流すのコアイメージ

1.液体・気体の移動他動詞初級★★★
表記流す
人が液体や気体を特定の方向に移動させる。
文型
<人・もの>が<液体・気体>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「このサイレン何?」「ダムから川に水を流すときの音だよ。早く川から出なくちゃ!」
水道の水を流したままで歯を磨くは、水のムダです。
心臓は血液を流すためのポンプの役割をしています。
オンドルは、台所から出た暖かい空気を床下に流して、部屋を暖める暖房方法です。
コロケーション
<液体・気体>を
① 液体:水、雨水、お湯、洪水、温泉、血液
② 気体:空気、風、息
③ 気体の種類:ガス、酸素、窒素
<場所>に[まで]
川、海、床下、隣国
解説
この語義は、人が重力や高低差、圧力差などを利用して液体や気体などの流体を移動させることを表わす。
「場所+に」で移動させる場所を表す場合があるが(例:ダムの水を川に)、到着する限界を表したい場合は「に」の代わりに「まで」が用いられることがある(例:天然ガスを隣国まで流す
液体を真下、もしくは低い方に移動させる言い方には「落とす」もあるが、液体が移動するときに連続的な流体として移動するか(流す)、個体(滴など)として移動しているか(落とす)によってどちらかが使われる。
・その話を聞いて、彼女はきれいに化粧をした頬に滂沱(ぼうだ)の涙を○流した ×落とした
・その話を聞いて、彼女は大粒の涙を一粒、ひざに×流した ○落とした
・水道管が凍結しないように、蛇口から水道の水を○流して ×落としておいてください。
・水面に一滴、水滴を×流すと ○落とすと、同心円状の輪がきれいに広がっていきます。


2.川・用水路の開削他動詞上級
表記流す
人が人工的に経路を開き、川や取水した水を放流する。
文型
<人>が<場所>に<川・用水路>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「また渋滞?」「この先で道路の下に川を流す暗渠工事をしているんだよ」
江戸時代の治水事業では、まず利根川を太平洋に流し、荒川を入間川に流すことで、江戸の防水を考えようとした。
この地方には、異国から来た旅人が水を涌き出させ、荒れ地に川を流したという伝説がある。
玉川上水は武蔵野台地の新田開発にも多く利用されたが、土地の高低差の問題により、多摩川から取水後すぐに台地に引きこまず、しばらくは川と並行して流すことになった。
コロケーション
<川・用水路>を
川、~川(例:荒川、江戸川)、~上水(例:玉川上水)、~用水(例:明治用水)
<場所>に
太平洋、~川、道路の下


3.水流・気流による移動・運搬他動詞中級★★
表記流す
人が水流・気流によってものを移動・運搬させる。
文型
<人>が<場所>に<もの>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
昔は山で切った木を下流に運ぶのに、木材を束ねた筏(いかだ)を流したそうだ。
川に灯篭を流して先祖の供養をするのが、この辺のお盆の「送り火」の習慣です。
「あっ、こんなところにヤシの実があるよ!」「きっと波に流されて遠い南の国から来たんだね」
「じゃ、流すよ~!」「わ~い!いよいよ、流しそうめんの始まりだね」
こんな狭い住宅街でバーベキューの煙を流されると、洗濯物ににおいがついて大変だ。
「いい香りですね」「当店では、お客様にリラックスしていただくために、店内にヒノキの香りを流しているんです」
コロケーション
<もの>を
① 木材:筏、木材、材木、木
② 行事に使うもの:供え物[お供え]、札(ふだ)、流しびな、灯篭
③ 気体:煙、蒸気
④ におい:香り、におい
⑤ その他:笹舟、草鞋、餅、杯、そうめん、気
<場所>に
川、海、店内
解説
この語義は、人が液体や気体の動きを使って、ものを浮かべて移動させたり、運搬したりすることを表す。特に川を使った運搬方法として、山で伐採した木材を筏(いかだ)に組んで川の流れに乗せて下流に運ぶという伝統的な運搬方法がある。また各地に伝わる伝統的な行事として「流し雛(びな)(雛祭りに紙で作った人形を川に流し無病息災を願う行事)」や「灯篭(とうろう)流し(お盆の時期に灯篭や提灯を乗せた船や亡くなった人へのお供えものを川や海に流す行事)」などがある。
その他、「そうめんを流す」は、竹や専用の器具を使って冷たい水とともにそうめんを移動させることで、移動するそうめんをはしで取ってつゆにつけて食べる、夏に好まれる食べ方である。
また「気を流す」は、気功など東洋で古くから考えられている生体エネルギー(気)を全身に循環させることを言う。


4.体内からの放出他動詞中級★★
表記流す
人が体内から液体を出す。
文型
<人>が<体内の液体>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「交通事故?あの自転車の人、頭から血を流しているよ!」「すぐ救急車呼ばなきゃ!」
だれかポチにえさあげた?私がご飯を食べてるのを見て、よだれを流してるんだけど。
ボクサーが眼を腫らし、鼻血を流しながら闘う姿は、見るに耐えない。
最近、飼い猫が目やにが出たり、鼻水を流したりすることが多いのですが、何かの病気でしょうか。
「あれ?あの怖い鈴木先生が泣いてるよ」「今年の卒業生の指導は大変だったもんね。涙を流されて当然だよ」
子供たちに悔し涙を流させまいと、受験生の子を持つ親も様々な努力をしている。
stairs一日中汗水流して働いたもんじゃよ。
コロケーション
<体内の液体>を
① 涙:涙、悔し涙、うれし涙
② 血:血、鼻血
③ その他の液体:鼻水、唾液、よだれ
<体の場所>から
頭、額(ひたい)、目、顔、鼻、首
解説
この語義は、人が体内の液体を対外に放出することを表す。
「血を流す」は、例文1の意味のほかに、戦って傷ついたり、死んだりするという慣用的意味もあり、この場合は、「非進行(完了)」 の使い方もある。
 A国では、言論の自由を手に入れるために、既に1,000人以上の人が血を流している
体内から液体を放出する中で、「汗」を対外に出す場合は通常「汗をかく」が用いられる。例外的に「脂汗」の場合は、「彼はよほど傷口が痛むのか、顔をゆがめ、脂汗を流している」のような使い方がある。「汗を流す」については語義8「もの・付着物の除去」の例文3、および「語義解説」を参考にしてください。


