なるのコアイメージ

1.状態が変化する自動詞初級★★★
表記なる
人やものの状態が、これまでとは異なる[これまでにはなかった]状態へと変わる。
文型
<人・もの>が<状態>(に)なる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
庭の柿の実が赤くなりました
掃除をしたので部屋がきれいになった
会場は満席になった
ランナーを数名抜かし、トップになったところで転んでしまった。
最初は穏やかに話していたが、そのうちに口論になりました
この問題は今度の会議で議論の対象になるだろう。
コロケーション
<(人の)状態>(に)
① 感情・感覚:楽に、痛く、不安に、幸せに、辛く
② 体調:元気に、鞭打ちに、内出血に、肩こりに
③ 関係:口論に、嫌な雰囲気に、つかみあいに、殴り合いに、敵と味方に
④ 時間:暇に、忙しく、習慣に、癖に、日課に
⑤ 外観:大きく、きれいに、若々しく、大人っぽく、大学生らしく
⑥ 年代:大人に、老人に、後期高齢者に、定年に
⑦ 属性:大物に、人格者に、重鎮に、悪人に、犯罪者に、金持ちに
⑧ 役割:大学生に、サラリーマンに、政治家に、部長に、主役に、恋人に、家族(の一
員)に、妻に 
⑨ 順位:首位に、最下位に、トップに
<(天候の)状態>(に)
① 天気:晴れに、雨に、曇りに
② 気候:暖かく、寒く、春らしく
<(もの)の状態>(に)
① 空間:渋滞に、空席に、空室に、満席に
② 量:多く、少なく
③ 外観: きれいに、汚く、高く、安く
④ 分類:不燃ごみに、国宝に、文化財に
<事態の状態>(に)
① まずいことに、困ったことに、すごいことに、大変なことに
② 議論の対象に、問題に、廃案に、採択に
③ 経済:高く、不景気に、デフレに
非共起例
<状態>(に)
 連絡がきて安心になった
 連絡がきて安心した
 転んで捻挫になった
 転んで捻挫をした
 明日あたり、台風になる
 明日あたり、台風が来る
 風邪になった
 風邪をひいた
解説
「語義1」の「なる」は「状態の変化」を表す。
このとき、変化後にどのような状態が出現したのか(「変化後の状態の出現」)について述べるのが中心であって、「変化前の状態」について述べるのが中心ではない。
たしかに「柿が赤くなった」と言えば「変化前の状態」は「青かった」と推定される。しかし、「変化前の状態」は、変化後の状態ではない、という程度の特徴しか持たない場合が多い。たとえば、「この部屋がきれいになった」と言う場合、「変化前の状態」は「きれいではない」状態である。同様に、「この問題は議論の対象になった」と言う場合、「変化前の状態」は、「議論の対象になっていない」状態である。
誤用解説
「なる」は「状態の変化」を表す。したがって、変化しない属性について述べるとき、「なる」を用いることはできない。たとえば、次例で「なる」が使えないのは、「電車」は元来「乗り物」であるし、「ライオン」は元来「肉食」だからである。
 電車は乗り物になりました
 電車は乗り物です。
 ライオンは肉食になりました
 ライオンは肉食です。
類義語・反義語
類義語変わる
反義語


2.別のものに変わる自動詞初級★★★
表記なる
ものが別のものに変わる。
文型
<もの>が<(別の)もの>に[と]なる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
午後からは雨が雪になります
さなぎが蝶となって飛んでいった。
隣の空き地がマンションになった
このアイデアが金になるとは驚いた。
氷が溶けて水となり、流れ出した。
鉄が酸化して酸化鉄になっています
stairs昨夜から降り続いた雨は、明け方から次第に雪になってきています
コロケーション
<もの>が<(別の)もの>に[と]
① 生物:<さなぎ・毛虫>が<蝶>に、<おたまじゃくし>が<カエル>に
② 天候:<雨>が<雪・みぞれ>に、<雪・みぞれ>が<雨>に
③ 場所:<空地>が<マンション・ビル・駐車場>に
④ <アイデア>が<金>に、<ダイヤモンド>が<100万円>に
⑤ 物質:<氷>が<水>に
<様態>
急に、ある日突然、徐々に、ゆっくりと
非共起例
<(別の)もの>に[と]
 氷になった
 凍った
 お湯になった
 お湯がわいた
「凍る」「わく」など、変化を表す動詞があれば、そちらが使われる。
解説
この「語義2」と「語義1」との間には、物事の状態が変化するという共通点がある。ただし、「語義1」の場合は、変化の前後で物事の同一性が保たれている。たとえば「太郎は先生になった」という場合、先生になる前と後とで「太郎」であることに変わりはないと捉えられている。これに対し、「語義2」の場合、状態の変化がカテゴリーの変更を意味する。すなわち「雨が雪になった」という場合、「雨」から「雪」という別物へ変わった、と捉えられている。
誤用解説
 ねえ、聞いた?隣の空き地、スーパーとなるんだってね。
 ねえ、聞いた?隣の空き地、スーパーになるんだってね。
「<(別の)もの>と」は、固い文体で用いられる。


