つかえるのコアイメージ

1.停滞自動詞初級★★★
表記つかえる、支える、閊える   ※平仮名で表記するのが一般的
移動する人・ものが、何らかの障害によってある場所で一時的に先へ進めない状態になる。
文型
<人・もの>が<場所>に[で]つかえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「そんなに咳込んでどうしたの」「ごはんを飲み込もうとしたら喉につかえた
妊娠中は、いろいろなところでお腹がつかえて不便でした。
薬が食道につかえると、炎症や潰瘍を起こすことがあります。
彼はかなり背が高いので、店の入口に頭がつかえてしまうことがあるようです。
立体駐車場は、車の屋根がつかえるのではないかと心配です。
前の電車がこの先の駅でつかえているらしく、しばらく停車している。
コロケーション
<もの>が
① もの:食べ物、ごはん、薬、もの、かたまり
② 身体部位:頭、腹、尻
③ ものの部分:後(あと)、前、後ろ
④ 乗り物:車、電車
<場所>に
① 身体部位:喉、食道、胸、胃
② その他:天井、奥、前、~辺り
<場所>で
途中、中、奥、前、後ろ
<様態>
よく、ずっと、すぐ、いつも
非共起例
<もの>が
 ガス[汚水]がパイプの中でつかえている
 ガス[汚水]がパイプの中で滞っている
この意味の「つかえる」は、気体・液体には用いられない。
解説
この意味の「つかえる」は、移動する人・ものが、ある場所で、何らかの障害によって、一時的にそこから先へ進めない状態になることを表す。その場所に出っ張りや窪みがあったり、狭くなっていたりするなど、その場所自体の形状が人・ものの移動の障害になる場合と、その場所を移動する別の人やものの存在が障害になる場合がある。
誤用解説
「つかえる」はある場所で何かが引っかかったり邪魔したりして、移動するものが一時的にそこから先へ進めない状態になることを表す。それに対して、「詰まる」は、ある場所に物がいっぱいになり、その空間に余裕がなくなることを表す。
 ご飯が喉につかえる
 ご飯が喉に詰まる
上記の二つの例は同様に、ご飯が喉にとどまることを表すが、「つかえる」の方はご飯が口から入って胃に移動する過程で、喉の部分で一時的に停滞し、そのあとにまた移動が可能になることを含意する。それに対して「詰まる」の方は、ご飯の量が多く喉の空間を満たすことを表している。つまり「つかえる」の主体は移動するものである一方で、「詰まる」の方は主体の移動を前提としていない。例えば「棚」は「本」の移動の通過点と捉えられず、それゆえ以下のように「つかえる」を用いることはできない。
 棚に本がぎっしりつかえている
 棚に本がぎっしり詰まっている
類義語・反義語
類義語詰まる、滞る、停滞する
反義語


2.閉塞自動詞初級★★★
表記つかえる、閊える   ※平仮名表記が一般的であるが、胸や喉などの身体部位に対しては「痞える」を用いることもある
ある場所が、一時的にものが先へ進めない状態になる。
文型
<場所>がつかえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
喉がつかえて食べ物が飲み込めない。
妊娠後期は胃がつかえて食べられる量が減る人も多い。
野菜が成長すると天井がつかえて邪魔になるので、時々剪定する。
固いものを食べたときに食道上部がつかえる感じがする。
駅前の立体駐車場は、大きい車両だと天井がつかえてしまう。
「のどや胸がつかえている感じで、食べられない」「一度病院で見てもらったほうがいいよ」
コロケーション
<場所>が
① 身体部位:胸、喉、みぞおち、胃
② 場所:天井
<様態>
よく、しょっちゅう、最近
解説
この意味の「つかえる」は、人やものが何らかの障害によってある場所で先へ進めない状態になることを表す語義1と関連がある。語義1は移動する<人>や<もの>に焦点を当てた意味であるのに対して、語義2は、同じ事態においてその<場所>の状態変化に焦点を当てた意味である。したがって、語義1は「<人・もの>が<場所>につかえる」という形になるのに対し、語義2は「<場所>がつかえる」という形で、ガ格に<場所>がくる。
誤用解説
この意味の「つかえる」も、語義1の「つかえる」と同様「つまる」と類義関係にあり、この場合はガ格に<もの>ではなく<場所>がくる。また、「詰まる」のほか、「塞がる」に置き換えることもできる。
 喉がつかえる
 喉が詰まる
 喉が塞がる
「つかえる」は、ある場所が、何かが引っかかったり邪魔したりして、一時的にものをそこから先に進ませない状態になることを表し、問題となる場所は、ものが通過することを前提とする。それに対して「詰まる」は、ある場所が、物でいっぱいになり空間的に余裕がなくなることを表す。したがって、「つかえる」と「詰まる」は、語義1と同様、ある場所が物の通過を前提とするか否かという点で異なる。また「塞がる」の場合には、本来開いていた空間を他のものが占めて隙間がなくなり、閉じた状態になることを表すが、「つかえる」にはそのような含意はない。したがって、以下のように、物の通過を前提とする場所であっても、そこに何かが存在して隙間がなくなり閉じた状態になるという場合には、「つかえる」は用いられない。
 がれきで入り口がつかえて、使用できなくなった。
 がれきで入り口が塞がって、使用できなくなった。
類義語・反義語
類義語詰まる、塞がる
反義語通る


