押さえる・抑えるのコアイメージ

1.ものの固定他動詞初級★★★
表記おさえる、押さえる
人が身体・生き物・もの(のある部分)に力や重みを加えて、元の場所・状態から動かない・離れないようにする。
文型
<人>が<身体・生き物・もの(のある部分)>を押さえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
はしごを両手でしっかり押さえてください。
蝶の羽が傷つかないように、指先で軽く押さえる
その女優は、スカートを押さえながら記者会見の席に座った。
帽子が風に飛ばされないように、両手でしっかり押さえる
ペットが暴れることがありますので、あまり強く押さえないでください。
地震が起きたとき、患者さんがベッドから落ちないように体を押さえていました。
コロケーション
<身体(部分)・生き物・もの>を
体、両足、手、肩、子犬、尾、帽子、裾、紙
<人>と(一緒に)
友達、学生、息子、仲間、後輩
<手段・方法・道具>で
全員、ひとり、自分、指、指先、腕、両手、素手、足、石、文鎮、棒
<様態>
しっかり、きちんと、ちゃんと、ぎゅっと、確実に、必死に、慎重に、強引に
非共起例
<もの>を押さえる
 家を押さえる。(語義6の意味ではOK)
 机を押さえる
人間の力が及ぶ範囲のものでなければならない。
解説
語義1は、人の身体や生き物、ものなどの対象物(のある部分)に対して、手や道具などを用いて力や重みを加え、そこから動かない、離れない(逃げない)ようにする場合に用いられる。対象物を動かない、離れないようにするためには、対象物に対して及ぶ力が話者の支配下に置かれる必要がある。従って、単に力を加えるだけではなく、対象物を覆うように重みを加えながら働きかける場合に使われる。
誤用解説
単に力を加えて、ものを持ったり、持ち上げたりする場合は使いにくい。力や重みを加えることによって、元の場所・状態から動かない・離れないようにする場合に用いられる。
 このロープを押さえて登りましょう。
 このロープをつかんで登りましょう。
 ロープが動かないようにしっかり押さえてください。
類義語・反義語
類義語圧する、支える
反義語


2.身体部分への押し当て他動詞中級★★
表記おさえる、押さえる
人が身体部分に対して、手やものを覆うようにあてる。
文型
<人>が<身体部分>を押さえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あまりの轟音に思わず耳を押さえた
ガーゼで傷口をしっかり押さえてください。
廊下で、生徒がお腹を押さえてしゃがんでいる。
田中さんは笑うとき、口を押さえる癖がある。
目薬をさした後、軽く目頭を押さえてください。
サッカーの試合中に、味方の選手が突然胸を押さえて倒れこんでしまった。
コロケーション
<身体部分>を
口、口元、鼻、目、目頭、耳、胸、お腹、傷口
<手段・方法・道具>で
ガーゼ、布、ハンカチ、ティッシュ、タオル、指、片手、両手、素手
<様態>
丁寧に、慎重に、無意識に、思わず、ずっと、ゆっくり、しっかり、ぎゅっと、必死に
解説
語義1はある対象物に力や重みを加えてそこから動かない、離れない(逃げない)ようにする場合に用いられるのに対して、語義2は身体部分に対して、手やものを覆うようにあてるという点で異なる。ただし、いずれも「何らかの目的で、ある対象物に力を加える」という点では共通している。なお、語義2は痛み・笑い・匂い・騒音などの感覚・感情を和らげる場合に用いられることが多い。
強烈な悪臭に鼻を押さえる
あまりの轟音に耳を押さえる
誤用解説
この「押さえる」は、単に身体部分に接触・密着させるだけの場合は使いにくい。
 手で額を押さえて、熱を測る。
 手を額に当てて、熱を測る。
類義語・反義語
類義語あてがう、あてる、ふさぐ
反義語


