さわるのコアイメージ

1.身体部分で接触他動詞初級★★★
表記触る、さわる
身体の一部分(主に手)を使って何かに接触をする。
文型
<人・動物>が<もの>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
太郎ちゃんが割れたガラスにさわって遊んで怪我をした。
危ないから、鍋[包丁]には触らないでね。
下手にさわると壊れるよ。
玉ねぎ[魚]に触ったら匂いがとれなくなった。
汚いからと言って、土[生き物]を素手でさわろうとしない子供がいる。
車に乗ろうとしてドアに触ったら、静電気が起きた。
コロケーション
<もの>に[を]
ガラス、熱い鍋、玉ねぎ、土、犬
<身体の一部>で
① 身体の一部:手、指、素手、足
② 手に類似するもの:箸、ピンセット、フォーク
<位置>から
上、ポケットの上、服の上、外、袋の外
<様態>
直接、ためしに、下手に、勝手に
解説
この「語義1」は、意志を持って何かに接触することを表す場合である。ただし、何か目的を持って接触することを表すわけではなく、この点で「語義2」「語義3」「語義4」とは異なる。
この「語義1」は、接触することによって何かの結果がもたらされる(例①②の場合には「怪我をする」、例③の場合には「壊れる」)ために、接触行為に注意が向けられる場合に使われることが多い。
類義語・反義語
類義語ふれる
反義語


2.接触のための接触他動詞初級★★★
表記触る、さわる
接触することそのものを目的に、身体の一部(主に手)を使って何かに接触をする。
文型
<人・動物>が<もの・身体や身体の一部>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
きれいなものがあると触ってみたくなる。
作品にさわるな
買ったばかりの新車に触られて、指紋がついた。
子供をふれあい動物園に連れて行き、ヤギ[生き物]に触らせた
部下が上司に胸をさわられたと主張し、裁判になった。
電車の中で女性の体に触ろうとしたという疑いをかけられた。
コロケーション
<もの>に[を]
① 美しいもの・すばらしいもの:絵画、美術品、(自分の)新車
② 欲しいもの:(他人の)新車、高額商品
<身体や身体の一部>に[を]
身体、体、胸、尻、髪の毛、手
<様態>
① 勝手に、自由に、故意に、無断で、強引に
② 直接
<身体の一部>で
手、指、両手、素手、足
<位置>から
上、服の上
解説
「語義1」は接触をとくに目的としてはいない接触を表すが、この「語義2」は接触することそのものを目的とする場合である。
誤用解説
接触の維持の仕方を表現する場合、「さわる」ではなく、「なでる」などが使われる。
 かわいい子だね、と言って頭を触った
 かわいい子だね、と言って頭をなでた
類義語・反義語
類義語ふれる、なでる
反義語


3.感触を得るための接触他動詞初級★★★
表記触る、さわる
何らかの感触を得ることを目的に、身体の一部(主に手)を使って何かに接触をする。
文型
<人>が<(感触のよい)もの>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
赤ちゃんのつるつるのほっぺを指でそっとさわった
この子はぬいぐるみに触っていると落ちつくらしい。
真夏の暑い日に、冷たい川の水にさわれてほっとした。
この子はいつも毛布[タオル]にさわりながら寝る。
新しいコートのファーに触って感触を楽しんだ。
氷を直接さわればすぐに体が冷えてくるよ。
コロケーション
<(感触のよい)もの>に[を]
① やわらかいもの:ぬいぐるみ、毛布、ほお、ファー、犬
② 冷たいもの:川の水、冷たい水、氷
③ あたたかいもの:カイロ
<身体の一部>で
手、指、両手、足、足先
<様態>
直接
解説
「語義2」が接触することそのものを目的とする接触であったのに対し、この「語義3」は接触によって感触を得ることを目的として接触する場合である。
誤用解説
「触る」を使う場合、接触するのは身体の一部でなければならない。シャワーの水や扇風機の風を全身で受ける場合に「触る」は使えない。
 汗らだけで帰宅して、シャワーにさわってほっとした。
 汗だらけで帰宅して、シャワーをあびてほっとした。
 こっちに来て一緒に扇風機(の風)にさわろう
 こっちに来て一緒に扇風機(の風)にあたろう
類義語・反義語
類義語ふれる
反義語