3.特定の時点に到達する自動詞初級★★★
表記なる
時間の経過によって特定の時点に到達する。
文型
<時>になる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
もうすぐ4時になる
今年で20歳になる
気がついたら朝になっていた。
田中さんに会うのは3年ぶりになります
入社式の日になって、スーツが汚れているのに気がついた。
締め切り直前になってから仕事にとりかかるのは、よくないと思う。
コロケーション
<時>に
① 時間:1時、2時、正午、午後、真夜中
② 季節:春、夏、初夏、真冬、早春
③ 年齢:3か月、成人、20歳、30歳、還暦 
④ 3年ぶり、6年ぶり
⑤ 特定の日:入学式の日、入社試験の日、記念パーティーの日、太郎の誕生日、1月1日、終戦の日
<時>が
時計、時間、季節、年齢、年
非共起例
<時>に
 入学式になった
 入学式の日になった
「<特定の日>になる」ことを表す場合、「日」が必要である。
<時>に
 後になりました
 後になって、やめておけばよかったと思いました。
 最近になりました
 最近になって、人の立場を思いやる余裕が出てきました。
「後になる」「最近になる」は、言い切りの形では使われない。
解説
この「語義3」と「語義1」との間には、物事の「状態の変化」を表すという共通点がある。しかし、「語義3」の場合、「状態の変化」は「時間の変化」であり、「時間の変化」によって特定の時点に到達したことを表す。
誤用解説
 太郎は今年、年齢が10歳になります
 太郎は今年、10歳になります
「10歳」と言えば「年齢」のことだとわかるので、「年齢が」は不要である。ただし、次のように、「名前」との対比の中で「年齢」が問題になっているような場合には、「年齢が」と述べても問題はない。
 この子の名前は、太郎。年齢は、この10月で10歳になります
類義語・反義語
類義語至る
反義語


4.特定の値に到達する自動詞中級★★
表記なる
数値(数、数量、金額)が時間の経過とともに変わり、ある値に達する。
文型
<数>が<ある値>になる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
その日の入場者数は、1万人になった
今年に入ってから徐々に血圧があがり、ついに150になってしまった。
積立金がたまって、気付いたら10万円になっていた。
毎日のように手紙を書いていたら、送った手紙は100通になっていた
木の芽が伸び続け、あっという間に1メートルぐらいになった
このままいけば寄付金は、期間の終わりに1億円ほどになります
stairsで、この前ポイントが10000になったからさ、1万円に換えてらったの!
コロケーション
<数>が
入場者数、金額、売上、数、高さ
<ある値>に
1万人、1万円、1万通、1メートル、1グラム
<期限>に
年末、3日、3月、3日目、3年後、期間の終わり
解説
この「語義4」と「語義3」との間には、時間の経過よって必然的にある状態に達するという共通点がある。ただし、「語義3」の場合に達するのは、「ある時点」であるが、この「語義4」の場合に達するのは「ある値」である。「ある値」に達するまでには、徐々に何かが蓄積される過程がある。
誤用解説
 応募のはがきが毎日届き、ついに10万通になった
 応募のはがきが毎日届き、ついに10万通に達した
到達した値(10万通)が驚くべき意味のある数字の場合、「達する」を用いたほうが適切である。
類義語・反義語
類義語達する、至る、到達する
反義語


5.目標が達成される自動詞上級
表記なる
容易には達成できない目標が達成される。
文型
<目標>(が)なる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
1月1日、新装開店なる!乞うご期待!
昨年、念願の新校舎増築がなり、一同、心から喜んでおります。
三冠達成の偉業、ついになる
全勝優勝はならなかった
悲願の連覇ならず
事件は真相究明ならず、皆落胆した。
コロケーション
<目標>(が)
連覇、偉業、三冠、宿願、全勝優勝、真相究明、新しい物質の発見、校舎の完成
<様態>
ついに、やっと
非共起例
<目標>(が)
 テストで100点がなった
 テストで100点がとれた
<目標>は、少しずつ作り上げていくものでなければならない。
解説
この「語義5」と「語義4」との間には、時間の経過とともに徐々に何かが蓄積されていき、「ある状態に達する」ことを表すという共通点がある。ただし、「語義4」の場合に「達する」のは、ある「値」であったのに対し、この「語義5」の場合に「達する」のは、容易には達成できない「目標」である。
誤用解説
 あのチーム、念願の連覇がなってね。監督は鼻高々だよ。
 あのチーム、念願の連覇を達成してね。監督は鼻高々だよ。
この場合の「なる」は、話ことばではあまり使われない。新聞・広告などの見出しにふさわしい。
また、見出しなどで使われる場合、次例に示すように、「<目標>が」における「が」はないほうが自然である。
 (広告で)新装開店がなる
 (広告で)新装開店なる
類義語・反義語
類義語完成する、達成する
反義語


