下りる・降りるのコアイメージ

1.下方への移動(生物)自動詞初級★★★
表記おりる、下りる、降りる
人、動物(の体全体)が、自分の意志で(あるところから)より低いところに移動する。
文型
<人・動物>が<場所>におりる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
1階に下りる
スズメが空から地上に下りてきた。
危ないから早く下に降りなさい
空港に下りてもすぐにはリムジンバスに乗れない。
最近、イノシシがたびたび麓の村に下りているそうだ。
ここから河原に降りればバーベキューができます。
stairsエレベーターで降りればいいんですけど、この子がどうしても階段で降りるって聞かなくって。
コロケーション
<場所>に
1階、地面、地上、下、河原、空港
<場所>から
空、上、山、そこ、屋上、木
<様態>
すぐ、急いで、ゆっくり
非共起例
<場所>におりる
 後ろにおりる
 後ろにさがる
人や動物の、前方から後方への(高低差の関わらない)移動は、「おりる」ではなく「さがる」を用いる。
解説
ここでの「おりる」は、「階段で1階に下りる」のように、経路に接している自分の足を動かして移動する場合も、「鳥が地上に下りる」「空港に下りる」のように経路が空中であるために自分の足を動かさないで移動する場合も用いることができる。また、より低いところ(着点)への移動であれば、斜めの移動でも垂直方向の移動でも用いることができる。なお、自らの意志による下方への移動という点において、「おりる」と「くだる」は類義的であるが、「くだる」は「坂道を下る」のように「を」格によって表される経路を必要とし、語義1のような文型(<人・動物>が<場所>に)では「くだる」は用いにくい。
誤用解説
「おりる」は自分の意志による移動であるため、自分の意志によらない(加速度的な)移動は「落ちる」を用いる。
 足を踏み外して谷底に下りた
 足を踏み外して谷底に落ちた
類義語・反義語
類義語下る
反義語登る、上がる


2.経路を経た下方への移動(生物)自動詞初級★★★
表記おりる、下りる、降りる
人、動物(の体全体)が、自分の意志で(あるところから)高低差のある経路を通って、より低いところに移動する。
文型
<人・動物>が<場所>をおりる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
階段を下りる
太郎はゆっくりとはしごを下りた
山を下りたらすぐに電車に乗りましょう。
首相がタラップを降りている。
この坂を道なりに下りてください。
先生は自力で急な崖を下りられたそうです。
コロケーション
<場所>を
階段、山、はしご、坂道、斜面、石段、タラップ
<様態>
すぐ、急いで、ゆっくり
非共起例
<場所>をおりる
 鮭が川を下りる
 鮭が川を下る
移動の経路が水中であり、明確な着点を想定しにくい場合、「おりる」は用いられず、「くだる」を用いる。
解説
語義2も語義1と同じように人や動物の意志的な下方への移動を表しているが、語義2では「を」格によって移動の経路が明示される。なお、「坂道をゆっくり下りていく」、「坂道をゆっくり下っていく」のようにここでの「おりる」と「くだる」は意味が類似している。ただし、「坂道を下りたところに公園がある」のように、移動の着点を明確に想定できる場合、「くだる」よりも「おりる」を用いる方が自然である。(これに対して「くだる」は、移動の着点に焦点が置かれず、移動の経路に焦点が置かれる。)
誤用解説
「階段を1階に下りる」などとは言いにくい。つまり、「上がる」と同様に、「下りる」も、<経路>を表す「を」格と<着点>を表す「に」格を同時にはとらない。
 階段を1階に下りる
 階段を使って1階に下りる
 階段で1階に下りる
類義語・反義語
類義語下る
反義語登る、上がる


