動かすのコアイメージ

1.人・動物による位置変化他動詞初級★★★
表記動かす
人・動物などが、もの・人(の全体あるいはその一部)の位置を変える。
文型
<人・動物>が<もの・身体・場所>を動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
父は、テーブルを少しだけ横に動かした
「井上さん、この机と椅子を窓際へ動かしてくれませんか?」「はい、分かりました」
冷えを解消するためには、手足をしっかり動かす必要がある。
その犬は、怪我をした両足を何とか前に動かそうとしていた。
駐車の際は、ハンドルを左右に動かさずにゆっくりバックし、壁に当たらないところで車を停めましょう。
矯正歯科では、歯の位置を動かし、歯並びや噛み合わせを改善する治療を行っています。
コロケーション
<もの>を動かす
机、椅子、レバー、マウス、カーソル
<身体>を動かす
体、手、足、指、肩、目
<場所>を動かす
位置、場所、部分、中心部、部位
<場所>から動かす
右、そこ、上、下、(元の)位置
<場所>に動かす
左右、上下、(反対の)方向、前後、前
<場所>へ動かす
(逆の)方向、左、(前の)ほう、下、前方
<様態>動かす
少し、ゆっくり、ちょっと、さらに、しっかり
非共起例
<場所>へ動かす
 肩を上下動かす。
 肩を上下動かす。
 体を前後動かす。
 体を前後動かす。
一方向的(一回的)な位置変化ではなく、複数方向への(継続的・反復的な)位置変化の場合、場所(可動領域)を表す名詞(「上下」、「左右」、「前後」など)には「へ」ではなく「に」が後続する。
解説
語義1では「動かす」が、人や動物が(主に自らの意志で)ものや身体の全体あるいは一部の位置を変えることを表す。「動かす」の最も基本的な意味である。語義1では、「テーブルを横に動かす」のように一方向的(一回的)な位置の変化の場合もあれば、「肩を上下に動かす」のように複数方向への(継続的・反復的な)位置の変化の場合もある。なお、「手足を動かす」、「肩を動かす」のように位置を変える対象が身体の一部である場合、通常、それは位置を変える人自身の部位である。
類義語・反義語
類義語移す
反義語止める、留める


2.活動他動詞初級★★★
表記動かす
自然・ものの力が、もの・身体(の全体あるいはその一部)の位置を変える。
文型
<自然・もの>が<もの>を動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
そよ風が木の葉を動かした
「筋肉の動きは、どんな仕組みで生じるんですか?」「簡単に言えば、脳からの電気信号が、筋肉をぴくぴくと動かしているんです」
電力のみならず、油圧、空圧などのエネルギーも、産業用ロボットのアームを自在に動かせるのである。
八重山・宮古諸島を襲った津波は、巨大な岩を動かしてしまうほどだった。
風力と電力が、この風車の羽根をくるくると動かしているのです。
眼球は、3対の筋肉によって上下左右に動かされる
コロケーション
<自然>が動かす
風、そよ風、波、水、太陽光
<もの>が動かす
電気信号、風力、電力、筋肉、エネルギー
<もの・身体>を動かす
葉、岩、筋肉、羽根、眼球
<様態>動かす
少し、ゆっくり、さらに、しっかり、わずかに
解説
語義1と語義2は、ある存在(主体)が、ものや身体(対象)の位置を変えるという点で共通している。但し、ある存在(主体)は、語義1では人・動物などであるのに対し、語義2では自然・ものの力である。関連して、語義1では主体が自らの意志によって対象の位置を変えるのに対して、語義2では自らの意志に基づくものではない。なお、ある存在(主体)が擬人的に捉えられる場合には、「動かそう(とした)」という形(意向形)が用いられることもある。
誤用解説
「風力が風車の羽根を動かす」等では、主体である「風力」は対象を活動させるための手段として位置づけることも可能であり、この場合助詞の「が」を「で」あるいは「によって」に置き換えることができる。しかし、「そよ風が木の葉を動かす」のように主体が(偶然的に生じるような)自然現象の場合、対象を活動させるための手段として位置づけることはできないため、「が」を「で」あるいは「によって」に置き換えることはできない。
 風力によって風車の羽根を動かす。
 風力風車の羽根を動かす。
 そよ風で[によって]木の葉を動かす。
 そよ風木の葉を動かす。
類義語・反義語
類義語
反義語止める