6.実る自動詞初級★★★
表記なる
実が実る。
文型
<植物の実>がなる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今年は柿がたくさんなった
栗は一つもなりませんでした
トマトの実をたくさんならせるには、コツがいる。
リンゴの実がならない理由がわからない。
夏みかんがたくさんなったので、ご近所に配りました。
みかんがたくさんなってる!きれい!
コロケーション
<植物の実>が
実、みかん、柿、リンゴ、オリーブの実
<様態>
たくさん、少し、ひとつ、たわわに
非共起例
<植物の実>が
 畑にトマトの実がなっているのでとっておいで。
 畑にトマトがなっているのでとっておいで。
 ナスの実がたくさんなった
 ナスがたくさんなった
本来、実の収穫を目的とする植物の場合「~の実」はないほうが自然である。すなわち「トマトの実」ではなく「トマト」のほうが自然である。しかし、例文③「トマトの実をたくさんならせるには、コツがいる」のように、実ができるかどうかを問題にする場合には、「トマトの実」などと表現される。
解説
この「語義6」と、「語義5」との間には、時間の経過によって、徐々に何かが蓄積されていき、ある成果物が得られるという共通点がある。「語義5」の場合、成果物はある「目標」の達成であるが、この「語義6」の場合、成果物は「植物の実の完成」である。
類義語・反義語
類義語実る、(実を)つける、(実が)できる
反義語


7.計算結果が出る自動詞中級★★
表記なる
計算した結果が出る。
文型
<計算結果>に[と]なる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
3たす3は6になる
どんな数字に零をかけても零になる
ルート2を二乗すれば2になる
10万円の8%は8000円ですが、10%なら10000円になります
何度計算しても違う答になるので、もう嫌だ。
計算ミスしてるよ。10÷2が4になってるじゃない。
stairsあわせて1,280円になります
コロケーション
<計算結果>に
10、10パーセント、偶数、答
<範囲>で
合計、総計、全体
解説
この「語義7」と「語義4」との間には、特定の値に達するという共通点がある。「語義4」の場合には、時間の経過の中で徐々に何かを作りあげていき、ある「値」が得られることを表すが、この「語義7」の場合、時間の経過は関係がない。たとえば、数字を足していくというように、計算によって部分から全体を得ることを表す。
誤用解説
この場合の「なる」は、計算結果だけを述べるのではなく、計算過程を含めて述べるような場合に使われる。したがって、授業で答え(結果)のみを聞かれる次のような場合、「なる」を用いると不自然である。
 先生:3たす3は?
生徒:6になります
 先生:3たす3は?
生徒:6です。


8.部分で構成される自動詞中級★★
表記なる
集団や物事が部分で構成されている。
文型
<もの・組織>が<構成要素>からなる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
水は酸素と水素からなる
本学の文学部は、4つの学科からなっています
この図鑑は13巻からなります
各町の代表からなる委員会を設置した。
手続きは4つの段階からなります
フィリピンは7000を超える島からなる国です。
コロケーション
<もの・組織>が<構成要素>から
<本・全集・図鑑>が<冊・巻・章・部分>から、<組織・委員会・会社>が<部門・部>から、<体>が<細胞・頭部>から、<物質>が<アミノ酸>から、<規則>が<項目・手続き・~条>から
<範囲>で
全部、全体
非共起例
<もの・組織>が<構成要素>から
 パンは小麦からなります
 パンは小麦でできています。
「なる」は、材料を表すのには使えない。
解説
この「語義8」と「語義7」との間には、部分と全体との関係を表すという共通点がある。ただし、「語義7」の場合、部分から全体を得ることを表すのに対し、この「語義8」の場合、全体がどのような部分から構成されているかを表す。
誤用解説
「なる」は、全体を分割した場合の構成要素を表すのであって、全体の中に含まれているものを表示することはできない。次例の「ビタミン」は「栄養剤」に成分として含まれているものであるため、「なる」を用いると不自然である。
 この栄養剤は、2種類のビタミンからなります
 この栄養剤には、2種類のビタミンが入っています。
類義語・反義語
類義語ある、できている、構成されている
反義語


