残すのコアイメージ

1.温存他動詞初級★★★
表記残す
人が後の利用のために、全体のうちの一部、あるいは全部に手を付けずにそのままにしておく
文型
<人>が<もの>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
貯金のため、もらったお金のいくらかは残しておくことにした。
歯科医「全て抜歯して、入れ歯にするしかないかもしれませんね」患者「自分の歯を残したいんです。なんとかなりませんか」
監督は、次の試合のために体力を残させようと、選手の交代を指示した。
このりんごジャムは、食感を残すため、煮すぎないようにした。
上司「次のプロジェクトにすべてをかけるぞ」部下「もう一つのプロジェクトも走っていますし、もう少し予算を残されてはいかがでしょうか」
A「この木の枝、ずいぶん伸びましたね。切ってしまいましょうか」B「日陰になってちょうどいいから、そのまま残しておいてください」
コロケーション
<もの>を
① 植物(の一部):(草木の)芽、枝、葉、木
② 身体の一部:歯、神経、乳房、子宮、肛門
③ お金:お金、現金
④ 形・状態:形、食感、うまみ、コク
⑤ 力:体力、余力
⑥ 部分:部分、一部分、~本(助数詞)
解説
語義1は、後の利用のためにあえて残すという意味が含まれているため、「~ておく」と共に使われることが多い。
例:貯金のため、もらったお金のいくらかは残しておくことにした。
類義語・反義語
類義語(②身体の一部、⑤力)を温存する
反義語(③お金、⑤力)を使いきる


2.未処理他動詞初級★★★
表記残す
人がものを処理しきれずに、その一部、あるいはその全部をそのままにしておく
文型
<人>が<もの>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
食べきれずにご飯を残してしまった。
今日は体調が悪く、仕事を残したまま家に帰って来てしまった。
医者「(入院患者の)佐藤さん、ちゃんとご飯を食べているでしょうか」看護士「いえ、今日は食べられなくて、全部残されたようです」
部下がやりかけの仕事を残して帰宅してしまった。
母「ご飯粒、残さないように全部食べようね」子「はーい」
子「お母さん、お茶碗見て!残さず食べたよ」母「えらい、えらい。きれいに食べたね」
コロケーション
<もの>を
① 食べ物:ご飯、飯粒
② 仕事:仕事
解説
語義2は、本来処理しきれた方がいいものを残すという意味が含まれているため、「~てしまう」と共に使われることが多い。
例:食べきれずにご飯を残してしまった。
また、語義2は共起語が限られており、食べ物と仕事に関する言葉と共起することがほとんどである。


3.残留他動詞中級★★
表記残す
人が自らの意思で、共に存在していた人などをある場所に留め置いたまま去る
文型
<人>が<場所>に<人など>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「Kramer vs. Kramerって映画見たことある?」B「たしか、妻が夫と子どもを残して出て行くんだよね」
出稼ぎのため、家族を故郷に残してきた
心を故郷に残したまま、洋一は東京へと旅立った。
社員A「田中部長って、独身だったっけ」社員B「いや、帰国の時に、赴任先のアメリカに奥様とお子さんを残されたらしいよ。転校させたくなかったとか」
夫「やっぱり、転勤先に一緒に来てくれないか。君一人をここに残したくないんだ」妻「うーん、でも、やっぱり仕事は辞められないの。ごめんなさい」
由美子は彼に心を残しながらも、別の男性と結婚することに決めた。
コロケーション
<場所>に
故郷、(訪れた場所)
<人など>を
① 人:家族、子ども
② 心:心
解説
通常は「<場所>に残す」だが、人と別れがたい気持ちを表す際に、以下の例のように「<人>に残す」と言う場合があり、このときは、あきらめきれないこと、後々まで気にかかることを意味する。
例:由美子は彼に心を残しながらも、別の男性と結婚することに決めた。


