通るのコアイメージ

1.経路(線状)の移動(人・動物・乗り物)自動詞初級★★★
表記通る
人、動物、乗り物などが、道(人、動物、車など)、線路(電車)、川(船)など細長い線状の経路を一方向に移動していく。
文型
<人・動物・乗り物>が<経路>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
毎日、多くの人や車がこの道を通る
日本では、人は道路の右側、車は左側を通る
「こっちの道、混んでいそうだね」「あっちの道を通ろうか
ここから家まで、高速道路を通れば1時間で着く。
新幹線がトンネル内を通っているときは、電話がつながりにくい。
廊下が濡れているので、気を付けてお通りください
コロケーション
<人>が
人、(人名)、~たち、~者、子ども、人々、旅人、行列、軍隊
<動物>が
馬、犬、猫
<乗り物>が
車、バス、船、列車、車両、トラック、自転車、飛行機
<経路>を
道、ルート、道路、通路、トンネル、~街、経路、橋、~線、通り、歩道、コース、川
<位置>を
(~の)中、~側、上、端
<乗り物>で
車、自転車、自動車、徒歩、船、電車
<様態>
急いで、ゆっくり(と)、すっと(すーっと)、のんびり、ビュンビュン
<頻度>
よく、いつも、たまたま、なかなか(~ない)、初めて、めったに(~ない)、しょっちゅう
解説
人・動物・乗り物などが道、コース、線路(電車)、川(船)など線状の経路を一方向に移動していくこと・進んでいくことを表す。1番目の例文「道を通る」のように道や線路などそのものを経路として言うことも、2番目の例文「道路の右側(左側)を通る」や「線路の上を通る」のようにある部分・位置を「通る」と言うこともできる。
また、3番目の例文は「(私たちは)あっちの道を通ろう」というように「<人>が通る」という文だが、移動手段は徒歩でも乗り物でもかまわない。特に乗り物を指定する場合は「車(自転車、バイク)であっちの道を通ろう」となる。
誤用解説
語義解説で述べたように、「通る」は基本的に経路上を一方向に移動することを表すが、「経路上のある区間外から区間内を移動し、その区間の外へ出る」という意味も含んでいる(通過)。したがって、「<経路>を通る」の<経路>がある区間をもつもの(例えば、トンネルや橋など)である場合、その区間から先に出ない場合は使えない。
 トンネルを途中まで通ったが、真ん中あたりで天井が崩落していて出られなかった。
 トンネルを通ろうとしたが、真ん中あたりで天井が崩落していて出られなかった。
 トンネルを途中まで進んだ[行った]が、真ん中あたりで天井が崩落していて出られなかった。
類義語・反義語
類義語通行する、行く、進む、歩く、走る、飛ぶ(飛行機)、航行する(船)、通過する、過ぎる
反義語


2.経路(場所・空間)の移動(人・動物・乗り物)自動詞初級★★★
表記通る
人、動物、乗り物などが、移動の経路として場所・空間・領域内を一方向に移動していく。
文型
<人・動物・乗り物>が<場所・空間>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私は毎日、代々木公園を通って会社に行く。
街中を車がビュンビュン通るので、危なくて仕方ない。
動物が通った跡が雪原の上に続いている。
東京行きの飛行機は富士山上空を通る
選手たちは、笑顔で手を振りながら、観客席の前を通っていった
事故は電車が広島県内を通っている時に起こった。
stairs飛行機が頭上スレスレを通るからです。
コロケーション
<人>が
人、~たち、~者、子ども、人々、旅人、行列
<動物>が
馬、犬、猫
<乗り物>が
車、バス、船、列車、車両、トラック、自転車、飛行機
<場所・空間>を
場所、~付近、~町、街、村、土地、上空、~地域、公園、森
<位置>を
(~の)前、中、横、近く、そば
<乗り物>で
車、自転車、自動車、徒歩、船、電車
<様態>
急いで、ゆっくり(と)、すっと(すーっと)、のんびり、ビュンビュン
<頻度>
よく、いつも、たまたま、なかなか(~ない)、初めて、めったに(~ない)、しょっちゅう
非共起例
<様態>通る
 公園をぐるぐる通る
理由
解説
語義1は、移動の経路が道、線路などの線状に長く続くもので、その道筋上を人や動物、乗り物などが移動していくという意味であった。これに対して、この語義2では、経路が場所・空間の場合を取り上げた。しかし、場所・空間であっても、語義1の「通る」の意味と同様に、実際には対象の場所・空間の中を一方向に線状に移動することが含意されている。
また、「場所」は一定の範囲・領域を持つものなので、そこを「通る」ことは、「その領域内に入り・領域内を移動し・領域の外に出る」という「通過」の意味が強くなる。通り抜けない場合には使えない。?公園を通って園内の喫茶店に行った。
誤用解説
「通る」の意味する移動は、場所・空間内であっても、一方向・線状であることが含意されているので、一方向でない移動を表すには不自然。
 公園をぐるぐる通った。○公園をぐるぐる歩いた
また、「領域内に入り・領域内を移動し・領域の外に出る」ことを意味するので、初めから領域内にいる場合や、領域を通り抜けない場合には使えない。
 (公園内にいるときに)「駅まで公園を通って行こうか?」
 (公園外にいるときに)「駅まで公園を通って行こうか?」
 ロシアを通ってモスクワに行く。
 ロシアを通ってベルリンに行く。
類義語・反義語
類義語通行する、行く、進む、歩く、走る、飛ぶ(飛行機)、航行する(船)、通過する、過ぎる、横切る、突っ切る
反義語