3.下方への移動(無生物)自動詞初級★★★
表記おりる、下りる、降りる
もの全体もしくはその一部が、人の操作によって(あるところから)より低いところに移動する。
文型
<もの>がおりる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
飛行機が空港に降りた
平日なのにシャッターが下りています。
滑車が天井から下りてきた。
ヘリコプターは何度か地上に降りようと試みた。
遮断機が下りたら危険なので絶対に線路に入ってはいけません。
幕が下りても拍手は鳴りやまなかった。
コロケーション
<もの>が
飛行機、滑車、シャッター、幕、遮断機
<場所>に
地上、地面、空港、下
<場所>から
空、天井、屋上、屋根、上
<様態>
ゆっくり、急に、突然
非共起例
<もの>がおりる
 隕石が下りる
 隕石が落ちる
人間の意志によって操作(制御)することが不可能である物体に関しては、「おりる」を用いることはできない。
解説
ここでの「おりる」の移動主体は「もの」であるため、語義1と語義2のように意志的に下方へ移動できるわけではない。しかし「飛行機が空港に下りる」という場合の「飛行機」や、「遮断機が下りる」という場合の「遮断機」など、移動主体は人間によって(直接的もしくは間接的に)操作されることで移動するものである。なお、「遮断機が下りる」、「遮断機が下がる」のように、ここでの「おりる」の意味は「さがる」と類似している。ただし、「おりる」が着点への移動に焦点が置かれるのに対し、「さがる」は起点からの移動に焦点が置かれるという違いがある。このことと関連して、ここでの「おりる」は、「遮断機が下りる」、「店のシャッターが下りる」のように、単にものが下方に移動することを表すのではなく、そのことによって「人が通れない状態になる(閉まる)」という意味まで表す場合がある。
誤用解説
ものが、自然に(加速度的に)下方へ移動する場合には、「おりる」ではなく「おちる」を用いる。
 リンゴが木から下りる
 リンゴが木から落ちる
類義語・反義語
類義語下がる、落ちる
反義語上がる


4.下方の道路への移動(乗り物)自動詞中級★★
表記おりる、下りる、降りる
走行中の自動車やオートバイが、運転手の操作によって、より高い位置にある道路からそれより低い位置にある道路に移動する。
文型
<乗り物>が<場所>を[から]おりる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
トラックが高速道路を降りた
高速を下りるとすぐに大きな看板が見えます。
大雪で通行止めになってしまったので、高速道路を降り、一般道で帰ることにした。
このバスは次のインターを下ります
バイパスを降りたらすぐに左折してしばらく直進してください。
北陸自動車道を降りて下道に入っても渋滞は続いていた。
コロケーション
<乗り物>が
自動車、車、バス、トラック、オートバイ
<場所>を[から]
高速道路、自動車道、インターチェンジ、バイパス、国道
<場所>に
一般道、県道、下道
<場所>で
インターチェンジ、出口
非共起例
<場所>を(から)おりる
 一般道を下りる
 高速道路を下りる
高速道路や、より高い位置にあるバイパス道路などから、より低い位置にある一般道路に移動する際に「おりる」を用いる。したがって、低い位置にある道路から高い位置にある道路に移動するときや、高低差のない2つの異なる道路間を移動するときには「おりる」は用いない。
<場所>でおりる
 高速道路で下りる
 インターチェンジで下りる
「で」格で表される<起点>を伴って「おりる」が用いられる場合、その<起点>となる場所は「インターチェンジ」や「出口」などの、経路の一部となる領域である。「高速道路」や「バイパス」などの、経路そのもの(経路全体)は、「で」格で表される<起点>とはならない。
解説
ものが、人の操作によってより高い位置からより低い位置へ移動するという点において、語義4は語義3と共通している。また、元々存在していた領域(高速道路など)から異なる領域(一般道など)に出る、という特徴も表しているという点で、語義4は語義5とも類似している。したがって、語義4は語義3と語義5の中間に位置する意味であると考えられる。なお、語義1~3の反義語として「のぼる」、「あがる」が対応するのに対して、語義4(および語義5)はこれらの語は用いられず、「乗る」、「入る」が対応する。
誤用解説
より高い位置から低い位置への移動という特徴にほとんど焦点が置かれず、元々存在していた領域から異なる領域に出るという特徴に特に焦点が置かれる場合は、「おりる」は用いにくく、「でる」が用いられやすい。
 ETCレーンがないので、一般出口から高速道路を下りる
 ETCレーンがないので、一般出口から高速道路を出る
類義語・反義語
類義語出る
反義語乗る、入る