5.人やものの停滞のない進行・循環他動詞中級★★
表記流す
人が、人やものを停滞したり淀んだりすることなく進行・循環させる。
文型
<人>が<もの>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
不良品を次の工程に流さないように、各自注意して作業してください。
私は、毎日同じ作業をして製品を右から左へ流すだけの仕事にすっかり飽きてしまった。
私が着いたときには、引越し屋さんが人海戦術で上から荷物を流していた
高速道路の本線の車をうまく流すために、様々な工夫がなされている。
最近の空港の設計は人を流すことだけでなく、人をいかに滞留させて消費させるかを考えることも重要だそうだ。
コロケーション
<人・もの>を
① コンベヤーなどで流すもの:不良品、箱、荷物
② 交通(機関):人、車、交通
<様態>
うまく、スムーズに


6.音・音楽・映像の再生・伝達他動詞中級★★
表記流す
人が機器を使用して音・音楽・映像などを再生・伝達する。
文型
<人>が<音・音楽・映像>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
結婚式では、新郎新婦の思い出の映像を流すことが多い。
この美容院は、いつもクラシック音楽を流している
医師は看護師に待合室のBGMとして鳥の声や川のせせらぎの音を流させた
「放送委員!どうして昼休みにJ-POPを流しているんだ?禁止されてるだろう?」「クラシックを流そうと思ったんですけど、CDが見つからなくて・・・」
私のスマホは、呼び出しに出られないときはメッセージを流すように設定している。
stairsでは、社長のメッセージビデオも流しましょうか。
コロケーション
<音・音楽・映像>を
① 音楽:音楽、(楽)曲、BGM、メロディー、歌
② 音楽のジャンル:ジャズ、ロック、校歌
③ 媒体:CD、レコード、(カセット)テープ、ラジオ、カラオケ
④ 音:音、音声、雑音、サイレン
⑤ 声:アナウンス、肉声、鳴き声
⑥ 映像:映像
⑦ その他:音源、音量
<場所・場面>に[で]
~内(例:店、室)、~会(例:上映、二次)、会場、~式(例:結婚、卒業)、場面
<様態>
(大)音量で、(大きな、控えめな)音で、(程よい、大きめの)ボリュームで、リアルタイムで
<機材>で
モニター、拡声器、テープ、ラジカセ
解説
この語義は、人が音響機器や映写機器を用いて音や映像を伝えることを表す。自動詞「流れる」では、「歌声が流れてきた」のように機器を使用しない場合も使用可能だが、「流す」では、機器を使用しない場合には使用されない。マスコミによって放送される場合は、語義30とする。


7.エネルギーの伝導他動詞中級★★
表記流す
人が電気・波・光などのエネルギーを伝える。
文型
<人>が<場所>に<電気・波・光>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ここに電気を流すとモーターが回ります。
この警報システムは、1カ所で火災が起きると、全警報システムに信号を流し、全館に知らせます。
人はどのくらい電流を流されると肌に痛みを感じますか。
不整脈の治療のために、カテーテルを足の血管から入れ、先端から高周波を流して心臓の筋肉の一部を焼いたそうだ。
福島県や茨城県で作られた電力は、送電線を通して首都圏などに流されます
ラジオ波治療によって、患部に針を刺して、そこに電磁波を流してがんを焼きとることができます。
コロケーション
<もの>を
① 電気:電流、電気、電力、交流、直流、電圧
② 波:信号、光、(高)周波、波動、電磁波
<場所>に
コイル、回路、電極、導線、電線、身体、~線(例:電熱、導体)


8.もの・付着物の除去他動詞中級★★
表記流す
人がもの、もしくはものの付着物を水によって除去する。
文型
<人>が<もの・付着物>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
手を洗って菌を流すことが、食中毒を防ぐ有効な方法です。
シャンプーを流しているうちに、目に入ってしまって痛かった。
「じゃ、ご飯、行こうか」「その前にシャワーで汗を流そうよ。タオル、2枚、持ってるよ!」
セロリときゅうりは塩でもみ、水でざっと塩を流し軽く絞ります。
洗車をする前にボディーの砂やほこりを大量の水で流しておくと、車に細かい傷がつくのを避けられます。
「どうしたの?このお風呂場の泥!」「ごめん。長靴についた土をシャワーで流したら、排水口が詰まっちゃって」
stairsほら、よくゴシゴシして、ちゃんと流してね。
コロケーション
<もの・付着物>を
塩、洗剤、シャンプー、石鹸、泡、菌、毒素、土、砂、ほこり
<道具>で
水、シャワー、温泉、お湯、石鹸
<様態>
ざっと、軽く
<結果>
きれいに
解説
この語義は、人が水によって付着物を除去することを表わす。付着しているものは、不要なものや有毒なものなどが多い。
また「汗を流す」は、例文3の意味のほかに、運動する、実際に動いて働くという慣用的意味もある。
 (スポーツクラブの宣伝)一緒に気持ちのいい汗を流しませんか。
 プロジェクトが成功したときは、上司ではなく、汗を流した人が報われるべきだ。
類義語・反義語
類義語落とす
反義語