3.経路の移動(もの・エネルギー)自動詞中級★★
表記通る
液体や気体、電気や光などのエネルギー、また固形物が、主に線や管を経路として、一方向に移動している。
文型
<物・液体・気体・エネルギーなど>が<経路>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
高圧線を強い電流が通っている
心配事があって食べ物が喉を通らない。(慣用表現)
血液は血管を通って全身に運ばれる。
刺激が神経を通って脳に伝わる。
たき火をする時は、空気が通る道を作っておかなければならない。
このパイプの中をガスが通っているので、パイプを傷つけないよう気を付けてください。
stairs私たちは普段まったく意識しないで話していますが、ナ行やマ行を発音する時、肺からの空気が鼻腔を通り、鼻から外へ出ているのです。
コロケーション
<物・液体・気体・エネルギーなど>が
風、電気、水、空気、食事、食べ物、血液、煙、刺激、~信号
<経路>を
管、~管、~線、経路、回路、チューブ、パイプ、パイプライン、ダクト、下水道
<経路(人体)>を
喉、管、血管、食道、神経、静脈、体
解説
この語義の「通る」は、物質などが流れるように一方向に動くことを表す。
誤用解説
1番目の例文「高圧線を強い電流が通っている」は「高圧線に強い電流が通っている」のように「~に」を使って状態を表す文に言い換えられる。6番目の例文も言い換え可能である。しかし、3、4番目の例文のような「~を通ってV(移動動詞)」という表現では「を」を「に」に置き換えることはできない。
 血液は血管に通って全身に運ばれる。
 血液は血管を通って全身に運ばれる(3番目の例文)。
類義語・反義語
類義語流れる
反義語詰まる


4.天体・気象の移動自動詞初級★★★
表記通る
天体が軌道上や上空を一方向に移動したり、雲、台風、低気圧などの移動する気象現象がある場所・地域の上空を移動・通過する。
文型
<天体・気象現象>が<軌道・場所・位置>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
6月から9月にかけて、台風がいくつも日本列島を通る
太陽が真上を通っている
巨大な彗星が地球の近くを通るらしい。
「台風17号は小笠原諸島付近を通って、現在北西に向かっています」
「寒冷前線が通った後は急激に気温が下がるので気を付けてください」
コロケーション
<天体・気象現象>が
太陽、台風、低気圧、高気圧、雲、彗星、前線
<軌道>を
軌道
<場所>を
日本列島、太平洋、日本海
<位置>を
軌道上、上空、頭上、太平洋上、(~の)上、(~の)そば、(~の)近く、北緯~度、東経~度
非共起例
<軌道・場所・位置>を通る
 地球は太陽の周りを通っている
 地球は太陽の周りを回っている
 彗星が太陽の近くを通る
回る場合には使えない。一方向に移動することを意味する。「彗星」も太陽を周回しているが、周回軌道ではなく、太陽のそばを通過することについて言う場合には、「通る」を使う。
解説
天体の運行や、台風、低気圧、高気圧、前線などの移動する気象現象に使用される。この場合も語義1同様、移動が一方向であることが含意されている。太陽のように上空の軌道上を移動する場合もあれば(語義1)、台風のようにある地域・場所の上空を通過する場合もある(語義2)。「北緯45度東経180度」のようにある地点を通過するときにも使われる。
誤用解説
 北極圏では夏になると太陽が沈まず、地平線近くを通る
 北極圏では夏になると太陽が沈まず、地平線近くを回る。太陽は回るように移動するが、地平線近くの移動に注目した場合、「回る」ではなく「通る」を使う。


5.経由自動詞初級★★★
表記通る
乗り物・人が始点から着点に移動するとき、その間の地点を経由する。
文型
<乗り物・人>が<地点>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「このバスは市役所前(というバス停)を通りますか?」
昔、日本からアメリカに行く飛行機のほとんどがアンカレッジを通っていた
この迷路では、必ずすべてのチェックポイントを通らなければなりません
羽田空港から都心へ行くのに、品川を通るのと浜松町を通るのとどちらが早いですか?
コロケーション
<乗り物>が
バス、電車、飛行機
<地点>を
~点、~駅、バス停、場所、~町、街、村
解説
語義2「<場所>を通る」とも重複するが、語義2が場所を領域と捉え、場所内の移動過程に注目しているのに対し、この語義5「経由」では、場所を点と捉え、始点Aから着点Cに行く上で、その間にある地点Bを経由するという点に注目している表現である。地点BはAC間の単なる通過点であり、地点Bが実際には領域を持つ場合でも(例えば、「広島県」のように)、その領域内(広島県内)での移動行為を指すものではない。
類義語・反義語
類義語経由する、通過する
反義語