4.メッセージの残存他動詞中級★★
表記残す
人が、メッセージを後に置いておく(置いたまま去る)
文型
<人>が<メッセージ>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
留守電にメッセージを残す
受賞者の田中氏は「この賞はみなさんのおかげだ」とのコメントを残された
(旅館にて)A「なにを書いているの?はやく出発しましょう」B「旅館の人たちにお世話になったから、お礼の言葉を残そうと思って」
彼女は「もうたくさん!さようなら」と捨てぜりふを残して去ってしまった。
A「会議、ようやく終わったよ。クライアントからの電話、来た?」B「はい。でも、伝言も残さずにすぐにお切りになりました」
妻は置手紙を残して実家に帰ってしまった。
コロケーション
<メッセージ>を
① メッセージ:メッセージ、コメント、伝言、捨てぜりふ
② メッセージの書かれた紙等:メモ、置手紙、書き置き
<媒体>に
留守電、ブログ


5.遺留他動詞中級★★
表記残す、遺す
人がものを誰かに宛てて置いたまま亡くなる
文型
<人>が<もの>を<特定の人>に残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
祖父は家族に莫大な遺産を遺した
A「お父様、最後までご病気で苦しまれたんだね」B「うん、でも借金を残された方も辛かったよ。返済まで何年かかったか」
クライアント「家族が私の遺産で揉めないか心配なんです」弁護士「遺言を残されることを一度考えてみてはいかがでしょうか」
弁護士はクライアントに遺言書を残させた
父は財産を家族に残そうとは考えず、すべて寄付することにしたそうだ。
貧乏だった祖父は資産を何も残していなかった
コロケーション
<もの>を
① 財産:遺産、財産、資産
② 借金:借金、借財
③ メッセージ:遺書、遺言、遺言書
<特定の人>に
家族、息子


6.記録他動詞中級★★
表記残す
人が情報を後のために何かに保存する
文型
<人>が<情報>を<場所>に残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
メモ帳に記録を残す
家族の記念に思い出の写真を残したい
祖父はよく、用事を忘れないようにリビングの目立つ場所にメモを残していた
A「あれ、メールが受信できていない」B「容量が一杯だからだよ。メールをサーバーに残さないようにしたらいいよ」
A「しまった!大事な商談のデータが消えてしまった!」B「大丈夫です。私がバックアップをとっておきましたから。でも、部長もこまめにデータを何かに残された方がいいですよ」
リサイクルショップでは、法律に基づき売買履歴を残させていただきます。
コロケーション
<情報>を
記録、写真、メモ、メール、データ、履歴
<場所>に
場所:机の上、ホワイトボード


7.結果の達成他動詞中級★★
表記残す
人が記録(記憶)されるような結果を出す
文型
<人>が<結果>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼女はオリンピックで素晴らしい成績を残した
リポーター「田中選手、次のワールドカップへの意気込みを」サッカー選手「まずは、代表選手に選ばれること。そのためにも、自分のクラブで結果を残すことが大事だと思っています」
あの方は研究者として多大な功績を残された
彼の作品はノーベル賞を受賞し、文学史に大きな足跡を残している
ここで判断を誤ると、歴史に汚名を残すことになる。
A「お前の夢ってなに?」B「ビッグになって後世に名前を残したいな」
コロケーション
<結果>を
① 実績:成績、実績、功績、成果、結果
② 記録:記録、戦績、打率、成績、足跡、(生きた)証し
③ 評価・評判:名、名前、汚名、汚点


8.感覚の残存他動詞中級★★
表記残す
その場で感じられたものが、失われずに記憶される
文型
<人・もの>が<人>に<感覚>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
そのフィギュアスケート選手の滑りは圧巻で、多くの人に鮮烈な記憶を残した
洋介は由美にお別れのキスをすると、そのまま由美の前から姿を消してしまい、彼女に強烈な思い出を残した。 
この本は不思議な印象を残して終わった。
その映画は、今も子供たちの心に強烈な印象を残している
A「あの先生の下で勉強できて、本当に幸運でしたね」B「はい、我々学生に大きな影響を残された先生でした」
あの大災害は我々に大きな教訓を残してくれた。
stairs思い出を残す人も多いそうです。
コロケーション
<人>に
多くの人、我々
<感覚>を
(強烈な)思い出、(鮮烈な)記憶、(強い)印象、影響、教訓


