飛ぶのコアイメージ

1.自力による空中移動自動詞初級★★★
表記飛ぶ
自分の力で空中に浮いて(主に水平方向に)移動する。
文型
<動物>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
大きな鳥が大空を悠々と飛んでいる
ひな鳥が巣から飛ぼうとしていたが、うまくできずに枝にひっかかってしまった。
ダチョウのように翼があっても飛べない鳥がいる。
6月ごろには近くの川で蛍が光りながら飛んでいるのが見られる。
昔はたくさんの珍しいチョウチョが飛んでいたが、最近はあまり見なくなった。
夏に窓を開けたまま寝ると、蚊が飛んできて眠れなくなる。
コロケーション
<動物>が
鳥、カモメの群れ、虫、蚊、蛍、ちょうちょ
<経路>を
空、大空、上空、〜の上、周り
<方向>に(向かって)[へ]
〜の方向、方角、上空
<様態>
バタバタ、ひらひら、ふわふわ、スーっと
解説
語義1は翼や羽を用いて空中に浮かんで移動することを表わす
類義語・反義語
類義語はばたく、舞う
反義語


2.乗り物の空中移動自動詞初級★★★
表記飛ぶ
乗り物が空中に浮いて(主に水平方向に)移動する。
文型
<乗り物>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
空港でたくさんの飛行機が飛んでいる様子を見るのが好きだ。
重い飛行機がなぜ空を飛ぶのか?
以前はよく飛行船が飛んでいたが、最近はめったに見かけなくなった。
大規模な事故を中継するため、テレビ局のヘリコプターが現地上空に飛んだ
技術開発によって気球は40日以上も飛べるようになった。
私の住んでいる地域の上空には多くの飛行機が飛んでくる
コロケーション
<乗り物>が
飛行機、ジェット機、ヘリコプター、気球、飛行船
<経路>を
空、上空、〜の上、地上3300フィート
類義語・反義語
類義語飛行する
反義語


3.風による空中移動自動詞初級★★★
表記飛ぶ
ものがそれまで付いていたところを離れ、風に乗って空中を移動する。
文型
<もの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
子供が手を離してしまった風船がふわふわ飛んでいる
晴れて気温が高く風が強い日は、花粉が飛びやすい
遠く離れている場所からも、風にのって見えない有害物質が飛んできているようだ。
風で飛んできた砂が目に入ってしまった。
強い台風で家のガラスが割れたり、屋根の瓦が飛んだりする被害が出た。
突然の強風で飛んでしまった帽子を慌てて拾いにいった。
stairsしかし、春が近づいてくると花粉が飛び始め、毎年、多くの人が「花粉症」に悩まされます。今や花粉症は日本の「国民病」と言われています。
コロケーション
<もの>が
花粉、風船、砂、帽子、瓦
<場所>に[へ]
遠く、こっちのほう
<理由>で
風、強風、突風、台風、竜巻
解説
語義3はものが風に乗って空中を移動することを表わす。
「風船」の場合、空中にあるときは「浮かぶ」も使うことができる。
 風船が飛んでいる
 風船が浮かんでいる
「飛ぶ」は空中を移動しているが、「浮かぶ」は空中のある一点で留まっているという違いがある。
類義語・反義語
類義語飛散する、舞う
反義語


4.人の乗り物による空中移動自動詞中級★★
表記飛ぶ
人がある場所から別の場所へ乗り物に乗って移動する。
文型
<人>が<場所>に[へ]飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
去年のヨーロッパ旅行ではロンドンで4泊し、その後パリへ飛んだ
もしその会議に出席するとしたら、始発の便で沖縄に飛ばなければならない
本社での会議出席が決まり、急遽東京に飛ぶことになった
探していた資料があることがわかり、長崎に飛ぶことにした
新聞記者の友人からメールが来て、彼が先月アメリカに飛んでいたことが分かった。
彼は出張が多く、毎月のように海外に飛んでいる
コロケーション
<場所>に[へ]
海外、現地、各地
解説
語義4は飛行機などの乗り物を使って、ある場所から別の場所に空中移動することを表わす。必ずしも「飛行機で」と移動手段を明記する必要はない。
類義語・反義語
類義語行く、渡航する
反義語