6.境界の通過(人・もの・乗り物)自動詞初級★★★
表記通る   ※まれに「透る」(「透けて通る」の意味)、「徹る」(「突き抜ける」の意味)が使われることもある。例:光がレースのカーテンを透って部屋の中に注いでいる。
人やもの・乗り物などが、二つの領域の境界(建物の内と外の境界である入口・出口、二つの容器の間のフィルターなど)を通過する。
文型
<人・もの・乗り物など>が<境界>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
入口を通って、右に進んでください。
猫はドアの下を通って自由に出入りしている。
「こんな小さな穴、子どもしか通れないよ」
「優待券をお持ちの方は、こちらのゲートをお通りください
さっさと税関を通りたかったが、なかなか通らせて(通して)くれなかった。
雨水がこのフィルターを通ると不純物が取り除かれ、飲めるようになる。
コロケーション
<もの>が
光、水、空気
<乗り物>が
車、バス、船、列車、車両、トラック、自転車
<境界>を
穴、改札、門、ゲート、~口、~所、踏切、~点
解説
この語義の「通る」は、ある境界を越えること、越えて向こう側の空間・世界に行くことに注目している。通過するという意味では語義1~5とも共通しているが、境界性に注目した用法である。この「境界を越える」という語義から、語義10「合格する」、語義11「可決される」という語義につながっていく。
類義語・反義語
類義語通過する、越える、越す、渡る、横切る、過ぎる、抜ける、くぐる、通り抜ける
反義語


7.貫通(もの)自動詞中級★★
表記通る   ※まれに「徹る」とも書く。(音訓常用外)
線状のものや糸のような細長い線の先端が、ものなどを突き抜けて反対側へ出る。
文型
<もの>が<もの>に[を]通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
的に矢が通る
なかなか針に糸が通らなくて苦労した。
「30分くらい煮て、芋に箸がすっと通るようになったら出来上がりです。」
この布は厚いので、針が通りにくい
「セーターの襟に頭が通らないんだ!」「頭が大きすぎるからよ」
髪がぐちゃぐちゃに絡まっていて、櫛が通らない
コロケーション
<もの>が
串、箸、先端、糸、櫛、腕、頭、ワイヤー
<もの>に[を]
穴、的、肉、針、針孔、袖、襟
解説
細い棒状・線状の矢、串、箸、糸(またはその先端)が物の片側から入ることを表す。貫いて反対側に出る場合も、また、中に入っただけで反対側に出ない場合も表す。
「~を通る」と「~に通る」の両方が使える場合が多いが、「~を」は経路・通過点を「~に」は着点を表す場合がある。例えば、料理で肉の出来上がり具合を調べるために串を肉に突き刺す場合は、必ずしも串が肉を貫通する必要がないので「串が肉にすっと通ったら出来上がりです」の方が「串が肉をすっと通ったら出来上がりです」よりも自然になる。同様に「針に糸が通る」と「針を糸が通る」では、「針に」は着点を「針を」は経路を表すので、前者は針孔に糸が残っていることを示し、後者では、糸が針孔を通り抜けることを示す。
3番目の例文の「箸が(すっと)通る」や「串が(すっと)通る」は、軟らかさの指標を表す料理用語としてよく用いられる。
また、6番目の例文は櫛で髪の毛を梳くことを表す。
類義語・反義語
類義語貫く、貫通する
反義語


8.加熱状態自動詞か他動詞か中級★★
表記通る
主に調理において、熱が材料の最深部にまで達し、材料全体に行きわたっている。
文型
<材料>に<火・熱>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「この肉、まだ中まで火が通っていないよ」「そのくらいのほうがおいしいのよ」
このフライパンで焼くと、素材に熱が均等に通ります
肉は火が通りすぎると硬くなる。
「よく火が通ったかどうか、竹串を刺して確かめてみてください」
コロケーション
<火・熱>が
火、熱
<材料>に
肉、魚、野菜、卵、豚肉、じゃがいも
解説
主に調理で用いられる慣用句的表現。材料の中心部まで熱が届き、材料全体が十分に加熱されている状態を指す。
類義語・反義語
類義語焼ける、煮える
反義語生焼け


9.開通自動詞中級★★
表記通る
つながっていなかった道や、ふさがっていたり詰まっていた穴などが通じる、開通する。
文型
<道・穴など>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
工事開始から5年。ついにトンネルが通った
都心と市を結ぶ念願の高速道路が通った。これから生活が便利になるだろう。
かぜ薬を飲んだら、鼻が通って楽になった。(慣用表現)
コロケーション
<経路>が
道路、道
<穴>が
トンネル、鼻
解説
それまで通じていなかった道や、ふさがっていたり詰まっていた穴などが開通することを意味する。これに対し、語義12(「山の中をトンネルが通っている」)では道などが通じている「状態」を意味するものとして別に取り上げている。
類義語・反義語
類義語開通する、通じる
反義語閉じる、詰まる、閉鎖する