9.尊敬の意を表す自動詞初級★★★
表記なる
話者が動作の主体を尊敬していることを表す。
文型
<人>がお[ご]<動詞連用形>になる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今から校長先生がお話になるので、皆さん静かに聞いてください。
先生が今度ご執筆になった本は、たいそうよく売れています。
このふすま絵は、画伯がこの宿でお描きになりました
ここは社長がお座りになる席です。
成果が出れば、会長は大変お喜びになるでしょう。
午後はどこかへお出かけになりますか。
stairsコスモ・スキンケアという基礎化粧品の会社なんですけれども、お聞きになったこと、ございますか?
コロケーション
<動詞連用形>に
書き、読み、食べ、飲み、座り
非共起例
お[ご]<動詞連用形>に
 社長がお来になる
 社長がいらっしゃる[来られる]。
 社長がお見になる
 社長がご覧になる[見られる]。
 社長がお言いになる
 社長がおっしゃる[言われる]。
すべての動詞について、「なる」を用いて尊敬を表せるわけではない。とくに連用形が一拍のみの場合は、不自然である。ただし、「出る」の場合、「お出になる」と言うことができる。
解説
この「語義9」と「語義1」との間には、「状態の変化」を表すという共通点がある。ただし、「語義1」の場合、具体的な「状態の変化」を表すのに対し、この「語義9」の場合、人の動作などを、自然な「状態の変化」であるかのように捉えることで、敬意を表す。
誤用解説
「お[ご]<動詞連用形>」における「お」と「ご」との間には、使い分けがある。すなわち、動詞が和語の場合「お」となり、漢語系の場合「ご」となる傾向が強い。
 ご話になる
 お話になる
 お執筆になる
 ご執筆になる
ただし、「勉強する」のように漢語系であっても「お」を用いる場合もある。
 ご勉強になる
 お勉強になる


10.負担をかける自動詞中級★★
表記なる
面倒を見てもらうことで、人が、相手に負担をかける。
文型
<人>が<世話・負担の対象>になる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
大変お世話になりました。ありがとうございました。
お世話になった人たちに、お礼の手紙を書いた。
この会社で世話になることにした。
いつもご馳走になってばかりですみません。
子供の頃、叔父の家でやっかいになっていた
私は、自由に暮らしたい彼の重荷になっている
stairsいろいろお世話になりました。ありがとうございました。
コロケーション
<世話・負担の対象>に
① 世話の対象:世話、ご馳走
② 負担の対象:やっかい、重荷、負担
非共起例
<世話・負担の対象>に
 (私が心配の対象であることを指して)私は心配になった
 (私が心配の対象であることを指して)私は心配された
<世話・負担の対象>に含まれる動詞はかなり限定的である。
解説
この「語義10」と「語義1」との間には、「状態の変化」を表すという共通点がある。ただし、「語義1」の場合、具体的な「状態の変化」を表すのに対し、この「語義10」の場合、人の動作などを、「自然な状態の変化であるかのように捉える」ことで、負担をかけたのは、自ら望んだことではないかのように描く。すなわち、「負担をかける」と言えば、自らの意志が感じられるが、「負担になる」と言えば、望まないが自然にそのような状態になってしまったように感じられる。
類義語・反義語
類義語する、かける
反義語


11.風景が変化する自動詞上級
表記なる
人が空間を移動することで、見える周囲の状態が変化する。
文型
条件を表す表現+<変化した風景>(に[と])なる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
(山道を歩いていて)そのうち傾斜がゆるやかになるよ。がんばって!
このまま10分ほど車を走らせれば町になる
まっすぐ行くと、急な下り坂になる
右に曲がると大通りになります
この先は、立ち入り禁止区域となります
1キロ先は、道が急に細くなりますから、車で進むのは無理です。
コロケーション
<変化した風景>(に[と])
町に、坂道に、大通りに、商店街に、高台に、細く、広く
<様態>
徐々に、だんだん、急に、突然
非共起例
<変化した風景>(に[と])
 まっすぐ歩いていくと、ポストになる
 まっすぐ歩いていくと、ポストがある
<変化した風景>は、風景全体であって、風景の中にその一部として存在している「ポスト」のようなものは含まれない。
<変化した風景>(に[と])
 山を登っていくと、頂上になった
 山を登っていくと、頂上に着いた
「なる」は移動によって自然に風景が変わることを表すのであって、目標地点に到達するような場合に用いることはできない。この例においては、「頂上」が目標地点であるために、「なる」は使われない。
解説
この「語義11」と「語義1」との間には、「状態が変化」することを表すという共通点がある。ただし、「語義1」が「物事それ自体の状態の変化」を表すのに対し、この「語義11」は、人が移動することで、「見える状態が変化」することを表す。
誤用解説
「<変化した風景>と」の形は、固い文体の中で使われる。次のような話ことばで用いられると不自然である。
 右に曲がると大通りとなりますので、そこをまっすぐ行ってくださいね。
類義語・反義語
類義語変わる、至る、見える 出る
反義語


12.役に立つ特徴を見出す自動詞中級★★
表記なる
人やものに、役に立つ特徴があることに気付く。
文型
<人・もの>が<役に立つもの>になる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この箱は丈夫だから机になるよ。
この草は薬になるそうです。
アジア経済について知りたければ、この本が参考になるよ。
今度のことはいい教訓になるだろう。
今年の新入社員は、我がままで使いものにならない
ためになる話を聞かせてもらってよかった。
コロケーション
<役に立つもの>に
① 道具として役に立つ機能を持つもの:机(の代わり)、箸(の代わり)
② よい影響をもたらすことで役に立つもの:薬、(いい)刺激、教訓、参考、使い物、ため
非共起例
<役に立つもの>に
 このキノコは毒になる
 このキノコは毒だ。
「毒」は、<役にたつもの>ではない。
解説
この「語義12」と「語義11」との間には、主体の捉え方によって「見える状態が変化」するという共通点がある。ただし、「語義11」の場合、「人が空間を移動」することで、「見える状態が変化」することを表すのに対し、この「語義12」の場合、人が「見方を変える」ことで、「見える状態が変化」することを表す。


