んできたボールを頭に受けた」という場合のように、自らの意志に基づかず支え止めるケースもある。また、これらの2つの例や「盃に御神酒を受ける」という例のように、人がコントロールすることによって移動するものを支え止めるケースがある一方、「雨水を桶で受ける」という例のように、人がコントロールせずに移動するもの(この例の場合には、自然現象である雨)を支え止めるケースもある。ところで、人が移動するものを支え止める際に用いる<もの・身体の一部>に関して、その<もの・身体の一部>を人が道具(手段)として捉える場合には、「ミットで」あるいは「素手で」のように、<もの・身体の一部>を表す名詞に助詞「で」が後続する。一方、<もの・身体の一部>が、移動してくるものの到達点として捉えられる場合には、「タンクに」あるいは「頭に」のように、<もの・身体の一部>を表す名詞に助詞「に」が後続する。
誤用解説
AとBという2人の間で、BからAに渡される(差し出される)もの(例えば、書類や荷物など)をAが物理的に把握する場合には、通常、「受ける」ではなく「受け取る」を用いる。「受け取る」の場合、「<人>が<もの>を受け取る」という文型で用いられる。(通常、この場合の<もの>はBの手からAの手に直接渡されるか、あるいは、Bに託されて配達する人の手からAの手に直接渡される。)また、BからAに渡される(差し出される)ものが、Aにとって何らかの利益があるもの(例えば、プレゼント)である場合には、「受ける」ではなく「もらう」を用いる。
 田中さんは井上さんから書類を受けた
 田中さんは井上さんから書類を受け取った
 田中さんは井上さんからプレゼントを受けた
 田中さんは井上さんから[に]プレゼントをもらった
類義語・反義語
類義語取る
反義語


2.他者の行為への対応他動詞初級★★★
表記受ける
人・組織が、他者(人・組織)から(主に言語を用いて)提示された事柄を認識し、それに応じる。
文型
<人・組織>が<人・組織>から(の)[の・に]<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
竹中さんは、友達から相談を受けた
駅前の小さなパン屋では、きっと大量注文は受けられないでしょう。
同僚の西野先生は、先週の講義の後で多くの学生から同じような質問を受けたそうだ。
我が社の経営に関して、他人の指図など受けたくはない。
「お客様からのお電話、新人の私がお受けしてもよろしいのでしょうか?」「はい、もちろんですよ」
吉村さんは西川さんからデートの誘いを受けたけれど、悩んだ末に断ったそうです。
コロケーション
<こと>を受ける
相談、注文、質問、指図、誘い、訪問
<様態>受ける
すでに、さらに、必ず、やはり、きっと
解説
語義2は語義1と、人が何らかの事物によって働きかけられ、それに応じるという点で共通している。ただし、語義1ではその事物は移動する具体物(例:ボール、雨水)であるのに対し、語義2では他者(人・組織)から提示された事柄(例:相談、注文、誘い、打診、提案、訪問)であるという違いがある。なお、語義2の周辺例として、「高齢ドライバーの交通事故が増加していることを受け、政府は本格的に対策を講じることにした」、「消費者からの要望を受けて、過去のヒット商品の復刻版を販売することが決まった」のようなケースがある。この場合、「Xを受け、Y」という文型で用いられ、Xは何らかの出来事や行為を、Yはそれらの出来事や行為を踏まえた何らかの対応・対処を表す。Xが「交通事故が増加していること」のように何らかの出来事である場合、このような出来事は直接的に(意図的に)Yにおける行為主体に対して働きかけられる事柄ではない。ただ、Yにおける行為主体はXを踏まえて何らかの対応・対処を行っているため、結果的にXがYにおける行為主体に(間接的に)働きかけたのだと見なすことができる。ところで語義2において「<(お)誘い>を受ける」という形が用いられる場合、文型によって2つの解釈が可能である。まず、「太郎は花子からデートの誘いを受けた」という場合には、太郎が花子からの誘いを認識したことを表すが、その上で具体的にどのように対応・対処したかはこの文のみからは判断できない。(したがって、「太郎は花子からデートの誘いを受けたが、断った」という表現は認められる。)一方、「太郎は花子からのデートの誘いを受けた」という場合には通常、太郎が花子からの誘いを承諾(受諾)したことまでを表す。(「太郎は花子からのデートの誘いを受けることにした」という表現にすると、このことがより明確になる。)
誤用解説
AとBという2人の間で、AがBの何らかの行為に応じた行動を取る場合、Bによる何らかの働きかけをAが被ったことが特に焦点化される場合には、「受ける」の類義表現である「される」が用いられる。ただし、「<こと>を受ける」の<こと>が「(お)誘い」、「お叱り」、「お褒め」など、動詞連用形転成名詞である場合には通常、「される」を用いることはできない。
 吉村さんは西川さんからデートの誘いをされた
 吉村さんは西川さんからデートの誘いを受けた
 社長が平社員から、経営に関して指図をされた
 社長が平社員から、経営に関して指図を受けた
類義語・反義語
類義語応じる、される
反義語断る