3.人・組織による機能化他動詞初級★★★
表記動かす
人・組織などが、もの・場所・物事を機能させる。
文型
<人・組織>が<もの・場所・こと>を動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
山田さんがトラックを動かす
将来、金融関係の仕事に就いて、大きなお金を動かしたい
兄は免許を取得していないので、今はまだ工事現場で建設機械を動かせないらしい。
鉄道会社がそのシステムを正確に動かし続けるためには、社員の信頼関係とチームワークが欠かせない。
「経営者は常に、自社がどれだけの現金を動かせるのかを把握しておかなければなりません」「はい、肝に銘じます」
我が社では、20代から30代の若手技術者が何人も、責任ある立場で各国にあるそれぞれの工場を動かしている
コロケーション
<もの>を動かす
トラック、列車、機械、お金、株
<場所>を動かす
工場、原発、施設、処理場、工場
<こと>を動かす
システム、プログラム、金利、相場、プロジェクト
<様態>動かす
実際(に)、徐々に、同時に、さらに、しっかり
非共起例
<もの>を動かす
 兄が木の葉を動かす。
 兄がを動かす。
 兄が機械を動かす。
 兄が鉄道を動かす。
語義3では、<もの>は、その主要な機能を人間が意図的に作り出したもの(人工物)に限られる。
<こと>を動かす
 山田さんが地震を動かす。
 山田さんが(自分の)心拍を動かす。
 山田さんがシステムを動かす。
 山田さんがプロジェクトを動かす。
語義3では、<こと>は、その主要な機能を人間が意図的に作り出した事柄(しくみ)に限られる。
解説
語義3は語義1と、主体が対象の何らかの具体的・物理的な変化を生じさせるという点で共通している。但し、語義1では「主体」が主に人・動物であるのに対して、語義3では主に人・組織である。また、語義1では「対象」がもの・人であるのに対して、語義3ではもの・場所・物事(しくみ)である。さらに、語義1では「変化」が対象の位置変化であるのに対して、語義3では対象の(主要な)機能を発揮させることである。
類義語・反義語
類義語運用する
反義語


4.もの・ことによる機能化他動詞中級★★
表記動かす
もの・物事が、もの・場所・物事を機能させる。
文型
<もの・こと>が<もの・場所・こと>を機能させる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
電力がモーターを動かします
クォーツ式腕時計を動かす力は当初、機械式腕時計に比べて弱かった。
人工的な脳からの指令が、このロボットを動かしている
山崎さんは、コンピューターを適切に動かすプログラムの作成に従事している。
この施設の全てのシステムは、コンピューターによって常に正確に動かされています
バナナは吸収が良く、1本食べただけでも、そこに含まれる様々な栄養素が身体を動かすエネルギーになってくれます。
コロケーション
<もの>が動かす
コンピューター、栄養素、電気、脳、神経
<こと>が動かす
指令、電力、プログラム、力、運動
<もの>を動かす
エレベーター、コンピューター、パソコン、時計、電車
<場所>を動かす
工場、原発、施設、処理場、工場
<こと>を動かす
システム、プログラム、アプリケーション
<様態>動かす
しっかり、きちんと、確実に、正確に、適切に
非共起例
<様態>動かす
 様々な栄養素が、身体を前後に動かす
 様々な栄養素が、身体を動かす
語義4は、主体が対象を機能させる(対象の主要な機能を発揮させる)ことを表す。対象が具体物であっても、位置変化に焦点が当てられているわけではないので、通常語義4では、位置(可動領域)を表す副詞(的表現)を共起させることはできない。
解説
語義4は語義3と、主体がもの・場所・物事の主要な機能を発揮させるという点で共通している。但し、語義3では「主体」が人・組織などであるのに対して、語義4ではもの・物事である。