5.乗り物からの移動自動詞初級★★★
表記おりる、降りる、下りる
人が、乗っていた乗り物(の内部や上部)から離れる。
文型
<人>が<乗り物>を[から]降りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
バスを降りる
次郎はタクシーを降りてすぐに改札口へと走っていった。
歩道では自転車を降りなさい
まだ飛行機から降りないでください。
私は次のバス停では降りません
彼女は2階でエレベーターから降りた
コロケーション
<乗り物>を[から]
自動車、バス、タクシー、電車、飛行機、エレベーター
<場所>で
駅、バス停、空港
<様態>
急いで、すぐに、突然、ゆっくり
解説
乗り物(自動車、飛行機など)の内部や、乗り物(自転車、馬など)の上部から離れて地面へと移動する際に、その人が存在している位置が多少なりとも下方に移動するため、本来下方への移動を表す「おりる」が語義5のような意味で用いられる。下方への移動という点と、ある領域からその外の領域への移動という点で、語義5は語義4と共通している。ただし、語義5は語義4に比べて、下方への移動の度合いが低く、かつ、ある領域からその外の領域への移動により焦点が置かれている。なお、乗り物(自動車、飛行機など)の内部から離れる場合(「自動車を降りる」、「飛行機から降りる」)には、「降りる」を「出る」に置き換えることができるが、乗り物(自転車、馬など)の上部から離れる場合(「自転車を降りる」、「馬から降りる」)には、「降りる」を「出る」に置き換えることはできない。
誤用解説
「中から」という「から」格を伴う場合、「降りる」は用いられず、「出る」を用いる。
 地震の影響で、エレベーターの中から降りられない
 地震の影響で、エレベーターの中から出られない
類義語・反義語
類義語出る
反義語乗る


6.霧・霜・露の発生自動詞中級★★
表記おりる、降りる、下りる
霧・霜・露が地上や空中に生じる。
文型
<もの>が降りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
葉っぱに霜が降りる
この辺りには、いつも濃い霧が降りるそうだ。
朝露が降りた
霜が降りても被害を受けない野菜があります。
霧が降りたら全く前が見えなくなってしまうだろう。
早朝に庭に出たら芝に夜露が降りていた。
stairs里芋の葉に降りた朝露を集め、その朝露で墨をすって書くと、字が上手になると言われています。
コロケーション
<もの>が
霧、霜、朝露、夜露
<場所>に
土手、草、道端、辺り、一面
解説
ここでの「降りる」は、空気中の水蒸気が地表や地表に近い領域で結晶する現象を、水蒸気が上方(空)から下方(地表や地表に近い領域)に移動してきたかのように捉えて表現するケースである。なお、「<場所>に」という要素を用いる場合、「葉っぱに朝露が降りている」、「中部地方に初霜が降りた」のように、「<場所>に<もの>が」という語順で用いられることが多い。
誤用解説
山の下方(麓など)から上方(山頂)を眺め、上方にのみ霧が発生していることが分かったような場合には、「降りる」よりも「かかる」を用いることが多い。
 見上げると、山頂に霧が降りているようだった。
 見上げると、山頂に霧がかかっているようだった。
類義語・反義語
類義語生じる、発生する
反義語消える


7.辞職自動詞中級★★
表記おりる、降りる、下りる
人(もしくは組織・団体)が、ある高い、もしくは重要な地位・役割を辞める。
文型
<人>が<立場>を[から]降りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
明子は主役を降りた
病気により、田中氏は議長を降りることになった。
大臣の座を降りたとしても、彼はきっといつか返り咲くでしょう。
これ以上無理難題を押し付けるのなら、彼に委員長を降りてもらう。
彼女は2度や3度の失敗をしたくらいでは代表を降りないのではないだろうか。
安倍氏が総理の座を降りたら、政界に激震が走るだろう。
コロケーション
<立場>を[から]
大臣、議長、部長、主役、代表、管理職、座
<様態>
突然、急に、急遽
非共起例
<立場>を[から]降りる
 野球部の部員を降りる
 野球部の部員をやめる
ある組織や団体の中で高い、もしくは重要な立場ではない人がその組織や団体から離れる場合には、「降りる」は用いない。
解説
「階級が上がる」、「人気が高まる」、「二軍に落ちる」、「ランクが下がる」などの表現からも分かるように、地位が高くなることと上方向の移動、および地位が低くなることと下方向の移動とは、それぞれ相関関係がある。語義7でも、相対的に高い地位だった人が、その立場をやめる(その結果、相対的に低い地位になる)ことを、本来語義1のように人が上方から下方に移動することを表す「おりる」を用いて表現している。なお、「企業が番組のスポンサーを[から]降りる」という例のように、主体が(複数の人によって構成される)組織や団体である場合もある。
類義語・反義語
類義語辞める、退く
反義語就く