3.確認・改善他動詞初級★★★
表記受ける
人・組織が、その人自身・組織自体あるいはその所有物が適切あるいは望ましい状況にあるかどうかを確認するための他者(人・組織)からの働きかけに対処する。
文型
<人・組織>が<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
その男は、警察の取り調べを受けた
ある国では、政府による検閲を受けずに人々が新聞や雑誌などを通じて自由に意見を表明することはできないそうです。
「夫が、先月行われた会社の健康診断を受けなかったんです」「ご自身では健康そのものだと思っていらっしゃるのかもしれないけれど、油断は禁物ですよね」
飛行機に乗る際には、保安検査場で手荷物検査を受けなければいけません。
会社としては、ストレスチェックを拒否する従業員に、無理矢理受けさせることはできない。
必ずフロントガラスのステッカーに記載された満了日までに、車検を受けてください。
コロケーション
<こと>を受ける
取り調べ、検査、チェック、
<様態>受ける
すでに、必ず、まず、すぐ、きちんと
解説
語義3は語義2と、人が他者からの働きかけに応じるという点で共通している。語義2では人が応じる働きかけ(としての行為)が、「相談」、「注文」、「誘い」など、主に言語を用いて提示される事柄である。これに対し、語義3では「検査」、「チェック」、「取り調べ」、「車検」、「校閲」、「検閲」など、ある人自身・ある組織自体あるいはその所有物に関して、適切あるいは望ましい状況にあるかどうかを(本人あるいは他者が)確認するために応じる事柄である。これらのうち、「取り調べ」や「検閲」などは通常、ある人や組織の意志に関わらず、他者によって強制的に行われるものである。これに対し、「車検」は通常、ある人(や組織)が自らの意志で他者に依頼し、行われるものである。また、「検査」、「チェック」などは、ある人や組織の意志に関わらず行われる場合と、ある人や組織の自らの意志で行われる場合とがある。
誤用解説
語義3では、ある人・組織が、他者からの何らかの働きかけに対処することが焦点化される。これに対し、ある人・組織が、他者からの何らかの働きかけとしての事柄を拒否せず承諾することが焦点化される場合には、「受ける」の語義3と類義的な関係にある「応じる」が用いられる。ただし、「車検」のように、ある人(や組織)が自ら望んで行う事柄に関しては通常、「受ける」を「応じる」に置き換えることはできない。
 鈴木さんが車検に応じる
 鈴木さんが車検を受ける
類義語・反義語
類義語応じる
反義語断る、拒否する


4.試験・審査への取り組み他動詞初級★★★
表記受ける
人・組織が、その能力が一定の水準に達しているかどうかを確認するために他者(組織・人)によって実施される試験や審査に取り組む。
文型
<人>が<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
山田さんが、司法試験を受けた
妹はアルバイトの面接を何度も受けているが、なかなかうまくいかないようだ。
「伊藤君のお姉さん、何のオーディションを受けたの?」「来年公開される映画の、ヒロインを選ぶオーディションなんだって」
私は、志望校のAO入試を受けようと思っています。
本学への進学を希望される場合は、まず、日本留学試験を受けてください。
入居審査を受けるために必要な書類は、不動産会社によって異なります。
コロケーション
<こと>を受ける
試験、オーディション、面接、審査、検定
<様態>受ける
必ず、まず、絶対(に)、たぶん、きっと
解説
語義4は語義3と、人が、自身に関する何らかの状況を確認するために、他者からの働きかけとしての事柄に対応することを表す点で共通している。なおその「事柄」に関して、語義4では通常、「入試」、「オーディション」など、いずれも、ある人自身がその必要性を感じて、あるいは望んで取り組む事柄である。(これに対し、語義3では、「車検」のように主にある人自身の意志で行う事柄である場合と、「取り調べ」や「検閲」のように実施者としての他者の意志である人に強制的に行わせる事柄である場合とがある。)
誤用解説
入学試験、司法試験など、何らかの試験に取り組むケースでは、「受ける」を類義表現である「受験する」に置き換えることができる。ただし、「オーディション」、「面接」など、何らかの審査に取り組むケースでは通常、「受験する」を用いない。
 姉がオーディションを受験した
 姉がオーディションを受けた
 姉がマンションの入居審査を受験した
 姉がマンションの入居審査を受けた
類義語・反義語
類義語受験する
反義語


5.受験他動詞初級★★★
表記受ける
人が、ある組織に所属することを目的として、その組織によって実施される試験や審査に取り組む。
文型
<人>が<組織>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
小川さんは、都内のある国立大学を受けた
私も絶対に、両親の母校を受けたいと思っています。
親が子どもに、難関校を無理矢理受けさせるのは望ましくない。
「鈴木君が医学部を受けるなんて、思いもしなかったよ」「そうだよね。てっきり、農学部に入りたいんだと思ってたよ」
彼女が第一志望の高校を受けよう受けまいが、私には関係のないことだ。
彼女は大学に入学したときから、マスコミ関係の有名企業を受けようと強く思っていたそうです。
コロケーション
<組織>を受ける
大学、高校、志望校、医学部、会社
<様態>受ける
必ず、まず、絶対(に)、たぶん、きっと
解説
語義4では、人がある組織が実施する試験や審査に取り組むことを表す場合、「志望校の入試を受ける」、「有名企業の面接を受ける」のように、「AのBを受ける」という形が用いられる。このとき、Aは組織を表す名詞(句)、Bは試験や審査を表す名詞(句)である。これに対し、語義5では、「志望校を受ける」、「有名企業を受ける」のように、「Aを受ける」という形が用いられ、Bは言語化されない。したがって、試験や審査を表す名詞を必須項とする語義4に比べて、組織を必須項とする語義5では、「ある組織に所属することを目的とした(試験や審査への)取り組み」という特徴がより焦点化される。
誤用解説
語義5では語義4と異なり、通常、試験や審査を表す名詞(句)は必須項とならない。
 小川さんは、国立大学を入試を受けた。
 小川さんは、国立大学を受けた。
 小川さんは、国立大学の入試を受けた。
類義語・反義語
類義語受験する
反義語


