下げるのコアイメージ

1.低い位置へ移動他動詞初級★★★
表記さげる、下げる
人・動物が、物あるいは体の一部を、(ある位置から)より低い位置に移す。
文型
<人・動物>が<もの・体の一部>を<低い位置>に[へ]さげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
花子はペコリと頭を下げた
飛行機はゆっくりと高度を下げている。
「照明の位置、下げて!」「このぐらいでいいですか?」
彼が美女を前にしてデレッと目尻を下げている。
鈴木は視線を下げたまま、なかなかこちらを見ようとしなかった。
幼稚園に入ったばかりの花子は、洋服のファスナーを下げるのにも一苦労している。
stairsお辞儀をする時は頭を下げ、視線も下げましょう
コロケーション
<もの・体の一部>を
(物の)位置、水位、頭、腕、目尻、視線、目線
<低い位置>に[へ]
下、下の方
<様態>
(頭を)ぺこりと、恭しく、深々(と)、丁寧に、へいこら
少しずつ、徐々に、だらりと、心持ち
非共起例
<もの・体の一部>を
彼は肩をさげて帰って行った。
 彼は肩を落として帰って行った。
解説
「頭を下げる」は「お辞儀をする」や「謝る、詫びる」、「敬服する、感服する」の意味としても使われる。(例)「ここに来ると、本当にのんびりしますよ。まいがお世話になっています」パパは頭を下げた。おばあちゃんはこねていたものをぬれ布巾でパッパッと包み、冷蔵庫に入れた。(梨木香歩著『西の魔女が死んだ』,1996 小説) 「目尻を下げる」は「非常に満足そうな、または、好色そうな顔つきをする」の意味としても使われる。 (例)むしろ、二人の美女を前にデレッと目尻を下げている姿は、ただの好色男にしか見えなかった。(麻宮騎亜/ 大沼弘幸著『香津美斬魔剣』,1993 文学)
誤用解説
「網棚から荷物をさげる」とは言わず、「網棚から荷物をおろす」と言う。
 網棚から荷物をさげる
 網棚から荷物をおろす
類義語・反義語
類義語下ろす
反義語


2.垂直方向に設置他動詞中級★★
表記下げる
人が、ある物を、一端を固定して、下の方に(垂直方向に)伸びるような様態で設置する。
文型
<人>が<もの>を<ある場所>から[に]さげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あの店は、大きな看板を下げている。
多くのラーメン屋は、開店中のれんを下げている。
「玄関からリビングが丸見えなんだよね」「だったら、すだれを下げたらどう」
あの店は、夜になると外に赤い提灯を下げている。
この辺りでは、玄関の前に国旗を下げている家が多い。
理科の先生が、バネに重りを下げるように指示をした。
コロケーション
<もの>を
のれん、提灯、風鈴、看板
<ある場所>から[に]
天井、屋根、軒
<様態>
ぶらり(と)、だらり(と)
非共起例
<もの>を
 窓にカーテンをさげる
 窓にカーテンをつける
解説
語義1「高い位置から低い位置へ移す」の場合は、「頭を下げる」などの例からもわかるように、「頭」は元の位置にはなくなり、新たな位置を占めることになる。一方、ここでは、たとえば「店の入り口にのれんを下げる」という場合、「のれん」全体の位置を変化させるというよりも、「下の方に(垂直方向に)伸びるような様態で設置する」ということである。つまり、この2つの用法は、「下の方に」という共通点はあるが、語義1が「物を移動させる」ことを焦点化しているのに対して、語義2は「(ある様態で)設置する」ことを表している。
誤用解説
状況としては似ているが、例えば以下については「掛ける」を用いる。
 服をハンガーに下げる
 服をハンガーに掛ける
類義語・反義語
類義語掛ける、引っ掛ける、ぶら下げる、垂らす、吊る、吊るす、吊り下げる
反義語