4.感触を得て判断するための接触他動詞初級★★★
表記触る、さわる
感触を得て何らかの判断することを目的に、体の一部(主に手)を使って何かに接触をする。
文型
<人>が<もの>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
粘土が固まったかどうか見るためには、触るのが一番だ。
額にさわったが、熱はなかった。
ゴキブリが本当に死んだかどうか、触ってみよう。
触れば乾いているかどうかはすぐにわかる。
さわってみれば、治癒しているかどうかすぐにわかります。
この写真は、発酵具合を見るために手で生地にさわっているところです。
コロケーション
<もの>に[を]
額(熱があるかどうか)、粘土(固まったかどうか)、ペンキ・洗濯物(乾いたかどうか)、傷口(なおったかどうか)、体(温かいかどうか/生きているかどうか)
<身体の一部>で
① 身体の一部:手、指、素手
② 身体の一部に類似するもの:箸、棒、ピンセット、メス
非共起例
<もの>に[を]
 サイズがあうどうか、足で靴にさわってみた。
 サイズがあうかどうか、靴を履いてみた。
 ちょうどかどうか、指輪を指でさわってみた。
 ちょうどかどうか、指輪をはめてみた。
「さわる」は、単純な皮膚感覚(温度、硬度など)がそのまま判断(熱があるか、固まっているか等)につながる場合にしか使えない。
解説
「語義2」が接触そのものを目的として接触することを表すのに対し、この「語義4」は接触することで得られた感触に基づいて何らかの判断をするために接触する場合である。
類義語・反義語
類義語ふれる、確かめる
反義語


5.身体やものが接触自動詞初級★★★
表記触る、さわる
身体の一部とものや身体の一部とが、自然と何かに接触をする。
文型
<身体の一部>が<もの・身体の一部>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
キーボードが小さくて、指が隣のキーに触る
水中でもがいたら、足先が海底にさわった
どこかで毛虫にさわったようで、赤くはれた。
庭いじりをしていたら、大嫌いなミミズが手にさわってぞっとした。
満員電車の中で、人の長い髪の毛が腕に触ってちくちくした。
服のタグが首筋に触ると痛い。
stairs肩にさわらないくらいで、お願いします。
コロケーション
<身体の一部>が、<身体の一部>に[を]
手、指、足、足先、肩
<もの・身体の一部>に[を]、<もの・身体の一部>が
① 動かないもの:隣のキー、横の鍵盤、うるし(漆)、海底
② 動くもの:毛虫、ミミズ、冷たい風
③ 人が動くことで動くもの:服のタグ、脱脂綿
④ 他者の身体の一部:隣の人の足、髪の毛、手、肩
<様態>
直接、知らないうちに、無意識に
非共起例
<身体の一部>に[を]
 エアコンの冷気が体にさわって寒い。
 エアコンの冷気が体にあたって寒い。
<身体の一部>でなければならない。
解説
「語義1」が意識的な動作を表すのに対し、この「語義5」は自然に身体の一部が何かに接触したことを表す。
文型としては、「<身体の一部>が<もの・身体の一部>に[を]さわる」(例:指が隣のキーにさわる)と「<もの・身体の一部>が<身体の一部>に[を]さわる」(例:隣のキーが指にさわる)とがあり、言い換えることができる。中心として述べられる事柄が「が」で表示されることになる。
誤用解説
勢いのある接触について「さわる」は使えない。
 雨粒が背中にさわった
 雨粒が背中にあたった
 テーブルの下で隣の人の足がどんと触った
 テーブルの下で隣の人の足がどんとあたった
類義語・反義語
類義語ふれる、あたる、ぶつかる
反義語