5.人の属性の変化他動詞中級★★
表記動かす
人・組織が、人の所属を変える。
文型
<人・組織>が<人>を<所属>に[へ]動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
早坂社長は、坪井氏を庶務課に動かした
「うちの会社、200人の若手社員を子会社に動かそうとしているらしいんだけど、知ってた?」「え、そんな話、初耳だよ」
上司の好き嫌いで、部下をその部署に留めたり、他の部署に動かしたりするなんて、もってのほかです。
店長は、私を支店へ動かしたいと考えているのだろう。
遠藤さんを教務課から学生課に動かしたら、教務課は回らなくなってしまいます。
山野会長は斎藤部長に指示して、杉本氏を本社に動かさせたようだ。
stairs今の案件が片付くまでは君を動かせないんだよ。
コロケーション
<人>を動かす
伊東氏、社員、部下、私、彼
<所属>に[へ]動かす
庶務課、教務課、部署、子会社、支店
<所属>から動かす
人事課、経理課、部署、本社、本店
解説
語義5は語義1と、主体が対象の在り方を変化させるという点で共通している。但し、語義1では「主体」が人・動物などであるのに対して、語義5では人・組織である。また、語義1では「対象」がもの・人であるのに対して、語義5では人に限定される。加えて、語義1では「対象の在り方の変化」が(対象が存在する)位置の変化であるのに対して、語義5では(対象の)所属の変更である。
誤用解説
人が、ある人の地位・役職・肩書を変える場合には、「動かす」は用いることができない。この場合、「降格させる」、「昇格させる」、「する」等を用いる。
 社長は鈴木氏を係長に動かした
 社長は鈴木氏を係長に降格させた
 社長は鈴木氏を係長に昇格させた
 社長は鈴木氏を係長にした
類義語・反義語
類義語異動させる
反義語留める


6.行動他動詞中級★★
表記動かす
人・人の行動が、人・組織(のある成員)に何らかの行動をさせる。
文型
<人・こと>が<人・組織>を動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
庶務課では、いつも上司が部下をうまく動かしている
大統領は、ついに軍を動かすことを決めた。
長きに渡る住民運動が県を動かし、新たな条例が制定されることとなりました。
「いつでも思いのままに他人を動かせると思うなよ」「失礼な。そんなこと考えたこともないよ」
経営者を目指すからには、人や組織をどう動かせば良いのか、真剣に考えなければなりません。
今回の件は、大衆の抗議行動によって、政府が動かされた事例だと言えるだろう。
コロケーション
<こと>が動かす
住民運動、思い、行動、訴え、熱意
<組織>を動かす
軍、国、政府、県、会社
<様態>動かす
ついに、ようやく、やっと、何とか、大きく
解説
語義6は語義1と、主体が対象に何らかの具体的な変化(動き)を生じさせるという点で共通している。但し、語義1では「主体」が人・動物であるのに対して、語義6では人あるいは人の行動(対象への働きかけ)である。また、語義1では「対象」がもの・人であるのに対して、語義6では人・組織(の成員)である。加えて、語義1では「具体的な変化」が(対象の)位置変化であるのに対して、語義6では(対象が)何らかの行動を起こすことである。なお、語義6における「対象」が組織である場合、実際にはその組織に属するある成員、すなわち、何らかの行動を起こす主体となる人(々)を指す。例えば「大統領が軍を動かす」という場合には、「軍」に属する兵士である。また、「抗議行動が国を動かす」という場合には、その「国」における為政者やその他の政治家である。
誤用解説
語義6において、主体が働きかける対象が自治体や組織(例えば「県」や「政府」)である場合には、「動かす」を「管理する」や「支配する」に置き換えをすると不自然である。このような場合、「動かす」は、主体が対象に、何らかの新たな行動を起こさせることを表す。(なお、対象が一人あるいは複数の人である場合には、「管理する」や「支配する」への置き換えが可能である。)
 住民たちが県を管理した
 人々の抗議行動が国を支配する
 上司が部下を管理した
 大統領が軍を支配する