6.他者からの評価他動詞中級★★
表記受ける
人・その他の動物・もの・組織が、他者(人・組織)から何らかの評価や判断を与えられる。
文型
<人・動物・もの・組織>が<人・組織>から(の)[の・に]<評価・判断>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
中川先生は、学生から高い評価を受けた
「あの男の人、さっきからずっと、周りの人たちから冷たい視線を受けてるね」「本人は、それに全然気付いてないみたいだけどね」
自動車の点検整備や車検は、必ず国から許可を受けた整備工場で行ってください。
人々からの尊敬は本来、受けようと思って受けられるものではない。
ここは、多くの方々からの敬意と憧れを受ける伝統校です。
かわいそうなことにその男性は、警察からあらぬ疑いを受けてしまいました。
コロケーション
<評価・判断>を受ける
評価、許可、尊敬、疑い、嫉妬
<様態>受ける
すでに、ずっと、きっと、必ず、恐らく
解説
語義6は語義2と、ある人・組織に対して他者から何らかの働きかけがなされるという点で共通している。ただしこの働きかけが、語義2では「相談」、「注文」、「誘い」など、主に言語を用いた行為であるのに対し、語義6では「許可」、「尊敬」、「疑い」など、評価や判断に関する事柄である。なお、語義2では例えば「太郎は、花子の誘いを受けた」、「太郎は、花子の誘いを受けることに決めた」という例のように、「受ける」によって、人が他者からの働きかけを踏まえて何らかの対応・対処(「誘いを受ける」では、「誘い」の承諾)を表す場合がある。一方、語義6ではあくまで「受ける」によって、人が他者から働きかけられることのみが表され、通常、働きかけを踏まえた何らかの対応・対処までは表さない。(したがって、例えば「男は周囲から冷たい視線を受けたが、全くそれに気付かなかった」という例のように、人が他者から何らかの働きかけをなされたにも関わらず、そのことを認識していない場合もある。)
誤用解説
他者による働きかけ(としての評価・判断)という特徴をより焦点化する場合、「受ける」を「される」に置き換えることができる。ただし、「<評価・判断>を受ける」という場合の「<評価・判断>」を表す名詞が、サ変動詞(~する)の語幹となる場合のみ、「受ける」を「される」に置き換え可能である。
 男は、警察からあらぬ疑いをされた。
 その俳優は、多くの女性からの憧れをされた。
 先生は、学生から評価(を)された。
 市長は多くの市民から尊敬(を)された。
類義語・反義語
類義語与えられる、向けられる
反義語


7.教育・指導・助言他動詞初級★★★
表記受ける
人・その他の動物・組織が、他者(人・組織)から、成長や改善に資する何らかの言動を提示される。
文型
<人・動物・組織>が<人・組織>から(の)[の・に]<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
木下さんは、カナダで大学の授業を受けた
浅野さんは学生時代に、中川先生から丁寧な指導を受けて、何とか卒業論文を書き上げた。
警察犬や麻薬捜査犬は、訓練士からの大変厳しい訓練を受けているそうです。
「最近、ドラッグストアに置いてある薬の種類がものすごく多いよね」「そうですね。ですから、薬剤師さんにアドバイスを受けないと、自分に合った安全で有効な薬を選ぶのも難しいですよね」
村は、専門家の助言を受けながら、本格的な過疎対策を進めている。
日本国憲法第26条には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とあります。
コロケーション
<人・組織>から[に]受ける・<人・組織>の[からの](<こと>を)受ける
先生、専門家、上司、友達、大学
<こと>を受ける
教育、指導、訓練、助言、授業、講義
<様態>受ける
すでに、しっかり、さらに、特に、必ず
非共起例
<人・組織>から[に]受ける・<人・組織>の[からの](<こと>を)受ける
 兄は大学から教育を受けた。
 兄は大学からの教育を受けた。
 兄は大学教育を受けた。
 兄は大学教育を受けた。
 兄は大学教育を受けた。
 兄は大学での教育を受けた。
「教育[授業・講義]を受ける」という形式と「大学」、「高校」など組織(学校)を表す名詞が共起する場合には、通常、組織(学校)を表す名詞には「から」、「からの」、「に」は後続しない。
解説
語義7は語義2と、人・組織に対して他者(人・組織)から何らかの働きかけがなされるという点で共通している。この「働きかけ」が語義2では、「相談」、「注文」、「誘い」など、主に言語を用いた行為であり、通常、ある人・組織の意志に関わらず提示されるものである。これに対し語義7では、「教育」、「指導」、「訓練」、「アドバイス」、「助言」、「授業」、「講義」など、ある人・組織の成長や改善に資する何らかの言動であり、主にある人・組織の意志(要望)や、ある人・組織にとっての必要性を踏まえて他者から提示されるものである。
類義語・反義語
類義語与えられる
反義語