5.飛行する乗り物の運航自動詞中級★★
表記飛ぶ
空中を移動する乗り物が運航する。
文型
<飛行する乗り物>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この地方空港からは、週に2回、金曜日と日曜日に韓国のソウル便が飛んでいます
旅行シーズンには人気のあるリゾート地へ臨時便が飛ぶ
明日は大きな台風が来るため、飛行機が飛ばない可能性がある。
この空港から目的地までは一日1便だけ飛んでいる
地方の空港でも国際線が飛べば地域の活性化に大きく寄与するだろう。
日本から直行便が飛んでいない場合には、乗り継ぎ便で行くしかない。
コロケーション
<飛行する乗り物>が
飛行機、直行便、定期便、臨時便、国際線
<場所>から<場所>まで
海外、成田(空港)
<場所>に[へ]
海外、成田(空港)
<経路>を
東京—大阪間
<時間>を
土曜日、午前中、夜中、〜時
<頻度>
毎日、一日に1便、一週間に3便、何便も
類義語・反義語
類義語運航する、就航する
反義語


6.遠方への逃亡自動詞上級
表記飛ぶ
人が罪などから逃れるために遠くへ逃げる。
文型
<人>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
その犯人は国外に飛んだ後どこへ行ったのか、何年も行方が分かっていない。
警察は、海外へ飛ぼうとしている事件の容疑者を発見し、逮捕した。
警察はもう少しのところで容疑者に国外へ飛ばれてしまい、面目を失った。
懸命な捜査にもかかわらず、指名手配犯は既に国外に飛んでしまった後だった。
「こうなったら海外へ飛ぶしかない」と犯人グループは考えた。
コロケーション
<人>が
犯人、容疑者、指名手配犯
<場所>に[へ]
国外、海外
解説
語義6は何らかの不都合な状況や罪から逃れるために遠くの別の場所へ(主に空路で)移動することを表わす。
類義語・反義語
類義語逃亡する、高飛びする
反義語


7.目的地への急行自動詞中級★★
表記飛ぶ、とぶ
人が目的地へ急行する。
文型
<人>が<場所>に[へ]飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
母親が入院したという知らせを受けて、家族が病院に飛んできた
教室の中で学生たちが激しくけんかをしていると、慌てて飛んできた先生方がその場を収めた。
このビルは警備員が常駐していて、何かあればすぐに飛んできてくれる
「高速道路で大きい事故があったらしい。至急現場へ飛べ」と担当新聞記者に指令が下った。
この会社では商品トラブルがあったら、担当者は直接客のところへ飛んでいって対応することになっている。
娘は外に遊びに行くと、興味のあるところに飛んでいってしまうので目が離せない。
コロケーション
<人>が
担当者、警備員、看護師、家族、関係者
<場所>に[へ]
現場、病院、病室
解説
語義7は空中を浮いて移動する意ではない。移動方法は問題にせず目的地へ非常に早く移動することを表わす。「飛んでいく」「飛んでくる」の形でよく使われる。
類義語・反義語
類義語かけつける、急行する、走る(「目的地へ急行する」の意味で)
反義語


8.跳躍他動詞初級★★★
表記飛ぶ、跳ぶ
地面を蹴って空中に飛び出し、(障害物を越えて)着地する。
文型
<人・動物>が<種目・障害物>を飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
悪条件だったにも関わらず、そのスキー選手は最も距離の長いジャンプを飛び、優勝を果たした。
女の子は目の前の水たまりをぴょんと跳んだ
世界記録よりも高いバーを飛ぼうとする選手に、観客は大きな声援を送った。
きれいな姿勢でハードルを飛べるようになるためには、柔軟性が必要だ。
40人の児童に跳び箱を跳ばせたら、最初は半分程度の児童しか飛べなかった。
世界の女子フィギュアスケーターの中では、まだ数名しか3回転半ジャンプを飛んで[跳んで]いない
コロケーション
<種目・障害物>を
ジャンプ、跳び箱、なわとび、ハードル、バー
<様態>
ひらりと、ぴょんと、ふわりと、ふわっと
解説
語義8は全ての語義の中で唯一跳ぶ対象として助詞の「を」を伴う。
類義語・反義語
類義語越える(障害物を飛ぶ場合)
反義語