7.物事の状態変化他動詞中級★★
表記動かす
人・人の行動が、物事の状態を変える。
文型
<人・こと>が<こと>を動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
裁判官が、結論を動かした
世論は、容易には動かせません
「絶対に、あいつが犯人だ」「それほどまでに断言するということは、何か動かしがたい証拠を握っているということですか?」
徳川家康は、歴史を動かした人物と言っても過言ではないだろう。
彼女らの行動がのちに、世の中を動かすこととなりました。
市民運動が社会を動かせるとは限らない。
コロケーション
<こと>が動かす
行動、運動、思い、取り組み、働きかけ
<こと>を動かす
結論、世論、証拠、歴史、社会、相場
<様態>動かす
常に、容易に、大きく、思い通り(に)、再び
解説
語義7は語義6と、人あるいは人の行動が、対象に何らかの変化をもたらすという点で共通している。但し、語義6では「対象」が人・組織(の成員)であるのに対し、語義7では物事である。また、語義6では「何らかの変化」が(対象が)行動を起こすことであるのに対し、語義7では(対象の)状態変化である。なお、ここでの「状態変化」とはすなわち、(対象となる)物事の在り方の変化である。そして、ここでの「物事」は、例えば「結論」、「証拠」のように人が導き出したり(見出したり)生じさせたりする事柄である場合や、「歴史」、「社会」、「時代」のように人を取り巻く事柄である場合が挙げられる。
誤用解説
語義7の「動かす」と「変える」は類義的な関係にある。「変える」は物事の変化全般を表すのに対し、「動かす」は、ある物事に関しての変動がない(安定あるいは一定した)状態からの(相対的に大きな)変化に焦点が当てられる。通常、短期間での複数回の変化に関しては、「動かす」を用いると不自然である。
 彼はいつも、結論をころころ動かす
 彼はいつも、結論をころころ変える
類義語・反義語
類義語変える
反義語


8.心情の変化他動詞中級★★
表記動かす
物・物事が、人の心情(あるいはそれに伴う表情)を変える。
文型
<もの・こと>が<人・心情>を動かす・<人>が[は]<もの・こと>に<心情・表情>を動かす
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
大統領の演説は、民衆を動かしました
近年稀に見る名画によって、多くの人々の心は強く動かされました
「佐藤君の行為が、たくさんの人の気持ちを動かしたんだよ」「大したことをしたわけじゃないし、何だか気恥ずかしいです」
姉は、何とか恋人の心を動かそうと、必死に語りかけたそうです。
和田さんは、少々のことで気持ちを動かすような人ではない。
先生が熱心に語りかけても、加賀さんは表情を全く動かさなかった
コロケーション
<もの・こと>が動かす
演説、名画、絵、行為、言葉
<心情>を動かす
心、気持ち、感情、ハート、心情
<もの・こと>に動かす
演説、絵、行為、言葉、(少々の・そんな)こと
<表情>を動かす
表情、顔色、視線
<様態>動かす
やはり、強く、必ず、きっと、徐々に
非共起例
<表情>を動かす
 先生の言葉で、彼女は笑顔を動かした
 先生の言葉で、彼女は笑顔になった
動かす対象が<表情>である場合、「笑顔」、「曇った表情」、「暗い顔」など、具体的な表情を表す名詞(句)は「動かす」とは共起できない。
解説
語義8は語義7と、主体が対象の状態を変えるという点で共通している。但し、語義7では「主体」が人あるいは人の行動であるのに対して、語義8では具体物あるいは物事である。また、語義7では「対象の状態を変える」ことが物事の状態変化であるのに対して、語義8では人の心情の変化である。なお、語義8では(副詞等を伴わず)単に「心を動かす」、「気持ちを動かす」、「人々を動かす」等と表現する場合、通常、感動をはじめとした、心情の強い変化を表す。ところで、語義8では「動かす」が主に「XがYを動かす」という文型で用いられる。一方、心情ないし表情を変えられる人(主体)をガ格名詞(句)として明示する場合には、「人が[は]Xに[で]Yを動かす」という文型で用いられる。いずれも通常、Xは物あるいは物事、Yは心情である。また人は、心情の変化が表情の変化を伴う場合があるが、「人が[は]Xに[で]Yを動かす」という文型の場合では、Yが「表情」、「顔色」、「視線」など、表情の変化の対象を表す名詞(句)である場合もある。
類義語・反義語
類義語変える
反義語