9.場所の清浄化他動詞中級★★
表記流す
人が水を使ってその場所をきれいにする。
文型
<人>が<汚れている場所>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
湯船に入る前には、かけ湯などで全身を軽く流してから入ってください。
横綱は、付き人に背中を流させた
「じゃ、ご飯、行こうか」「その前にシャワーで軽く体を流そうよ。汗かいちゃったから」
トイレを流そうとしたが、全然流れなくて困ってしまった。
「災害現場などで包帯などの医薬品が足りないときは、どうしたらいいですか」「水で傷口を流してラップフィルムで巻くなどの応急処置をするとよいでしょう」
浴室のカビ対策には、お風呂を出るときに、シャワーで壁を流すといいと言われます。
コロケーション
<汚れている場所>を
① 場所・もの:(水洗)トイレ、便所、便器、(浴室の)壁、表面
② 身体:全身、背中、髪、頭、おしり
<道具>で
シャワー、かけ湯、水
<様態>
軽く
解説
この語義は、人が水を使ってその場所をきれいにすることを表す。語義8も水を用いて汚れを落とすことを表すが、語義8は付着物を落とすことに注目しているのに対し、語義9は付着物がついている場所をきれいにすることに注目している。語義8は対応する自動詞があるが(例:泡、汚れ)、語義9は対応する自動詞がない場合がほとんどである(例:背中、髪、表面)。ただし「トイレ」は例外で、対応する自動詞「トイレが流れる」があり「水洗機能でトイレがきれいになる」意味を表す。否定形「トイレが流れない」は「壊れたり何かが障害になったりして水洗機能が働かない」という意味になる。


10.川・海への廃棄他動詞中級★★
表記流す
<人>が<もの>を<川・海など>に流す。
文型
例:<人>が<人・動物>に<もの>をあげる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
家庭からの排水をそのまま海に流すわけにはいきません。
化学会社が川に流した有毒物質によって深刻な公害が発生した
廃油を下水に流すことは、法律で禁止されています。
「台所のパイプがすぐ詰まっちゃって・・・」「排水口にごみや油を流しているからじゃないの?」
これだけ積もると、道路の雪を側溝に流すだけでも重労働だ。
コロケーション
<もの>を
① 液体:排水、汚水、廃液、廃油
② もの:廃物、手紙、雪
③ 有害なもの:毒、~物質(例:有害、汚染、放射能性)
<川・海など>に
① 自然:川、海、河川
② 人工物:下水(道)、排水溝、側溝、排水口
類義語・反義語
類義語捨てる、廃棄する
反義語


11.流罪・左遷他動詞上級
表記流す
人が他者を流罪にしたり、左遷させて勤務地を変えたりする。
文型
<人>が<罪人>を<場所>に流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
幕府はこの島に罪人を流し、幽閉してきたという歴史があります。
1332年、鎌倉幕府は謀反人(むほんにん)として後醍醐(ごだいご)天皇を隠岐(おき)に流した
順徳天皇は佐渡(さど)に流され、失意のうちに亡くなった。
エルバ島に流されていたナポレオンは、1815年、島を脱出しパリを目指した。
大宰府(だざいふ)に流された菅原道真(すがわらのみちざね)を慕って、庭の梅が空を飛んで追いかけたという伝説がある。
伊豆(いず)は古くから流刑地とされ、源頼朝(みなもとのよりとも)や日蓮(にちれん)など多くの人が流されている
コロケーション
<人>を
人名、罪人
<場所>に
① 島:島、隠岐(おき)、佐渡(さど)、エルバ島
② 地域:伊豆(いず)
③ その他:大宰府(だざいふ)
解説
この語義は、人が他者を流罪、もしくは左遷させて勤務地を格が低いと見なされている場所に変えることを表す。歴史的なできごとを言うときに使用されるため、現代人の左遷には用いられない。


12.流水や土砂の動きによる移動・喪失他動詞中級★★
表記流す
人が流水や土砂の動きによってものを移動させられたり、失ったりする。
文型
<人>が<人・もの>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「すみません。ここで手を洗っているときに指輪を流しちゃったんです」「今、排水管のパイプを外してみます」
トイレに携帯電話を流してしまう人がたまにいるそうです。
水をあげすぎて種を流してしまわないよう、発芽までは底面から水をあげてください。
あれは、洪水で自宅を流された人のための仮設住宅だ。
山腹を通行中の車が土石流で山のふもとまで流された
船が丘の上まで流されているのを見て、津波の恐ろしさを知った。
コロケーション
<人・もの>を
① 携行品:コンタクト(レンズ)、指輪、携帯電話、スマホ
② 建物:家、自宅、店[店舗、工場、会社]
③ 人:人、家族
④ その他:車、船、種
<場所>に
流し、トイレ、排水口
<大量の液状物>で[によって]
① 水:(大)雨、津波、洪水、高潮
② その他:土砂、土石流
<様態>
あっという間に、一気に
解説
この語義は、不注意や不可抗力によって(流される人やものに比べて大量の)水や土砂の動きによってものを移動させられたり、失ったりすることを表す。人が不注意などで小物を失う場合には「流してしまう」の形が、自然災害など不可抗力で建物などを失う場合には「流される」の形が多く使用される。
類義語・反義語
類義語失くす、失う
反義語


