伝えるのコアイメージ

1.刺激の伝導他動詞初級★★★
表記伝える
ものが、熱・音・揺れなどを、一方から他方に移動させる。
文型
<もの>が<刺激>を伝える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
建物の「基礎」は、建物の荷重を地盤に伝え、全体を支える役割を担う。
骨伝導方式のスピーカーでは、音は骨などを通じて聴覚神経に直接振動で伝えられる
この車の運転席のシートには、背中や脚部に温もりを伝える温熱ヒーターを内蔵している。
オートマチックトランスミッションとは、エンジンの動力を、走行状況に合った形で車輪に伝える変速装置のことだ。
心臓のペースメーカーでは、リードと呼ばれる部分が心臓の電気信号をペースメーカーに伝えている
鉄は非常に熱を伝えやすい。
コロケーション
<もの>が
もの、神経、空気、電線、壁
<刺激>を
① 熱:熱、温度
② 音:音、声、音声
③ 揺れ:動き、振動、運動
④ 力:エネルギー、動力、パワー
⑤ その他:電気、刺激、信号、シグナル、荷重、感触
<もの(刺激の到達点)>に
脳、体、細胞、建物、筋肉、タイヤ、路面
<様態>
直接、うまく、しっかり、同時に、徐々に
解説
語義1の「伝える」は、主体である<もの>が媒体となって、「音」、「熱」、「振動」などの<刺激>を一方から他方へ移動させることを表す。この意味の「伝える」の対象(「音」、「熱」、「振動」など)は境界が明確ではなく、視覚で捉えることは難しいが、物理的存在である。したがってこの移動は、一方から他方への連鎖的な、物理的移動である。
誤用解説
「熱」や「音」などと同様に、気体も境界が明確でない物理的存在であるが、気体はこの意味の「伝える」の対象にはならない。この「伝える」は、媒体となる経路を主体として、それが対象である<刺激>を一方から他方へ連続的に移動させることを表し、経路となるもの(媒体)から分離した状態で対象を移動させる場合には用いられない。したがって、例えば以下の例のように腸管内での「空気」の移動を表す場合、「空気」を「腸管」に浸透した状態で移動させることはできず、腸管の空洞部分を移動させることになる。このような場合には「伝える」ではなく「通す」を用いる。
 内視鏡検査では、腸管内に空気を伝える
 内視鏡検査では、腸管内に空気を通す


2.表現形式の伝達他動詞中級★★
表記伝える
人・組織が、表現形式を別の人・組織に到達させる。
文型
<人・組織>が<人・組織>に<表現形式>を伝える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「あなたの不適切な発言は、そのまま上司に伝えます
朝の報道番組で、衝撃的なニュースが伝えられた
「発注ミスの話は、課長に報告したの」「その話は山田に伝えさせたよ」
そのキャスターは「私たちには言葉を正確に伝える義務がある」と言った。
「伝言を彼に伝えてくれますか」「もちろんです」
テレビや新聞やインターネットでは、毎日さまざまなニュースを伝えている
コロケーション
<人・組織>が
自分、彼、先生、マスコミ、本人
<人・組織>に
人、相手、周囲、人々
<表現形式>を
話、言葉、ニュース、伝言、発言
<様態>
直接、そのまま、正しく、ようやく、やっと
解説
この意味の「伝える」は、主体があるものを一方から他方へ移動させることを表すという点では語義1と同様だが、語義2ではさらに、その移動だけでなく到達にも焦点が当たる。また語義1の対象は「振動」や「音」などの物理的存在で、その移動は物理的移動であるのに対して、語義2の対象は「言葉」や「話」などの抽象的存在であり、その移動は抽象的移動であるという点が異なる。
電話やインターネットでコミュニケーションを行う際、アナログ回線や光回線などの回線によって「信号を伝える」ことにより、音声やデータを一方から他方へ至らせる(この「伝える」は語義1である)。このような経験に基づき、我々はコミュニケーションを、ある経路に沿ったものの移動に見立てることがある。この見立てでは、言語表現は容器であり、そこに込められた意味・思考・感情などの情報は容器の内容物であり、内容物が入った容器はある経路に沿って受け手に送られ、受け手は届いた容器から中身を取り出すと考えられる。この見立てにより、「言葉を伝える」のように表現することが可能になる。この見立てに基づく表現は他に、以下のようなものがある
 言葉に意味[気持ち]が込められる
 全然言葉が通じない
 私の言葉が彼女に伝わる[届く]
 感謝の言葉を伝えたい
誤用解説
「伝える」は「広める」と似た意味を表し、複数人に表現形式を届けることを表すことができるが、その場合であっても、「広める」が一斉に(放射状に)それを拡散させることを表す一方で、「伝える」の場合は、ある人(組織)が一方の人(組織)へと「言葉」などの表現形式を到達させ、さらにその人(組織)がまた別の人(組織)へとその表現形式を到達させる、というように、一方からもう一方へ表現形式の到達が順次繰り返されて、最終的に複数人の知るところとなる。
 彼はその話を、一瞬で広めた
 彼はその話を、一瞬で伝えた
上記の例では、「一瞬で広める」の方は「話」を短時間のうちに複数人に届けることを表すが、「一瞬で伝える」は、「複数の人に一瞬で伝わった」などのように文脈の指定がない限り、複数人を想定せず、話の到達が短時間になされたことを述べるのみである。
類義語・反義語
類義語届ける(ニュースを届ける)、広める
反義語