8.継承他動詞上級
表記受ける
人・その他の動物・組織が、その人・動物・組織と深い関わりのある他者(人・動物・組織)に関する何らかの事物を引き継ぐ。
文型
<人・動物・組織>が<人・動物>の<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
兄は、父の仕事の跡を受けた
かつてこの地は、藤原氏の血筋を受けた豪族によって支配されていたそうです。
サラブレッドの血筋を受けているのは、この馬である。
「山本さんの演奏、震えるほど素晴らしいね」「彼女の家系は、代々音楽家の血を受けてるらしいよ」
部長になったからには、前任者の意を受けて社内改革をより一層推進したいと考えています。
坂井さんは、上野前社長の後を受け、新社長に就任することになった。
コロケーション
<こと>を受ける
跡、後、血、血筋、意
<様態>受ける
ついに、やっと、ずっと、きっと、恐らく
非共起例
<こと>を受ける
 江口さんは、父親の仕事を受けた。
 江口さんは、父親を受けた。
 江口さんは、父親の仕事の跡を受けた。
 江口さんは、父親の跡を受けた。
人が何らかの業務、家業などを他者から引き継ぐ際には、「<人>の<こと>の跡(後)」あるいは「<人>の跡(後)」というヲ格名詞を用いる。
<こと>を受ける
 小田さんは、亡き父の財産を受けた
 小田さんは、亡き父の財産を継いだ
 小田さんは、亡き父の財産を受け継いだ
 小田さんは、亡き父の財産を引き継いだ
財産や遺産など、人が具体物(金品)を他者から継承する場合には、通常、「受ける」ではなく「継ぐ」、「受け継ぐ」、「引き継ぐ」などを用いる。
解説
語義8は語義2と、人や組織が、他者(人や組織)から何らかの事物を与えられるという点で共通している。ただし、語義2では「他者」はどのような人や組織であっても良いのに対し、語義8では、血縁関係を有する(ある人や動物よりも上の世代の)人や動物、あるいは(新任者にとっての)前任者など、何らかの点で深い関わりのある他者に限定される。また、語義2では他者から与えられる事柄は、「相談」、「注文」、「誘い」など、ある人・組織の意志に関わらず、他者の意志に基づいて提示されるものである。一方語義8では、「血」、「血筋」のように、ある人・動物の意志にも、他者(血縁関係を有する上の世代の人・動物)の意志にも関わらず、ある人・動物に本来的(先天的)に引き継がれ、備わっているものである場合がある。一方語義8の中でも、「跡(後)」、「意」などは、ある人・組織の意志や他者(人・組織)の意志に基づいて引き継がれる場合と、他者の意志には基づかないがある人自身・組織自体の意志に基づいて引き継がれる場合とがある。前者は例えば、「父親の希望通り、彼は父親の仕事の跡を受けた」というケース、後者は例えば「父親が望んでいたわけではないが、彼は自らの意志で、父親の仕事の跡を受けた」というケースである。
類義語・反義語
類義語継ぐ、受け継ぐ、引き継ぐ
反義語


9.具体物への作用他動詞初級★★★
表記受ける
人や動物(の身体全体あるいは一部)・もの・場所が、他者(人・組織・出来事)から物理的な作用を与えられる。
文型
<人・もの・場所>が<人・組織・こと>から(の)[の・によって]<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
三重県全域が、台風の被害を受けた
ボクサーは、相手の選手から激しいパンチを受けて倒れ込んでしまった。
よりによって、どうして彼が、兵士からの銃撃を受けなければならなかったのだろうか。
干ばつや水害で、手塩にかけて育てた農作物が大きなダメージを受けました
「ここのところずっと、歯が痛いんだよね」「それなら、早く歯医者さんの治療を受けた方がいいよ」
たとえ手術を受けても、祖母の病気はもう完治はしないかもしれません。
stairs10月の台風で多くの畑が被害を受けたのが原因です。
コロケーション
<こと>を受ける
被害、攻撃、ダメージ、治療、手術
<人・組織・こと>から[によって]受ける・<人・組織・こと>の[からの](<こと>を)受ける
敵、兵士、台風、水害、医師
<様態>受ける
すでに、さらに、やはり、必ず、かなり
解説
語義9は語義1と、ある存在が、他者からの物理的な影響を与えられるという点で共通している。ただし、語義1では物理的な影響を与えられる存在が人であるのに対し、語義9では人や動物(の身体全体あるいは一部)、もの、場所である。また、語義1では「物理的な影響」が、人が移動物を支え止めることである。これに対し語義9では、「被害」、「攻撃」、「ダメージ」などの好ましくない作用を与えられるケースと、「治療」、「手術」などの好ましい作用を与えられるケースがある。(なお、「ダメージ」というヲ格名詞は、物理的な作用としての意味と、精神的な作用としての意味をもつため、語義9においても語義10においても用いることができる。)
誤用解説
語義9では、ヲ格名詞が「攻撃」のような何らかの行為を表す名詞である場合に限り、「受ける」を「される」に置き換えることができる。(「する」の受身形である「される」を用いる場合、「受ける」に比べて他者の働きかけという特徴が焦点化される。)
 農作物が台風の被害をされる
 農作物が水害によってダメージをされた
 兵士が敵から攻撃(を)された
類義語・反義語
類義語される
反義語