13.無関心他動詞上級
表記流す
人が注意すべき言葉や問題に関心を示さない様子でやり過ごす。
文型
<人>が<もの>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
なにげなくその場は流したが、実は私は彼の言葉に傷ついていた。
せっかく勇気を出して後輩に忠告したのに、軽く流されてしまった
「時間がないから」という理由でこの重大な問題を流してしまっては、事態は何も変わらない。
「今年の新入社員、どうも遅刻や報告忘れが多くて」「そういう怠惰やルーズさを小言程度で流してしまうと、部下を駄目にするよ。ちゃんとびしっと注意しないと」
どんなことを言われても相手にしないで流そうと思っていたが、つい反論してしまった。
彼女は周りから時折言われる皮肉や妬みもさらりと流し、自分のペースで仕事を続けている。
stairsあ、そこは流さないで聞いてたのね。
コロケーション
<もの>を
会話、場、言葉、問題
<様態>
軽く、さらりと、さらっと、適当に、右から左へ(と)
解説
この語義は、人が注意すべき(と一般的には考えられる)言葉や問題に関心を示さないことを表す。
例文1、5、6は、「流す」主体も本来ならその言葉や問題に注意を払ったり、なんらかの対応をすべきだ、あるいはするのが普通だと自覚していながら、何事もなかったように振る舞い、それまでの行動を続けたり、次の行動に移ったりする場合である。例えば例文1は「彼」の私に関する厳しい言葉があり、本来なら釈明や反論をしたい場面ではあるが、その場では(表面上)関心を示さず何もしなかったことを、例文5は例文1とは逆に「釈明や反論をしたいような内容を言われても関心を示さずにいようと思っていたが、反論をしてしまったことを表す。
類義語・反義語
類義語やり過ごす
反義語気にする、受けとめる


14.感情の癒し・解消他動詞上級
表記流す
人・ものがマイナスの感情を癒したり、解消させたりする。
文型
<人・もの>が<マイナスの感情>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼女の歌声を聞いていると、私の悲しみを流してくれるような気がします。
このパワーストーンは、人の悲しみや憎しみを流す効果があると言われている。
彼女の心を込めたその手紙が、私の今までのわだかまりを流してくれた
小川のゆっくりとしたせせらぎの音が私の心のもやもやを少しずつ流していく
瞑想は、多くの怒り、悲しみ、妬みなどの感情を流してくれる効果があります。
子供の「お母さんは悪くない!」という言葉が今までの私のつらさをすっかり流してくれた
コロケーション
<マイナスの感情>を
① マイナスの感情・感覚:悲しみ、憎しみ、苦しみ、つらさ、寂しさ、ショック
② 心にかかること:こだわり、もやもや、わだかまり
<様態>
少しずつ
<結果>
すっかり
類義語・反義語
類義語忘れさせる
反義語


15.予定・計画のキャンセル他動詞中級★★
表記流す
人がイベントなどの予定や計画を実施しないことにする。
文型
<人>が<予定・計画>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この大雪では定足数を満たしそうもないので、明日の総会はとりあえず流して、別の日程を検討しよう。
先週の大雨で流された試合を、来週することになった。
今度の予選は、すでに一回、雨で流しているから、二度目の延期は難しい。
ピアノの個人レッスンでは、生徒さんが家で練習してこなかった日はレッスンを流すことがあります。
コロケーション
<予定・計画>を
試合、予選、総会、レッスン
類義語・反義語
類義語中止する、キャンセルする
反義語


16.流産他動詞中級★★
表記流す
女性が流産する。
文型
<女性>が<子ども>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
妻は事故が原因で子供を流してから、すっかり元気をなくしてしまった。
止むを得ず子を流してしまったので、せめて水子供養をすることにした。
さまざまな理由で女性が胎児を流してしまう行為が合法かどうかは国によって異なる。
コロケーション
<子ども>を
子、子供、赤子、胎児
解説
この語義は、女性が流産することを表す。女性の意志で人工的に流産する場合も事故など不可抗力で自然に流産する場合も表し得る。


17.身体の清め他動詞中級★★
表記流す
人が体から精神的な汚れ・疲労・ダメージを取り除く。
文型
<人>が<精神的な穢(けが)れ・疲労・ダメージ>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
日本では全国各地で心身の穢(けが)れを川の水に流す禊(みそぎ)の行事が行われています。
この地域では、夏にひとがたを海に流すことで現世の厄(やく)を流そうとする厄払(やくばら)いの行事が行われています。
「えっ?仕事をやめて旅行?」「はい!どっかのパワースポットに行って悪運を流してから、新たなスタートを切りたいと思ってます!
仕事の疲れを流そうと思って、温泉に行くことにした。
このNPOでは、人間関係のプレッシャーやストレスを流せる場を提供している。
過去の過ちを流そうとしても、簡単に流せるものではない。
コロケーション
<精神的な穢(けが)れ・疲労・ダメージ>を
① 穢れ:穢(けが)れ、厄、悪運
② 疲労・ダメージ:疲れ、ストレス
③ その他:過ち
解説
この語義は、人が体から精神的な穢(けが)れ・疲労・ダメージなどを取り除くことを表す。語義8と似ているが,取り除くものが目に見えないものであることが語義8と異なる。
取り除く方法として語義8と同様に液体を使う場合(滝や温泉など)もあるし、使わない場合もある。
類義語・反義語
類義語取る、取り除く
反義語


18.一部固定の動き他動詞上級
表記流す
人がものの一部を固定しておき、可動部分の動きを水や気体の動きに任せる。
文型
<人>が<もの>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
最近、子供の日が近くなると、ロープを川の両岸に渡してつけた鯉のぼりを流しているところをよく見かける。
昆布を養殖するには、養殖場にロープを流して、自然の力でロープに芽胞体を着生させます。
良い潮が来ているときは、回りの釣況をみながら、明るいうちからでもウキを流してみましょう
コロケーション
<もの>を
① 釣りの道具:仕掛け、フライ、餌、ルアー
② その他:ロープ、こいのぼり
<場所>に
中層、底
解説
この語義は、人がものの一部を固定しておき、可動部分の動きを水や空気の動きに任せることを表す。
例えば、例2や例3の漁具の例ではロープやウキなどは一部固定されているが、可動部分は水・波の動きに任されている。