3.情報の伝達(主体は人・組織)他動詞中級★★
表記伝える
人・組織が、情報を別の人・組織に到達させる。
文型
<人・組織>が<人・組織>に<情報>を伝える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
電話で用件を簡潔に伝える
皆さんにもよろしく伝えてください。
海外での経験を、後輩たちに伝えたい
留学したいと思っていることを、ようやく両親に伝えられた
家を建てるときは工務店にきちんと希望を伝えたほうが良い。
「真実を伝えたら、彼はどうなるかな」「傷つくかもしれないね」
コロケーション
<人・組織>が
自分、彼、先生、マスコミ、本人
<情報>を
① 発信者の思考:~旨、意思、意見、考え、希望、要望
② 発信者の感情:気持ち、思い、感動、感謝、喜び、愛、好意
③ 発信者が観察した物事:魅力、状況、真実、様子、姿、症状、雰囲気、価値、結果
④ その他:意味、情報、内容、イメージ、経験、用件
<人・組織>に
人、相手、人々、読者、国民
<手段>で
① 言葉:言葉、電話、口頭、メール、文章
② 態度:態度、しぐさ、身振り、目線
<様態>
うまく、しっかり、正しく、直接、早く、広く、ちゃんと
解説
この意味の「伝える」は、「言葉」や「話」などの表現形式を他者へ届けることを表す語義2から派生した意味である。語義2の解説で述べたように、我々はコミュニケーションを、ある経路に沿ったものの移動に見立てることがある。この見立てでは、言語表現は容器であり、そこに込められた意味・思考・感情などの情報は容器の内容物であり、内容物が入った容器はある経路に沿って受け手に送られ、受け手は届いた容器から中身を取り出すと考えられる。この見立てにより、語義2では「言葉」などの表現形式を対象として「(言葉を)伝える」と表現している。つまり、語義2の「伝える」の対象は容器としての表現形式である。一方語義3の「伝える」では、その表現形式に込められる伝達内容(<情報>)が対象としてヲ格にくる。
 私の言葉をちゃんと彼に伝えたい。(語義2)
 私の考え[言いたいこと、喜び、近況]をちゃんと彼に伝えたい。(語義3)
誤用解説
この意味の「伝える」は、その場で生起する事態を主体が音で他者に認識させるという場合には用いられない。
 審判は、ホイッスルで試合の終了を伝えた
 審判は、ホイッスルで試合の終了を告げた
 この会社は、チャイムで始業を伝えている
 この会社は、チャイムで始業を知らせている
この例では、ホイッスルやチャイムの音によって「試合の終了」や「始業」という事態が生じる。つまり、ホイッスルやチャイムは、情報を他者に到達させるための表現形式というよりは、ある事態を生起させる道具そのものである。このようなケースでは、「伝える」ではなく「知らせる」や「告げる」を用いる。
類義語・反義語
類義語知らせる、告げる
反義語


