1.経路をへて遠ざかる移動初級★★★
表記ていく、てゆく、て行く
人・動物・ものが、何らかの経路を通って、話者のいる(または注目する)場所から遠くへ移動する。
文型
<人・動物・もの>が<移動経路の特徴を表す動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
太郎は急いで階段を上っていった
ボールは大きく右へ曲がっていった
部屋に入っていく花子の後ろ姿が小さく見えた。
いますぐここから出ていってください。
カラスが山のほうに帰っていくのが見えた。
急に近づいていったので、驚いたようだ。
stairs来週前半にかけて北上していくと予想されます。
コロケーション
<経路の特徴を表す移動>
向かう、上がる、曲がる、出る、進む、帰る
<様態>
どんどん(と)、だんだん(と)、徐々に、ゆっくり(と)、
類義語・反義語
類義語
反義語てくる


2.動作をして遠ざかる移動初級★★★
表記ていく、てゆく、て行く
人・動物・ものが、何らかの動きによって、話者のいる(または注目する)場所から遠くへ移動する。
文型
<人・動物・もの>が<移動の様態を示す動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
太郎は家から学校まで歩いていった
こんなに遅れているから走っていくしか仕方がない。
ボールは弧を描いて飛んでいった
向こう岸まで泳いでいけますか。
今すぐあなたのところに飛んでいきたい。
揚げ物の油が子供のところに飛んでいかないように気を付けて。
コロケーション
<移動の様態を示す動き>
歩く、走る、飛ぶ、泳ぐ
<様態>
どんどん(と)、だんだん(と)、徐々に、ゆっくり(と)
解説
「語義1」が「経路を経て」遠ざかる移動を表すのに対し、この「語義2」は「動作をして」遠ざかる移動を表す。
類義語・反義語
類義語移動する
反義語てくる


3.動作後の遠ざかる移動初級★★★
表記   ※ていく、てゆく、て行く
人がある動作を完了し、話者のいる(または注目する)場所から遠くへ移動する。
文型
<人>が<移動前に完了する動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
持ちよりパーティーのとき、太郎はワインを買っていった
私はここで買い物をしていくので、先に帰って。
昼ご飯を食べていって
コーヒーを飲んでいったのに眠くて仕方がなかった。
しっかり準備をしていけば何も心配することはない。
朝ごはんを食べていかないと、体に悪い。
stairs明日のパーティーには私は何を買っていったらいいですか?
コロケーション
<移動前に完了する動き>
買う、食べる、見る、準備する、離れる
解説
「語義1」が「経路を経て」遠ざかる移動を表すのに対し、この「語義3」は、「動作後に」遠ざかる移動を表す。
類義語・反義語
類義語移動する
反義語てくる


4.現時点からの継続中級★★
表記ていく、てゆく、て行く
人が、今(または注目している時点)から、ある動作を継続する。
文型
<人>が<継続可能な動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
これからも全力で取り組んでいき(でまいり)ます。
静かな生活を送っていくことができたら、それでいい。
一年を振り返り、何があったかを順に思い出していく
英単語を毎日少しずつ覚えていくことにしました。
少しずつできることを増やしていきたいと思います。
一人ひとりが日本の将来について考えていく必要がある。
stairs人間的にも、もっと成長していきたいです。
コロケーション
<継続可能な動き>
努力する、がんばる、続ける、働く、作る、勉強する
解説
「語義2」が動作をしながら空間的に遠ざかる移動を表すのに対し、この「語義4」は、動作を未来に向けて継続していくこと(未来に向けて遠ざかるイメージ)を表す。
類義語・反義語
類義語(動詞の連用形)続ける
反義語てくる


5.現時点からの段階的変化中級★★
表記ていく、てゆく、て行く
事態が、今(または注目している時点)から段階的に変化する。
文型
<人・こと>が<段階的に変化する動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
子供が成長していくのが楽しみだ。
3月に入ればだんだん暖かくなっていく
その日から、太郎の絵は徐々にうまくなっていった
たいしたことではないのに、皆が騒ぐので大きな問題になっていった
2年生になると宿題が増えていくので、覚悟しておいてください。
酸と反応して少しずつ色が変化していきます。
コロケーション
<段階的に変化する動き>
成長する、変化する、増える、難しくなる、問題になる
<様態>
どんどん(と)、だんだん(と)、徐々に、ゆっくり(と)
解説
「語義4」が現時点から時間の経過の中で「継続する」ことを表すのに対し、「語義5」は、時間の経過の中で「段階的に変化」することを表す。
類義語・反義語
類義語
反義語てくる


6.付帯して遠ざかる移動初級★★★
表記ていく、てゆく、て行く
人が、何らかの動作の結果を伴って話者のいる(または注目する)場所から遠くへ移動する。
文型
<人>が<結果が残る動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今度のパーティーにはドレスを着ていくつもりだ。
小学校には名札をつけていくのが決まりだ。
試験のときには何を持っていけばよいでしょうか。
会社の面接には、髪を切っていくようにしてください。
プールに行くのに化粧をしていくのは変だ。
太郎の住む町まで高速道路に乗っていった
コロケーション
<結果が残る動き>
着る、はく、持つ、化粧をする
解説
「語義2」が「ある移動動作を伴う」移動の方向性(遠ざかる移動)を表すのに対し、この「語義6」は、「何らかの動作の結果を伴う」移動の方向性(遠ざかる移動)を表す。つまり、「語義2」とこの「語義6」は、いずれも「何か(移動動作、何らかの動作の結果)を伴う」移動である。
類義語・反義語
類義語出かける
反義語てくる