3.相手の活動を制止他動詞中級★★
表記おさえる、抑える(押さえる)   ※解説参照
人や組織が相手の行為・活動の実現を何らかの方法でおしとどめる。
文型
<人・組織>が<人・組織>を抑える
<人・組織>が<行為・活動>を抑える。
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
敵の侵入を抑えるために城壁を造る。
世界選手権で、高橋選手は並み居るライバルたちを抑えて初優勝を飾った。
政府の暴走を抑えることができるのは国民しかいない。
昨日の決勝戦では、相手打線を3安打に抑え、見事に完封勝利を収めた。
会長は社員の猛反対を抑えて、賃金削減に踏み切った。
軍事力の強化はテロを押さえるための根本的な解決策になり得るでしょうか。
コロケーション
<人・組織>が
警察官、ピッチャー、信長、スターリン、政府、国、与党、経営側
<人・組織>を
相手、敵、ベテラン、ライバル、強豪、テロ集団、侵入軍、反対勢力
<行為・活動>を
暴動、暴走、反対、要求、ストライキ、テロ行為、騒動、動き、不平
<手段・方法>で
実力行使、強攻策、特許権、独特なやり方、政府主導、圧力、武力
<基準・範囲>に
半年以内、シュート3本、ヒット2本、完封、1点
<基準・範囲>で
短時間、たった一日、数週間、10球、完封、3点
<様態>
慎重に、無理に、無理矢理、しっかり、ちゃんと、軽く、簡単に
非共起例
<人>を抑える
 どうしてもやると言いだした娘[母]を抑えることはできなかった。
 どうしてもやると言いだした娘[母]を止めることはできなかった。
 ライバル[敵]を抑える
一般的に、敵対(ライバル)関係にある場合に使われる。
解説
語義1はある対象物に物理的な力を加えて、そこから動かない・離れないようにする場合に用いられるのに対して、語義3はある人・組織に抽象的な力を加えて(つまり、何らかの働きかけによって)、人・組織の活動を抑制するという点で異なる。ただし、いずれも「ある対象物に何らかの力を加えることによって、(その対象物に)何らかの制限をかける」という点では共通している。表記については、一般的に物理的な力を加える意では「押さえる」、抑止・抑制を示す意では「抑える」を使うことが多い。
誤用解説
単なる動作には使いにくい。何らかの活動(の実現)を抑制・制止することを表す場合に用いられる。
 席を立とうする部下を抑えた
 席を立とうとする部下を止めた
類義語・反義語
類義語抑制する、制止する、阻止する
反義語


4.物事の限度制限他動詞中級★★
表記おさえる、抑える(押さえる)
人や組織がある物事の状態に対して、ある限度を超えないようにする。
文型
<人・組織>が<事柄>を抑える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
収入が減ったら、出費を抑えるしかない。
現政権の最大の課題は、物価の上昇を抑えることです。
車検の費用を最小限に抑えるコツを教えてください。
生産コストを抑えるために、海外へ進出する日本企業が増えてきた。
近年のダイエットブームにより、カロリーを抑えた食品が人気を集めている。
県警は交通事故防止のために、大学付近での車の最高速度を40キロに抑えた
stairs光熱費に水道代、電話代は、もう少しおさえられそうだわ!
コロケーション
<人・組織>が
経営者、オーナー、政府、国、政府、運営会社、道路公団
<事柄>を
コスト、食費、支出、経費、価格、値段、物価の上昇、出費、最高速度、甘み、塩加減
<手段・方法>で
経費削減、行政改革、金融政策、家計・保険の見直し、オール電化、コンパクト設計、節約レシピ、手ごろなところ
<基準・範囲>に
最小限、最大限、時速80キロ、1000字以内、5%、40時間、半額程度
<基準・範囲>まで
極限、ここ、50万円程度、90%、10万円半ば、25時間
<様態>
かなり、しっかり、きちんと、きっちり、安く、低く、低めに、必死に、無理に、コンパクトに
非共起例
<事柄>を抑える
 台風の勢いを抑える
 台風の勢いを抑える技術を開発している。
人為的なコントロールが難しい、単なる自然現象の場合は使いにくい。
解説
語義3は、ある人・組織に対して、その活動を制止する場合に用いられるのに対して、語義4は、ある物事(の状態)に対して、ある範囲・限度を超えないようする場合に用いられるという点で異なる。ただし、いずれも「ある対象物に何らかの力を加えることによって、(その対象物に)何らかの制限をかける」という点では共通している。なお、この「おさえる」主体は、基本的に「人・組織」に限られるが、「この薬は植物の成長を抑える」というように「無情物」が用いられる場合もある。ただし、その背景には人間による何らかの働きかけが暗示されている。
誤用解説
単に制限・限定する場合は使いにくい。ある範囲・限度を超えないようにする場合に用いられる。
 参加は女性に抑える
 参加は女性に限定する[限る]
 女性の参加人数は50名以内に抑える
類義語・反義語
類義語限定する、制限する
反義語