10.精神・価値への作用他動詞初級★★★
表記受ける
人・組織・事物・場所が、他者(人・組織・事物・場所)から精神や価値に関する作用を与えられる。
文型
<人・組織・もの・こと・場所>が<人・組織・もの・こと・場所>から(の)[の・に]<こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼女は、度重なる失敗に、深くショックを受けた
山田さんは、偶然見かけた絵の素晴らしさに強い感銘を受けました
古来より日本は、中国の文化に大きな影響を受けてきた
「昨日初めて石川さんに会ったんだけど、なんとなく、冷たい印象を受けちゃって」「それは意外だな。石川さん、普段からとても優しくて暖かい方なのに」
久々に会った友人は容姿が激変していて、私は大きな衝撃を受けてしまった。
先月聴いた研究発表からは、期待していたほどの良い刺激は受けられなかった
stairsじゃあ彼女、相当ショックを受けているんじゃない?
コロケーション
<こと>を受ける
ショック、感銘、影響、印象、衝撃、悲しみ
<様態>受ける
きっと、必ず、強く、深く、かなり
非共起例
<こと>を受ける
 彼は祖母の死に、深い悲しさを受けた。
 彼は祖母の死に、深い悲しみを受けた。
語義10のヲ格名詞が形容詞由来の名詞である場合、「悲しみ」、「苦しみ」など接尾辞の「み」を伴った形が用いられ、「さ」を伴った形は用いられない。
解説
語義10は語義9と、ある存在が他者(他の存在)から何らかの作用を与えられるという点で共通している。ただし語義9では、作用を与えられる存在は人や動物(の身体全体あるいは一部)・もの・場所であるのに対し、語義10では人・組織・事物・場所である。また、語義9では「攻撃」、「(台風の)被害」、「治療」など物理的な作用であるのに対して、語義10では「ショック」、「感銘」、「印象」、「(中国の文化の)影響」など精神や価値に関する作用である。
類義語・反義語
類義語与えられる
反義語


11.好評自動詞中級★★
表記受ける
人や事物が、他者(主に複数の人)からの人気や好感を得る。
文型
<人・もの・こと>が<人>に受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あの俳優は、若い世代に受けている
この店では、70代以上の方々に受けるような演歌や歌謡曲のレコードが多数取り揃えられているそうです。
我が局で制作している最近のドラマは、若者になかなか受けない
「小中学生に受けるような怪談、教えてくれないかな?」「それはなかなか難しいなあ・・・」
この映画は、きっと大衆に受けるとは思うのですが、私は正直言って好きではありません。
昨日家族で行ったお店ではいつも、老若男女全てに受ける料理を提供してもらえる。
コロケーション
<人・もの・こと>が受ける
俳優、音楽、ドラマ、小説、料理
<人>に受ける
若い世代、高齢者、子ども、大衆、皆
<様態>受ける
特に、必ず、きっと、恐らく、とても
解説
語義11は語義10と、人や事物に対して、他者から精神や価値(判断)に関する何らかの影響が与えられるという点で共通している。ただし、語義10では「他者」が人・組織・事物・場所であるのに対し、語義11では(主に複数の)人に限定される。また、語義10では「精神や価値(判断)に関する何らかの影響」は、「ショック、感銘、影響、印象、衝撃、悲しみ」など多様であり、これらはヲ格名詞で表される。これに対して、語義11では人気や好感に限定され、ヲ格名詞では言語化されない。(ヲ格名詞は、語義11の必須項ではない。)また、例えば精神的な影響という点に関して語義10と語義11を比較すると、まず語義10で「彼がその話にショックを受けた」という場合、ガ格名詞で表される「彼」自身が、ニ格名詞で表される「その話」によって、ヲ格名詞で表される「ショック」という感情を抱くということが表される。これに対し、語義11で「その俳優が大衆に受けた」という場合、ガ格名詞で表される「(その)俳優」自身が何らかの感情を抱くわけではなく、「(その)俳優」に対して、ニ格名詞で表される「大衆」が好感を抱くということが表される。(そして、好感という感情は「受ける」という動詞そのものによって表されるため、ヲ格名詞などの形では言語化されない。)
誤用解説
語義11では、ヲ格名詞は「受ける」と共起しない。
 この映画が大衆を受けた。
 大衆がこの映画を受けた。
 この映画が大衆に受けた。
類義語・反義語
類義語受け入れられる
反義語