9.評判の残存他動詞上級
表記残す
人の言動や創作物が後世まで伝わる
文型
<人>が<後世の不特定多数の人々>に<言動・創作物>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ピカソは数多くの素晴らしい作品をこの世に残した
チャップリンはこんな名言を残している。「下を向いていたら、虹を見つけることはできないよ」
松尾芭蕉は稀代の俳人として数多くの名句を残した
この曲は、それぞれの時代を代表するピアニストが名演を残されている名曲です。
人生で一冊でいいから後世に残せるような本を書きたい。
平安時代の歌人、在原業平は「ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを」という辞世の句を残している
コロケーション
<言動・創作物>を
① 言動:名言、言葉、辞世(の句)
② 創作物:作品、名演、名句、本、歌
<後世の不特定多数の人々>に
後世、この世
解説
語義9は、人の言動・創作物が評価され、後世まで伝わるという語義である。そのため、文型の主語は言動・創作を行った<人>であるが、自らの意思で後世まで言動・創作物を伝えるという文意では使用されず、意思を表す表現とは共起しない。
 (私は)素晴らしい作品を後世に残そう
 ピカソは素晴らしい作品を後世に残した


10.継承他動詞中級★★
表記残す
人・生き物がものや生命を後世に継承する
文型
<人・生き物>が<後世>に<もの・生命>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
植物は種子をつくって子孫を残す
美しい自然を後世に残したい
この地域は、自然保護のため昔のままの環境を残していることで有名だ。
自分の遺伝子を残そうとするのは、生物の本能だろう。
先人たちが残された伝統文化を、子供たちにも残していきたい。
受け継いだ職人たちの技術を次世代に残さなくてはならない
stairs秦の始皇帝は、万里の長城を残した
コロケーション
<後世>に
後世、次世代
<もの・生命>を
① 自然:自然、(豊かな)環境、(美しい)地球
② 生命:子孫、遺伝子
③ 創造物:建築物、(伝統)文化、技術


11.残影他動詞上級
表記残す
人やものに以前から備わっているものを失わずに留(とど)める
文型
<人・もの>が<備わっているもの>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ここは昔の街道の面影を今も残している
浅草は江戸の風情を残す町として人気の観光地です。
秋になり、日中の日差しはまだ夏の名残を残しているが、朝晩はだいぶ涼しくなった。
A「ヨーロッパに旅行に行ってきたんだって。どうだった」B「昔ながらの町並みを残したところが多くて、街中を散策するのがすごくおもしろかったよ」
彼はまだ少し幼い雰囲気を残した顔立ちをしている。
昨日宿泊した旅館は、昔の佇まいを今に残す建物だった。
コロケーション
<備わっているもの>を
面影、風情、名残、(古い)町並み、雰囲気、(自然のままの)風景、(昔のままの)佇まい


12.被害の痕跡の残存他動詞中級★★
表記残す
被害の痕跡が消えずに保たれる
文型
<出来事>が<被害の痕跡>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
震災は人々の心にも傷を残す
やけどは傷跡を残さずに治療することが難しい。
父の病気は、処置が早かったため、大きな後遺症を残さずに済んだ。
プロの選手は翌日まで疲れを残さないように試合後にケアをしっかりするそうだ。
母は素早い処置で一命はとりとめたものの、手足に重い障害を残した
その巨大な台風は、日本列島に大きな爪痕を残していった
stairs台風20号は大きな爪痕を残しました
コロケーション
<出来事>が
① 病気:病気
② 事件:戦争、内戦、事件、(交通)事故
③ 災害:震災、台風、洪水
<被害の痕跡>を
後遺症、傷、疲れ、障害、傷跡、爪痕
<場所>に
人々の心、手足、日本列島
解説
語義12では、被害の痕跡を生じさせた主語が共起されやすい。
例:震災は人々の心にも傷を残す
ただし、「疲れ」と共起する文では、何が「疲れ」を生じさせるのかではなく、「疲れ」が体に存在することを述べることが多い。そのため、「疲れ」を生じさせる主語は共起されにくい。
例:プロの選手は翌日まで疲れを残さないように試合後にケアをしっかりするそうだ。