3.垂直方向に維持他動詞中級★★
表記さげる、下げる、提げる
人が、ある物を、身体の一部を支えとして、下の方に(垂直方向に)伸びるような様態で維持する。
文型
<人>が<もの>を<体の一部>から[に]さげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
子供達は手提げ袋を下げている。
陽子は革製のペンダントを自慢げに下げていた。
「見て!警察官が腰にピストル下げてる!」「なんだか物騒だね」
母は外出するとき、いつもお気に入りのハンドバックを下げて出かけていた。
昨日見かけた男は胸元に金色のネックレスをじゃらじゃらと下げていた。
祖父は腰にさげていたタオルで汗を拭った。
コロケーション
<もの>を
ペンダント、タオル、バッグ、携帯電話、提灯
<体の一部>から[に]
腰、首、肩
<様態>
しっかり(と)(しっかりと腰に刀を下げる)、じゃらじゃら(と)(じゃらじゃらと鍵束を腰に下げる)
非共起例
<もの>を
 リュックサックさげて歩く。
 リュックサック背負って歩く。
解説
「さげる」が主文の述語である場合、通常「太郎は腰から手拭いを下げている」というように、「~ている」の形で用い、結果の状態を表す。このことからもわかるように、ここでの「さげる」は、(語義2のように「(物を)設置する」というよりも)「(物を、ある様態で)維持する」ことを表す。また、語義2「一端を固定して垂直方向に設置」では、物を固定する箇所として、いろいろなところがありうるが(したがって、文型では<ある場所>とした)、ここでは<身体の一部>に限定される。
誤用解説
身に付けるバッグやアクセサリーであっても、垂直方向に伸びるような形でなければ許容されにくい。
 青年はウエストポーチを提げている。
〇青年はウエストポーチを付けている。
 スーツケースを提げて旅行に出かける。
〇スーツケースを引いて旅行に出かける。
類義語・反義語
類義語掛ける、引っ掛ける、ぶら下げる
反義語


4.後方に移動他動詞初級★★★
表記さげる、下げる
人が、ある物・体(の一部)を、後方に移動する。
文型
<人>が<もの・体の一部>を<前方の場所>から<後方の場所>に[へ]さげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
教室の後ろに机を下げた
仏壇からお供え物を下げた
車の座席を少し後ろに下げた
腰を下げてドアノブを力任せに引いた。
ペンを落としてしまい、椅子を後ろに下げて拾った。
「今日は車に荷物をのせるから、座席を下げてスペースを広くしよう」
コロケーション
<もの・体の一部>を
机、イス、ベッド、(自動車の)座席
<前方の場所>から
前、前方
<後方の場所>に[へ]
後ろ、後方
<様態>
さっと、さっさと
非共起例
<もの・体の一部>を
毎朝、起きたらすぐに布団を下げる
 毎朝、起きたらすぐに布団を片付ける[しまう]
「しまう」は、片付けるものであっても、食事や供え物といった給仕する物以外には用いにくい。
解説
1.「供え物を下げる」は仏教では仏壇から供え物を下げるので前から後ろへの移動、神道では神棚から供え物を下げるので上から下への移動となる。
2. 物理的な移動から転じてやや抽象的な表現になる場合がある。
・食事の場面で「片づける」という意味になる。(例)酒/食べ物/皿を下げる
・サッカーなどのスポーツで集団の先頭の列の位置を下げる、または戦い/戦争で集団を撤退させるという意味になる。(例)フォワードを下げる、攻撃ラインを下げる、部隊を下げる
3. 語義1〜3は「下方(垂直方向)」への移動・設置などを表す用法であったが、ここでの用法は、「前から後ろへ」という「水平方向」の移動を表す。「高い位置から低い位置へ」という移動と、「前から後ろへ」という移動の共通点を考えると、高い位置は低い位置よりも、また、前は後よりも、目立つ位置(顕著性の高い位置)であることがあげられる。つまり、「さがる」が表す「低い位置への移動」と「後ろへの移動」は、ともに「より目立たない位置への移動」ということになる。
誤用解説
そのもの自体が前後を持つ物体(例:机、イス)について使いやすく、そうでないものについては以下のように使いにくい。
 こたつを下げる
 こたつを片付ける
また、片付けるものであっても、食事や供え物といった給仕する物以外には用いにくい。
 毎朝、起きたらすぐに布団を下げる
 毎朝、起きたらすぐに布団を片付ける[しまう]
類義語・反義語
類義語片付ける、しまう
反義語