6.接触による存在の認識自動詞初級★★★
表記触る、さわる
身体の一部で得られた感触によって、ものの存在を認識する。
文型
<身体の一部>が<もの>にさわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
目を閉じて手を伸ばすと、何か冷たいものにさわった
鞄の中に手を入れると、丸いボールのようなものにさわった
あとずさりすると、肩が壁にさわった
触診して何か固いものがさわれば、さらに検査をする必要があります。
気持ち悪い。背中に何かぬるっとしたものがさわっている
急に冷たいものが背中にさわったので、びっくりした。
コロケーション
<身体の一部>が
手、指、足、足先、肩
<もの>に、<もの>が
冷たいもの、ぬるっとしたもの、丸いもの、固いもの、壁、ノートのようなもの
<様態>
突然、急に
非共起例
<もの>に、<もの>が
 鞄の中に手を入れると、きれいな本に触った]。
 鞄の中に手を入れると、本(のようなもの)に触った
この語義における<もの>は触覚によって確認できるような<もの>でなければならない。
解説
「語義5」が自然と何かに接触することを表す場合であるのに対し、この「語義6」は自然に接触したものが何であるのか、認識することを表す場合である。
文型としては、「<身体の一部>が<もの>に[を]さわる」(例:手がぬるっとしたものに触った)と、「<もの>が<身体の一部>に[を]さわる」(例:ぬるっとしたものが手に触った)とがあり、言い換えることができる。中心として述べられる事柄が「が」で表される。
類義語・反義語
類義語ふれる、(~が)ある
反義語


7.気分に害自動詞中級★★
表記障る・さわる
人の態度が気分を害する。
文型
<(無神経な)行動・言葉>が<気>にさわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼の話し方はかん(癇)にさわる
あの人のものの言い方はいちいち神経にさわって困る。
かんに障るしゃべり方をするな。
気に障ったのなら、ごめんなさいね。
あの無神経な発言が上司の気にさわるのだろう。
多少気に障ることがあるからと言って、いちいち腹を立てなくてもよいだろう。
stairs行動が常識に欠けていて相手の気に障ったり、無神経な発言をして、その内容が神経に障ったりすることもあるでしょう。
コロケーション
<(無神経な)行動・言葉>が
① (無神経な)行動:無神経な行動、ふるまい、おせっかい、上司のやり方、上司のこと
② (無神経な)言葉:無神経な言葉、言い回し、発言
<気>に
気、神経、かん(癇)、心の傷
<時>
いつも、常に、いちいち、時々、たまに
非共起例
<(無神経な)言葉>が
 暴言が気に障った
 暴言に腹が立った。
<(無神経な)言葉>はあまり程度の強いものであってはならない。
<気>に
 彼の発言がいらだちに障った
 彼の発言が怒りに障った
 彼の発言が気に障った
<気>は他者がかかわることによって心の状態に変化が起こり、悪い気分になるきっかけとなるようなものでなければならない。「いらだち」「怒り」のような心の状態は含まれない。
解説
この「語義7」は、何かと何かとが自然に接触することを表す点で「語義5」と同じだが、<もの>や<身体の一部>の接触ではなく、<(無神経な)行動・言葉>が<気>に悪い影響を与える(抽象的な意味で接触する)という点が異なる。
誤用解説
「障る」は、明確な悪意があるとは思えないような他人のささいな行動や言葉が、心の状態を変化させる場合に使われる。「いじめ」や「人格を否定する発言」は、明確に悪意のある他人の行動や言葉であり、このような行動や言葉に影響を受ける場合には「障る」は使われない。
 いじめられると気にさわる
 いじめられると辛い[悲しい、腹が立つ]。
 人格を否定するようなことを言われて気にさわった
 人格を否定するようなことを言われて辛かった[悲しかった、腹が立った]。
類義語・反義語
類義語(~を)害する
反義語