3.停滞(抽象的)自動詞中級★★
表記つかえる、支える、閊える   ※平仮名で表記するのが一般的
人・ものが、別の人・ものが存在することにより、一時的に停滞した状態になる。
文型
<人・もの>がつかえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
上の世代がつかえているとはいえ、会社のためには若手を育てなければならない。
「そろそろ君も昇格じゃない?」「上の人たちがつかえているから難しいよ」
窓口で要望を言おうとしたら、「次の方がつかえているので」と言われてしまった。
私の後にも他の診察がつかえているはずなのに、先生はとても丁寧に診てくださった。
「お盆休みはどうするの?」「今は仕事がつかえていて、とてもじゃないけど休みが取れないよ」
革製品をお願いしたんだけど、注文がつかえているようで、仕上がりに時間がかかりそう。
コロケーション
<ひと>が
上の世代、上の人
<もの>が
オーダー、仕事
<様態>
ずっと、いつも、最近、しばらく
解説
この意味の「つかえる」は、人・ものが、一時的に先に進めない状態になることを表すという点で、語義1と類似している。ただし、語義1の「つかえる」は物理的存在である移動物(人やもの)が、ある場所において何らかの障害によって一時的に移動を妨げられることを表すが、この意味の「つかえる」はものの物理的な停滞ではなく、人の昇格や仕事の進行など、物事の抽象的な停滞を表すという点で異なる。
誤用解説
この意味の「つかえる」は抽象的な意味であるが、語義1の物理的な意味と同様、類義語として「詰まる」が挙げられる。
 仕事がつかえているので休みが取れない。
 仕事が詰まっているので休みが取れない。
ここでも、主体が移動するものであり、その移動が障害となるものに邪魔されて一時的に阻害されるという語義1の特徴を受け継いでいる。つまり、「仕事がつかえている」という場合、ある期間において、ある仕事の進行が、別の仕事の存在により一時的にストップしているというような状況を表すのに用いられる。「仕事が詰まる」の場合にも同様に、ある期間をある仕事が占めているという意味を表すが、この場合は別の仕事が邪魔になってある仕事の進行が一時的に滞っているというよりも、特定の期間中に複数の取り組むべき仕事が存在しており、それ以外のことをする余裕がないという意味になる。
類義語・反義語
類義語詰まる、滞る、停滞する
反義語