13.問題の残存他動詞上級
表記残す
何かの結果として生じた問題点などを解決せずにそのままの状態にしておく
文型
<人・もの>が<問題点>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
その判決は、社会に大きな禍根を残した
(マンションの購入について)客「契約すべきか、まだ迷っています」店員「悔いを残されないよう、よくお考えになってから決めてくださいね」
この社会は経済発展を遂げたが、人権問題など、まだ多くの課題を残している
勉強で大切なことは疑問を残さないことだと思う。
相手と冷静な話し合いを繰り返すことで、しこりを残さずに解決することができた。
政治家たちの判断は、その地域に紛争の火種を残すこととなった。
コロケーション
<問題点>を
① 問題:課題、疑問、問題、疑い
② 解消されない気持ち:悔い、未練、(悔しい、彼への)思い、遺恨、しこり、わだかまり、後腐れ
③ 危険性:禍根、火種
<場所>に
社会、その地域


14.可能性の残存他動詞上級
表記残す
人や物事の展開、発展の可能性を失わない
文型
<人・物事>が<可能性>を残す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
チームは、まだ優勝の可能性を残している
社員A「部下の指導が難しくて」社員B「教えすぎなんじゃないかな。本人が自分で考えて、判断する余地を残さないと」
首相は、その決断をするにあたり、隣国との関係改善の余地を残そうとした。
被災地の人々は、子供たちに希望を残そうと地道な復興に励んでいる。
コロケーション
<可能性>を
余地、可能性、希望


15.期間・数量・過程の残存他動詞上級
表記残す
物事の完了までに、期間・数量・過程がわずかに存在している
文型
<物事>が<期間・数量・過程>を残す[のみ/だけ]だ
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
大好評の公演も、千秋楽を残すのみとなった。
ニュースキャスター「いよいよこのトーナメントも、準決勝と決勝を残すだけですね。どのチームが優勝するのか楽しみです」
今日の演奏会もラスト一曲を残すのみとなった。
今年もあと一日を残すのみとなりました。
上司「あの契約はどうなった?」部下「先方とは大筋合意したので、あとはサインを残すだけとなりました」
全長5キロのトンネルの掘削作業も、あと150メートルを残すのみとなった。
コロケーション
<期間・数量・過程>を
① 期間:~日、任期
② 数量:~メートル、~曲
③ 過程:決勝、千秋楽
解説
語義15は、人が意図をもって期間・数量・過程を余らせた状態にしているわけではなく、物事が進行していった結果、その完了までにあとわずかに期間・数量・過程が存在しているという意味を表す。


16.未消失他動詞上級
表記残す
ものの一部だけが消失せずにそのままにある
文型
<もの>が<一部>を残す(のみだ/だけだ)
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この城のほとんどは焼失し、現在は石垣を残しているのみだ。
開発が進み、このあたりの里山も一部を残すのみで、あとは団地になってしまった。
大きな津波が来て、木を一本残して後はすべて流されてしまった。
コロケーション
<一部>を
(~の)一部、~本、~つ
解説
語義16は、誰かが意思をもって何かをそのままにしておくという意味ではなく、天災、人災、開発、風化などによって、ものの大半がなくなったものの、一部は消失されずにそのままにあるという意味を表す。