5.目立たない所に移動他動詞中級★★
表記さげる、下げる
人が、ある物・人を、より目立たないところに移動する。
文型
<人>が<人・もの>を<目立たない場所>に[へ]さげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
監督は主力をベンチに下げた
茶碗を洗い場に下げておいた。
彼女は素早く食器を流しに下げた
「花子、みんなが食べ終わったら食器を下げてちょうだい」「はーい」
「最終戦に備えて、主力選手をいったん下げておこう」
怪我をした選手をベンチに下げた
stairsこちらはお下げしてもよろしいでしょうか? あと、このお皿を下げてください。
コロケーション
<人・もの>を
食器、皿、茶碗、選手、主力、主力選手
<目立たない場所>に[へ]
流し、洗い場、台所、ベンチ
非共起例
<人・もの>を
 秘書をさげる。
 秘書をさがらせる。
解説
まず、ここでの用法も語義4「後方に移動」と同様に、「水平方向の移動」である。さらに、すでに、語義4の「個別の解説」でも触れたように、「さげる」は「高い位置から低い位置への移動」であっても「前から後ろへの移動」であっても、「より目立たない位置への移動」という面がある。そして、特にこの「より目立たない位置への移動」ということに注目したのがここでの用法である。
誤用解説
食器には使えても、例えばスポーツの道具には使いにくい。また、片付ける場所には、給仕される人が存在する(ことが期待される)必要がある。
 使い終わった野球道具を下げた。
 誕生日会の後、教室から茶菓子を下げた。
類義語・反義語
類義語下ろす、片付ける、引き下げる、戻す、退ける
反義語上げる、出す


6.数量の減少他動詞
表記さげる、下げる
数量(として捉えられるもの)を減少させる。
文型
<人>が<数量>をさげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
商品の価格を大幅に下げた
「音、うるさいわよ。少しボリューム下げなさい
「暑いね。冷房つける?」「うん、いったん部屋の温度を下げよう
新型機器の導入でコストを下げることに成功した。
家賃を下げた途端、入居希望者が増えた。
不景気のなかで経営を続けるには、社員の給料を下げざるをえない。
stairs電車やバスの中で音楽を聴く時はまわりの人の迷惑にならないようにボリュームを下げましょう
コロケーション
<数量>を
価格、値段、運賃、家賃、コスト、賃金、給料
<数量>を
音量、ボリューム、温度、室温、血圧、コレステロール、中性脂肪
<様態>
ぐんと(ぐんと温度を下げる)、しっかり(と)(しっかり血圧を下げる)
非共起例
<数量>を
 読む本の数を下げた
 読む本の数を減らした
解説
「数量を減少させる」ことは、1「(高い位置から)低い位置へ移す」ことと相関関係がある。たとえば、積み上げてある積み木から、一部の積み木を取り除くと、つまり、「数量を減少させる」と、積み木全体の高さは低くなる。この種の経験を基盤として、本来、空間における高さに関する意味を持つ「さげる」が「数量を減少させる」ことも表せるわけである。
誤用解説
具体的な物の数量などには用いにくい。
 ボクサーは3ヶ月で体重を10キロ下げた
 ボクサーは3ヶ月で体重を10キロ減らした[落とした]
類義語・反義語
類義語低める、減らす、減ずる、落とす
反義語上げる、増やす、増す


7.意図的なレベルの低下他動詞初級★★★
表記さげる、下げる
人が、意図的に、ある対象のレベル・価値を低くする。
文型
<人>が<レベル・価値>をさげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「もうちょっと理想を下げたら?それじゃ結婚できないよ」「そうかなぁ」
国は労働の賃金水準を下げた
国民は不況で生活水準を下げている。
問題のレベルを下げないと、誰も解けないかもしれない。
井原は階級を一つさげてボクシングの試合に臨んだ。
3試合ノーヒットでは、打順を下げられても仕方がない。
stairs階級を上げると相手のパンチが強くなります。また、階級を下げるには減量が大変です。
コロケーション
<レベル・価値>を
レベル、水準、理想、位、地位、役職、階級、打順、人、話
<様態>
ぐっと、大きく、多少、若干
非共起例
<レベル・価値>を
 話をさげる
 スピーチをさげる
 下品なスピーチをする。
解説
「役職」が「課長/部長」など具体的な役職名になる場合、「田中を部長から課長へ下げた」などのように、「から」や「へ」をとる。また、語義6「数量の減少」の中でも、「給料をさげる」などは、給料を受け取る者にとって好ましくないことである。同様に、ここでの「地位をさげる」は、その地位にあった者にとって明らかに好ましくないことである。このような類似性に基づいて、語義6から語義7に拡張したと考えられる。 また、相場が安くなることを指す名詞として「下げ」が用いられる他、「下げ止まる」(相場の下落が止まる)のように複合動詞の前項動詞(自動詞)として「下げる」が用いられることがある。
誤用解説
明確な高低の格付けがない場合には用いにくい。
 使用する小麦粉を強力粉から中力粉に下げた
 使用する小麦粉を強力粉から中力粉に変えた
類義語・反義語
類義語低める、減らす、減ずる、落とす、安くする
反義語上げる、増やす、増す、高める