4.失敗自動詞中級★★
表記つかえる、支える、閊える   ※平仮名で表記するのが一般的
人・ものが、困難によって、物事のある箇所で失敗する。
文型
<人・もの>が<箇所>でつかえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
歳のせいか、どうしても読経の声がつかえる
何度も練習した曲なのに、コンテストでは最後の最後でつかえてしまった。
一曲を最後まで弾けたことがない。いつも同じような箇所でつっかえてしまう。
朗読をしていて何度も同じところでつかえている
パソコンで動画を加工しようとしたが、最初の作業でつっかえて断念した。
「お名前の読み方がわからず途中でつかえてしまってすみませんでした」
コロケーション
<もの>が
声、ことば
<箇所>で
途中、同じところ、冒頭、最後
<様態>
いつも、何度も、どうしても
解説
この意味の「つかえる」は、人・ものが、一時的にそこから先へ進めない状態になることを表すという点で、語義1と類似している。ただし、語義1の「つかえる」は物理的存在である移動物(人やもの)が、ある場所において何らかの障害によって一時的に移動を妨げられることを表すが、この意味の「つかえる」はものの物理的な停滞とは異なり、物事の失敗という抽象的な停滞の意味を表す。例えば語義1では、「食べ物が喉につかえる」という場合、食べ物の形状に対して喉の形状が障害物となり、食べ物の移動が一時的に阻害されることを表すが、語義4では、ピアノを弾いているという状況で「同じところでつかえる」という場合、曲の進行過程においてある箇所の難しさが障害となり、曲の進行が一時的に阻害されることを表す。
誤用解説
この意味の「つかえる」は抽象的な意味であるが、語義1の物理的な意味と同様、類義語として「詰まる」が挙げられる。
 ことばの発達過程の中で、おしゃべりしたいことがたくさんあると、スムーズに話せずことばがつかえてしまうことはよくあります。
 ことばの発達過程の中で、おしゃべりしたいことがたくさんあると、スムーズに話せずことばが詰まってしまうことはよくあります。
ここでも、主体が移動するものであり、その移動が障害物となるものに邪魔されて一時的に阻害されるという語義1の特徴を受け継いでいる。つまり、「ことばがつかえる」という場合、会話において、ことばが思考から表出へと進行するプロセスで、思い浮かんだ他の多くのことばの存在により、表出すべきことばが一時的にストップしたうえで発せられるというような状況を表すのに用いられる。このように、「つかえる」ではことばの表出が一時的に阻害されながらも発せられることを表す一方で、「詰まる」はことばが表出されないことに焦点を当てた意味になる。したがって、それ以上何も言えないという文脈では「詰まる」は可能だが、「つかえる」は用いられにくい。
 ことばがつかえてしまって、それ以上話せなかった。
 ことばが詰まってしまって、それ以上話せなかった。
類義語・反義語
類義語どもる、つまずく
反義語


5.気掛かり自動詞中級★★
表記つかえる、痞える、閊える   ※平仮名表記が一般的であるが、この意味では「痞える」も用いられる
負の思考や感情が、解消できない状態になる。
文型
<負の思考・感情>が<心・身体部位>につかえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
いろんな思いが胸につかえる
言葉が胸につかえてうまく出てこない。
上司に対する黒い感情が、ずっと心につかえている
長年心につかえていた思いをようやく話し始めた。
胸につかえていた質問を次々にぶつけた。
何十年もの間、胸につかえていたモヤモヤが一気に晴れた思いでした。
stairs胸につかえていた思いもぜーんぶ聞いてもらえて、心が軽くなったの。
コロケーション
<負の思考・感情>が
記憶、思い、言葉、質問、疑問、もやもや、苦しみ、感情、わだかまり
<心>に
<身体部位>に
<様態>
ずっと、長いこと、最近、長年
非共起例
<身体部位>に
 いろんな思いがにつかえる。
 いろんな思いがにつかえる。
この意味の「つかえる」の二格に現れる身体部位は<心>を表すことのできるものである。日本語の身体部位詞の中では、「胸」のほか「腹」と「頭」も思考や感情といった精神活動の座とされるが、この意味の「つかえる」が共起できるのは「胸」のみである。この意味の「つかえる」は、悲しみや悩みなど負の感情を持った時に動悸などによって胸のあたりに生じる圧迫感が、食べ物が胸につかえて生じる圧迫感と類似していることから成り立つものであり、したがって<心>を表す身体部位詞の中でも、共起するのは「胸」に限られる。
解説
この意味の「つかえる」は、ものが、一時的にある場所で先へ進めない状態になることを表すという点で、語義1と類似している。ただし、語義1の「つかえる」は物理的存在である移動物(人やもの)が、ある場所において何らかの障害となるものによって一時的に移動を妨げられることを表すが、この意味の「つかえる」はものの物理的な停滞とは異なり、他者に向けて表出するか自分の中で納得することによって解消されるべき負の思考や感情が、何らかの要因により解消できない状態になるという、抽象的な停滞の意味を表す。例えば語義1では、「食べ物が喉につかえる」という場合、食べ物の形状に対して喉の形状が障害となり、食べ物の移動が一時的に阻害されることを表すが、語義5では、「思いが胸につかえる」という場合、心に生じた負の思考や感情が、何らかの要因が妨げとなって、(表出あるいは納得という)解消のプロセスが一時的に阻害されて解消できない状態になることを表す。
誤用解説
この意味の「つかえる」は抽象的な意味であるが、語義1の物理的な意味と同様、類義語として「詰まる」が挙げられる。
 胸につかえていた思いを一気に吐き出した。
 胸に詰まっていた思いを一気に吐き出した。
ここでも、主体は移動するものであり、その移動が障害物に邪魔されて一時的に阻害されるという語義1の特徴を受け継いでいる。つまり、「思いが胸につかえる」という場合、語義解説でも述べたようにその思いは外に出す(表現する)か、あるいは腹に収める(自分の内部で処理する)かという、解消のプロセスが前提になっており、それが何らかの理由で一時的に滞るという状況を表すのに用いられる。一方「思いが胸に詰まる」の場合には、単に何らかの思いが心を占めるということを表し、思いを表現することや自身で処理することといった解消のプロセスは前提となっていない。したがって、以下のように他者への思考の表出を表す「質問」などは、「つかえる」と用いることはできるが、「詰まる」と用いることはできない。
 胸につかえていた質問を次々にぶつけた。
 胸に詰まっていた質問を、次々にぶつけた。
類義語・反義語
類義語ひっかかる(胸[心]にひっかかる)
反義語