残すの全体解説 「残す」の特徴について、以下2点について解説する。
(1)主語の意図がほとんど表れない語義がある。語義8、10、12は主語が行ったことの影響が続いていることを意味する。語義11、15、16については主語が想定できず、「〜を」で表された物事がなくならずに存在していることを意味する。これらの語義は文法的特徴として、意思の形をとらない。
<主語が行ったことの影響が続いていることを意味する語義>
 語義8  例)そのフィギュアスケート選手の滑りは圧巻で、多くの人に鮮烈な記憶を残した
 語義10 例)ピカソは数多くの素晴らしい作品をこの世に残した
 語義12 例)震災は人々の心にも傷を残す

<主語が想定できず、物事がなくならずに存在していることを意味する語義>
 語義11 例)ここは昔の街道の面影を今も残している
 語義15 例)大好評の公演も、千秋楽を残すのみとなった。
 語義16 例)この城のほとんどは焼失し、現在は石垣を残しているのみだ。

(2)語義15は「期間・数量・過程」が、語義16は「ものの一部」が、「わずか」に残存していることを意味する語義である。この場合、「残す/残している(のみ/だけ)」という文法形式をとる。
一方、自動詞の「残る」の場合、ものの全部が残存している場合と、ものの一部が残存している場合の両方を意味することができる。これらはともに、「残っている」という文法形式をとる。
 例)この城のほとんどは焼失したが、石垣はそのまま残っている
 例)この城のほとんどは焼失し、石垣も一部だけが残っている
