8.権利・機会の放棄自動詞上級
表記おりる、降りる、下りる
人が、ある勝負事や取り組みにおいて勝敗を争ったり成果を出したりする権利や機会を放棄する。
文型
<人>が<こと>を[から]降りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
どうせ勝てないのでこの勝負から降りることにする。
私には荷が重いので、このプロジェクトを降ります
何もしないで戦いから降りるのは悔しい。
ここで選挙戦を降りたら二度とチャンスはやってこないだろう。
体力と気力の限界で、彼はリングを降りざるを得なかった
佐藤は7回途中で自らマウンドを降りた
コロケーション
<こと>を[から]
選挙戦、戦い、ゲーム、プロジェクト、リング、マウンド
<様態>
突然、急に、仕方なく、やむを得ず
解説
人が、自分自身の何らかの立場から離れるという点で、語義8は語義7と共通している。ただし、語義7では元々ある地位・役割に就いているという前提でそこから離れることを表し、立場の変化に焦点が置かれているのに対し、語義8では権利や機会の放棄に焦点が置かれていて、その前後での立場の変化には焦点は置かれていない。なお、「リングを降りる」、「ステージを降りる」などは、ある取り組みをやめることと、その際に物理的に高い位置から低い位置へと移動するということを共に表している。
誤用解説
「<こと>を」という場合は「おりる」を類義語である「やめる」に置き換えられるが、「<こと>から」という場合は置き換えられない。
 勝負からやめる
 勝負からおりる
 勝負をやめる
 勝負をおりる
類義語・反義語
類義語やめる
反義語参加する、参戦する


9.金銭・権利等の授与自動詞中級★★
表記おりる、下りる、降りる
人や組織や計画に対して、自治体や公的な機関やより高い立場にある人から、金銭や何らかの権利や指示を与えられる。
文型
<人・組織・こと>に<組織・人>から<もの・こと>が下りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
祖母に年金が下りる
新たな開発計画に、なかなか国から予算が下りない
1か月待って、ようやくビザが下りることが決まった。
裁判官から判決が下り、被告人は静かに退廷した。
会社から休暇の許可が下りたから、これから旅行の計画を立てます。
かつて、病気になっても保険が下りずに困ったことがある。
コロケーション
<組織>に
県、市、町、自治体、部署
<こと>に
開発、計画、プロジェクト、企画、取り組み
<組織>から
国、政府、役所、大使館、会社
<もの>が
予算、ビザ、ローン、保険、年金
<こと>が
許可、認可、承認、判決、命令、決裁
<様態>
やっと、ようやく、何とか、きっと、必ず
解説
ここでは、支配する存在を「上」、支配される存在を「下」として捉える見方に基づき、より高い立場にある組織や人から、それより低い立場にある組織や人に対して金銭や何らかの権利や指示が与えられることを、本来(語義1のように)上方から下方への移動を表す「下りる」を用いて表現している。
誤用解説
「<組織・人>が(<組織・人>から)<もの>を」という文型の場合は、「下りる」を用いることはできない。
 祖父が年金を下りる
 祖父が年金をもらう
類義語・反義語
類義語くだる、もらう、得る
反義語