8.健康に悪影響自動詞上級
表記障る、さわる
ものが、健康に悪い影響を与える。
文型
<(害のある)もの>が<健康>にさわる、<(害のある)ことをする>と<健康>にさわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あんまり怒ると体に障るよ。
無理をすると体にさわる
飲み過ぎは身体にさわると何度も言ったのに。
夜露が身体にさわるから、外へは出ないほうがよい。
いつまでも嘆いていると、身体に障る
親しい人を失って余りに深く悲しんでいることが病気の回復に障り、一向によくならない。
コロケーション
<(害のある)もの>が
① (害のある)もの:冷気、冷たい風、夜露、湿気、蒸し暑さ
② (害のある)行動:深酒、不摂生
③ (害を及ぼす可能性のある)感情:怒り、深い悲しみ
<健康>に
身体、体、病気、健康、のど、気管支
<(害のある)ことをする>
無理をする、飲みすぎる、激しく怒る、あまりにも悲しむ、強く嘆く
非共起例
<(害のある)もの>が
 タバコは身体に障る
 タバコの吸い過ぎは身体に障る
 タバコは身体に悪い。
 酒は身体に障る
 酒の飲み過ぎは身体に障る
 酒は身体に悪い。
<もの>は量が非常に多いなど、一定の程度を越えたものでなければならない。
解説
この「語義8」は、何かと何かが自然に接触することを表す点で、「語義5」と同じだが、<もの>や<身体の一部>の接触ではなく、<(害のある)もの>が<健康>に悪い影響を与える(抽象的な意味で接触する)という点が異なる。
誤用解説
この場合の「障る」は、日常の行動(飲酒など)が一定の程度を越えると、健康に害を及ぼすことを表すのであって、確実に健康に害があるもの(「麻薬」「卵アレルギーの人にとっての卵成分」など)が、健康に害を及ぼすことを表すことはできない。
 麻薬は身体に障る
 麻薬は身体に悪影響を及ぼす。
 卵アレルギーの人にとって卵成分を含む薬は体に障る
 卵アレルギーの人にとって卵成分を含む薬は危険だ。
類義語・反義語
類義語悪い影響がある、よくない、悪い
反義語よい影響がある、いい、よい


9.進行の妨げ自動詞上級
表記障る、さわる
ある行動が物事の順調な進行を妨げる。
文型
<(害のある)こと>が<こと>にさわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
深夜まで飲んでいると、明日の業務に障るからもうやめよう。
新しい社長は執務にさわるからと言ってアルコールをやめたらしい。
学業にさわるから、漫画はやめろと親に言われた。
夜遅くまで起きていると明日の運転にさわるので、今日ははやく寝ることにする。
趣味にのめり込みすぎると、当然、仕事に障る
店の前で騒ぐ連中が客の入りにさわっているとしか思えない。
コロケーション
<(害のある)こと>が
深酒、アルコール、漫画、趣味、遊び過ぎ
<こと>に
業務、執務、明日の舞台、営業、学業
<(害のある)ことをする>と
遊びすぎる、漫画を読みすぎる、夜遅くまで飲んでいる、趣味にのめり込む
解説
この「語義9」は、何かと何かが自然に接触するという点で「語義5」と同じだが、<もの>や<身体の一部>の接触ではなく、<(害のある)こと>が<こと>に悪い影響を与える(抽象的な意味で接触する)という点が異なる。
誤用解説
 騒ぐと授業にさわるのでやめてください。
 騒ぐと授業の邪魔になるのでやめてください。
 無駄なことを言うと会議に障る
 無駄なことを言うと会議の邪魔になる。
<こと>の内部で妨げになるようなことが起こる場合には「さわる」を使うことはできない。
類義語・反義語
類義語支障を来す、影響が出る
反義語


10.よい結果が望めない関わり自動詞上級
表記さわる、触る
関わることがよくない結果をもたらすと予想される問題に関わる。
文型
<人>が<こと>にさわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
裏金問題にはさわるな
ふれられたくないと思っている問題にさわられ、不快だったので契約を打ち切ることにした。
この問題にはさわらないほうがよい。
あいつ、人事にさわろうとしていて危ないな。
この街の開発計画問題にさわると、左遷されるぞ。
あいつが昇進できないのは、部長の流用疑惑問題にさわったからだ。
stairsねえ、『さわらぬ神に祟りなし』っていうことわざ、どういう意味?
コロケーション
<こと>に
問題、裏金問題、人事、計画、夫婦の問題
非共起例
<こと>に
 どうせ落ちるとわかっていて国家試験にさわった
 どうせ落ちるとわかっていて国家試験に臨んだ/挑戦した
解説
この「語義10」は意志を持って接触するという点で、「語義1」と共通点を持つ。
否定の形で使われることが多い。
類義語・反義語
類義語かかわる、ふれる
反義語