▶全例文を聞く
<もの>を
早い時期にを3本程度残し、ほかの枝を根元から切る
(趣味の園芸(NHKテレビ放送テキスト), 2004, レジャー/趣味)
毎日、真剣な顔で走っていても,余力を残しているとすれば、何の意味もない。
(高橋がなり著 『がなり流!』, 2004, 159)
<もの>を
給食当番のとき、野菜のおかずを残す人が多いのに気づきました。
(国語 四下 はばたき, 2006, 小)
一番難しい仕事を最後に残しておくと、結局、その仕事はいつまで経っても仕上がらないと考えて間違いありません。
(鷲田小彌太著 『時間をぜいたくに使う技術』, 2000, 336)
<場所>に
彼は妻子を久米村に残して、単身日本へ行くことになっていたのである。
(陳舜臣著 『琉球の風』, 1992, 913)
<人など>を
そこでモースは,家族をのこしてただひとり、日本へとやってきました。
(箕田源二郎さしえ 『子どもに伝える明治維新史』, 1991, )
子供を残して一人で遊びに行くのって罪悪感がありませんか?
(Yahoo!知恵袋, 2005, 子育て、出産)
<メッセージ>を
今までは留守番電話にメッセージを残すと、たいていその日のうちに電話がかかってきた。
(小野一光著 『東京二重生活』, 1999, 367)
そんなボクに会うために書き置きを残して家出したみなを、はづきさんは連れ戻しにきた。
(電撃G’sマガジン, 2002, レジャー/趣味)
<媒体>に
感謝の気持ちをこめて、事務所のボードにコメントを残してきたよ
(Can Cam, 2002, 一般)
アリアンはリーズルの携帯電話に伝言を残し、二階の育児室に上がっていった。
(ヘレン・ビアンチン作;萩原ちさと訳 『翡翠色の情熱』, 2005, 933)
<もの>を
財産をたくさん残す親がいい親で、残す財産がない親が悪い親だなどというのはおかしなことです。
(欠野アズ紗著 『自分の年金計画をいま見直しなさい』, 1998, 364)
「自分は保険金を子どもたちに残してやるために死ぬ」と生前に話していたという。
(鶴見済著 『完全自殺マニュアル』, 1994, 368)
<特定の人>に
2.シェイクスピアは遺言で2番目に立派なベッドをに残したと言われている。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 言葉、語学)
<情報>を
相手に伝えるために,デジタルカメラで記録を残すことができる。
(堀田龍也,笹原克彦編著 『デジタルカメラから始める情報教育の授業』, 2002, 375)
三六億年書きつがれてきた遺伝情報を生殖細胞に残し、私自身は消滅する。
(柳澤桂子著 『生命の奇跡』, 1997, 460)
<場所>に
面接時の印象に違和感があればチェックシートにメモを残し、最終判断に役立てる。
(坂山丈俊,松尾里央,関口雄太共著 『小さな会社のそのまま使える社内文書実例185』, 2004, 336)
彼女たちの写る写真を、私の家族アルバムに残したいという希望も伝えた。
(ジョー・スペンス著;萩原弘子訳 『私、階級、家族』, 2004, 740)
<結果>を
この年、いろいろな影響で、いい成績を残していなかった阿部さんは、このレースにかけた。
(学研編 『将来の仕事なり方完全ガイド』, 2002, )
古代人たちは歴史上にを残すような数々の巨大神殿を建造してきた。
(歴史の謎研究会編 『遺された七不思議35の謎』, 2005, 209)
<人>に
なぜこの写真がわたしのに強烈な印象を残しているのでしょうか。
(ジョセフ・バーナーディン著;アルフォンス・P.スピリー,ジェレミー・ラングフォード共編;廣戸直江訳 『やすらぎへの旅』, 2003, 198)
<感覚>を
逆に生涯消えることのない強烈な思い出を残したのは、後にマルセイユで遭遇した事件である。
(ルイ・アルチュセール著;宮林寛訳 『未来は長く続く』, 2002, 135)
「人間の誤りはその人が舞台を去ってからも長く影響を残す」という古い金言がある,
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<後世>に
自分たちが望まないような世界を、自分たちの手で,子孫に残すわけにはいかないというわけである。
(薬師院仁志著 『地球温暖化論への挑戦』, 2002, 451)
また、福島県としても豊かな森林資源を次代に残し、森と共生する暮らしを実践するためにさまざまな取り組みを行っている。
( 『スローライフinふくしま』, 2005, 365)
<もの・生命>を
貴重な文化財を次世代に遺し、伝えていくため、みなさんのご理解とご協力をお願いします。
(広報紙, 2008, 兵庫県)
よりよい環境を子どもたちに残すため、環境活動の発表の場として環境フェアを開催します。
(広報うえだ, 2008, 長野県)
<言動・創作物>を
「赤い鳥」には多くの文壇作家が登場し、すぐれた作品を残した。
(日本児童文学学会編 『研究-日本の児童文学』, 1997, 909)
氏の業績の中でも人工雪の実験は世界に知られ、「雪は天からの手紙である」との美しいことばを残された。
(岡田正和,金持徹著 『表面の科学』, 1986, 428)
<後世の不特定多数の人々>に
そして、かれは「すぐれた著作を後世に残すことが私の生きがいだ」とは言わなかった。
(武光誠著 『歴史を動かした名言』, 2005, 281)
<備わっているもの>を
昔の面影を残している風景に出会うと、何かほっとした気分になる。
(藤井明著 『昭和ふるさと物語』, 2004, 289)
闇に目をこらすと、両脇には、かつての宿場町の雰囲気を残した家並みが続いている。
(篠田節子著 『逃避行』, 2003, 913)
<出来事>が
それでもなお、この戦争が残した傷は大きかった。
(三野正洋著 『ベトナム戦争アメリカはなぜ勝てなかったか』, 1999, 223)
<被害の痕跡>を
虐待は子どもの体だけではなく、こころに深いを残します。
(広報おおた, 2008, 群馬県)
ただちに医師の手当てを受けなければ、死亡あるいは重大な後遺症をのこすことになる。
(日本勤労者山岳連盟(労山)編 『登山と自然の科学Q&A』, 2000, 786)
<場所>に
あの時の屈辱感は心のに深い傷跡を残した。
(モーム作;行方昭夫訳 『人間の絆』, 2001, 933)
<問題点>を
京都にくわしい藤林の意見を、何の気もなく活用したわけだが、これが後で問題を残すことになった。
(城山三郎著 『毎日が日曜日』, 1976, 913)
「お前が死んでいく時に,悔いを残さずに、満足して死んでいける毎日を生きるんだ。
(山本弘人著 『共済で日本を変える男EXA社長・中川博迪の挑戦』, 2005, 289)
<場所>に
こうして、我慢ばかりしていると,にしこりを残すことになってしまいます。
(マリアンヌ・L.マクマナス著;林春男,林由美解説・訳 『災害ストレス』, 1995, 369)
<可能性>を
彼女は疑問の余地を残さず、きっぱりとうなずいた。
(サンドラ・ブラウン著;吉澤康子訳 『口に出せないから』, 2000, 933)
<期間・数量・過程>を
両手でかかえていた花火は、最後の一本をのこすだけとなった。
(渡辺実穂文;角愼作絵 『放し飼い昆虫記』, 2001, )
今年はあと忘年会を残すのみとなりました。
(Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ)
<一部>を
昔は赤く塗ってあったのだろうが、いまははげ落ちて、わずかに面影を残すだけだ。
(宗田理著 『奥の細道失踪事件』, 1993, 913)
かつての京都方広寺に倣った大仏殿も、その建物は撤去され、大仏自体も崩壊して、いまはお顔の一部を残すのみ。
(浦井正明著 『「上野」時空遊行』, 2002, 213)






