8.非意図的な評価の低下他動詞中級★★
表記さげる、下げる
人・出来事が、意図せずに、評価・調子を低くする。
文型
<人・出来事>が<評価・調子>をさげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
結果的に今回の出来事が花子の評判を下げた
「先輩に迷惑かけちゃった。先輩の評価さげちゃったかも」「大丈夫だよ」
「あの(田中さんの)一言は田中さんの株、下げたよね」「確かにね」
彼は思わぬ不手際で評価を下げた
「そんな格好をすると、男を下げることになるよ」「おばあちゃん、これが流行りなんだよ」
あの選手は夏場に入って調子を下げている。
stairs面接にふさわしくない身だしなみですと、自分の評価を下げてしまい、せっかくのチャンスを逃しかねません。
コロケーション
<人・出来事>が
失敗、不手際、(今回の)こと
<評価・調子>を
評価、評判、男、調子
<様態>
すっかり、
非共起例
<評価・調子>を
 風邪をひいて、体調をさげた
 風邪をひいて、体調を崩した
解説
語義7と8は「価値・評価を低下させる」という点では共通であるが、7は、「ある人が意図的に他者の価値などを低下させる」という意味であるのに対して、8は「ある人が意図せず自分の評価などを低下させる」という意味であり、「意図性」の点で異なる。
誤用解説
「評価」に関係する「名声」などには「さげる」は使えない。
 その作家はスキャンダルが原因で名声を下げた
 その作家はスキャンダルが原因で名声を失った
類義語・反義語
類義語低める、減らす、減ずる、落とす
反義語上げる、増やす、増す、高める


9.効果の低下他動詞中級★★
表記さげる、下げる
ある物事が、別の物事に関して、好ましくないことを引き起こす。
文型
<こと>が<効果・やる気>をさげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
そのような発言は、みんなの士気をさげかねない。
失敗が太郎のモチベーションをすっかりさげてしまった。
そんなやり方じゃ効率を下げてしまうだけだ。
練習のし過ぎは、かえって効果をさげるという説もある。
「エアコンをこまめに掃除しないと冷却効果を下げてしまうよ」「そうなの?」
天候の悪化は全員の士気を下げ、登頂自体を危険にさらすことになる。
stairsあんまり強く言うと、翔太のやる気を下げてしまうよ。
コロケーション
<こと>が
長時間労働、(何らかの)発言、(何らかの)やり方、~のし過ぎ[やり過ぎ]
<効果・やる気>を
効果、効率、士気、やる気、モチベーション
<様態>
すっかり、大きく
非共起例
<こと>が
 今回の敗戦が、選手の気持ちをさげることになった。
 今回の敗戦が、選手の士気[やる気]をさげることになった。
解説
ここでの「さげる」は、「(他者に対して)好ましくないことを引き起こす」という点で、語義7「レベル・価値の低下」(および語義8)と同様である。ただし、語義7は人間が意図的に行うことであるのに対して、ここでの用法は、「物事」が引き起こすという点で違いがある。
誤用解説
効果・効率の具体例は目的語に取れない。
 ビタミン剤の飲み忘れが風邪予防を下げた
 ビタミン剤を飲み忘れて、風邪を予防できなかった。
類義語・反義語
類義語減らす、減ずる、落とす
反義語上げる、増やす、増す、高める