10.想像上の存在の出現自動詞上級
表記おりる、下りる、降りる
想像上の(宗教的)存在が人間界に現れる。
文型
<もの>が<場所・人>に下りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
神が下りる
人々のもとに精霊が降りるだろう。
亡くなった祖母の霊が下りてきた。
突然目の前に天使が降りた
最近言動がおかしいので、彼のもとに悪霊が下りてしまったのかもしれない。
あのときは突然、彼女にサッカーの神様が降りてきたかのようだった。
コロケーション
<もの>が
神、神様、精霊、霊、天使、悪魔、魂
<場所>から
天、空
非共起例
<もの>がおりる
 鬼がおりる
 怪物がおりる
 鬼が現れる
 怪物が現れる
想像上の存在の中でも、天(空)に存在すると考えられていないものについては「おりる」は用いることができない。
解説
神、天使などの想像上の(宗教上の)存在が、本来は(下方にある「地」に対して上方に位置付けられる)天(空)に存在しているという見方を前提として、それらの存在が人間界に現れること(想像上の出来事)を、本来語義1のように上方から下方への移動を表す「おりる」を用いて表現している。なお、「天使が地上に下りてきた」のように、想像上の存在が(複数の)人間の目の前に現れるときに用いるだけでなく、「彼女にサッカーの神が下りた」のように特定の人間の心身に入ってくるときにも用いる。
類義語・反義語
類義語来る、現れる
反義語のぼる、消える


11.感覚や力の発生自動詞上級
表記おりる、下りる、降りる
人の思考内や心内に、ある感覚や力が(その人の意志に関わらず)生じる。
文型
<もの>が<人>に下りる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
名案が下りる
急に不思議なエネルギーが下りて、何とか完走できた。
悩み続けていたら突然良いアイディアが下りてきた。
アーティストは深夜に突然インスピレーションが下りることが多いそうだ。
全然アイディアが下りてこないので、新しい作品が作れない。
亡くなった祖母のメッセージが下りたような感覚だった。
stairsしばらく歩いていると、いいメロディがおりてくることがあります。
コロケーション
<もの>が
アイディア、インスピレーション、エネルギー、メッセージ、名案
<様態>
急に、突然、ふと
解説
人間の意志でコントロールできないものが生じるという点で、語義11は語義10と共通している。ただし、語義10の方が語義11よりも、ものが上方から下方に移動するという特徴を有している。
誤用解説
意図的に感覚や力を生じさせる場合には、「おりる」は用いることができない。
 何とか明日までに良いアイディアをおりなければならない
 何とか明日までに良いアイディアを出さなければならない
類義語・反義語
類義語出る、湧く
反義語消える


下りる・降りるの全体解説
























▶全例文を聞く
<場所>におりる
エレベーターで下に降りる。
(村上春樹著 『アフターダーク』, 2004, 913)
<場所>からおりる
純子たちは階段をつかって、三階から二階に降りた。
(田中雅美著 『死神村の三百歳探偵団』, 1987, 913)
<様態>おりる
彼の言葉に、小清水はシートベルトをはずし、左を上にして傾いている助手席から、ずるずると地面に降り立った。
(大岡玲著 『ブラック・マジック』, 2002, 913)
<場所>をおりる
二人は階段を降りて外に出ました。
(クリスティン・キャスリン・ラッシュ著;木村由利子訳 『白い霧の予言』, 1993, 933)
<様態>おりる
豹一郎も後ろをふり返りもせず、石段をゆっくり下りていった。
(樋口正洋著 『百観音殺人巡礼』, 1999, 913)
<もの>がおりる
土曜日だから表はシャッターが下りていたので、通用口へまわった。
(木谷恭介著 『襟裳岬殺人事件』, 2005, 913)
エレベータが一階まで降り切ってドアが開いた。
(江波戸哲夫著 『左遷!』, 1990, 913)
<乗り物>を[から]降りる
車から降りてパーキングチケットを買う
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<場所>で降りる
近鉄京都線竹田駅で電車を降り、城南宮へと向かう。
(原遥平著 『徳川慶喜をめぐる歴史散歩』, 1998, 291)
<様態>降りる
おばあさんは次の「宇宿一丁目」でまたゆっくりと電車を降りていった。
(小川裕夫編著 『日本全国路面電車の旅』, 2005, 686)
<もの>が降りる
秋が一段と深まり、霜が降りることが多くなる。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<立場>を[から]降りる
奥と塚本はこの事件を機に理事を降りた。
(今井小の実著 『社会福祉思想としての母性保護論争』, 2005, 366)
伊方三号の増設工事は私が所長の座を降りてからも続いた。
(千葉幸著 『送電線の向こうから』, 2003, 543)
<もの>が下りる
ただ、問題はビザがすぐに下りるかどうかだ。
(笹倉明著 『ルアン』, 1999, 913)
火災保険や生命保険が下りたから、工場を建て直せたって社長も安堵していたし。
(二階堂黎人著 『宇宙神の不思議』, 2002, 913)
<こと>が下りる
その許可が下りるまでに約一か月の期間が必要だった。
(江川晴著 『医療少年院物語』, 2001, 913)
申請から認可が下りるまで、最短で進んだ。
(山本弘人著 『共済で日本を変える男EXA社長・中川博迪の挑戦』, 2005, 289)
橋田忠昭には、八四年(昭和五九)、求刑通り、無期懲役の判決が下りた。
(福田洋著;石川保昌編 『図説現代殺人事件史』, 1999, 368)
<様態>下りる
たまごの殻の輸入をめぐって何回かやり取りを繰り返した末に、輸入を認める条文が付加され、ようやく正式に輸入の許可が下りました。
(わたべ和美著 『ナナのたまご』, 2003, 289)
<もの>が下りる
すぐれた演奏家がすばらしい演奏をした時などは、音楽の神様が降りてきていっしょに演奏をしているのだといいます。
(塚田豪著 『本当の幸せをつかもう』, 2004, 147)
<場所>からおりる
そう、天から降りてきた使いのように美しかった。
(今野緒雪著 『マリア様がみてる』, 2000, 913)






