13.結果の状態とみなす自動詞上級
表記なる
人やものがある性質を持つ。
文型
<人・もの>が<状態>(に)なっている
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
廊下の突き当たりは右が階段、左がトイレになっている
幼児向けのおもちゃは、角が丸くなっている
このペンは先が太くなっている
大阪の中心部は台地になっていて、寺が多い。
この椅子は座面が高くなっていて、座ったとき足が床に届きません。
私はあごが四角くなっているので、こわそうに見えるらしい。
コロケーション
<状態>
丸く、四角く、高く、大きく、階段に
解説
この「語義13」と「語義11」との間には、主体の捉え方によって「状態が変化」するという共通点がある。ただし、「語義11」の場合、人が空間を移動することで「見える状態が変化」することを表すのに対し、この「語義13」は、変化のない状態を、空間の移動をすることもなく、「状態が変化した結果であるかのように捉える」ことを表す。
誤用解説
変化の結果ではない状態を、変化の結果のように捉えるのは、その状態が一般的な状態から逸脱していることよる。つまり、ある状態を、一般的な状態からそうではない状態へ、変化したかのように捉えるのである。したがって、次のように、そのものにとって、よくある一般的な性質について述べる際、「なる」を用いると不自然である。
 桜の花弁は5枚になっている
 桜の花弁は5枚である。
 太郎は鼻が高くなっている
 太郎は鼻が高い。
 このパンは柔らかくなっている
 このパンは柔らかい。


14.予定が定まる自動詞初級★★★
表記なる
自然な成り行きの中で物事がそのような状態に変わる。
文型
<人>が<行動する>ことに[と]なる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
来月、東京に出張することになりました
留年することになってしまった。
引き続き、地域パトロールを行っていくこととなりました
隣の部の新入社員をメンバーに加えることになったらしい。
わずか3つの選択肢の中から選ばざるを得ないことになる
「もう取引をやめるということですか」「そういうことになります
stairs先輩、私、年内で辞めることになりました
コロケーション
<行動する>ことに(ことと)
転勤する、進学する、結婚する、会議を開く
<予定>ということに(ことと)
栄転、就職、進学、転勤、帰国
非共起例
<行動する>ことに[と]
 どうしても行きたくないので、明日は休むことになる
 どうしても行きたくないので、明日は休むことにする
<行動する>ことを自分の意志で決定した場合には、「~ことにする」を用いる。
<予定>ということに[と]
 国に帰る予定ということになりました
 国に帰ることになりました
 国に帰る予定です。
「国に帰る予定ということになりました」の場合には、「国に帰る」ことが予定にすぎないという位置付けで決定したという意味になってしまう。「国に帰る」ことが予定ではあるが定まったということを示すには、「国に帰ることになりました」などとする必要がある。
解説
この「語義14」と「語義1」との間には、物事の「状態が変化」するという共通点がある。ただしこの「語義14」は、「予定」について述べる。つまり、予定が定まっていない状態から定まった状態へ変化することを表す。
「なる」は通常、自然な変化を表すが、自分の意志で決定したことについても、「なる」を用いる場合がある。たとえば、自分の意志で「退社する」「結婚する」ことを決めたとしても、「今月末で、退社することになりました」「結婚することになりました」など、自然な成り行きであるかのように表現することで、発話に公的な場にふさわしい、柔らかな印象が与えられる。
誤用解説
「<行動する>ことと」「<予定>ということと」は、固い文体で使われる。従って、次のように話しことばで用いると不自然である。
 来週、ディズニーランドに行くこととなったんだ。
 来週、ディズニーランドに行くことになったんだ。
 親とも相談して、卒業したら、就職ということとなったんだ。
 親とも相談して、卒業したら、就職ということになったんだ。
類義語・反義語
類義語決まる、決定する
反義語


15.動きが慣習化する自動詞初級★★★
表記なる
人の行動やものの動きなどが慣習化する。
文型
<人・もの>が<動作・能力>ようになる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
子供がよく勉強するようになった
この頃、近所の子が家に遊びに来るようになってにぎやかだ。
苦手だった魚が食べられるようになりました
長い間、五十肩で苦労していたけれど、ようやくこの頃、手が上がるようになったんだ。
壊れていたドアが開くようになりました
天井から雨水が落ちてくるようになって、困っている。
コロケーション
<動作・能力>ように
① 動作:勉強する、遊ぶ、食べる、行く、帰る
② 能力:食べられる、話せる、行ける、できる
<時期>
昨年から、1年前から、この頃、最近
非共起例
<動作・能力>ように
 どうしても留学したいので、英語の勉強をするようになります
 どうしても留学したいので、英語の勉強をするようにします。
意志で何かを慣習的に行うように行動を変える場合には、「~ようにする」を用いる。
<動作・能力>ように
 冷蔵庫の修理をしたら、変な音がしないようになった
 冷蔵庫の修理をしたら、変な音がしなくなった
解説
この「語義15」と「語義1」との間には、物事の「状態の変化」を表すという共通点がある。ただし、この「語義14」の場合は、人の行動のパターンや、ものの動き方のパターンが変化することを表す。
誤用解説
「状態の変化」を表す一語の動詞がある場合には、それを用いる。たとえば「あるようになる」ではなく、「できる」を用いる。
 駅前にビルがあるようになった
 駅前にビルができた。
類義語・反義語
類義語変わる
反義語