4.情報の伝達(主体は表現形式・情報媒体)他動詞上級
表記伝える
表現形式・情報媒体が、情報を一方から他方に到達させる。
文型
<表現形式・情報媒体>が<情報>を伝える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この話が伝えるメッセージは何だろう。
メディアが伝えることだけを真実と思ってはいけない。
ことばによって伝えられるイメージは、一つとは限らない。
新聞が、未知のウイルスの感染者数を連日伝えている
車が十数台巻き込まれ、20人くらいけが人が出たとニュースが伝えていた
この本は、子どもたちに友達の大切さを伝えている
コロケーション
<表現形式>が
言葉、ニュース、話
<情報媒体>が
新聞、メディア、番組
<情報>を
① 発信者の思考:意見、考え、希望、要望
② 発信者の感情:気持ち、思い、感動、感謝
③ 発信者が観察した物事:状況、真実、様子、姿、雰囲気、価値、結果
④ その他:情報、内容、イメージ、経験、教訓
<人>に
人、相手、人々、読者、国民
<様態>
うまく、よく、ちゃんと、連日、詳細に、生々しく、面白く、大きく
解説
この意味の「伝える」は、情報を一方から他方に到達させることを表すという点で、語義3と同様である。ただし、語義3の主体が情報の発信者である<人>または<組織>(人の集団)であるのに対して、この意味の「伝える」の主体は、対象である情報を受信者に届けるための<表現形式>や<表現媒体>である点が異なる。「言葉」のような<表現形式>と「新聞」のような<情報媒体>は厳密には異なるが、発信者によって情報が他者に届けられる際にその情報の容器として働くという点では同様である。つまり、語義3の「伝える」の主体が発信者であるのに対して、語義4は伝達内容(情報)の容器が主体になる。
 アナウンサーが被災状況を伝えている。(語義3)
 新聞が被災状況を伝えている。(語義4)
誤用解説
この意味の「伝える」は、情報を受け手に到達させる(情報を認識させる)場合に用いられる。一方で、以下の「(薬剤の)使用方法」のように、受け手が理解して習得するような種類の情報を対象とする場合には、「伝える」ではなく「説明する」などを用いる。
 この文書は、薬剤の危険性を伝えている。
 この文書は、薬剤の使用方法を伝えている。
 この文書は、薬剤の使用方法を説明している。
類義語・反義語
類義語知らせる(結果を知らせる)、告げる(結果[思い]を告げる)、届ける(思いを届ける)
反義語