19.粘性がある原材料の広がり他動詞上級
表記流す
人が粘性のある原材料を一定の範囲に広げる。
文型
<人>が<場所>に<粘性のある原材料>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ケーキの生地はざっくりと混ぜた後、型に流して170度のオーブンで30分焼いてください。
「この容器、何に使うの?濡れてるけど」「寒天を流そうと思って。水で濡らしておくと、あとで寒天がはがれやすくなるんだ」
「入れ歯って、どうやって作るんですか」「まず型をとって、そこに石膏を流して模型を作るんです」
古代ローマでは木の上にロウを流し、その上に字を書いていたそうです。
まず木で枠を作り、その中にコンクリートを流して、固まるのを待った。
溶き卵の半分に火が通ったらフライパンの向こう側に寄せ、空いたところに残りの半分の溶き卵を流し、薄く広げてください。
コロケーション
<粘性のある原材料>を
① 建築資材:コンクリート、生コン、石膏、シリコン、モルタル、樹脂
② 金属:メタル、水銀、ハンダ
③ 食材:(お好み焼きなどの)生地、卵、寒天
<場所>に
枠、型、~の上、~の中
解説
この語義は、人が粘性がある物質を特定の場所や一定の範囲に広げることを表す。この語義は、他の多くの語義と異なり、移動させたり、拡散させたりすることが目的ではなく、一定の範囲に広げることが目的であり、多くの場合、流された原材料は温度変化などにより後に凝固する。


20.プロセスの順調な進行他動詞上級
表記流す
人が滞りなく業務やイベントなどのプロセスを進める。
文型
<人>が<こと>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
親会社は、国から受注した仕事を下請けに流すだけで良い商売になっている。
この工場では、工程表に沿って手際よく作業を流している
インターネットからの注文もすぐに各地の倉庫に流して、その日に配送される。
注文端末は、瞬時にフロアのオーダーを厨房のオフィスコンピューターに流す優れた機械だ。
(オーケストラなどで)じゃ、最後に1回、全員で最初から最後まで流して終わりにしようか。
コロケーション
<こと>を
仕事、注文、作業
<次のプロセス>に
下請け、オフィスコンピューター、各地の倉庫
<様態>
すぐに、瞬時に、手際よく
解説
この語義は、人が滞りなく業務やイベントなどのプロセスを進めることを表し、人が具体的なものを停滞させずに順調に進行・循環させる語義5とは異なっている。例えば、例文2の「工場で手際よく作業を流す」は「作業」が滞りなく次のプロセスに進んでいることを表し、語義5の例文1「不良品を次の行程に流さないように注意する」は、具体的な「もの(不良品)」がベルトコンベヤーなどで滞りなく次の工程に進んでしまわないように注意するという意味である。


21.お金や商品の流通他動詞上級
表記流す
人がお金や商品・物資を市場や社会に流通させる。
文型
<人>が<人・組織・場所>に<お金・商品>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
銀行は、本来、市中に金を流す機能を担っている。
新しいビジネスモデルでは、従来の問屋を通して小売業者に商品を流す形態から、小売業者と直接取り引きする形態に変えました。
このあたりの漁師は、漁協を通して魚を市場に流しています
被災地にできるだけ多くの物資を流せるように,ありとあらゆる輸送手段が使われた。
我社は、生産者から出荷される野菜や果物などを消費者へ流し、両者の需要と供給のバランスを維持するため頑張っています。
stairs実は、彼は私の古い友人でして、特別に流してもらっているんですよ。
コロケーション
<お金・商品>を
① お金:資金、資本
② 商品:本、雑誌、魚
<人・組織・場所>に
① 人:消費者、小売業者
② 組織:市場、~社(例:会社名)
③ 場所:被災地、市中
<人・組織・場所>から
① 人:生産者、業者
② 組織:銀行、問屋
③ 場所:生産地
<人・組織・場所>を通して
① 人:業者
② 組織:問屋、農協、漁協
③ 場所:市場
類義語・反義語
類義語回す
反義語


22.物資の横流し・転売他動詞上級
表記流す
人が物資や商品などを反倫理的、もしくは違法に他者に渡す。
文型
<人>が<人・組織>に<もの>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
B社はダミー会社を作って、銀行からの融資をそこへ流していたそうだ。
C国政府は、長年に渡って隣のD国の反政府勢力に密かに武器を流していたため、この地域では、政治が安定しなかった。
K国では、海外からの支援物資を闇社会に流し、利益を得ている政治家がいると噂に聞いた。
ゼネコンが大規模な仕事を引き受けたときには、中小企業にうまく仕事を流すことが必要だ。
党分裂の原因は、前回の選挙で、石田派の票を山田派に流さなかったことが遠因と言われている。
某国のMは長年、日本のやくざに麻薬を流していたことを自白した。
コロケーション
<人・組織>に
① 人:やくざ、業者、親族、~派(例:田中派)
② 組織:国、会社、ゼネコン、闇社会、~勢力(例:反社会)
<もの>を
コメ、武器、麻薬、票、公共事業
<様態>
密かに、うまく