思い出を残す人も多いそうです。
秦の始皇帝は、万里の長城を残した
台風20号は大きな爪痕を残しました
残すところ○○(数量)だ

意味
物事の完了までに、期間・数量・過程がわずかに存在している
用例
今年も残すところ3日となりました。
コーパスからの用例
受験まで残すところ半年しかなくなった。村松暎著 『「四字熟語」読む辞典』, 1996, 824
先例(前例)を残す

意味
今後の基準となるような最初の例をつくる
用例
田中さんは課長の立場で男性の育児休業を取得するという先例を残した
コーパスからの用例
国会にあしき先例を残すものでありますから、断じて許すわけにはまいりません。 (国会会議録, 1998, 本会議)
名を残す

意味
後世まで名声が伝えられる
用例
チャップリンは喜劇王として映画史に名を残した
コーパスからの用例
ここには歴史に名を残した人物が大勢埋葬されている。(シドニィ・シェルダン作;天馬竜行英意和訳;紀泰隆日本語文章 『明け方の夢』, 1993, 933)
心を残す

意味
あきらめきれない、後々まで気にかかる
用例
由美子は彼に心を残しながらも、別の男性と結婚することに決めた。
コーパスからの用例
結局、フラれたということなのでしょうね。別れなんて言っていても、まだ私の方は心をそれだけ残していたのですから。(唯川恵著 『彼女は恋を我慢できない』, 1995, 914)
禍根(かこん)を残す

意味
物事が終わった後に、将来問題を起こす要因となるものを残す
用例
貧困層の救済に力点を置いた社会保障でなければ、将来に禍根を残すだろう
コーパスからの用例
そのことがのちに大きな禍根を残すことになる。(八木荘司著『古代からの伝言』, 2001, 913)
火種(ひだね)を残す

意味
物事が終わった後に、将来事件や騒動などの起こる要因となるものを残す
用例
問題は一応解決されたが、住民の間にはまだ火種が残されたままだ
コーパスからの用例
例えば副大臣等の任命が先で、副大臣が部会長を兼務するという形にしなければ二重権力体制の火種を残す形になる。(白崎勇人著『政策秘書が書く国会議員改革, 2003,314』)
複合動詞 V1

言い残す、思い残す、書き残す、食べ残す、食い残す、やり残す、し残す、積み残す、取り残す、使い残す、見残す
複合動詞 V2

食べ残し、食い残し、やり残し、し残し、積み残し、取り残し、使い残し、見残し
残す(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形のこない
~なかったのこなかった
ます形のこし
~ませんのこしま
~ましたのこしした
~ませんでしたのこしまんでした
~ときすとき
ば形せば
意向形のこ
て形して
た形した
可能形のこ
受身形のこさ
使役形のこさ
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