6.気持ちの閉塞感自動詞中級★★
表記つかえる、痞える、閊える   ※平仮名表記が一般的であるが、この意味では「痞える」も用いられる
心が、負の感情(心配や緊張など)で、鬱屈する。
文型
<心・身体部位>がつかえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
うまくいかないことが続いて心がつかえ、やる気が起きない。
胸がつかえて何も手に付かない。
極度の緊張で喉がつかえてうまく喋れなかった。
もう解決したはずなのに、依然として心がつかえたままだった。
友達を傷つけてしまい、ここ数日ずっと胸がつかえている
職場の人間関係で胸がつかえていたけど、ようやく少し晴れてきた。
コロケーション
<心>が
<身体部位>が
胸、喉
<原因>で
ストレス、失恋、人間関係、緊張
<様態>
ここのところ、ずっと、依然として
非共起例
<心>が
 人間関係で、ここ数日がつかえている。
 人間関係で、ここ数日胸[喉]がつかえている。
語義5でも述べたように、日本語の身体部位詞の中では、「胸」のほか「腹」と「頭」も思考や感情といった精神活動の部位とされるが、この意味の「つかえる」が共起できる身体部位詞としては「胸」と「喉」のみがある。人間は、悲しみやストレスを感じると胸に動悸が起きたり喉が閉まったりすることで、喉や胸に閉塞感が生じることがある。この喉や胸に生じる閉塞感が、食べ物が喉や胸につかえて生じる圧迫感と類似していることからこの意味の「つかえる」は成り立つため、「心」のほかには「胸」と「喉」のみが共起する。
解説
この意味の「つかえる」は、負の思考や感情が解消へ進めない状態になることを表す語義5と関連がある。語義5は思考や感情に焦点を当てた意味であるのに対して、語義6は、同じ事態においてその思考や感情の容器である心や身体部位に焦点を当てた意味である。したがって、語義5は「<負の思考・感情>が<心・身体部位>につかえる」という形になるのに対し、語義6は「<心・身体部位>がつかえる」という形になる。
抽象的意味を表す語義5と語義6の関係は、物理的意味を表す語義1と語義2の関係と同様である。語義1(「食べ物が胸につかえる」)と語義2(「胸がつかえる」)は、語義2の語義解説で述べたように、あるものがある場所で移動を妨げられるという事態において、移動する<もの>に焦点を当てるか<場所>の状態変化に焦点を当てるかという点で異なる。同様に、語義5(「悲しみが胸につかえる」)と語義6(「胸がつかえる」)は、思考・感情の解消プロセスにおいて、<負の思考・感情>に焦点を当てるか、その容器である<心・身体部位>の状態変化に焦点を当てるかという点で異なるのである。
誤用解説
この意味の「つかえる」は抽象的な意味であるが、語義2と同様ガ格に<もの>ではなく<場所>をとるという点が共通しており、また類義語としても語義2と同様、「詰まる」「塞がる」が挙げられる。
 悲しみで胸がつかえる
 悲しみで胸が詰まる
 悲しみで胸が塞がる
語義2で述べたように、「つかえる」は、ある場所が、何かが引っかかったり邪魔したりして、一時的にものをそこから先に進ませない状態になることを表し、問題となる場所は、ものが通過することを前提とする。それに対して「詰まる」は、ある場所が、物でいっぱいになり空間的に余裕がなくなることを表す。これが思考・感情に関わる語義6に適用されると、「胸がつかえる」は思考・感情の解消プロセス(語義5で述べたように、相手への表出あるいは自己処理)が一時的に阻害されることを表すのに対し、「胸が詰まる」は単に悲しみで心がいっぱいになるということを表すのみである。またこれも語義2で述べたように、「塞がる」の場合には、本来開いていた空間を他のものが占めて隙間がなくなり、閉じた状態になることを表すが、「つかえる」にはそのような含意はない。したがって「胸が塞がる」という場合には、悲しみで心が占められて、他の感情が入る余地がないということを表すのみである。
類義語・反義語
類義語詰まる、塞がる
反義語晴れる