9.ものの速やかな空中移動自動詞初級★★★
表記飛ぶ
ものが力を加えられて空中を勢いよく移動する。
文型
<もの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
木製バッドより金属バッドの方が打球がよく飛ぶようだ。
ペットボトルで作ったロケットが空気と水の圧力でちゃんと空に飛んだ
テニスラケットを思い切り振ったら、ボールが隣のコートに飛んでいってしまった
このゲームは、飛んでくる敵の弾に当たらないように、ゴールを目指すゲームです。
シャンパンを開けるときは栓が飛ばないように、必ずナプキンをかけてください。
月には既に多くのロケットが飛んでいる
コロケーション
<もの>が
ボール、打球、ロケット、栓、銃弾
<経路>を
目の前、空、宇宙
<場所・方向>に[へ]
目の前、空、〜の方向、遠く、近く
<場所・方向>から
後ろ、あちこち、〜の方向
解説
語義9は(自力や風の力では空中に浮かないものが)何らかの力が加わることで、勢いよく空中を移動することを表わす。移動する軌道は自力で変えることはできない。


10.素早くくりだされる攻撃的行為自動詞中級★★
表記飛ぶ、とぶ
手足などを使った攻撃的行為が素早くくり出される。
文型
<攻撃的行為>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私の父は昔とても怖くて、ルールを破るとげんこつが飛んだものだ。
ボクシングの試合が始まったとたん、相手からいきなり飛んできたパンチをなんとか避けた。
クラスメートをからかった太郎のほおに花子の平手が飛び、パシンと大きな音をたてた。
キックボクシングは普通のボクシングと違い、あらゆる方向からパンチやキックが飛んでくる
僕のいたずらを見て、姉は「そんなことしたらげんこつが飛ぶよ!」と注意した。
もし太郎が目の前にいたら、怒りのあまり私の拳が太郎の顔面に飛んでいたかもしれない。
stairsよく親父のげんこつが飛んできたもんだよ。
コロケーション
<攻撃的行為>が
パンチ、げんこつ、拳、平手、キック、攻撃
<場所>に
顔面、頭、ほお、お腹


11.勢いのある声かけ自動詞中級★★
表記飛ぶ
不意に勢いよく声がかけられる。
文型
<声>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今日で引退を迎える選手が登場すると、多くのファンから暖かい声援が飛んだ
就職面接では面接官から予想していなかった鋭い質問が飛んできた
次々と激しい野次が飛ぶ中、その政治家は演説を続けた。
市場を歩いていると、いろいろな店から「いらっしゃい!安いよー!」という声が飛んでくる
試合が近いため、運動場では監督やコーチから大きな檄が飛んでいる
上司から突然、今月の売り上げを1.5倍にするよう指令が飛んだ
コロケーション
<声>が
声援、質問、声、野次、罵声、ブーイング
<場所>から
あちこち、客席、会場、外野
<人>から
観客、会場、ファン、聴衆、先生、コーチ
<様態>
矢継ぎ早に、次々と
解説
語義11はある人から別の人へ声が勢いよく発せられることを表わす。声によって発信されることが基本であるが、必ずしも声によらず文書やメールによる発信である場合もある。例えば6つ目の例文において指令が飛ぶ際の媒体は声でも文書やメールでも良い。