下げるの全体解説
























▶全例文を聞く
<もの・体の一部>を下げる
五月は小さく頭を下げた。
(山田智彦著 『蒙古襲来』, 1991, 9 文学)
「ママの友達と話をしてるだけ」あごを下げ、携帯電話に口を寄せるようにしてニッキーが続ける。
(シャーロット・ヴェイル・アレン著;京兼玲子訳 『Eメールは眠らない』, 2004, 9 文学)
目尻を下げながら、土谷珠代は口をとがらせてみせた。
(吉村達也著 『京都天使突抜通の恋』, 2001, 9 文学)
恵美は両手をだらんと下げて立っていた。
(雲井瑠璃著 『瀬戸内を泳ぐ魚のように』, 2000, 9 文学)
つり革の位置を下げ、座席をロングシートに替えて、より多くの乗客が座れるようになった。
(小川裕夫編著 『日本全国路面電車の旅』, 2005, 6 産業)
建物が建った後,地下水位を下げないほうが,硫黄酸化細菌の活動を抑制するので盤膨れの被害が生じない.
(山中健生著 『微生物が家を破壊する』, 2004, 5 技術・工学)
<様態>下げる
私はペコリと頭を下げた。
(ゆうきみすず著 『雪降る街角にビキニな王女のためいきが聞こえる』, 1989, 9 文学)
良子は無言のまま深々と頭を下げた。
(西木正明著 『凍れる瞳』, 1991, 9 文学)
<もの>を下げる
しかし線審は旗を下げたままだ。
(大住良之著 『アジア最終予選』, 2005, 7 芸術・美術)
軒先短暖簾を下げた格子張りの茶屋が、棟をつらねているのである。
(澤田ふじ子著 『見えない橋』, 2003, 9 文学)
<ある場所>から[に]下げる
闇に眼が馴れるにつれて、やがて私も、天井に下げたカーテンのコードで、首を吊っている浅見三四郎の、変り果てた姿を見たのだった。
( 『日本探偵小説全集』, 1989, 9 文学)
また各家の軒下には桜提灯やスダレが下げられ、城下町らしい風情のなかで祭りが賑やかに行われる。
(高橋秀雄,近藤忠造編 『祭礼行事』, 1993, 3 社会科学)
<もの>を下げる
竹原さんはスーツにリュック姿、首からデジカメを下げて大阪の町を走り回る。
(中森勇人著 『関西商魂』, 2005, 6 産業)
交差点に、『木田家』の提灯を下げた若い男たちが道案内に立っていた。
(中野圭一郎著 『ラグビー殺人事件罪の箱』, 2005, 9 文学)
大きなカバンを両手に下げて、倫子がリビングを出ていく。
(英田サキ著 『今宵、天使と杯を』, 2005, 9 文学)
<体の一部>から[に]下げる
ねこが首にすずを下げている。
( 『はじめての国語じてん』, 1992, 分類なし)
公平は肩から下げていた二台のカメラを軽く叩いた。
(黒崎緑著 『柩の花嫁』, 1993, 9 文学)
私はそれを無視して、腰に下げていた手錠を組員の右手首にかけ、分室に連行した。
(小林潔著 『ガサ!』, 2004, 4 自然科学)
<もの・体の一部>を下げる
那須野は操縦席を後ろに下げると狭いコクピットの中で立ち上がった。
(鳴海章著 『ファイナル・ゼロ』, 1995, 9 文学)
<前方の場所>から下げる
最後に、人差し指を顔の前から下に下げていきます。
(宝田恭子著 『くちびる美人ダイエット』, 2004, 5 技術・工学)
<後方の場所>に[へ」下げる
右足を後ろに一歩下げて、重心を後ろに移し、右足は左足の位置まで戻す。
(梁薇著 『太極拳への誘い』, 2004, 7 芸術・美術)
<人・もの>を下げる
夫は「食べないならいらないんだな?」とお皿をスグ下げようとします。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 子育てと学校)
<数量>を下げる
いくら価格を下げても、買い手が現れなければ売れないので値が付かない。
(山崎隆著 『不動産でハッピー・リッチになる方法』, 2005, 3 社会科学)
工夫次第でコストを下げることは可能だが、二百五十円という値段にはかなわない。
(山本一典著 『失敗しない田舎暮らし入門』, 2004, 3 社会科学)
攻撃機は高度を下げ、林の上すれすれを飛んだ。
(斉藤英一朗著 『天界に幸多からんことを』, 1987, 9 文学)
焼き色がついたら、温度を180℃くらいに下げて調節する。
(塚本有子監修 『知っておきたいキッチンハーブ』, 1998, 5 技術・工学)
タウリンは魚介に多く含まれている成分で、コレステロール値や血圧を下げ、肝機能を高めます。
(時事通信出版局健康医療情報班編 『血液サラサラ健康事典』, 2004, 4 自然科学)
熱を下げるためには氷のうなどで太い動脈がある首、脇の下、足のつけ根を冷やします。
( 『決定版!いざというときに使える家庭の医学』, 2005, 分類なし)
<様態>下げる
これは酒を特殊な冷蔵庫で、徐々に温度を下げながら、マイナス15度まで冷やす。
(『サライ』編集部編 『サライが選んだ東京の酒亭33』, 2002, 6 産業)
<レベル・価値>を下げる
不況から恐慌の時期にかけては,資本家は賃金水準を下げ,雇用をへらします。
(宮本憲一著 『公共政策のすすめ』, 1998, 3 社会科学)
一番いけない対応は、去年だめだったから、今年の目標のレベルを下げてしまうというものです。
(岡本正善著 『ここ一番に強くなるメンタルトレーニング』, 1996, 1 哲学)
<評価・調子>を下げる
かえって男を下げ、支持率を下げるだけだ。
(俵孝太郎著 『世界の中の日本最良の選択』, 2002, 3 社会科学)






