5.物事の伝播他動詞中級★★
表記伝える
人が、物事を別の地域(の人)に到達させる。
文型
<人>が<地域>に<物事>を伝える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
キタイ人が中国にギリシャ文明を伝えました
メディチ家はルネサンスを起こし、ルネサンスの文化と思想をヨーロッパ全土に伝えた
酪農が大陸から日本に伝えられたのは8世紀と言われている。
日本で最初に鉄砲が伝えられたのは種子島です。
「この写真の人は誰ですか」「ワインの製法を日本に伝えた人らしいです」
フランシスコ・ザビエルは、1549年に日本に初めてキリスト教を伝えている
コロケーション
<物事>を
① 様式:文化、習慣、伝統
② 技術:技術、製法
③ 思想:仏教、宗教、思想
<地域>に
日本、全国、地域、地方
<様態>
はじめて、広く、いちはやく
<時>に
奈良時代、江戸時代、~年、~年代
解説
この意味の「伝える」は、空間における移動を表すという点では語義1と同様である。ただし、語義1では「壁が振動を伝える」や「鉄が熱を伝える」のように、主体としてのものが媒体となって対象(物理的存在)の連続的移動を助けることを表すが、この意味の「伝える」の空間移動は、主体となる<人>自体が移動し、それによって物事を別の地域(の人)に至らせることを表す。また、この意味の「伝える」の対象は、移動する主体が有する「文化」や「技術」、「思想」などの物事である。
誤用解説
「技術」は「伝える」と「教える」のどちらも可能である。
 その国の人々に建築技術を伝えた[教えた]
しかし、以下のように「建築技術」の(地域の異なる)人から人への移行のプロセスが具体的になり、単に一方の地域から他方の地域への物事の移行ではなく、受け手が学習して習得していくことがわかるような場合には、「伝える」ではなく「教える」を用いる。
 座学と実習によって、その国の人々に建築技術を伝えた
 座学と実習によって、その国の人々に建築技術を教えた
類義語・反義語
類義語広める、教える
反義語


6.物事の伝承他動詞上級
表記伝える
人が、物事を後の時代(の人)に到達させる。
文型
<人>が<後世(の人)>に[へ]<物事>を伝える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
地域の人々は、その伝統が後世にきちんと伝えられ、守られていくことを願っている。
大震災の教訓を次の世代へ伝えたい
銅像は、地域を開拓した先人たちの偉業を後世に伝えようと建立された。
民芸品の世界では、昔ながらの製法を今に伝える職人が減りつつある。
我々には、国宝や重要文化財を後世へ伝えていく義務がある。
デカルトは、古代の知恵を現代に伝えている
stairs戦争の悲惨さと平和の大切さを、未来の人たちにつたえるためにあのドームは残されているんだ。
コロケーション
<もの>を
国宝、文化財
<物事>を
① 話:伝説、話、逸話、物語、歴史
② 思想:知識、教え、知恵、教訓
③ 様式:文化、伝統、風習、催し、祭り、伝承
<後世>に[へ]
① 後世:後世、未来
② 現在:今、今日、現代、現在
<人>に[へ]
子供、次の世代
<様態>
ずっと、脈々と、しっかり
解説
この意味の「伝える」は、人が有する物事を別の人に授けるという点では語義5と同様だが、ある空間を主体である人が移動して物事を移行させる語義5とは異なり、語義6では、時間を経て物事を他の人に至らせること、またそれにより対象を長く存在させるようにすることを表す。
 その風習は、中国から日本に伝えられた。(語義5)
 その風習は、長いことこの土地に伝えられている。(語義6)
どちらの文においても「風習」は人から人へ授けられるが、語義6は「風習」を同じ場所(「この土地」)に時を経て存在させることを表しており、語義5のように、ある場所から別の場所(「中国から日本」)への「風習」の空間移動を表すのではない。
誤用解説
この意味の「伝える」は、人が、物事をのちの時代(の人)に引き継ぐことを表すが、その際、明確な所有権の移動があるわけではない。つまり、「文化」や「宗教」や「郷土料理」を伝える時には、主体はそもそもその文化・宗教・郷土料理の所有権を他者に譲渡するわけではない。したがって、明確な所有権の移行が関わる場合には、後世に引き継ぐ場合であっても「伝える」は用いられない。
 彼は、大きな事業を子孫たちに伝えた
 彼は、大きな事業を子孫たちに残した
類義語・反義語
類義語残す、引き継ぐ、授ける(技術を授ける)
反義語