5.感情の抑制他動詞中級★★
表記おさえる、抑える(押さえる)
人が自分の欲望や感情の高ぶりを何らかの方法でおしとどめる。
文型
<人>が<心情・生理状態>を抑える
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
焦る気持ちを必死に抑える
最近、食欲を抑えられずつい食べ過ぎてしまう。
これほど抑えた演技ができる役者はそういない。
怒りや悲しみを抑える方法があれば教えてほしい。
彼の歌が下手すぎて、こみ上げてくる笑いを抑えることができなった。
怒りを抑えることができず、すぐキレてしまう若者が増えてきた。
stairsナナちゃんへの気持ちはもうおさえられない
コロケーション
<心情・生理状態>を
気持ち、感情、衝動、怒り、食欲、興奮、欲求、涙、笑い、声、嬉しさ、悲しみ、嫉妬
<様態>
ぐっと、必死に、何とか、じっと、ずっと、なかなか(抑えられない)
非共起例
<心情>を抑える
 安心感を抑える
 安心感を覚える[与える・抱く]
「安心感」などの表情に顕著に出ることがない心情の場合、「抑える」を使うことはできない。
解説
語義3は、人や組織の行為・活動に対して用いられるのに対して、語義5は、人の欲望や感情などの心情に対して用いられるという点で異なる。ただし、いずれも「ある対象物に対して、何らかの力を加えることによって、(その対象物に)何らかの制限をかける」という点では共通している。
誤用解説
精神的・心理的なコントロールが難しい事柄には使いにくい。
 寒さ[暑さ]を抑える
 寒さ[暑さ]を我慢する[こらえる]
類義語・反義語
類義語抑制する、こらえる
反義語


6.ものの確保他動詞中級★★
表記おさえる、押さえる(抑える)
人や組織が他の人・組織・もの・場所に対して、支配下におかれたものとして確保する。
文型
<人・組織>が<人・組織・もの・場所>を押さえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
売り切れる前に、チケットを押さえておく。
この辺りの良い物件は、ほとんど地元の不動産業者が押さえている。
裁判で勝つためには、証拠や証人を押さえることが何よりも重要である。
家族に重病人がいる場合は、電話で来てもらえるタクシー会社を押さえておく必要がある。
全国大会の開催日程が決まったら、まず会場から押さえる
最近、海外からの観光客が増えて、ホテルを押さえることが難しくなった。
コロケーション
<人・組織>が
管理者、経営者、生徒、受講生、警察、政府、主催側
<人・組織>を
犯人、証人、容疑者、身柄、アルバイト、企業、テレビ局、会社
<もの>を
チケット、証拠、物件、財産、材料、航空券
<場所>を
現場、会場、式場、ホテル、教室、会議室、席、部屋、土地
<人・組織・もの・場所>から
アルバイト、企業、チケット、会場、ホテル
<時間>
1ヶ月も前に、事前に、先に、早めに、来週までに、契約時に
<様態>
確実に、しっかり、きちんと、必ず、絶対(に)、正確に、何とか、ひとまず
非共起例
<人>を押さえる
 迷子を押さえる
 迷子を保護する
解説
語義1は、ある対象物に対して、手や道具などを用いて具体的な力を加える場合に用いられるが、語義6は、問題となる対象物に対して、抽象的な力を加えるという点で異なる。ただし、いずれも「主体が対象物をコントロールできる状態にする」という点では共通している。さらに、この「おさえる」は単に主体のコントロールできる状態にするということだけではなく、「問題となる対象物を主体の支配下におかれたものとして確保する」ということまで表しており、語義1とは手段と目的の関係にもあると考えられる。というのは、主体の支配下におかれたものとして確保するためには、対象物を動かない・離れない、つまりコントロールできる状態にする必要があるということである。
誤用解説
この「押さえる」は購入するなど、単にものを所有するような場合は使いにくい。
 五千万円で家を押さえた
 五千万円で家を購入した
類義語・反義語
類義語確保する、捕らえる
反義語