10.合格・認定自動詞中級★★
表記通る
人や製品が試験や審査、検査に合格したり認定を受ける。
文型
<人・もの>が<試験・審査>に[を]通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
やっと資格試験に通った
ほとんどの製品が検査を通らなかった
抽選に通るように祈る。
予選に通っても、まだ本選がある。
「日本語能力試験にはもう合格しているんですか?」「N2は通っていますけど、N1はまだまだ通りそうにありません
コロケーション
<試験・審査など>に[を]
審査、試験、選考、検査、予選、検定、オーディション、抽選、~級、検閲
解説
「受かる」「合格する」と同様の意味で、幅広く使用される。語義6の「境界を通過する」意味から、試験や審査と言った「関門」を通過すること=合格と言う意味につながっている。
「~に通る」と「~を通る」の両方が使える場合が多いが、コーパス(『筑波ウェブコーパス』(Tsukuba Web Corpus: TWC)では、「審査」の場合は「審査を通る」が187例、「審査に通る」が595例と、「に通る」のほうがかなり多い。一方、「試験」では、「試験を通る」が92例、「試験に通る」が96例と大差がない。
類義語・反義語
類義語受かる、合格する、パスする、及第する
反義語落ちる、落第する、外れる


11.法案の可決・成立自動詞中級★★
表記通る
議会などに提出された予算案や法案などが、審議の結果、可決され、成立する。
文型
<法案>が<議会>を通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
予算案がようやく議会を通った
「消費税増税には反対だ!」「もう国会を通っちゃったんだから仕方ないよ」
十分な審議がされないまま、簡単にこのような法案が通るようでは、この国の将来が心配だ。
コロケーション
<法案>が
予算案、法案、法律
<議会>を
議会、国会、委員会、衆議院、参議院
<様態>
やっと、ようやく、なかなか(~ない)
解説
議会などに提出された法案、法律などが、議会で審議され、可決され、成立することを言う。却下された場合は「通らなかった」ことになる。「通過する」とも言う。
類義語・反義語
類義語通過する、成立する
反義語廃案になる


12.線状自動詞中級★★
表記通る
道、配管、電線などの線状のものが、長く延びて続いている。
文型
<場所>に[を]<線状のもの>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
村の真ん中を水路が通っている
家の前を幹線道路が通っているのでとてもうるさい。
発電所の真下を通る断層が活断層であることが分かった。
都心から郊外のA市までバイパスが通っている
この地下にはガス管が通っているので工事には細心の注意が必要だ。
神経が通っているので、痛みを感じるのです。
stairs実は海底に約54kmのトンネルが通っているのです。
コロケーション
<線状のもの>が
~線、道、道路、街道、線路、配管、電線、チューブ、パイプライン、神経、筋
<場所・位置>に[を]
地下、~の(位置詞)、南北、上、東西、縦、中心
<場所>から<場所>まで
そこ、駅、町、方面、市
解説
語義9「やっと二つの村を結ぶトンネル(道)が通った」が「それまで通じていなかったものが開通する」意味であるのに対し、この語義12は道や配管、神経など線状のものが長く延び、続いている状態を表すものとして別に取り上げた。
類義語・反義語
類義語伸びる、走る、通じる
反義語


13.交通路線自動詞中級★★
表記通る
ある場所にバスや電車などの陸上(地下鉄を含む)交通機関の路線が開通し、決まったルートで定期的に運行している。
文型
<場所>に<交通路線・乗り物>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
日本に鉄道が通ったのは、約150年前のことだ。
このあたりはバスが2時間に1本しか通らないのでとても不便だ。
この地方に新幹線が通る予定はない。
北は青森から南は鹿児島まで新幹線が通っている
震災から1か月経つが、まだバスも鉄道も通っていない
「あなたの町を通っているのは何線だったっけ?」「小田急線よ」
コロケーション
<交通路線・乗り物>が
鉄道、新幹線、バス、電車、路線、~線
<場所>に
(~の)前、そこ、~ところ、街、住宅街
<場所>から<場所>まで
そこ、駅、町、方面、市
<頻度>
~時間(分)に~本
非共起例
<交通機関・乗り物>が通る
 飛行機が通っている
 飛行機が飛んでいる
 飛行機が運航している
 船が通(とお)っている
 船が運航している
 船が通(かよ)っている
道路や線路など地面に接して動く乗り物に使われる。
<交通機関・乗り物>が通る
 トラック[ベンツ、自転車、救急車]が通る。
 バス[電車、新幹線]が通る。
 タクシーが通る。
定期的に決まったルートを通る乗り物(交通機関)に限られる。タクシーはその道をほぼいつも通っている場合は使用可。
解説
語義12が単に線が通じている物理的状態を意味するのに対し、この語義14では、通じたことによって利用できるようになったという機能的状態を意味する。ある場所にバスや鉄道などの陸上交通機関・路線が開通し、決まったルートを定期的に運行していることを指す。定期的に運行していない場合やルートが決まっていない場合はこの語義では使えない(「家の前をベンツが通った」では、ベンツは定期運行の交通機関ではないため、語義2の「移動・通過」の意味になる)。地面と接して動く乗り物に使われ、地中を通る地下鉄でも使える。
誤用解説
定期的に運行していない場合やルートが決まっていない場合はこの語義では使えない。
 この町をベンツが通る
ベンツは定期運行の交通機関ではないため、語義2の「移動・通過」の意味になる。
地面と接して動く乗り物に使われるので、飛行機などには使えない。
 山口・東京間を一日12便の飛行機が通っている
 山口・東京間を一日12便の飛行機が運航している
類義語・反義語
類義語開通する、運行する、運航する
反義語