12.笑える感情自動詞中級★★
表記うける・ウケる
人が、他者(人・事物)の滑稽な様子によって、笑える(ような感情を抱く)。
文型
<人>がうける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
テレビでコントを見ていた弟が、ネタの途中でものすごくウケた
「佐藤君、どうしてあんなにうけてるの?」「田中君の強烈な変顔が、ツボにはまったんじゃない?」
長年漫才を続けてきた身としては、客を何とかウケさせたいが、いつもすべってしまう。
田中先生はいつも講演で、本人の意図とは別の部分でうけてしまいます。
「ちょっとその髪型、ウケるんだけど!」「失礼なこと言わないでよ!」
これから山田君が、皆さんが一瞬でウケる一発芸を披露してくれます。
stairs最近やっと自分の話がうけるようになりました。
コロケーション
<人・こと・もの>で[に]うける
ネタ、ギャグ、漫画、顔、髪型
<様態>うける
すごく、かなり、だいぶ、ちょっと、たぶん
解説
語義12は語義10と、人が他者(人・事物)によって何らかの感情・心情を抱くという点で共通している。ただし、語義10ではその感情・心情が「ショック」、「感銘」、「悲しみ」など多様であるのに対し、語義12では、滑稽であり笑えるという感情に限定される。また、語義10では感情・心情がヲ格名詞で、それらの感情・心情の原因・理由となる他者がニ格名詞によって表されるが、語義12ではヲ格名詞、ニ格名詞は共起しない。なお、語義12は特に若い世代を中心にして、口頭でのコミュニケーションをはじめとした砕けた文脈で用いられる語義である。(実際に声を出して笑えるというケースと、声に出さずとも心の中に、笑えるほどの感情を抱くというケースがある。)
誤用解説
語義12では「うける(ウケる)」が、人が、他者(人・事物)の滑稽な様子によって笑える(ような感情を抱く)場合に用いられるため、知的な面白さをはじめとして、興味をそそられ心を引かれるような場合には「うける(ウケる)」を用いることはできない。
 新たな仕事は、とてもウケる
 森田先生による言語学の講義は、とてもウケる
 新たな仕事は、とても面白い
 森田先生による言語学の講義は、とても面白い[興味深い]
類義語・反義語
類義語笑える、笑う
反義語すべる


13.好ましい事物の入手他動詞中級★★
表記受ける
人・組織が他者(人・組織)から、その人自身・組織自体にとって何らかの利益のある好ましい物や行為を与えられ、それに応じる。
文型
<人・組織>が<人・組織>から(の)[の]<もの・こと>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
剣道部が大学から賞を受けた
営業成績を認められた兄は、社長から金一封を受けました
「私たちが受けられる介護サービスには、どのようなものがあるのでしょうか?」「大きく分けて在宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの3つがあります」
かつて私の国では、日本から資金と技術の援助を受けて、工業を発展させました。
母の会社は銀行からの支援を受けられなくなり、事業計画の一時的な凍結を決めたそうだ。
今回の作品の出来栄えに全く納得がいっていないので、賞状や賞金を受けても全く晴れやかな気持ちにはなれませんでした。
コロケーション
<もの>を受ける
賞状、賞金、金一封、資金、(支援)物資
<こと>を受ける
表彰、サービス、援助、支援、提供
<様態>受ける
すでに、やはり、ようやく、同時に、ありがたく
解説
語義13は語義1と、人が、その人に向けられた具体性の高い存在(事物)を入手するという点で共通している。ただし、語義1ではその「具体性の高い存在」が「ボール」、「雨水」など、移動する具体物である。一方、語義13では、「賞状」、「賞金」、「(支援)物資」など、入手する人にとって好ましい具体物の場合と、「表彰」、「サービス」、「援助」など、好ましい具体的な行為の場合とがある。(語義1では、入手する移動物が、入手する人にとって好ましいものであってもそうではないものであっても良い。)
誤用解説
語義13では、ヲ格名詞が具体物である場合には「受ける」を類義語である「もらう」、「受け取る」、「取る」に置き換えられるが、行為である場合には通常、これらの類義語には置き換えられない。
 兄が表彰をもらう
 途上国が日本の援助を取る
 兄が表彰をされる
 途上国が日本に援助(を)される
類義語・反義語
類義語される、もらう、受け取る、取る
反義語断る、返す


14.生命・恩恵他動詞上級
表記受ける
人が、天・神仏・自然から、生命あるいは何らかの恩恵を授けられる。
文型
<人>が<こと・もの>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
昨年、娘がこの世に生を受けた
私たちは偶然にも、この世に命を受けました
この世に生命を受けたからには、何か生きた証を残したいものだ。
今日も、天から受けた恵みに感謝して、食事をいただきましょう。
私たちは、常に自然から恩恵を受けているということを忘れてはならない。
人は誰しも、神仏の恩恵を受けながら生きています。
コロケーション
<こと・もの>を受ける
生、(生)命、恩恵、恵み
<もの・場所>から受ける
天、神、仏、自然
<場所>に受ける
世、この世
<様態>受ける
偶然(に)、たまたま、いつも、かつて、ずっと
非共起例
<もの>を受ける
 天から(の)食料を受ける。
 天から(の)を受ける。
 天から(の)恵みを受ける。
「恵み」あるいは「恩恵」に関する具体例としての名詞(具体物を表す名詞)は、語義14のヲ格名詞にはならない。
解説
語義14は語義13と、人が他者から、その人自身にとって好ましい事物を与えられるという点で共通している。語義13では「好ましい事物」が、「賞状」、「賞金」、「支援物資」などの具体物、あるいは「援助」、「サービス」、「表彰」などの具体的な行為である。これに対し、語義14では、「生命(命)」、あるいは、人間にとって好ましいと考えられるあらゆるものを包含した(上位概念としての)「恩恵(恵み)」である。また、語義13では通常、人から人へと実際に何らかの事物の授与が行われる。これに対し語義14では「受ける」が、自然、あるいは天・神仏などの想像上の存在から、事物(生命あるいは恩恵)が人に授けられることを表している。すなわち語義14では、自然、天、神仏を擬人的に捉えているといえる。
類義語・反義語
類義語いただく、授かる、与えられる
反義語