伝えるの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<もの>が
このことから,空気が音を伝えていると考えられる。
(新しい科学 1分野上, 2005, 中)
ニューロンが信号を伝える活動をしていない状態を静止状態にあるという.
(相見霊三,小宮正文編 『生命の科学』, 1993, 460)
<刺激>を
天井には大小さまざまの数千本のパイプが走り、細かな振動を伝えている。
(高嶋哲夫著 『スピカ』, 1999, 913)
導体中には,弱い電場によっても移動できる自由電子があり,これが電気を伝える(伝導電子,→p.196)。
(高等学校 物理Ⅱ, 2006, 高)
<もの(刺激の到達点)>に
食べものが消化されに満腹を伝えるのに20分はかかる。
(舛重正一監修 『栄養のキホンがわかる本』, 2005, 498)
ペダルの動力は、アルミ製のシャフトを使ってプロペラに伝えられる。
( 『成功へ退路なき決断』, 2004, 210)
<様態>
鍋は約5mmと肉厚で熱をやんわり伝えるので焦げ付きの心配が少ない
( 『男の厨房道具』, 2004, )
<人・組織>が
が彼に向かって正直な感激の言葉を伝えると,彼は,僕の肩をポンとたたいてこう言った。
(アッティラ・チャンパイ,ディートマル・ホラント編 『カヴァレリア・ルスティカーナ;道化師』, 1989, 766)
だれかがレイチェルに知らせを伝える必要があり、その“だれか”は弁護士でなくてはならなかったんです。
(ジョン・グリシャム著;白石朗訳 『テスタメント』, 2003, 933)
<人・組織>に
伝言を聞いた人は、また次のに、その伝言を伝えます。
( 『遊びの本』, 1997, )
ジャクリーヌ・オナシスは出版社にこの話を伝え、協議させた。
(J.ランディ・タラボレッリ著;岡山徹訳 『マイケル・ジャクソンの真実』, 1993, 767)
<表現形式>を
皆さんはご両親やきょうだいのお誕生日にお祝いの言葉を伝えますか?
(Yahoo!知恵袋, 2005, Yahoo!知恵袋)
論理的にメッセージを伝えたつもりでいても、相手が納得しないということがしばしば起こります。
(山中允著 『ディベートの基本がよくわかる説得・交渉の教科書』, 2003, 336)
<様態>
ラジオでニュースを聞いていたら、通勤列車と車の衝突事故のニュースを、繰り返し伝えていた。
(多賀敏行著 『シャープなリンゴとルーズなトマト』, 1999, 830)
大野はその吉川をよろこばせようと、横田の話をすぐに伝えてやった。
(半村良著 『回転扉』, 1999, 913)
<人・組織>が
がそのときになにを伝えようとしていたのか、僕にはわからない。
(村上春樹著 『海辺のカフカ』, 2005, 913)
<情報>を
作者の思いをタイトルとして伝えることで、自分の作品をより強くアピールできます。
(四季の写真, 2004, レジャー/趣味)
この時点で米国はまだ、休戦調停に対する意向を日本へは伝えていない。
(原田治著 『艨艟の覇者』, 2003, 913)
<人・組織>に
レポーターには、その場の状況などを視聴者に伝える義務があるでしょ。
(Yahoo!知恵袋, 2005, テレビ、ラジオ)
地域の歴史や文化を探して、大好きな郡山の魅力をたくさんのに伝えたい
(広報こおりやま, 2008, 福島県)
<手段>で
友子さんは電話でできるだけ子どもの様子を夫に伝えることにしている。
(岩男寿美子ほか編 『単身赴任』, 1991, 367)
彼は視線や身ぶりで女性に気持を伝えるすべを知っていた。
(マーナ・マッケンジー作;霧野あすか訳 『おとぎの城のロマンス』, 2001, 933)
<様態>
北坂は、今しがた見聞きした二人の様子を手短かに伝えた。
(夏樹静子著 『乗り遅れた女』, 2003, 913)
<表現形式>が
「ボート・ピープル」というごく簡潔だが、じつはとても悲しい言葉が、その間の事情を雄弁に伝えている。
(古森義久著 『ベトナムの記憶』, 1995, 223)
<情報媒体>が
つまりテレビ・新聞のメディアがwhat(なに)を伝えるのに対して、雑誌メディアはwhy(なぜ)の部分を教えてくれる。
(鍋倉健悦著 『英語メディアを使いこなす』, 1994, 830)
新聞が私の真意を伝えているとは判断しかねる。
(吉村克己著 『戦後総理の放言・失言』, 1988, 312)
<情報>を
たとえば、「現代はストレス社会で、うつ病が激増している」といった内容をあるメディアが伝えると、他の社も一斉にその方向で報道を開始する。
(高橋祥友著 『中年期とこころの危機』, 2000, 368)
<物事>を
運河の大動脈だったロワール川は、荷物のほかに文化をも伝えた
(ブルーガイド海外版編集部編 『フランス』, 2005, 293)
1549年に,イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが,キリスト教を伝えるために来日しました。
(新しい社会 歴史, 2005, 中)
<地域>に
このような銃は、ポルトガル人が種子島に伝えたことをきっかけに広まった。
(武光誠著 『大人の日本語の愉しみ』, 2004, 812)
豆腐が中国からわが国に伝えられたのは,味噌よりややおそく,8世紀とされている。
(農文協編 『ダイズ・アズキ』, 2001, 616)
<もの>を
このように、昔の美しいデザインをそのまま生かしながら後世に建築を伝えていくということが、この近江八幡のやり方らしい。
(Yahoo!ブログ, 2008, デザイン)
伝統的な町家を現代に伝える
(広報遠野, 2008, 岩手県)
<物事>を
自分たちの地域に残る,室町時代の文化を伝えるものや行事を探してみましょう。
(新編 新しい社会 6上, 2006, 小)
受け継いできた言葉や技術を伝えようと、今我々の仲間は努力を続けております。
(萱野茂ほか著 『アイヌ語が国会に響く』, 1997, 316)
<後世>に[へ]
園内には城の石垣などが残り、沼田の歴史をに伝えている。
( 『ドライブぴあ』, 2004, )
この音楽祭が、人や国を音楽で結び、平和の尊さを未来に伝え継いでいく架け橋になるようにとの意味が込められています。
(広報ひめじ, 2008, 兵庫県)
<人>に[へ]
食卓は喜びの場であることを、しっかりと次の世代にも伝えて行きたい。
(島村菜津著 『スローフードな人生!』, 2003, 596)
<様態>
自分が行った指導は、下の世代にも連綿と伝えられていくものである。
(石川陵一著 『行動目標達成のための「チーム医療」ポイント50』, 2004, 498)






