23.質草の販売他動詞上級
表記流す
質屋が質草を売る。
文型
<人>が<質草>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
期限までに利子が支払われなかったので、この質草を流すことにした。
利子が払えなければ、質草は流されるというのが、質屋のルールだ。
返済が滞っていたため、質屋に入れた結婚指輪を流されてしまった
コロケーション
<質草>を
質草、指輪、時計


24.力まない動作他動詞上級
表記流す
人が力まないで(楽な気持ちで)動作をする。
文型
<人>が<もの・こと>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
バッターは、うまく打球をセンターに流し、タイムリーヒットとなった。
残念なことだが、自分で考えないでマニュアル通りに、日々授業を流している教師もいる。
「あ~、予選だったからかな。B選手、最後の100m、流しちゃったね」「ちゃんと走れば自己ベストだったかもね」
ウォーミングアップはさらっと流して、早く実戦練習をしたい。
就職も決まり、卒論のしめきりまでは時間もあり、その頃の私はただ大学生活を流していた
コロケーション
<もの・こと>を
打球、授業、練習、ウォーミングアップ、生活
<様態>
軽く、さらっと
解説
この語義は、人が力まないで(楽な気持ちで)動作をすることを表す。したがってこの語義では、文脈によって様々な動作が軽く力を入れないで行われていることを表す。
例えば例1は、打者は力を入れて思い切りバットを振り切る(引っ張る)打ち方に比べてバットを振る距離も短く力まない(ように見える)打ち方をすることであり、例2は一生懸命考えないで授業を「教える」、例3は一生懸命走らない、(力まないで)「走る」、例4は軽く「ウォーミングアップをする」、5は何かを一生懸命することなく「生活をする」ことを表す。
表せる動作は限られており、フォーマルな書き言葉では用いられない。


25.積極的意志のない行動他動詞上級
表記流す
人が自身で考え判断することなく、感情や周囲の状況や時流の影響を受けて行動する。
文型
<人・組織>が<感情・周囲・時流>に流される
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
一時の感情に流されて、人生の大きな判断を誤らないようにしましょう。
服は流行に流されることなく、自分が心地よく長く着られるものを選ぶべきだ。
その場の雰囲気に流されて賛成してしまったが、やっぱりあの時、反対するべきだった。
母は情に流されやすいタイプで、困っていると言われると助けてあげずにはいられない。
あの老舗は、時代に流されず、本当に良いものを作り続けている。
stairs人に流されないで、自分で自分の進路を真剣に考えなさい。
コロケーション
<感情・周囲・時流>に
① 感情:感情、情、欲望
② 周囲:周り、雰囲気、意見、周囲、状況、ムード、社会、風潮、空気
③ 時流:流行、時代、時流、ブーム
④ その他:情報
<様態>
ついつい、知らず知らず(のうちに)、時として
解説
この語義は、人が自身で考え判断することなく、感情や周囲の状況、時流の影響を受けることを表し、受身の形で使用される。語義27は、自分の意志で行動(移動)しているのに対し、この語義は、自身の意志で考え、能動的に行動するのではなく、感情や周囲の状況、時流に自らの行動を委ねている点が異なっている。
また「感情」は「一時の、一時的な、その場の」、「流行」は「一時の、一時的な」、「雰囲気」は「周りの、その場の」などの修飾語が用いられることが多い。
類義語・反義語
類義語従う、委ねる
反義語


26.無為の時間の経過他動詞上級
表記流す
人が努力せずに時間がたつのを無為にやり過ごす。
文型
<人>が<時間など>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ときどき、私の人生、無駄に時間を流しているだけではないのかとふと不安になる。
こんなに気まずい時間を流すくらいなら、自分から謝ったほうがいい。
若者は、人生に希望も目的も持たず、日々を流されるままに生きてはいけない。
その女優は、夢に生き、夢に破れ、騙され傷つきながらも常に淡々と日常を暮らす。そんな風に歳月を流す女を演じてきた。
私は自分の父が現状維持だけを考え、日常を流されるままに生きているようにしか見えなかった。
G氏は大企業B社の創業者だが、若い頃は各地を転々として浮草のように生き、時を流していたと語る。
コロケーション
<時間>を
時間、時、日々、歳月、日常、生活
解説
この語義は、人が時間がたつのを無為にやり過ごすことを表す。語義25が何かをする際に感情や周囲の状況、時流に自らの行動を委ねているのに対し、この語義は、人が自分から意図的・積極的に考え行動するのではない点は共通しているが、(あきらめたり受け入れるなどして)現状を積極的に変えることなく時間を過ごす・経過させるという意味である。そのため、マイナスのニュアンスを伴う場合が多い。
類義語・反義語
類義語過ごす、やり過ごす
反義語


27.目的地を定めない走行自動詞上級
表記流す
人が特に目的地を定めないで気軽に乗り物で移動する。
文型
<人・乗り物>が<場所>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
タクシーが夜の街を流している
この辺は、夜遅くまでラーメンやおでんの屋台が流している
「どこ行くの?」「雨もやんだし、ちょっとバイクで近場を流そうかなと思って」
きのう大物が釣れたポイント付近を流してみましたが、今日はアタリがありません。
新しい車を買ったので、のんびり国道を流してみた
調子に乗って思わずスピードを上げて走ったら、高速を流していた覆面パトカーに捕まった。
コロケーション
<人・もの>が
① 乗り物:タクシー、パトカー
② 人:運転手、ギター弾き
③ その他:屋台
<場所>を
辺り、道、、高速(道路)、峠
解説
この語義は、人がある目的を持って移動を行うが目的を叶えようと積極的に意気込んで移動するのではなく、特に目的地を定めないで(気の向くままに)軽い気持ちで移動することを表す。例えば例1は、タクシーの運転手は、客を乗せるという目的を持って運転しているが、客を積極的に探しながら特定の場所に移動するのではなく、移動しながら客がいれば乗せるという軽い気持ちで運転していることを表す。例3もバイクに乗るのを楽しむという目的はあるが、景色の良いところなどの目的地に乗って行くことを積極的に楽しむというのではなく、ちょっと乗って楽しんでくるといった気軽な気持ちであることを表す。