動かすの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<もの>を動かす
マウスを動かして形を正確になぞることはまず不可能です。
(海老原一哉著;早川廣行監修 『デジタル一眼レフ写真講座』, 2003, 743)
<身体>を動かす
点滴の刺さったを、そっと動かしてみた。
(植松文江著 『十四年十回のがん手術を生き抜いて』, 2004, 916)
<場所>を動かす
担当の主任が、その机の位置を動かしたりすると、井上がすぐにまた旧に戻した。
( 『城山三郎全集』, 1980, 913)
<場所>から動かす
裏にスポンジのついた持ち手の長いワイパーをから下に動かし、水けを拭き取る。
(婦人之友, 2003, 一般)
<場所>に動かす
親指を立て、口の前を左右に動かす。
(中野善達,伊東雋祐著 『新手話を学ぼう』, 1999, 378)
<場所>へ動かす
ボールに,重いものをはやく当てれば,遠くへ動かすことができます。
(新編 新しい理科 5下, 2006, 小)
<もの・身体>を動かす
人工ペースメーカーは、パルスと呼ばれる電気刺激を発振させる医療機器で、本体を前胸部の皮下に埋め込み、ひとことでいえば心臓を機械的に動かす装置だ。
(渡辺容子著 『流さるる石のごとく』, 2003, 913)
<もの>を動かす
野間好雄とふゆは、小さな川で水車を回し、それを動力に使って機織機械を動かすさいの芯棒を削る仕事を内職にした。
(早瀬利之編著 『タイガー・モリと呼ばれた男』, 1991, 789)
<場所>を動かす
そうしますと、まずその施設を動かしてから工事に着手するというようなことになりますと、どうしてもかなり時間がかかってしまうだろう。
<こと>を動かす
メモリを意識せずに次々にアプリケーションを動かしているとメモリが不足してきて作業ができなくなったり、Windowsそのものが不安定になることがあります。
(唯野司著 『パソコンをはやくする88の方法』, 2001, 007)
<もの>が動かす
コンピュータがエンジンを動かすためになにをしているかというと、基本的には噴射するガソリンの量と点火時期を決めるだけだ。
(ベストカー編 『インプレッサWRXオーナーズマニュアル』, 2004, )
<こと>を動かす
為替ブローカーたちは、為替相場を動かす好悪の材料にアンテナを張りめぐらさねばなりません。
(泉美智子著 『調べてみようお金の動き』, 2003, 337)
<こと>が動かす
まさか、母親たちの行動が銀行まで動かすことは想像もしなかった。
(小杉健治著 『裁きの扉』, 1996, 913)
<組織>を動かす
しかし、戦争体験者を中心に、過去の記憶を未来に届けたいとする人々の意志が国や行政を動かし、ついには「祈念館」として「非在」が具現化し、「顕在化」したのである。
(石原昌家ほか著 『争点・沖縄戦の記憶』, 2002, 210)
<こと>を動かす
NGOやボランティアの活動が社会を動かす大きな力になるにつれて、その活動についてもさまざまな理論化や方向づけがなされている。
(竹沢尚一郎著 『共生の技法』, 1997, 361)
<心情>を動かす
また、そのような噂も、呉姉妹の気持を動かすことができなかったようだ。
(秋月達郎,阿部敦子,沖田峯子,狩野あざみ,武林遥,塚本青史,森下翠著 『龍よ、蒼天に舞え』, 2005, 913)
<もの・こと>に動かす
忍の熱心な説得に、松前も心を動かしたようだ。
(林葉直子著 『恋のアリバイをくずせ!』, 1989, 913)
<表情>を動かす
一瞬の動揺から立ち直った後、真裕子は可能な限り表情を動かさず、押し殺した声で、そう言ってやった。
(乃南アサ著 『晩鐘』, 2003, 913)
女は少し考え込むように視線を動かしてから聖司を見つめてそう訊いた。
(宮本輝著 『にぎやかな天地』, 2005, 913)






























今の案件が片付くまでは君を動かせないんだよ。
山を(も)動かす

意味
人(々)が懸命にある取り組みを行ったり、ひたすらある事柄を信じ続けることで、大きな成果を得ることができる。
用例
容易に乗り越えられる難局ではないですが、社員全員が協力してひたすら努力すれば、山をも動かすと思います。
コーパスからの用例
眼を開けることもひどく億劫なのである。もう少し正直にいえば、そういったことすべてが山を動かすほどの万力と意志を必要とし、第一おそろしく大儀で物憂いのだ。(立花隆著 『脳死臨調批判』, 1992, 490)
複合動詞 V1

動かし始める、動かし出す、動かし続ける、動かし終える、動かしかける、動かし過ぎる、動かしまくる
複合動詞 V2

突き動かす、揺り動かす、振り動かす
複合名詞

動かし方、動かし始め、動かしかけ、動かしよう
動かす(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形うご
ない形うごかない
~なかったうごかなかった
ます形うごかし
~ませんうごかしま
~ましたうごかしした
~ませんでしたうごかしまんでした
~ときうごすとき
ば形うごせば
意向形うごか
て形うごして
た形うごした
可能形うごか
受身形うごかさ
使役形うごかさ
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