お辞儀をする時は頭を下げ、視線も下げましょう
こちらはお下げしてもよろしいでしょうか? あと、このお皿を下げてください。
電車やバスの中で音楽を聴く時はまわりの人の迷惑にならないようにボリュームを下げましょう
階級を上げると相手のパンチが強くなります。また、階級を下げるには減量が大変です。
面接にふさわしくない身だしなみですと、自分の評価を下げてしまい、せっかくのチャンスを逃しかねません。
あんまり強く言うと、翔太のやる気を下げてしまうよ。
溜飲を下げる

意味
不平・不満の気持ちが消え、気分がすっきりする。なお、「溜飲」は、胃の消化の具合が悪く、胸焼けがしたり、口に酸っぱい液が出たりする症状のこと。「溜飲が下がる」はこの種の症状がなくなることから、上記の意味になる。
用例
宿敵を言い負かして、溜飲を下げた
どの面下げて

意味
どんな顔をして。恥ずかしげもなく。
用例
あんな大失敗をやらかして、どの面下げて会社に戻れるだろう。(この形でのみ使用する。)
手鍋(を)提げても

意味
好きな男との生活ならば苦労をいとわない。
用例
手鍋を提げてもあなたといたいです。(この形でのみ使用する。)
眉尻を下げる

意味
悲しむ、落胆・心配する。
用例
欠席の理由を尋ねると、彼は眉尻を下げて、本当のことを話しだした。
上げたり下げたり

意味
褒めたりけなしたり
用例
上げたり下げたり馬鹿にするな。
男を下げる

意味
男性として恥ずべき行為をして自らの価値を低くする。最近では、これに対して「女を下げる」という表現も使われる
用例
その俳優は女性スキャンダルですっかり男を下げてしまった。
目尻を下げる

意味
表情に、大いに満足した気持ちを表す。
用例
老夫婦はうれしそうに目尻を下げて赤ん坊をあやしていた。
複合動詞 V2

取り下げる、掘り下げる、吊り下げる、引き下げる、切り下げる、ひっ下げる、繰り下げる、払い下げる、押し下げる、ぶら下げる
複合名詞

上げ下げ、下げ止まり、下げ戻し、下げ潮、下げ札
下げる(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形ない
~なかったなかった
ます形さげ
~ませんさげま
~ましたさげした
~ませんでしたさげまんでした
~ときるとき
ば形れば
意向形さげ
て形げて
た形げた
可能形さげらる(さげる)
受身形さげら
使役形さげさ
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