14.ライフライン自動詞中級★★
表記通る
電気、水道などのライフラインが整備されて、利用できる状態にある。
文型
<場所>に<ライフライン>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この村にもようやく電気が通った
この地域に上下水道が通れば、伝染病はずいぶん減るだろう。
震災から1週間経つが、まだ電気も水道も通っていない
stairsここは都心からも近く、水道も電気も通っているごく普通の町なのですが、……
コロケーション
<ライフライン>が
電気、水道、ガス、ライフライン
<場所>に
そこ、~ところ、~間、ここ
解説
主に線や管がつながることによって使用可能になる電気、水道、ガスなどのライフラインが整備され、使える状態になる・状態にあることを表す。語義12が単に線が通じている物理的状態を意味するのに対し、この語義14では、通じたことによって利用できるようになったという機能的状態を意味する。


15.まっすぐな様子自動詞上級
表記通る
鼻筋や木の筋など、ものの筋が歪んでおらず、まっすぐ延びていて、整っている。
文型
<筋>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼の奥さんは、鼻筋が通ったきれいな顔をした人だった。
板壁は木目が通っていて見た目にも美しい。
このタンスには、柾目の通ったいい木材を使っています。
コロケーション
<筋>が
鼻筋、柾目、木目
<様態>
まっすぐ、すっと
解説
語義12の「線が延びている様子」という意味が、顔や木などに見られる筋状のものに拡張された表現。「鼻筋が通る」「木目が通る」「柾目が通る」はいずれも慣用句に近い。整った美しい様子を表すもので、「鼻筋が通った顔(顔立ち)」は、鼻の筋がまっすぐ伸びた、端正で美しい顔として評価される。ちょうどひな人形のような顔である。


16.一貫性自動詞上級
表記通る
話の内容や思想に一貫性・論理性があり、聞き手・読み手に意味、内容や筋が理解できる。
文型
<内容・筋>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「確かに彼の話は筋が通っている。うそとは思えない」
それでは意味が通らない
彼の書いた文章は全く文意が通らない
コロケーション
<内容>が
「(話、文章の~)筋、意味、文意、内容
<思想>が
筋、道理
<程度>
よく、だいたい、まったく(~ない)、ぜんぜん(~ない)
解説
話の内容・思想に一貫性があり、読み手・聞き手が納得できることを表す。語義15「鼻筋が通る」は語義12の物理的に線状のものが通じている意味の物への拡張であったが、この語義16ではこれが「話の筋」(=一貫性)という抽象的なものへと拡張されたと捉えることができるだろう。「話の筋が通らない」は慣用表現となっている。「意味が通らない」のように、否定形で用いられることも多い。「無理が通れば道理が引っ込む」ということわざもある。


17.思想・生き方自動詞上級
表記通る
人の思想や生き方に強い意志によって制御された一貫性があり、そのことに他人も感銘を受け、納得させられる。
文型
<思想・人生>に<筋>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
父の生き方には一本芯が通っていた。決してぶれることがなかった。
選挙公約を破ることは、選挙でその人を選んだ国民に対して筋が通らない
「芯の通った人間になりなさい」
コロケーション
<筋>が
筋、芯
<思想・人生>に
思想、生き方、人間、考え方、考え
解説
思想や生き方にぶれがなく、強い意志に支えられた一貫した思想・意志がある人や思想を表す。慣用句となっている。語義16「話の筋が通っている」「道理が通っている」は、話や思想自体の一貫性を意味する表現であったが、この語義17は人間としての生き方や思想の一貫性を表している。