15.光・風の接触他動詞中級★★
表記受ける
人(の身体全体あるいは一部)・もの・場所に、光あるいは風が当たる。
文型
<人・もの・場所>が<もの>を受ける
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
船が追風を受けた
帆は、風を強く受けて、大きく膨らみました。
西日を受けた辺り一面のコスモスは、実に美しかった。
「その女の子は、橋の上で何をしてたの?」「それがね、夕日を背に受けて、ただそこにじっと佇んでいたんだよ」
我が家の北側の部屋は、1日中ほとんど日を受けず、特に冬は朝から晩まで暗くて寒いのでとても困っています。
外に出ると、顔に心地よい夜風を受けました
コロケーション
<もの>を受ける
日、夕日、西日、光、追風、夜風
<場所・身体の一部>に受ける
帆、壁、背、背中、顔
<様態>受ける
ずっと、強く、しっかり、少し、もろに
解説
語義15は語義1と、ある(具体性の高い)存在が、別の(具体性の高い)存在と物理的な接触をするという点で共通している。ただし、語義1では「ある(具体性の高い)存在」が人であるのに対して、語義15では人・もの・場所である。また、「別の(具体性の高い)存在」は語義1も語義15も具体物であるが、語義1では「ボール」、「雨水」など視覚によって知覚でき、手に取ることのできる形のある物体であるのに対し、語義15では「光」、「風」など、形のない存在である。なお語義15では、「日光」、「夜風」のように自然現象としての光、風を表す名詞がヲ格名詞になるケースがある一方、「舞台でスポットライトの光を受けた」、「エアコンの冷風を受け続けて、喉が痛くなった」という例のように、人工物としての光、風を表す名詞がヲ格名詞になるケースもある。
誤用解説
語義15では、「AがBを受ける」という文型で用いられるが、この場合、文全体としてA(人・もの・場所)の有り様が表現される。一方、B(光・風)の有り様を表現する場合には、類義表現として、自動詞「当たる」を用いる。この場合、「BがAに当たる」、あるいは「AにBが当たる」という文型が用いられる。特に、「受ける」は他動詞であるが、「帆が追い風を受けて膨らむ」、「建物の壁が西日を受けた」など、光・風が自然に具体物に接触することを表す場合、類義表現としては前述のように「当たる」を用いるのが自然であり、「受ける」と同じく他動詞である「当てる」を用いて置き換えることはできない。
 帆が追い風を当てる。
 帆が追い風に当たる。
 帆に追い風が当たる。
 追い風が帆に当たる。
 建物の壁が西日を当てる。
 建物の壁が西日に当たる。
 建物の壁に西日が当たる。
 西日が建物の壁に当たる。
類義語・反義語
類義語当たる
反義語