12.素早い情報伝達・拡散自動詞上級
表記飛ぶ、とぶ
情報が早く伝わる、または広がる。
文型
<情報>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
新製品についての噂が飛ぶなかで、ついに来週詳細な情報が発表されることになった。
問題を起こした大物政治家が明日辞職するとの情報が飛んだ
大きな自然災害が起こったときは、デマが飛びやすく、パニックが生じる危険がある。
本の発売が延期になった理由について、現在様々な憶測が飛んでいる
北海道の幼なじみの噂が東京まで飛んできた
コロケーション
<情報>が
憶測、噂、デマ、情報
解説
語義12は情報の発信元と発信先が不特定多数である場合が多い。
類義語・反義語
類義語流れる、飛び交う、出る
反義語


13.空中への拡散自動詞初級★★★
表記飛ぶ
液体や固体などの一部がはねて空中に散る。
文型
<もの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
子供が慣れない皿洗いをして、泡や水があちこちに飛んでしまった
うどんを食べると、いつも汁が服に飛んで困る。
電源コードをコンセントに差し込んだとたん、バチッという音とともに火花が飛んだ
油が飛ばないように、事前に食材の水分を十分に取ってから焼いてください。
この日は波が高く、海沿いの道路を歩いていると時々波しぶきが飛んできた
割れたグラスの破片がこんなところにまで飛んでいた
コロケーション
<もの>が
水、油、汁、破片、火花
<場所>に
あちこち、服、床、壁
類義語・反義語
類義語はねる、散る
反義語


14.瞬時の発信自動詞上級
表記飛ぶ、とぶ
目に見えないものがある場所からある場所へ(瞬時に)発信される。
文型
<もの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
トンネル内には通常の電波が飛んでこないので、携帯電話で通話ができない。
無線でインターネットに接続できるのは、電波が飛んでいるところだけです。
テレビを見るためには電波が飛んでくるほうにアンテナを向ける必要がある。
電車の中で通話をしていると、周りの人から迷惑そうな視線が飛んできた
インターネットで受付が完了したら、自動的に確認のメールが飛ぶようになっている。
コロケーション
<もの>が
電波、メール、視線
誤用解説
「メールが飛ぶ」は5つ目の例文にある自動配信メールのような、自動的・反射的に発信されるメールの場合である。それ以外の場合は「来る」や「届く」を用いる。
 友達から近況を知らせるメールが飛んできた
 友達から近況を知らせるメールが来た
類義語・反義語
類義語届く、来る
反義語


15.連続性の一時的途切れ自動詞中級★★
表記飛ぶ、とぶ
それまで連続していたものが途中で一部抜ける、或いは別のところへつながる。
文型
<連続するもの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
レポートを提出する前に確認したら、ページが1ページ飛んでいた
古いレコードを聞いていると、ところどころ音が飛んでいるのに気づいた。
彼の話はあちこちに飛んだので、結局言いたいことがわからなかった。
このホームページでは欲しい品物のボタンを押すと、商品の詳細ページに飛びます
寝不足で気を抜くと意識が飛びそうになる。
出来事があまりに衝撃的であると、その時の記憶が飛んでしまうことがある。
コロケーション
<連続するもの>が
ページ、番号、話、意識、記憶
<場所>に
どこか、あちこち、違うところ、ページ
類義語・反義語
類義語途切れる、抜ける、欠落する
反義語


16.継続性の急な切断自動詞上級
表記飛ぶ、とぶ
それまで継続していたものや状態が急に切れる。
文型
<もの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
電気の使いすぎが原因でヒューズが飛んで、停電してしまった。
トラブルの原因を調べたところ、ゆるんでいたネジが飛んでいたようだった
お腹いっぱいに食べ過ぎたせいで、ズボンのボタンが飛びそうだ
冷たい水で顔を洗ったら、一気に眠気が飛んだ
山頂に着くと、それまでの疲れがどこかへ飛んでいってしまうような素晴らしい景色が見えた。
怒りのあまり理性が飛んで、気づくと相手を殴っていた。
stairs「痛いの痛いの、飛んでけ~!」
コロケーション
<もの>が
① もの:ヒューズ、ネジ、ボタン
② 状態:眠気、疲れ、理性
類義語・反義語
類義語なくなる、取れる、切れる(「ヒューズ」のみ)
反義語