7.遠ざかる移動上級
表記ていく、てゆく、て行く
人・動物・ものが、話者のいる(または注目する)場所から遠くへ移動する。移動時間の長さが強く意識される。
文型
<人・動物・もの>が<話者のいる(または注目する)場所から遠ざかる動き>ていく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
太郎の車はどんどん遠ざかっていった
太郎は何も言わず、立ち去っていった
遠ざかっていく意識の中で、ぼんやりと昔を思い出していた。
去っていこうとする人をとめることができない。
長い廊下を太郎の後ろ姿が遠ざかっていくのが見えた。
花子の姿が夕闇の中に消えていった
コロケーション
<話者のいる(または注目する)場所から遠ざかる動き>
遠ざかる、去る、立ち去る、消え去る
<様態>
どんどん(と)、だんだん(と)、徐々に、ゆっくり(と)
解説
「語義3」が「何らかの動作」の後に遠ざかる移動が続くことを表すのに対し、この「語義7」は、「遠ざかる移動」が続く(「遠ざかる移動」の後に遠ざかる移動が続く)ことを表す。


て-いくの全体解説 「行く」本来の空間的移動という意味を強く保持した用法(語義1、語義2、語義3、語義6)と、時間の経過を表す用法(語義4、語義5、語義7)とがある。
























▶全例文を聞く
<経路の特徴を表す移動>
白い砂利を敷き詰めた小径を上がっていく
(ひかわ玲子著 『惑乱の華』, 1995, 913)
数台の車が坂を降りていった
(大沢在昌著 『秋に墓標を』, 2003, 913)
運転手が先に出ていった
(志水辰夫著 『情事』, 2000, 913)
彼女はそそくさと帰っていった
(吉田珠姫著 『旦那さまとウェディングベル』, 2005, 913)
<様態>
客は五分ぐらいで食べてどんどん出ていく。
(東海林さだお著 『のほほん行進曲』, 1997, 914)
船は、ゆっくりと、港を出て行く。
(喜多嶋隆著 『ルアーに恋した日』, 2001, 913)
<移動の様態を示す動き>
ぷちこはトコトコと歩いていく
(菜の花こねこ著 『デ・ジ・キャラットファンタジー』, 2001, 913)
校庭でみつけたアゲハは、道路へ出て家の生けがきにそって飛んでいきます。
(高家博成,三枝博幸監修;松原巖樹ほか絵;川上洋一,松原巖樹文 『昆虫ナビずかん』, 2002, )
<様態>
乗客がぞろぞろと船室に向かって歩いていく。
(桧山良昭著 『消えた「亜細亜号」』, 1992, 913)
<移動前に完了する動き>
せっかくだから倉を見ていってください
(醍醐麻沙夫著 『熊野路伝説殺人事件』, 1992, 913)
白あん一個を買って行き、二人で分けて食べました。
(帚木蓬生著 『安楽病棟』, 2001, 913)
おなかすいてるでしょうから、ラーメンでも食べていきますか
(ホ・ジノ脚本;キム・ヒョンギョン著;吉野ひろみ訳 『四月の雪』, 2005, 929)
<継続可能な動き>
今後も体が続く限り続けていきたい
(広報有田, 2008, 佐賀県)
自分もつねに努力していかなくては…って心に言いきかせている。
(田原俊彦著 『君だけマイラブ』, 1981, 767)
これから、真面目に勉強していくことを誓います!
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<段階的に変化する動き>
陽はどんどん高くなっていった
(立松和平作;山本祐司絵 『虹色の魚』, 2001, )
いらないものばかりが増えていく
(穂高巴里著 『花雪の降る場所で』, 2005, 913)
年齢と共に体の状態はどんどん変化していくのです。
(市報べっぷ, 2008, 大分県)
<様態>
人間の脳は学習によってどんどん成長していきます。
(立花隆著 『臨死体験』, 1994, 147)
<結果が残る動き>
初詣には何を着て行こうかな〜。
(with, 2003, 一般)
着替えも持っていったほうがいいということですよね?
(Yahoo!知恵袋, 2005, 海外)
<話者のいる(または注目する)場所から遠ざかる動き>
そう、警部は言い残して去っていった
(Yoshi著 『もっと、生きたい…』, 2004, 913)
そのうち音は遠ざかっていった
(植村直己著 『冒険』, 1998, 290)
<様態>
彼は「はい」と言って自転車で猛スピードで去っていった。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)






























来週前半にかけて北上していくと予想されます。
明日のパーティーには私は何を買っていったらいいですか?
人間的にも、もっと成長していきたいです。
複合動詞 V2

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