28.視線の移動他動詞上級
表記流す
人が視線を移す。
文型
<人>が<視線の先>に<視線>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼女はゆっくりと彼のほうに視線を流した
彼女は冷やかな目線を私たちに流しつつ「お先に!」と言って帰って行った。
彼は、窓の外に目を流し、雨がやんでいないことを確認して出かける用意をした。
彼女はその場にいた家族に冷たい視線を流すと、何も言わずに出て行った。
その政治家は、聴衆に固い眼差しを流しつつ熱い演説を行った。
多くの女子学生から熱い視線を流されて、彼は顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
コロケーション
<視線>を
視線、目線、目、眼差し
<視線の先>に
彼(のほう)、私、家族、聴衆、窓の外
<様態>
ゆっくりと
解説
この語義は、人が目線を何かに移動させ、その対象を見ることを表す。「視線」を表す名詞に「冷やかな」「冷たい」「熱い」などの修飾語を用いて、見る主体の態度や感情を表す場合がある。
類義語・反義語
類義語向ける
反義語


29.一定方向への処置他動詞上級
表記流す
線状のものを一定方向に向かうように整える。
文型
<人>が<もの>を<方向>に流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼は毎朝、ワックスで髪を後ろに流して登校するので、先生に注意される。
あごが目立つ顔の形の方は、あご付近の髪を後ろに流す髪型はよくありません。
「前髪はどうしますか」「後ろに流す感じでお願いします」
今朝は、上のアイラインは目尻を少し横に流して目尻側を太く入れました。
応接間のドアは、ドアに対し、縦に木目を流したい
コロケーション
<もの>を
髪、前髪、アイライン、木目
<方向>に
後ろ、横、縦
解説
この語義は、線状のものを一定方向に向かうように整えることを表す。したがってこの語義の「流す」は実際に何かを移動させる動作を表すのではなく、例えば「髪」という一部が固定されたものの可動部分が風(気体の移動)によってある一定方向に向かっているように見えるよう整えることや、幹に沿って線状に走っている「木目」が縦(上下)に軌跡のように移動しているように見えるように整えることを表す。


30.マスコミによる情報の拡散他動詞中級★★
表記流す
マスコミが不特定多数に情報を拡散する。
文型
<マスコミ・人>が<情報>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
日本のテレビは、もっと海外のニュースを流してほしい
その番組で犯罪被害者の肉声が流されると、視聴者から大きな反響があった。
「現在、流されている貴社のCMは、随分話題になっていますね」「おかげさまで、海外のテレビでも取り上げられました」
このコーナーでは、できるだけたくさん、視聴者の皆さんからいただいた曲を流そうと思っています。
両国首相は、会談後、合意内容について声明を流した
A国は、国王の訃報を全世界に流した
コロケーション
<マスコミ・人>が
① マスコミ:テレビ、ラジオ局、新聞、雑誌
② 人:首相、大統領、国
<情報>を
映像、番組、速報、コメント、放送、CM(コマーシャル、広告)、ビデオ、報道、映画、テロップ、コンテンツ
<場所・人>に
(全)世界
解説
この語義は、マスコミが不特定多数に情報を発信することを表わす。多くの場合主体はマスコミなどのメディアや番組などであるが、例文5,6のように政治家などがマスコミを通じて情報が広められる場合も含める。
類義語・反義語
類義語報道する、放送する、伝える
反義語


31.webによる情報の拡散他動詞中級★★
表記流す
人がインターネットを用いて情報を拡散する。
文型
<人>が<情報>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ニュースを見てちょっとした呟きを流したら、すごい反響があった。
プロジェクトに変更が生じたので、課のみんなにメールを流そうと思う。
「どうやったらツイッターのフォロアーが増えるかな」「ツイッターでブログの更新履歴を流すと効果があるって聞いたことがあるよ」
最近は、グループLINEで流せば、みんなすぐに返事をくれる。
たとえフェイクの情報であっても、一度インターネットに流されると多くの人が信じてしまう。
多くの人が無防備にSNSに個人情報を流しているが、危険なことはないのだろうか。
コロケーション
<情報>を
メール、呟き、スレッド、履歴
<人>に
友人、友達、メンバー
<メディア>に[で]
(インター)ネット、ソーシャルメディア、メーリングリスト、LINE、SNS
解説
この語義は、人がインターネットを用いて情報を伝えることを表す。この語義では、語義30と同様に発信者は個人でも良いが、情報はWEBを通じて(不特定)多数に向けられることが異なる。したがってメールを一人だけに送る場合には「流す」は通常用いられない。
誤用解説
「流す」は、「メール」などを複数の宛先に送る場合にのみ用いられる。一人だけに送る場合は、「送る」が用いられる。
 母にメールを流した
 母にメールを送った。
 メンバー全員にメールを流した
 メンバー全員にメールを送った。