17.存在の消失自動詞上級
表記飛ぶ、とぶ
それまで存在していたものが消えてなくなる。
文型
<もの>が飛ぶ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
干した野菜は水分が飛んでいるため、味が凝縮されるし、長期保存もできる。
長い間使わなかったら香水のいい香りが飛んでしまった
写真を撮るときには光に気をつけないと、色が飛んで真っ白になることがある。
ワインを料理に使うときは、2〜3分強火で煮るとアルコール分が飛ぶ
結婚式の準備で、何十万、何百万というお金が飛んでいった
コンピュータが突然壊れて重要なデータが飛ばないように、日頃からバックアップを取っている。
stairs来週の日曜は友達の結婚式なの。あ~、またお金が飛んでく~
コロケーション
<もの>が
① 成分:水分、アルコール分、色、香り
② 蓄積している物:お金、データ、アイデア
類義語・反義語
類義語蒸発する(成分、とくに水分を含むものに対して)、なくなる、消える
反義語


18.一般常識からの逸脱自動詞上級
表記とぶ、飛ぶ
世間の一般常識や価値観から非常にかけ離れている。
文型
<人・もの>がとんでいる[ぶっとんでいる]
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ビジネスでは常に新しいものを生み出す力が必要だというが、確かに私の会社の社長はかなりとんでいる
ちょっととんでいるところがありますが、この子はとても優しくて良い子です。
オリジナリティが求められるこの業界には、ぶっとんでいる人がたくさんいる。
このドラマは現代の医者が江戸時代にタイムスリップするというぶっとんだストーリーだが、見てみたらとても面白かった。
全身白のスーツという、まるでマンガの中の王子様のようなぶっとんだ服装で彼はやって来た。
コロケーション
解説
「とんでいる」「ぶっとんでいる」の形で使われることが多い。また文の述部で使われるよりは、「とんでいる人」などのように名詞を修飾することの方が多い。この場合、「ぶっとんだ」もよく使用される。