つかえるの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<もの>が
もう あたまが 天じょうに つかえて 首が おれそうです。
(ルイス・キャロル原作;まど・みちお文;司修絵 『ふしぎの国のアリス』, 2001, )
さらにガンが広がると、食道が狭くなり弾力も失われるため、食べたがのどにつかえるようになります。
(矢沢サイエンスオフィス編 『ガン全種類別・最新治療法』, 2003, 494)
<場所>に
食べ物や水を飲み込むときに、につかえる感じがする。
(西銘伸蔵著 『静脈瘤の即日手術』, 2003, 494)
もし通路に腹がつかえて、真っ暗な中で身動きが取れなくなったら…わたしは二秒以内に悲鳴をあげだすだろう。
(リック・ボイヤー著;田口俊樹訳 『デイジー・ダックス』, 1989, 933)
<様態>
突然、かみそこねたチキンのかたまりが喉につかえた。
(フローレンス・アイザックス著;青島淑子訳 『親友のつくり方』, 2000, 159)
<場所>が
どうしてがつかえるのかと、不思議に思っていると、そのたびに便が出るので便通と胸のつかえの奇妙な関係が理解出来た。
(丸山時次著 『素貧の書』, 2005, 169)
コーヒーと蕎麦に関しては、よほどおいしいものでないと、がつかえたような気分になり、身体が受けつけないのだ。
(篠藤ゆり著 『旅する胃袋』, 2002, 292)
<もの>が
それなのに、いざ彼女と相対した時、彼は三分間も言葉がつかえてしまって、財布をすられた紳士が物を買うことのできないような気持を味わった。
(ヘンリー・ジェイムズ著;青木次生訳 『鳩の翼』, 1997, 933)
<負の思考・感情>が
何か話さなければと思うのだが、いろんな想いが胸につかえて何もしゃべれない。
(小山田正著 『オイルロード』, 1986, 916)
どこからともなく伸びたケイトの手に顔を殴りつけられ、言葉が喉につかえた。
(エリザベス・ゲイジ著;北条元子訳 『タブー』, 1995, 933)
<心>に
それよりも山田少佐の命令が心の底に重くつかえた。
(新田次郎著 『八甲田山死の彷徨』, 1971, 913)
<身体部位>に
なぜか、につかえていた澱のようなものが、いっぺんに拭い去られたような気持だった。
(谷恒生著 『悠々たる打算』, 1988, 913)
<身体部位>が
がつかえて言葉にならない。
(綺月陣著 『背徳のマリア』, 2003, 913)






























胸につかえていた思いもぜーんぶ聞いてもらえて、心が軽くなったの。
手をつかえる

意味
礼として手を床につく。
用例
彼は手をつかえ頭を下げて「申し訳ありませんでした」と謝罪した。
コーパスからの用例
ありがたい父のことばにはっと手をつかえる信乃、だがそのつぎのことばはさらに意外であった。 (栗本薫著 『栗本薫の里見八犬伝』, 2001, )
複合動詞 V1

差し支える
複合名詞

差し支え
つかえる(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏
辞書形つか
ない形つかない
~なかったつかなかった
ます形つかえ
~ませんつかえま
~ましたつかえした
~ませんでしたつかえまんでした
~ときつかるとき
ば形つかれば
意向形つかえ
て形えて
た形えた
可能形つかえら
受身形つかえら
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