18.内容・意図の伝達自動詞上級
表記通る
仕事や日常のコミュニケーションなどにおいて、話や指示の内容・意図が相手に伝わる。
文型
<人・組織・部署>に<話・指示>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
外国人研修生になかなか日本語での指示が通らない
こちらの意向があちらに通っていなかった
先方に話は通っているので、あとは直接会って交渉してください。
なかなか料理が来ないので店員に確かめたら、注文が奥に通っていなかった
「3番テーブルさんのオーダー、通ってますか?」「大丈夫ですよ。今作っています」
コロケーション
<話・指示>が
話、指示、気持ち、意向、指令、注文、オーダー
<人・組織・部署>に
相手、先方、、上の人、社長、帳場、調理場、奥
<程度>
ちゃんと、正しく、正確に
解説
話や指示が相手に伝わり、内容が理解される。語義19(例:言い訳が通る)とは異なり、相手が納得するかどうかは問題ではない。
類義語・反義語
類義語伝わる、届く
反義語


19.受諾自動詞上級
表記通る
意見や主張、要求、提案などが他の人に受け入れられる・認められる。
文型
<意見・主張、要求、提案>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
最高裁でも彼の主張が通り、勝訴が確定した。
彼女は自分の言うことは何でも通ると思っている。
「そんな言い訳は通りません!」
住民の要求が通り、情報が公開されることになった。
ご希望が必ず通るとは限らないのですが、鋭意努力いたします。
この企画が通らなかったら、会社を辞めるつもりだ。
stairs面接官:希望は一応お聞きしますが、各部署の受け入れ枠もあるので、希望が必ず通るとは限りません。
コロケーション
<意見・主張>が
意見、考え、訴え、主張、理屈、言い分、わがまま、意志
<要求>が
申請、要求、希望、注文、要望、意向、推薦、願い
<提案>が
企画、提案
<会議・組織>で
会議、裁判、世界、世間
<人>に
私、世間
解説
語義18が単に指示の内容などが伝達されるという意味だったのに対し、この語義19では、意見や主張、要求や提案が相手や組織に受け入れられ、認められることを表す。


20.音の伝達自動詞上級
表記通る
声や音が遠くまで明快に伝わる。
文型
<音>が通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あなたの声はよく通りますね。
彼はよく通る声で歌った。
このホールは音がよく通る
プレゼンは会場の後ろまで通る声でしてください。
コロケーション
<音>が
声、音
<場所>に
ホール、会場
<場所>まで
遠く、隅々
解説
声や音が遠くまで伝わること。語義18は指示内容の伝達、さらに語義19は意見思想の承認という意味まで意味が拡張されているが、この語義20は、基本的には音声が物理的に相手や場所・空間に到達するという意味である。「声がよく通る」「よく通る声」は声の性質を表す慣用句として使われているため、「<人>は声がよく通る」、「<場所>は音(声)がよく通る」という文型で、人や場所の性質を表す文としてよく使われる。
類義語・反義語
類義語伝わる、届く、響く
反義語


21.評判自動詞上級
表記通る
ある人やもの、場所などの性質に関する評判が世間に広く知られている。
文型
<人物・性質>で[として]通る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A氏は市民派で通っている
彼は人嫌いで通っているが、実はとてもさみしがり屋だ。
慈善家として通っていたB氏が、義捐金横領の疑いで逮捕された。
彼は物理学の分野では名の通った人物だ。(慣用表現)
広島は平和都市として通っている
コロケーション
<人物・性質>で[として]
正義派、人嫌い、わがまま、~家、~派
<場所・組織>で(は)
世間、会社
解説
そのような人として世間に知られていることを表す。真実かどうかは問題ではない。4番目の例文の「名が通る」は名声を表す慣用表現。
類義語・反義語
類義語知れ渡る
反義語


通るの全体解説 「通る」は、人、もの、乗り物などが経路を一方向に移動する動きを表すが(語義1)、移動する経路として区間や場所・領域を表す語がつくと、「その区間・領域に入って・その中を一方向に移動し・そこを抜ける」という「通過」の意味を持つ。通過する経路が空間ではなく境界であるときは「境界を越える」という意味に(語義6)、また経路が閉じていれば「突き抜ける」(語義7)、「開通する」(語義9)という意味となる。この「越境」「貫通」「開通」の比喩から、関門を越えて・突き破って「合格する」(語義10)、「法案が成立する」(11)などの意味が生まれる。また、「通る」の持つ「一方向の移動」という意味から、その移動の道筋が通じている状態を指す意味とつながり(語義12)、そこから、交通路線、ライフライン、コミュニケーションなどが伝わる・理解されるという意味へと広がっていく(語義13~21)。このように広範な語彙ネットワークを持つ「通る」には、慣用句となっている表現も多くもある。
