戦争の悲惨さと平和の大切さを、未来の人たちにつたえるためにあのドームは残されているんだ。
衣鉢を伝える

意味
学問・芸術などにおいて、師匠が弟子に奥義を教え、授ける。(「衣鉢」は仏教語で僧侶が身にまとう袈裟と鉢のことであり、比喩的に、その道の奥義の意味を表す。)
用例
あなたがもっと成長しないと、いつまでたっても師匠は衣鉢を伝えることができないよ。
コーパスからの用例
当時異宗派のキリスト教徒が北アラビア、シリア、西ペルシア方面に多数流出していたが、彼らこそは、アレキサンドリアの有名な図書館が四世紀にテオフィル大主教の指揮する狂信的なキリスト教徒によって焼き払われて以来正統派キリスト教徒の間では絶滅してしまった古代文化の衣鉢を、アラビア人に伝えた仲介者であった。 (オマル・ハイヤーム作;小川亮作訳 『ルバイヤート』, 1993, 929)
複合動詞 V1

伝え受ける、伝え聞く
複合動詞 V2

言い伝える、書き伝える、語り伝える、聞き伝える、申し伝える
複合名詞

言い伝え、聞き伝え、口伝え、伝え話
伝える(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板型
辞書形つたえる
ない形つたえない
~なかったつたえかった
ます形つたえ
~ませんつたえま
~ましたつたえした
~ませんでしたとたえまんでした
~ときつたえるとき/つたえる
ば形つたえ
意向形つたえ
て形つたえて
た形つたえた
可能形つたえられる
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