なるの全体解説 「なる」は、「状態の変化」を表す用法を持つ(「語義1」)。
(例)大きくなる。(「語義1」)
ものなどの状態の変化が大きければ、別物と認識される。これが(「語義2」)につながる。
(例)雪が雨になる。(「語義2」)
「なる」の表す「状態の変化」は、誰かが意志的に事態を制御することで起こる変化ではなく、自然な変化である。ここから、「時間の経過」という自然な「状態の変化」によって特定の時期に到達する用法が生じる(「語義3」)。
(例)3月になります。(「語義3」)
また、「時間の経過」とともに、何かが蓄積されるなどの変化がおこり、何らかの「結果が得られる」ことを表す用法もある(「語義4」)。
(例)貯金がたまって10万円になった。(「語義4」)
「時間の経過」「結果が得られる」という特徴を持つこの「語義4」は、さらに二つの方向へ広がる。
一つ目は、時間の経過を経て、何らかの目標が達成されることを表す用法である(「語義5」)
(例)新装開店なる!(「語義5」)
ここから、時間の経過を経て、植物の実が実るという、一種の目標とも言えるような事態が生じることを表す用法が生じる(「語義6」)。
(例)柿がなった。(「語義6」)
二つ目は、「時間の経過」「結果が得られる」という「語義4」の特徴から「時間の経過」という要素を捨象し、「結果が得られる」という点に着目した用法である(「語義7」)。
(例)1足す1は2になる。(「語義7」)
ここから、結果(全体)を構成する要素を表示する用法につながる(「語義8」)。
(例)学部は3つの学科からなる。(「語義8」)
また、「なる」の表す「状態の変化」が、意志的ではなく自然なものであるということは、目上の人の行動を自然物の変化のように捉えることで敬意を表す用法(「語義9」)につながる。
(例)校長先生がお話になります。)(「語義9」)
また、相手に負担をかけた際、それを自分の意志とは無縁のやむを得ない事態であったかのように表現する用法もある(「語義10」)。
(例)世話になります。(「語義10」)
この用法は文脈に依存して選択されるのではなく、語の連鎖として安定して用いられている。
「なる」の表す「状態の変化」には、物事そのものが変化することの他に、物事を捉える側が変わる、すなわち移動することで、その物自体は変化していなくとも変化したように見えることも含まれる。これを表すのが「風景の変化」を表す用法である(「語義11」)。
(例)まっすぐ行けば駅になる。(「語義11」)
ここからさらに、観察する主体が見方を変えることで、「状態の変化」が起こったように捉える二つの用法につながる(「語義12」「語義13」)。
(例)この草は薬になる。(「語義12」)
(例)この椅子は座面が高くなっている。(「語義13」)
さらに、「なる」は、「予定されていない状態から予定された状態への変化」を表す用法も持つ(「語義14」)。
(例)大学に進学することになりました。(「語義14」)
また、「慣習化されていない状態から慣習化された状態への変化」を表す用法もある(「語義15」)。
(例)この子は最近よく勉強するようになりました。(「語義15」)
「なる」はさらに、複数の語の固定した連鎖の中で、その構成要素として使われることもある。全体でひとまとまりを成し、特別な意味を担う以下のような場合である。
「~てならない」「~てはならない」「~なくてはならない」
