7.事柄の理解・把握他動詞中級★★
表記おさえる、押さえる(抑える)
人がある事柄に対して、重要な点をしっかり理解・把握する。
文型
<人>が<事柄>を押さえる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
業務の流れと内容を押さえておく。
彼は物事の要点を押さえる能力がずば抜けて高い。
この論文は重要なポイントをしっかり押さえている。
試験対策として、まずは過去問題と傾向を押さえることから始めましょう。
数学の勉強は、基本から一つ一つ押さえていくことが大事である。
この理論の本質を押さえることはそう簡単ではない。
stairsここは試験に出るから押さえておくように。
コロケーション
<事柄>を
要点、ポイント、内容、項目、要所、基本、意味、傾向、本質、概要
<事柄>から
内容、項目、基本、意味、傾向、本質、概要
<様態>
きちんと、すぐ、直ちに、ちゃんと、しっかり、十分、おおむね、ざっくり
解説
語義6は、人・もの・場所などの具体物に対して用いられるが、語義7は、要点・内容などの抽象物(事柄)に対して用いられる。ただし、いずれも「対象物が主体の支配下におかれたものとしてとらえられる」という点では共通している。なお、この「おさえる」は、単に対象物を主体の支配下におかれたものとしてとらえるだけではなく、さらに進んで「その対象物を理解・把握する」ということまで表していると考えられる。
誤用解説
一般的に、知力を働かせて理解・把握するものに使われる。従って、単なる感情を理解・把握する場合は使いにくい。
 彼女の気持ちを押さえる
 彼女の気持ちを察する
 論文のポイントを押さえる
類義語・反義語
類義語理解する、把握する
反義語


押さえる・抑えるの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<身体(部分)・生き物・もの>を
スティーヴンはいら立たしげにエレベーターのドアを押さえて待っている。
(C.ビクター著;田村達子訳 『ダブル・シークレット』, 2000, 933)
それを見て、少女はショッキングピンクの帽子を押さえ、なんとも言えない顔で呟いたのである。
(三田誠著 『烙印よ、虚ろを満たせ。』, 2005, 913)
<手段・方法・道具>で
切り口はペンチでしっかり押さえておく。
(森永よし子著 『暮らしの中で楽しむワイヤー雑貨のつくり方』, 2003, 594)
<身体部分>を
話を聞いて目がしらを押えた夫人たちもいたという。
(江川卓ほか著 『たかが江川されど江川』, 1988, 783)
<手段・方法・道具>で
ヴァジニアは暗い窓に目をもどし、ハンカチで口元を押さえた。
(逢坂剛著 『遠ざかる祖国』, 2001, 913)
<人・組織>が
ビザンツ帝国は成立時から皇帝権力が教会を押さえており総主教を指名していたと思います。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 芸術、文学、歴史)
<人・組織>を
米国は武装勢力を抑えて選挙を実施したことで軍事的には勝利したが、アラウィ首相の敗北は米国にとって政治的な敗北と言わざるを得ない。
(論座, 2005, 一般)
<行為・活動>を
同年、ボンの連邦議会では、アデナウアー率いる連立政権が野党、特にSPDの反対を抑えて一般徴兵制の導入を決定した。
(エリーザベト・エンドレース著;神崎巌ほか訳 『アデナウアー時代の文学』, 1991, 940)
<事柄>を
コスト減のためには設備投資して生産コストを抑えるしかない。
(武内孝夫著 『メイド・イン・にっぽん物語』, 1996, 602)
また、民間の病院建設のノウハウを取り入れることで、病院建設費を抑え、市の負担を軽減することも期待できます。
(広報たじみすとTajimist, 2008, 岐阜県)
<基準・範囲>に
こうした施策を講じることによってこそ、国民の負担を最小限に抑えることができるのであります。
(国会会議録, 1998, 本会議)
<心情・生理状態>を
はやる気持ちを抑え、平常心を保とうとしているようにも見える。
(週刊ゴルフダイジェスト, 2002, スポーツ)
家族思いの好人物と評判の彼は、その裏で殺人の衝動を抑えられず残忍な人殺しを繰り返していた。
(Yahoo!ブログ, 2008, 映画)
<様態>
「なるほど」いますぐにも、相手の喉を絞め上げそうになる怒りを懸命に抑え、森川がそっけなく言った。
(大岡玲著 『ブラック・マジック』, 2002, 913)
<人・組織>を
これによって次の犯行現場や下見をしている段階で犯人を押さえられる可能性が高まる。
(Yahoo!ブログ, 2008, 事件・事故)
<もの>を
俺はスタッフに指示して、大急ぎで素材を集めさせた。 そのものズバリの証拠を押さえたわけではないが、材料は豊富にある。
(井上剛著 『マーブル騒動記』, 2002, 913)
<場所>を
素早い通報のおかげで、現場を押さえた事例もあります。
(広報くるめ, 2008, 福岡県)
<事柄>を
しかし、新たに購入する場合は以下のポイントを押さえて購入するようにしよう。
(内田勝利著 『5万円で組み立てるインターネット対応パソコン』, 2003, )
子どもの「運動会」や「ピアノの発表会」のムービーといえども、撮影とカット編集の基本を押さえるだけで、意外なほどに「見せる」映像にできる。
(MAC POWER, 2002, 電気機/電子)






