飛ぶの全体解説 各語義の解説を参照。
























▶全例文を聞く
<動物>が飛ぶ
「あっ、鳥が飛んでる」
(浦沢義雄文;タムラノボル絵 『たまご和尚』, 2003, 913)
アザミの花がお気に入りか、沢山の蝶が飛んでいました。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
うちの近所にはもうトンボが飛んでます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 国内)
<経路>を飛ぶ
熱帯鳥は黒い海の上を飛んでいる
(村上昭夫詩集, 1999, )
<様態>飛ぶ
ふわふわと飛んでいった蛍が、芳朗の目の前でぱちんと弾ける。
(新田一実著 『海神祭』, 2002, 913)
<乗り物>が飛ぶ
上空を飛行機が飛んでいた。
(小坂春生著 『五十メートルの戦記』, 2003, 913)
現に、この瞬間にも無数のマスコミのヘリが低空でこの上を飛んでいるのである。
(宮嶋茂樹著 『不肖・宮嶋踊る大取材線』, 2002, 740)
<経路>を飛ぶ
偵察用の航空機が上空を飛んでいた。
(北山猛邦著 『『瑠璃城』殺人事件』, 2002, 913)
<もの>が飛ぶ
今年の宮崎はものすごい量の花粉が飛んでいるようです。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
あれは半分方は、中国から砂が飛んできて、日本の空のうんと高いほうに移動してくるから、少々雨が降っても、すっきり澄まない。
(青田吉弘著 『情報化社会対話集』, 2002, 007)
<理由>で飛ぶ
台風で瓦が飛んだときも、修理するのは私の役目でした。
(『婦人画報』編 『母』, 1996, 281)
<場所>に[へ]飛ぶ
わしは外交問題にまで発展するのを避けるため、現地に飛んで行かざるをえなかった。
(ダニエル・ジュフュレ著;長島良三訳 『スイス銀行の陰謀』, 2001, 953)
奥さんは休暇でパリからロンドンへ飛んだ。
(ディーン・クーンツ著;内田昌之訳 『アイスバウンド』, 1997, 933)
<飛行する乗り物>が飛ぶ
この路線は、JALの子会社である日本エアコミューターが運航していて、定員がわずか36人のサーブという小さな飛行機が飛んでいます。
(Yahoo!ブログ, 2008, 日本)
<種目・障害物>を飛ぶ
他の授業でも手をあげるし、体育では跳び箱を上手に飛んで女の子たちから喝采されるし。
(田中雅美著;池野恋原作 『ときめきトゥナイト』, 1994, )
次から次へと大きな障害を跳び続けて、さすがのユリシーズ号も疲れて足が鈍ったので、少年は馬の首を軽く叩いて何か話しかけた。
(茅田砂胡著 『天使たちの華劇』, 2004, 913)
<もの>が飛ぶ
弟のウッディが蹴ったボールが、家のほうへ飛んだ。
(シドニィ・シェルダン著;木下望訳 『遺産』, 1995, 933)
痛烈な打球がライト線に飛び、2塁赤星、1塁鳥谷両選手が相次いでホームイン!
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
でも,実際にミサイルが飛んできたら迎撃なんてできないだろう。
(Yahoo!ブログ, 2008, 政界と政治活動)
敵と遭遇して、流れ弾があちこちに飛んでいるところで立ち上がれば、すぐ当たる。
(日下公人著 『人間はなぜ戦争をやめられないのか』, 2004, 319)
<暴力的行為>が飛ぶ
どこからともなく、目にもとまらぬ速さで拳が飛んできて、顔の真ん中にぶちこまれた。
(ジェレミー・ドロンフィールド著;越前敏弥訳 『飛蝗の農場』, 2002, 933)
こう怒鳴りつけるのと同時に、顔面に膝蹴りが飛んできた。
(宮本照夫著 『ヤクザが恐喝りにやってきた』, 2004, 368)
<声>が飛ぶ
思わず応援の声が飛ぶ。
(鎌田敏夫著 『新・里見八犬伝』, 1982, 913)
ノエルが玄関に入るなり、ゴーチエの怒声が飛んだ。
(シドニィ・シェルダン著;天馬竜行,紀泰隆訳 『真夜中は別の顔』, 1992, 933)
<人>から飛ぶ
男の子だけでなく、女の子からも黄色い声援が飛んだ。
(吹上流一郎著 『松浦亜弥素顔のメモリアル』, 2002, 767)
<情報>が飛ぶ
周祖培のこの一言で本件は落着したのだが、これが知れ渡るといろいろな噂が飛び始めた。
(高陽著;鈴木隆康,永沢道雄訳 『西太后』, 1994, 923)
あの近くに、終戦直後、海軍がどえらいダイヤや貴金属をかくしたというデマが飛んだことがあるんだよ。
(高木彬光著 『神津恭介の回想』, 1996, 913)
<もの>が飛ぶ
ここから気化したガソリンに電気系でショートした火花が飛ぶと、発火する(液体のうちなら発火しない)。
(ロードライダー, 2005, 機械)
だし汁がなく、塩味でいただくもののときは、レモンやゆずなどの酸味が添えられますから、汁が飛ばないように左手でおおうようにして絞りかけます。
(千宗室著 『なんて美しい女性だろう!』, 1981, 159)
<場所>に飛ぶ
料理をしているときに洋服に飛んだ油のしみを落とす方法を教えてください。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家事、住宅)
<もの>が飛ぶ
放送局から衛星に電波が飛び、そこから各家庭のアンテナに飛んできます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家電、AV機器)
<連続するもの>が飛ぶ
話があっちこっちに飛んでしまって収拾がつかない。
(山口宏著 『離婚の作法』, 2003, 324)
話題が飛ぶようだが、そもそも俳句には切れ字というものがあり、切れという方法を大事にした。
(中西進著 『日本人の忘れもの』, 2004, 049)
流行性感冒の高熱でも船酔い地獄でも、今まで記憶が飛んだことなどなかった。
(清涼院流水著 『カーニバル一輪の花』, 2003, 913)
<もの>が飛ぶ
ボードは、木ネジがどこかへ飛んじゃったんでそのままにして、机に置いておいたジュースを飲みながら歩いた。
(田中雅美著 『赤い靴探偵団』, 1989, 913)
仕事から帰ってきた時は疲れてて眠いのに、風呂に入ると眠気が飛んでしまい結局夜になってもそのまま眠れず・・・そんなことばかり続いてて最近寝不足です。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 健康、病気、ダイエット)
二日間という短いおつき合いだったが、シェフには何よりの言葉だった。 疲れが一瞬で飛んだ。
(アニメディア, 2003, 児童)
<もの>が飛ぶ
水分が飛ばないように、ラップで包んでやれば常温なら翌日まで大丈夫です。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 料理、グルメ、レシピ)
時間が経つと香りが飛び、保存性がないので、できたてを飲もう。
(狩野知代,藤原ゆきえ,柚木恵著 『休みの日には、コーヒーを淹れよう。』, 2005, 596)






