▶全例文を聞く
<(人の)状態>(に)
人に話すだけで気持ちが楽になる。
(女性自身, 2001, 一般)
退院時より母は元気になったように見える。
(宮脇俊三著 『殺意の風景』, 1988, 913)
そのことを夫に注意されて喧嘩になりました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)
泣き声は次第に大きくなった。
(岩橋昌美著 『空を失くした日』, 1996, 913)
ずいぶん大人になったな。
(シドニィ・シェルダン著;天馬竜行訳 『星の輝き』, 1995, 933)
<(天候の)状態>(に)
幸い天気になりそうだったから、昼まで衣服を干していれば乾く。
(帚木蓬生著 『逃亡』, 2000, 913)
今日はあいにくの雨になってしまいました。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
土地の人によれば、盆踊りの時はなぜか必ず暑くなるそうだ。
(季刊銀花, 2001, 文学/芸術)
<(もの)の状態>(に)
店は労働服の男たちでほぼ満席になっていた。
(干刈あがた著 『ウォークinチャコールグレイ』, 1993, 913)
ゴミがなくなり,川がきれいになった
(水と文化研究会編 『みんなでホタルダス』, 2000, 486)
<事態の状態>(に)
もし人口がどんどん減ってしまったら、困ったことになる。
(原田泰著 『経済記事を読みこなす基礎知識』, 1996, 330)
また最近は薬の副作用が大きな問題になっています。
(渡辺知明著 『胃腸病』, 2004, 493)
<もの>が<(別の)もの>に[と]
「と言ったって、ほれ、その青虫があのように可愛い蝶になるのだぞ」
(門田泰明著 『大江戸剣花帳』, 2004, 913)
甲斐駒ヶ岳は、土曜日の雨が雪になったのか、相変わらず白いところが多い。
(Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ)
<時>に
もう夕方の五時になっている。
(山村美紗著 『宮崎旅行の殺人』, 1998, 913)
になると紅葉が美しく谷間を埋める。
( 『全国効能別温泉ガイド』, 1996, 291)
来月3歳になる男の子がいます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 子育て、出産)
前に会ったのは、確か六月でしたから、二カ月ぶりになりますか
(星乃彗理著 『血塗りの殺人カード』, 1994, 913)
<時>が
公園の時計が、ちょうど午前10時になっていた。
(Yahoo!ブログ, 2008, 文学)
<数>が
子供タレントのプロダクションでは、会員数が約1万人にもなるという。
(経済界, 2004, 経済/経営)
310万円−(310万円×30%+18万円)=199万円となり、年収310万円の場合の合計所得金額がギリギリ200万円以下になる。
(マネープラス, 2002, 家庭/生活)
<ある値>に
しかしながら今では、旭山動物園の平成16年度の入場者数は145万人になっています。
(河野英俊著 『ディズニーランドお客様を感動させる魔法の接客サービス』, 2005, 689)
先月の水道代が一万三千円になりました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家計、貯金)
<植物の実>が
夏ミカンというのは秋にがなって冬を越す。
(村田喜代子著 『蟹女』, 1996, 913)
<様態>
十一月の空は青く高く、柿の実がたわわになり、枝をしならせ、山の紅葉もはじまっていた。
(秋山ちえ子著 『十年目の訪問』, 1990, 916)
<計算結果>に
2.6と3.9を,それぞれ倍して,整数になおして,26×39の計算をする。 積は1014になる。
(新編 新しい算数 5上, 2006, 小)
<範囲>で
今回の補正額は、一般会計4734万6千円、特別会計2172万円、一般会計と特別会計の合計で、6906万6千円となります。
(広報まちだ, 2008, 東京都)
<もの・組織>が<構成要素>から
全曲は四つの楽章からなり,第3楽章と第4楽章は続けて演奏されます。
(中学生の音楽 2・3 上, 2005, 中)
<範囲>で
楽天に伝わる兵法書は全部で三十六巻からなる。
(楡周平著 『青狼記』, 2003, 913)
<動詞連用形>に
つい昨日、あなたのお書きになった論説を読みました。
(アガサ・クリスティー著;中村妙子訳 『娘は娘』, 2004, 933)
もしお時間がありましたら是非お読みになってください。
(Yahoo!ブログ, 2008, 趣味)
<世話・負担の対象>に
砂原先生には大変お世話になりました。
(中津文彦著 『ジンギスカン殺人事件』, 1986, 913)
すっかり、ごちそうになっちゃって!
(今村葦子著 『良夫とかな子』, 1987, )
ひとさまの厄介になるのは真っ平だよ。
(生田直親著 『雪のコンチェルト』, 1991, 913)
<変化した風景>(に[と])
少し歩くと商店街になり、「ふみきり饅頭」の看板があった。
(種村直樹著 『新顔鉄道乗り歩き』, 1990, 686)
<役に立つもの>に
宝石の知識などありませんから、とっても参考になりました。
(和樂, 2003, 一般)
例えば、ある程度の年齢になってから、新しい楽器に手を出すというのは、脳にいい刺激になります。
(サライ, 2002, 一般)
<状態>
部屋のまんなかにはテーブルつきのイスがひとつあり、片側は小さなキッチンになっている。
(サンドラ・フォレスター著;篠原レイコ訳 『大蛇ヒスフィットと海竜の入り江』, 2005, 933)
<行動する>ことに[と]
このたび就職することになりました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 保険、税金、年金)
<予定>ということに[と]
時を経て、年二回ずつ帰国ということになり開設後、初めて私が集中講義する為に帰国した。
(惠京仔著 『祖国之鐘』, 2002, 289)
<動作・能力>ように
従来の同僚までが私に反対するようになった。
(文芸春秋編 『「文芸春秋」にみる昭和史』, 1988, 210)
その後数日して出勤できるようになった。
(高橋俊彦,近藤三男編著 『大学生のための精神医学』, 2004, 493)
<時期>
健康こそが美しさの基本。最近しみじみそう感じるようになりました。
(COSMOPOLITAN 日本版, 2004, 一般)






