受けるの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<もの>を受ける
空中でボールを受け,片足でしっかりとストップする。
(関岡康雄監修;笠原成元著 『バスケットボール』, 1999, )
直径三メートルほどの水車が、せせらぎのを受けて、ゆっくりとまわっていた。
(志茂田景樹著 『なんてったって孔雀警視』, 1988, 913)
<もの>に[で]受ける
大将は、酒をまず一の盃で受け、第一の肴、第二の肴と順に食べてから、二の盃、三の盃と一枚ずつ飲み干す。
(永山久夫著 『たべもの日本史』, 1998, 383)
<身体の一部>に[で]受ける
もう一度両手に水を受けて(手をくぼめて水を溜める)、口をすすぐ。
(小野迪夫著 『祝詞入門』, 1988, 176)
<こと>を受ける
先日、彼女から相談を受けて、ふと君のことを思い出した。
(内田洋子,シルヴェリオ・ピズ著 『海をゆくイタリア』, 2001, 293)
風邪による発熱に、果たして解熱剤が必要か、という質問をよく受ける。
(柳瀬義男著 『ヘボ医だから言えること』, 1992, 493)
<こと>を受ける
疑いが晴れた筈の刑務官がまた取り調べを受けた。
(坂本敏夫著 『刑務官』, 2003, 326)
糖尿病の初期には自覚症状がないことが多いため、定期的に健診を受けましょう。
(市報とおかまち「だんだん」, 2008, 新潟県)
<様態>受ける
一度、きちんと精密検査を受けた方がいいでしょう
(先間敏子著 『たくさんの愛をありがとう』, 2005, 289)
<こと>を受ける
入社後しばらくして、私は県立烏城高校定時制の編入試験を受けた。
(中元輝夫著 『雑草の記』, 2002, 366)
連絡のあった方は履歴書をお持ちの上、面接を受けてください。
(広報しんじゅく, 2008, 東京都)
<組織>を受ける
三ヶ月位勉強して関西の国立大学を受けに行きました。
(立花隆,東京大学教養学部立花隆ゼミ著 『二十歳のころ』, 2002, 281)
父親は教師であったが、教師になることを勧める父親に反発して理学部を受けた。
(竹森元彦著 『メランコリーチェア』, 2003, 371)
<評価・判断>を受ける
黒髪山は数多くの野鳥の生息地として、高い評価を受けています。
(広報有田, 2008, 佐賀県)
また、公園などで花火をする場合は、許可を受けなければなりません。
(広報そでがうら, 2008, 千葉県)
<人・組織>から[に]受ける・<人・組織>の[からの](<こと>を)受ける
予防会の寺尾殿治先生からは健康相談事業について講義を受けた。
(高島文一著 『鍼の道』, 2004, 289)
<こと>を受ける
彼女は何か正規の教育を受けましたか。
(David W.Swift編;桜井邦朋,桜井美樹訳 『宇宙人探索のパイオニアたち』, 1992, 440)
<こと>を受ける
なぜなら彦人皇子は、蘇我氏のを受けていない上に、血統から見ても仏教信者ではない。
(梅原猛著 『聖徳太子』, 1980, 288)
<こと>を受ける
被害を受けている方は一人で悩まずご相談ください。
(ねりま区報, 2008, 東京都)
<人・組織・こと>から[によって]受ける・<人・組織・こと>の[からの](<こと>を)受ける
台風の影響による大雨によって被害を受けた橋
(新しい科学 2分野下, 2005, 中)
<こと>を受ける
政夫はトットからその話を聞き、ショックを受けた。
(森照子著 『山襞に人ありて』, 2003, 913)
芸術家の両親の影響を受け独学で絵画、版画を学ぶ。
(広報きりしま, 2008, 鹿児島県)
<もの>を受ける
この大仕事を果たしたブラントは、七一年のノーベル平和賞を受けた。
(森本良男著 『冷戦・人と事件』, 1995, 319)
軍に採用されて豊富な資金を受けるためには、人びとの耳目を集める奇抜なプランによる宣伝が必要であった。
(比毛一朗著 『凧大百科』, 1997, 759)
<こと>を受ける
患者は,自分にあったもっとも適切な医療のサービスを受けることがたいせつです。
(現代保健体育, 2006, 高)
小学生未満から中学生までの男子の部・女子の部合計10クラスの入賞者が表彰を受けました。
(広報ずし, 2008, 神奈川県)
<こと・もの>を受ける
人は、身ひとつでを受け、自分ひとりでは何をすることもできません。
(大谷光真著 『朝には紅顔ありて』, 2003, 188)
この自然の恵みを受けられるのは、先人たちが長年、自然を大切に守ってきてくれたおかげです。
(広報きりしま, 2008, 鹿児島県)
<場所>に受ける
初冬の乾いた厳しい寒さの中でこの世に生を受けた。
(尾崎健一著 『天国の豊よ、思い出ありがとう』, 1994, 767)
<もの>を受ける
月のを受けて、積もった雪が燐光のように蒼く闇の中に浮かび上がっている。
(桑原水菜著 『真皓き残響』, 2002, 913)
くすぶっていた薪がを受けて不意に燃え立ったようだった。
(山本音也著 『抱き桜』, 2005, 913)
<場所・身体の一部>に受ける
そして、きらきら輝く光をに受けて、川辺に沿って上流へ向かって歩き出した。
(及川征志郎著 『縄文の風』, 2001, 913)






























10月の台風で多くの畑が被害を受けたのが原因です。
じゃあ彼女、相当ショックを受けているんじゃない?
最近やっと自分の話がうけるようになりました。
真に受ける

意味
人が、他人の発話内容に関して、言葉通りに理解・認識し、本当のことであると捉える。
用例
澤口さんはいつも冗談を真に受けるので、最近では彼女に対して冗談を言うのがためらわれる。
コーパスからの用例
これは想像も交じえて言っているので、あまり真に受けないようにしてください。(橋爪大三郎著 『アメリカの行動原理』, 2005, 302)
複合動詞 V1

受け入れる、受け継ぐ、受け付ける、受け伝える、受け止める、受け取る、受け流す、受け持つ、受け渡す
複合動詞 V2

買い受ける、借り受ける、引き受ける、待ち受ける、もらい受ける、譲り受ける
複合名詞

受け入れ、受け継ぎ、受付、受け皿、受け手、受け身、受け口、受け答え、受け渡し、受け売り、受け取り、受け流し、受け持ち
受ける(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
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ない形ない
~なかったなかった
ます形うけ
~ませんうけま
~ましたうけした
~ませんでしたうけまんでした
~ときるとき
ば形れば
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て形けて
た形けた
可能形うけらる (うける)
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