エレベーターで降りればいいんですけど、この子がどうしても階段で降りるって聞かなくって。
里芋の葉に降りた朝露を集め、その朝露で墨をすって書くと、字が上手になると言われています。
しばらく歩いていると、いいメロディがおりてくることがあります。
胸のつかえが下りる

意味
悩みや不満がなくなり、気持ちがすっきりする
用例
素直な気持ちを打ち明けたので、胸のつかえが下りた
コーパスからの用例
次の瞬間、なにか胸のつかえが下りたような気がした。 (鍋倉健悦著 『英語メディアを使いこなす』, 1994, 830)
幕が下りる

意味
物事が終わる
用例
犯人が見つかり、ようやく事件の幕が下りた
コーパスからの用例
二一世紀のユーゴスラビアの未来を占う重要な闘いはしかし、蓋を開けてみれば限りなくクロに近い灰色の判定で幕が下りた。 (木村元彦著 『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』, 2005, 316)
肩の荷が下りる

意味
責任や負担がなくなって気持ちが楽になる
用例
子供たちが皆一人立ちしたので、ようやく肩の荷が下りた
コーパスからの用例
入れ替わりにステージマネージャーになる上原正二君を後任として紹介し、後を託すことになったかれが挨拶するのを斜め後ろから見ながら、肩の荷が下りたような解放感を味わっていた。(宮崎隆男著 『マエストロ、時間です』, 2001, 760)
夜の帳が下りる

意味
夜になり、辺りが暗くなる
用例
夜の帳が下り、星が瞬き始めた。
コーパスからの用例
西の空にはかすかに赤みがさしていたものの、それ以外の場所には完全に夜のとばりが下りていた。 ( 『X-ファイル』, 1995, 933)
清水の舞台から飛び降りる

意味
非常に重大な決意を固め、思い切った行動をする
用例
どうしても欲しい自動車だったので、清水の舞台から飛び降りるつもりで購入した。
コーパスからの用例
去年の夏、Sは東北地方の実家まで家族連れの、彼にしてみれば清水の舞台から飛び降りるほどの大自動車旅行を敢行した。(御木徳近著 『今を生きる』, 1978, 159)
複合動詞 V1

下り立つ、下り始める、下り続ける、下りかける
複合動詞 V2

駆け降りる、抱え下りる、滑り降りる、飛び下りる、舞い下りる
複合名詞

降り口、上がり下り、飛び下り、乗り降り、昇り降り
下りる・降りる(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形ない
~なかったなかった
ます形おり
~ませんおりま
~ましたおりした
~ませんでしたおりまんでした
~ときるとき
ば形れば
意向形おり
て形りて
た形りた
可能形おりらる(おりる)
受身形おりら
使役形おりさ
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