しかし、春が近づいてくると花粉が飛び始め、毎年、多くの人が「花粉症」に悩まされます。今や花粉症は日本の「国民病」と言われています。
よく親父のげんこつが飛んできたもんだよ。
「痛いの痛いの、飛んでけ~!」
来週の日曜は友達の結婚式なの。あ~、またお金が飛んでく~
首が飛ぶ

意味
免職になる、解雇される
用例
不正がばれれば、みんなの首が飛ぶことになる。
コーパスからの用例
万が一のミスがあってもクビが飛ぶと、役人一同考えられる限りの想定問答を考える。(宮本政於著『お役所の掟』,1993,317)
飛ぶ鳥を落とす勢い

意味
権力や権勢が非常に盛んな様子
用例
あの先生はこの業界では第一人者で、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
コーパスからの用例
成長時には飛ぶ鳥を落とす勢いだが、転がり落ちるのも早いーこれが固定費中心方企業の特徴です。(田中靖浩著『経営がみえる会計』2004,336)
鳴かず飛ばず

意味
力を発揮する機会に恵まれず、活躍できないでいる様子
用例
あの有名歌手は長い間、鳴かず飛ばずの下積み生活を送っていた。
コーパスからの用例
期待された割には鳴かず飛ばずといった状態が続いていた。(中牧昭二著『さらば桑田真澄、さらばプロ野球』1990)
飛んで火に入る夏の虫

意味
自ら進んで危険なことや災難に飛び込んでいく様子
用例
敵陣に一人で乗り込んでくるとは、飛んで火に入る夏の虫だ。
コーパスからの用例
うっかりのこのことここに出向いてしまったが、飛んで火に入る夏の虫状態だったのである。(六堂葉月著『ケダモノは二度笑う』2002)
吹けば飛ぶよう

意味
取るに足らない存在であること
用例
大企業から見れば、うちは吹けば飛ぶようなちっぽけな会社だろう。
コーパスからの用例
彼らの前では張邦昌などまだ吹けば飛ぶような小物にすぎなかった。(原著者不明/ 田中芳樹訳『岳飛伝』2001)
複合動詞 V1

飛び上がる、飛び入る、飛び移る、飛び起きる、飛び降りる、飛びかかる、飛び込む、飛び去る、飛び立つ、飛び出す、飛び散る、飛びつく、飛び出る、飛び退く、飛び乗る、飛び跳ねる、飛び回る、飛び交う
複合動詞 V2

消し飛ぶ、吹き飛ぶ、吹っ飛ぶ、乱れ飛ぶ、はがれ飛ぶ、舞い飛ぶ
複合名詞

飛び級、跳び蹴り、飛び込み、飛び火、飛び入り
飛ぶ(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板型
辞書形とぶ
ない形とばない
~なかったとばかった
ます形とび
~ませんとびま
~ましたとびした
~ませんでしたとびまんでした
~ときとぶとき とぶ
ば形
意向形
て形とんで
た形とんだ
可能形とべる
受身形とばれる
使役形とばせる
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