光熱費に水道代、電話代は、もう少しおさえられそうだわ!
ナナちゃんへの気持ちはもうおさえられない
ここは試験に出るから押さえておくように。
頭を抑える

意味
他の人・組織に対して、圧力や権力などで言動を制する。
用例
田中さんは職場の上司に頭を抑えられている
コーパスからの用例
本番の日本海海戦では、このような「艦隊一斉回頭」が幾度となく繰返された。 ことに三笠の「敵前大回頭」の後、バルチック艦隊が「復従陣」から「単従陣」に陣形を変えた時、モタモタしている間に、連合艦隊がバルチック艦隊の頭を抑えることに成功したことは、艦隊行動の訓練の成果によるものである。(中山吉弘著 『熱きバトルのはて』, 2005, 210)
目頭を押さえる

意味
感動や悲しみなどで、目頭から溢れそうになる涙を、指で押さえてとどめようとする。
用例
父親は結婚式で娘の晴れ姿を見て、そっと目頭を押さえていた。
コーパスからの用例
正憲夫婦は一緒に立って、それぞれ簡単に挨拶を述べた。由紀子は涙声になり、李たち女子園生や女性職員の中にも目頭を押さえている姿が見られたが、正憲の気持ちは静かだった。(能島龍三著 『風の地平』, 2003, 913)
勘所(かんどころ)を押さえる

意味
物事の肝心なところを確実にとらえる。
用例
新社長がまずやるべきことは、今後の事業戦略の勘所をしっかり押さえておくことである。
首根っ子を押さえる

意味
相手の弱点・盲点を突いて、自由な活動ができないようにする。
用例
新事業の失敗の余波で、ライバル企業に首根っ子を押さえられてしまった。
複合動詞 V1

押さえ込む(抑え込む)、押さえ付ける(抑え付ける)
複合動詞 V2

差し押さえる、取り押さえる
複合名詞

抑え込み(押さえ込み)、差し押さえ
押さえる・抑える(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形おさ
ない形おさない
~なかったおさなかった
ます形おさえ
~ませんおさえま
~ましたおさえした
~ませんでしたおさえまんでした
~ときおさるとき
ば形おされば
意向形おさえ
て形えて
た形えた
可能形おさえらる(おさえる)
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