11.操作・演奏他動詞上級
表記触る、さわる
人が手を使って楽器・機械などに接触することで演奏・操作などをする。
文型
<人><もの>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
毎日30分だけはピアノに触っている
このところ、ボールにさわっていない
カメラをさわるのが趣味です。
パソコンに触ってみたことのない人がいる。
新しいギターにさわっていたら、あっという間に時間がたった。
魚を食べるのは好きだが、触れない
コロケーション
<もの>に[を]
① 楽器:ピアノ、ギター、バイオリン
② 機械・:パソコン、スマホ、カメラ、携帯、ゲーム
③ 道具:ラケット、ボール、筆
④ 材料:魚、生の肉
<時>
いつも、毎日、日長、時々、この頃
非共起例
<もの(道具)>に[を]
(この頃勉強していないと言いたいときに)
 この頃鉛筆にさわっていない
 この頃、勉強していない。
 この頃、机に向かっていない。
<もの>に接触することが何らかの行為をすることに直結するのでなければ「さわる」は使えない。「この頃、硬筆習字をしていない」ことを意味する場合ならば、「この頃、鉛筆を持っていない」でよい。
解説
この「語義11」は、意志をもって何かに接触する点で「語義1」と同じだが、ものと接触することが演奏や機械操作などを意味する点で異なる。
誤用解説
手で接触することで演奏する楽器でなければ、「さわる」は使いにくい。
 このところフルートに触っていない
 このところフルートを吹いていない
類義語・反義語
類義語ひく、操作する、いじる、演奏する、料理する
反義語


12.手入れ他動詞上級
表記触る、さわる
手を使って接触することでものの手入れをする。
文型
<人>が<もの>に[を]さわる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
休日は日長、盆栽にさわっている
バイクに触っている時間が一番楽しい。
カメラにさわっていると、あっという間に時間がたってしまう。
父は暇があるとカメラにさわっている
庭木にさわって過ごす時間が取れない。
父はいつも縁側で日本刀に触っている
コロケーション
<もの>に[を]
盆栽、庭木、日本刀、メカ、バイク、カメラ
<時>
いつも、日長、毎日、常に
非共起例
<もの>に[を]
 毎日畑にさわっている
 毎日畑をいじっている
 毎日庭をさわっている
 毎日庭をいじっている
解説
この「語義12」は、意志を持って何かに接触する点で「語義1」と同じだが、手入れするということを意味する点が異なる。
誤用解説
 お父さんはバイクに触るのが仕事だ。
 お父さんはバイクに触るのが趣味だ。
「さわる」が使えるのは、手入れすることに魅力を感じている場合であり、仕事として整備(手入れ)する場合には使いにくい。
類義語・反義語
類義語いじる、手入れする
反義語


さわるの全体解説 「触る」は、身体の一部(主に手)を使った接触を表す点に特徴がある。身体がかかわる接触であっても、接触の勢いを表す場合には「あたる」「ぶつかる」などが使われ、接触の継続の仕方を表す場合には「なでる」等が使われる。
「触る」は接触の目的によって意味が広がり、接触そのものを目的とする「語義2」のような場合の他、感触を得ることを目的とする「語義3」、判断することを目的とする「語義4」の他、演奏や手入れをするために接触する「語義11」「語義12」のような場合がある。
また、手で接触される側から見れば、接触は嫌なこと、よくないことという側面があり、それが、気分や健康、物事の進行に害を与えるという「語義7」「語義8」「語義9」につながっていると考えられる。
