昨夜から降り続いた雨は、明け方から次第に雪になってきています
で、この前ポイントが10000になったからさ、1万円に換えてらったの!
あわせて1,280円になります
コスモ・スキンケアという基礎化粧品の会社なんですけれども、お聞きになったこと、ございますか?
いろいろお世話になりました。ありがとうございました。
先輩、私、年内で辞めることになりました
ローマは一日にしてならず。

意味
立派な物事を短期間で完成させるのは不可能で、長年の積み重ねが必要だ。
用例
大きな仕事はそんなに簡単にはできないよ。ローマは一日にしてならずというでしょう。
コーパスからの用例
毎日ちょっとずつ練習すれば必ず弾けるようになります!ローマは一日にしてならず!(実著者不明『月刊歌謡曲』2004)
為せば成る(為さねば成らぬ何事も)

意味
できそうにないことも、その気になってやりとおせばできる。
用例
何を弱気なことを言っているの。「なせばなる」だよ。
コーパスからの用例
ポジティブ・シンキングとは、「なせばなる」という素朴な信念を信じることによって、その人の生き方を、より積極的に誘導しようという、メンタル・テクニックの一つです。(西野 皓三(著)『生命エネルギーを高める西野流呼吸法』2003)
なっていない

意味
一般的な基準から見て、非常に悪い。
用例
質問に答える態度がなっていない
コーパスからの用例
作家のくせに猫の名前の付け方がまるでなっていない。グレーだからグレタ、三毛猫だからミケ、同じ三毛でも小さいほうがチビ、白黒のブチがこれだけ「ちゃん」づけでシロクロちゃん、そして白い猫はジャングル大帝レオに似ているからレオ。(中山 可穂(著)『白い薔薇の淵まで』2001)
さまになる

意味
服装や行動などにぎこちなさがない(服装をしたときや行動をしたときにふさわしい様子である)。
用例
テニスをはじめたばかりだと言うが、ボールを打つ動作はそれなりにさまになっている
コーパスからの用例
中でも田中さんはいつもオシャレなので、どんなスタイルでくるのか楽しみだった。さすがに背広姿がさまになっている。(西村 美智代(著)『おぼけさま』2004)
気になる

意味
自然に注意が向いてしまう(関心がある[心配である])。
用例
近所にちょっと気になるレストランが出来たんだ。言ってみない?
コーパスからの用例
砲撃と爆発音に思わず耳をおさえた重夫が、重明のことが気になって後方を眺めると水兵たちが救命ボートを降ろしている。退艦命令があったにちがいない。(立花 譲(著)『帝国海軍士官になった日系二世』1994)
首になる

意味
解雇される。
用例
先月会社を首になった。どうしたらよいかわからない。
コーパスからの用例
五年間勤めたが、年寄りは能率が悪いからと首になった。今、女房は下請け会社の皿洗いをしている。(増子義久著『東京湾が死んだ日 ルポ京葉臨海コンビナート開発史』2005)
なるようになる

意味
あれこれ心配したとしても、それとは関係なく物事が自然のままに進んでいく。
用例
心配しなくても大丈夫。なるようになる
コーパスからの用例
最初からなるようになると思っていれば、どうなっても平気です。(赤羽 建美(著) 1『"幸せオーラ"がある女性のちょっとした習慣 1週間でどんどん運命が変わっていくヒント』2004)
むきになる

意味
些細なことなのに本気になって腹を立てる。
用例
あの人はちょっと何か言われるとすぐむきになる
コーパスからの用例
「このお嬢さんも、べつに悪気があって言ったんじゃない。お前にしちゃ、ちょっと大人げないぞ。そうむきになるもんじゃない」(五木 寛之(著)『戒厳令の夜』1976)
ものになる

意味
一人前(完成品)とみなせるほど立派になる。
用例
今年の新入社員はきっとものになるぞ。
コーパスからの用例
「この人はいま、このくらいのところまできている。こうした面で力がついてきている。あと半年たてば、この程度までいくだろう。あと三年たてば、この人はものになる」いつもこのように見ているのです。(大川隆法著『幸福の革命 心の力が未来を変える』1998)
一丸となる

意味
目的を達成するために、心を一つにして結束する。
用例
チームが一丸となって戦えば、今度の試合には勝てる。
コーパスからの用例
企業業績を上げるには経営そのものに没頭し社員が目標に向かって一丸となるようにリーダーシップを発揮しなければならない。(鯨井 基司(著)/ 鯨井 規功(著)『中小企業の再生ビジネス戦略』2001)
複合動詞 V1

なりあがる、なりかわる、なりきる、なりさがる、なりすます、なりたつ、なりはてる
複合名詞

成り行き、ならず者
なる(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形ない
~なかったなかった
ます形なり
~ませんなりま
~ましたなりした
~ませんでしたなりまんでした
~ときるとき
ば形れば
意向形
て形って
た形った
可能形
受身形なら
使役形なら
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