▶全例文を聞く
<経路>を通る
犬は毎日、同じころ、同じ道をとおります。
(奥田継夫作;みやざきひろかず絵 『いのちをうばった神さま』, 1994, )
上信越自動車道信州中野ICから数々の温泉が続く志賀草津高原ルートを通って15分ほど、上林温泉入り口を左折する。
(エクスメディア編著 『部屋まで選ぼう癒しの温泉宿百選』, 2000, 689)
<位置>を通る
私は嬉しいような気持ちで、明るい桜の下を通った。
(鱸鑒著 『足助の中世城館』, 2001, 215)
<乗り物>で通る
他の自転車で車道を通っている人も少ないながらいるんですが、これでもやはり車道を通るのがルールでしょうか?
(Yahoo!知恵袋, 2005, マナー)
<様態>通る
土曜日、旋開橋の上を車が騒々しくとおっていた。
(フィリップ・ケリガン著;長野きよみ訳 『ウェザースパイ追跡』, 1993, 933)
<頻度>通る
たまたま往来を通りかかった人たちが見たんです。
(アガサ・クリスティー著;小尾芙佐訳 『第三の女』, 2004, 933)
<場所・空間>を通る
バスは望洋とひろがる田畑を抜け小櫃川を渡って横田という町を通る。
(西脇隆英著 『江戸をたずねて街道めぐり』, 2003, 291)
<位置>を通る
運よく、近くを誰かが通りかかったものらしい。
(綾乃なつき著 『夢見る乙女じゃいられない』, 1998, 913)
<乗り物>で通る
ときどき駒場の辺りを車で通るんだけど、『東大前』って歩道橋があってさあ。
(奥田英朗著 『空中ブランコ』, 2004, 913)
<様態>通る
2、3カ月に1度くらい、自転車でスーッと家の前を通るのを見る程度でした
(週刊朝日, 2003, 一般)
<物・液体・気体・エネルギーなど>が通る
川風が街中の隙間を通ってクチナシの香を運んできた。
(浜野卓也著 『義の旗風』, 2001, 913)
<経路>を通る
液化されたフロンガスはこの管を通るとき、管壁の抵抗によってさらに低温・低圧になります。
(伊東雅子著 『すぐ役立つ家庭の電気百科』, 1995, 592)
<経路(人体)>を通る
食事はまったくノドを通らなかった。
(川中美幸著 『人・うた・心』, 2001, 767)
<天体・気象現象>が通る
台風が近くを通った南西諸島,九州東部,南部,四国南東部,東海地方太平洋沿岸部,伊豆諸島では強い雨が降った。
(防災白書, 1982, )
<位置>を通る
二月にはいって冬型の気象配置がくずれて春をつげる低気圧が日本の南岸を通るようになると、それが東京近郊の山に雪を降らせる。
(横山厚夫著 『低山を歩く』, 1995, 786)
<地点>を通る
途中、車は、村の中心地・大深山を通った。
(吉田悦子著 『日本犬・血統を守るたたかい』, 2003, 645)
<もの>が通る
線香の煙の中などを光が通ると,光の進む道すじがよく見える。
(新しい科学 1分野上, 2005, 中)
つまり水がふるいの目を通るとき水の面は引き伸ばされるので、力が働かない限り水はふるいの目をまったく通れないのです。
(ボイズ著;野口広訳 『シャボン玉の科学』, 1987, 423)
<境界>を通る
新幹線の改札を通る時は、乗車券と特急券って一緒に入れるのですか?
(Yahoo!知恵袋, 2005, 交通、地図)
<もの>が通る
じゃが芋は皮をむいて一口大に切り、竹串が通るほどにゆで、湯を捨てます。
(安藤久美子著 『ドッカンごはん』, 2001, 596)
<もの>に[を]通る
今日、家庭科でミシン使ってたんですが、なかなか糸が針の穴に通らなくてですねー
(Yahoo!ブログ, 2008, 学校)
<経路>が通る
ところが、あるとき、耕一の農地を横切って幹線道路が通ることが決まった。
(浜なつ子著 『マニラ行きのジジババたち』, 2002, 334)
<火・熱>が通る
火が通ったら出来上がり。
(Yahoo!ブログ, 2008, グルメ、ドリンク)
<材料>に通る
鶏肉に火が通ったら、野菜を入れて炒める。
( 『いきなり!黄金伝説。超節約レシピ50』, 2000, 596)
<試験・審査など>に[を]通る
勤務年数、所得等を考えると、銀行ローンでは審査に通らなかった
( 『住宅金融公庫融資の廃止・存続に関するアンケート結果報告書』, 2001, 338)
国家試験を通れば、学生でも歯科医としての資格を持っていますから、いくらでも診療できます。
(宮野たかよし著 『歯科技工士が書いた入れ歯至急相談室』, 2002, 497)
<法案>が通る
もしこの法律が通ったら、ほとんど報道はできない状況になりかねません。
(青年法律家協会大阪支部,自由法曹団大阪支部,民主法律協会編 『市民がつくる21世紀の日本国憲法』, 2002, 323)
<議会>を通る
この法案が国会を通れば、地域活性化と称して、全国のすべての銀行は公的資金投入で救済されることになる。
(エコノミスト, 2004, 経済/経営)
<様態>通る
ついに一九二四年(大正一三年)日本人の移民はもう受け入れないという、法律が、アメリカ議会を通ったのでした。
(矢崎節夫著 『先生のわすれられないピアノ』, 1991, )
<線状のもの>が通る
ぴっちり閉めきってあるうえ物でいっぱいでしたし、部屋の裏側には、大量のまきを燃やしているとなりの家の管がとおっていたからです。
(ウィーダ作;野坂悦子訳 『フランダースの犬』, 2003, 933)
<場所・位置>に[を]通る
小字「講堂」土壇の北五〇メートルほどのところに東西に通る農道がある。
(木下正史著 『飛鳥幻の寺、大官大寺の謎』, 2005, 210)
<ライフライン>が通る
浜中町の農村部に電気が通った時期は、全国的にはすでに家庭電化時代を迎えていた。
(河合知子著 『北海道酪農の生活問題』, 2005, 641)
<筋>が通る
鼻筋が通り、ほりの深い顔である。
(柳田邦男責任編集 『同時代ノンフィクション選集』, 1993, 081)
<内容>が通る
この説明はいっけんスジがとおっているようにみえる。
(猪瀬直樹著 『ニュースの考古学』, 1992, 302)
<思想>が通る
が、世の中、道理が通らないこともたくさんあるのが事実です。
(Yahoo!知恵袋, 2005, ニュース、事件)
<筋>が通る
シャロンは、見た目はすっごくかわいくて、ホワホワ〜のオドオドな子かと思ったら、実はきちんと芯が通った女の子でした。
(角川書店編 『ロマンスは剣の輝き2~銀の虹をさがして~冒険恋愛ガイド』, 2002, 798)
<意見・主張>が通る
それを、おのれのいい分がとおったと解釈して、彼はさらにいいつのる。
(井上祐美子著 『乱紅の琵琶』, 2001, 913)
<要求>が通る
要求が通らないようなかたちでぶつけても、決裂するに決まっているじゃないですか。
(岡野あつこ著 『離婚して幸せになる人不幸になる人』, 2001, 367)
<提案>が通る
それでも今回提案が通ったら、これが突破口となって漁獲量が減った他種のマグロが規制の網にかかるのではないかと水産関係者は心配している。
(沢野ひとし著 『一枚の絵葉書』, 1999, 291)
<音>が通る
「マイクなしでは声が通らねえ噺家は、噺家じゃねェや」
(高橋健而老著 『回想の東大駒場寮』, 1994, 377)
<人物・性質>で[として]通る
この人物は、いささか浅薄な社交家としてとおっていた。
(ジャン・スタロバンスキー著;井上尭裕訳 『フランス革命と芸術』, 1989, 702)
<場所・組織>で(は)通る
西側では保守派としてとおっているリガチョフ政治局員でさえ、歴史的文化財保存の必要性を強く訴えている。
(嵯峨冽著 『ソ連社会は変わるか』, 1988, 302)






