▶全例文を聞く
<もの>に[を]
そのやかんに触らないで。
(向井京子著 『とっさに使える英会話』, 2000, 837)
粘土を触った手がかゆくなり、アトピーが悪化して、皮ふがカサカサになってひび割れを起こすことがあります。
(三宅健著 『アトピー育児』, 1995, 494)
<身体の一部>で
サラは立ちあがり、ガーベラのサーモンピンクの花びらをで触った。
(バーバラ・デイリー作;井上万里訳 『再会は命がけ』, 2005, 933)
死んだハチも毒針を出すことがあるので、素手で触らないでください
(広報かまくら, 2008, 神奈川県)
<位置>から
少年は、ポケットの上から拳銃を触ってみた。
(柏枝真郷著 『転』, 2003, 913)
<もの>に[を]
ジムは彼の新車を触っただけでも怒るんだ。
(向井京子著 『とっさに使える英会話』, 2000, 837)
<身体や身体の一部>に[を]
彼氏が、を触ってきすぎで困ります。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)
同容疑者は先月7日にも、勤務中に20代女性のを触り、処分を検討されていた。
(Yahoo!ブログ, 2008, 事件・事故)
<(感触のよい)もの>に[を]
くるくるとよく変わる表情や、絶えず動いて髪をかき上げたり頰に触ったりスカートの上から見えないゴミを取りのけたりする彼女の仕草は、非常に愛らしい。
(宮部みゆき著 『理由』, 1998, 913)
<もの>に[を]
念のためにときどき土の表面を手で触って、湿り気を確認しましょう。
( 『人気のパンジー』, 1997, 627)
<身体の一部>が、<身体の一部>に[を]
が蚊帳に触った。
(北山悦史著 『粘蜜さぐり』, 2005, 913)
<(無神経な)行動・言葉>が
その言葉も、義次郎のカンに触ったらしかった。
(斎藤栄著 『鎌倉流鏑馬殺人事件』, 1989, 913)
<気>に
ごめんね、何かに触ったのならごめんね。
(吉元由美著 『天使の樹』, 1995, 913)
ふたりで会うことが衣子さんの神経に触るのなら、しばらく会わない方が…
(三田薫子著 『女恋坂』, 2002, 913)
<健康>に
そんなに無理をしたら身体にさわりますよ。
(ジャンバッティスタ・バジーレ原作;杉山洋子,三宅忠明訳 『ペンタメローネ』, 1995, 973)
<もの>に[を]
はじめてパソコンに触る方もいると思いますので、各部の名前と役割を確認しておきましょう。
(斉藤弘子著 『55才からの電子メール入門』, 2001, 547)
音符が読めて、少しはピアノに触った経験があるなら、ツェルニーの「8小節の練習曲」を薦めます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 音楽)
メーカーによって個性がありますからオートバックスやイエローハット等あちこちに行って、実際に各メーカーのナビを自分で触ってみるのが1番良いですね。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 自動車)
<もの>に[を]
休みの日は盆栽を触ってるくらいです。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 健康、病気、ダイエット)






























肩にさわらないくらいで、お願いします。
行動が常識に欠けていて相手の気に障ったり、無神経な発言をして、その内容が神経に障ったりすることもあるでしょう。
ねえ、『さわらぬ神に祟りなし』っていうことわざ、どういう意味?
触らぬ神にたたりなし

意味
関係を持たなければ、禍を招くことはない。
用例
この問題を取り上げるとややこしいことになる。やめておこう。「触らぬ神にたたりなし」だ。
コーパスからの用例
後難を恐れて、「さわらぬ神に祟りなし」といった態度で、子供達の非行を見すごしてよいものかどうか。 (田中澄江著 『子供にいい親悪い親』, 1991, 379)
腫れ物にさわる

意味
恐る恐る関わる
用例
締切前で気が立っている私を、皆が腫れものにさわるように扱った。
コーパスからの用例
放射線科内部でも、腫れ物に触るように扱われるだろうし、院内を行き交う人も目をそらすだろう。(近藤誠著 『大学病院が患者を死なせるとき』, 2003, 494)
よるとさわると

意味
集まる機会があればいつも何か特定のことをする。
用例
ここの住民はよるとさわると近所の噂話ばかりをしている。
しゃくにさわる

意味
腹が立つ
用例
皮肉を言われてしゃくにさわった
コーパスからの用例
かといって、相手に謝りにいくのも、シャクにさわる
複合動詞 V1

差し障る
複合名詞

触り心地、肌触り、手触り、舌触り、歯触り、手触り、耳障り、当たり障り、差し障り
さわる(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板
辞書形さわる
ない形さわらない
~なかったさわらかった
ます形さわり
~ませんさわりま
~ましたさわりした
~ませんでしたさわりまんでした
~ときさわるとき さわる
ば形さわ
意向形さわ
て形さわって
た形さわった
可能形さわれる
受身形さわられる
使役形さわらせる
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