飛行機が頭上スレスレを通るからです。
私たちは普段まったく意識しないで話していますが、ナ行やマ行を発音する時、肺からの空気が鼻腔を通り、鼻から外へ出ているのです。
実は海底に約54kmのトンネルが通っているのです。
ここは都心からも近く、水道も電気も通っているごく普通の町なのですが、……
面接官:希望は一応お聞きしますが、各部署の受け入れ枠もあるので、希望が必ず通るとは限りません。
食べ物(食事)が喉を通らない

意味
食べることができないくらいに精神的不安・心配が大きい。
用例
試験の結果が心配で、食事も喉を通らない。
芯が通る

意味
生活態度・言動に一貫して強い信念と意志が感じられる人の性質を表す。
用例
あの人は一本芯が通っている。
無理が通れば道理が引っ込む

意味
道理に外れたことが許されるようになると、正しいことが行われなってしまう。
用例
コーパス用例
人っ子一人通らない

意味
その場所や通りが、通る人や乗り物が全くない寂しい場所であることを強調する。
用例
このあたりは、夜10時を過ぎると人っ子一人通らない。一人で歩くのは危険だ。
人一人が通れるか通れないかくらいの~

意味
経路の幅がとても狭い様子を表す。
用例
大通りを外れ、人一人通れるか通れないかくらいの狭い裏道を抜けて駅に出た。
コーパスからの用例
そんなところなんかは、發育ざかりの雜草が鋪道にまではみ出してゐる。やつと人ひとり通れるか通れないかぐらゐの鋪石を殘して。どうかすると、小綺麗なコンクリイトの建物の前まで、鋪石と鋪石との隙間から、ペンペン草が生えてゐる。(堀辰雄『CARTE POSTALE』 https://www.aozora.gr.jp/cards/001030/files/47956_39426.html)
複合動詞 V1

染み通る(透る)、避けて通る
複合動詞 V2

通りかかる、通り過ぎる、通り抜ける、通って行く、通って来る、通って帰る
複合名詞

通り雨、通り道、通り魔
通る(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形おる
ない形とおない
~なかったとおなかった
ます形とおり
~ませんとおりま
~ましたとおりした
~ませんでしたとおりまんでした
~ときおるとき
ば形おれば
意向形とお
て形おって
た形おった
可能形とお
受身形とおら
使役形とおら
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