32.悪い情報の拡散他動詞上級
表記流す
人が他者に関するマイナスの情報を第三者に伝える。
文型
<人>が<マイナスの情報>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
虚偽の噂を流して他人の信用を傷つけると、罪になることがあります。
友人は、元の交際相手にSNSに事実無根の内容を流されて困っているそうだ。
A社が吸収合併されるというデマがマーケットに流されて、A社の株価が急落した。
P選手の奥さんは離婚話を有利に進めるために、彼のスキャンダルを流そうとして失敗したそうだ。
選挙戦が厳しいと、他の候補について根拠のない誹謗中傷を流そうとする人が出てくることがある。
コロケーション
<マイナスの情報>を
① 虚構:噂、嘘、デマ、風評、作り話
② 非難・(誹謗)中傷:中傷、悪評
③ 不利益な情報:スキャンダル、ゴシップ
④ その他:流言飛語、怪文書
<メディア>に[で]
(インター)ネット、ソーシャルメディア、メーリングリスト、LINE、SNS
<人・場所>に
社員(の間)、マーケット、会社、社内
解説
この語義は、人が他者に関するマイナスの情報を第三者に伝えることを表す。この語義では、伝えるメディア・方法は問わないが、話題になっている人物にとってマイナスの情報を、ある程度の人数、もしくは不特定多数の間に広げることを表す。


33.秘密の漏えい他動詞上級
表記流す
人が秘密にしている知識や情報などを特定の人や組織に漏らす。
文型
<人>が<人・組織>に<秘匿事項>を流す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
核の技術をF国に流したのは、G国だろうと言われている。
新製品に関する資料を同業他社に流した社員がいるようだ。
こんな重大な国家機密を他国に流されたら、わが国には大きなダメージだ。
この研究室のだれかが、データを外部に流そうとした形跡がある。
今回の事件は、だれかが裁判の証言人のリストを麻薬組織に流したことから始まった。
コロケーション
<秘匿事項>を
データ、資料、技術、コピー、履歴、機密、暗号
<人・組織>に
外部、(同業)他社、~国
<様態>
密かに
解説
この語義は、人が秘密にしている知識や情報などを特定の人や組織に漏らすことを表す。この語義は、流す情報が外部には秘密の情報であること、また情報は特定の(ほとんどの場合)1か所に限られることが語義32と異なる。
類義語・反義語
類義語漏らす、漏洩する
反義語


流すの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<液体・気体>を
身体を洗っているあいだ、お湯を流しっぱなしにしないようにしましょう。
(広報おとふけ, 2008, 北海道)
<場所>に[まで]
区民の出した下水、家や道ろにふった雨水を集めてきれいにし、に流したり、土をうめ立てに使います。
(ETS企画開発室著 『親子であるく東京』, 2004, 291)
<川・用水路>を
落合にある本田さんのお宅は、相当な坪数がありますから、そこにを流し、琵琶湖からもってきた稚魚を放流して、みんなでその鮎を釣るのです。
(井深大著 『わが友本田宗一郎』, 1992, 289)
<もの>を
徐福は諸富町の沖まで船で来た時、不老長寿の薬はどこにあるかを知るため、を海に流した。
(黒岩重吾著 『鬼道の女王卑弥呼』, 1996, 913)
<場所>に
そして一六日に、盆の供物にした野菜、花、そしてこの日つくった団子をゴザにくるんでに流した。
(牛久市史編さん委員会編 『牛久市史』, 2002, 213)
<体内の液体>を
感激のすえ不覚にもを流したのをおぼえている。
(殿山泰司著 『三文役者のニッポンひとり旅』, 2000, 384)
<体の場所>から
でも、全身から汗をたっぷり流すと、リフレッシュ効果は抜群です。
(広報くるめ, 2008, 福岡県)
<人・もの>を
「問題給」は「不合格品を次工程に流したら一個につき、例えば五元の罰金、前工程の不良を見つけたら一個につき五元の賞金、前工程の不良を見逃したら一個につき一・五元の罰金が科される」という制度である。
(横浜商科大学公開講座委員会編 『再考・東アジアの21世紀』, 2003, 302)
<音・音楽・映像>を
テレビの歌番組だけが華やいだを流している。
(奥田英朗著 『空中ブランコ』, 2004, 913)
<場所・場面>に[で]
勉強が得意な中高大学生の方、、、、、自宅で勉強をする時、部屋に何かBGMを流していますか?
(Yahoo!知恵袋, 2005, 小・中学校、高校)
<様態>
本来、その時間であれば、どの放送局もスタジオから地元の話題や、音楽を小刻みに流しているはずだった。
(梶尾真治著 『おかげ』, 1996, 913)
<機材>で
昼少し前、ラジオの臨時ニュースが校内放送のスピーカーで流された。
(妹尾河童著 『少年H』, 1997, 913)
<もの>を
鉄も電気を流すことで規則正しく並んで磁石になる。
(三輪睦雄編著 『プロ教師おもしろ授業』, 2004, 375)
<場所>に
磁界の中で導線に電流を流すと,導線が動きだした。
(新しい科学 1分野上, 2005, 中)
<もの・付着物>を
「よくを流した後お湯に入るべし」と書いた喜十さんの貼り紙はすこしも利き目がない。
(井伏鱒二著;東郷克美編 『釣の楽しみ』, 2004, 914)
シャンプーを流したあとのかみが、ぺたっと頭にはりついて、てっぺんの地肌がのぞいている。
(日本児童文学者協会編;藤田和子,高村冴夜子画 『幽霊屋敷のなぞを追え!』, 2001, )
<道具>で
熱が上がりそうな気配がしたのでシャワーで汗だけ流して薬を飲んで布団へ
(Yahoo!ブログ, 2008, 病気、症状)
<様態>
シャワーを浴びてざっと汗を流すあいだ、ミランダが押しかけてくる人たちにあいさつしてくれるだろう。
(C.ビクター著;田村達子訳 『ダブル・シークレット』, 2000, 933)
<結果>
それから、高齢になると目の表面の汚れをきれいに流してくれる涙が減ってくる傾向があります。
(久郷晴彦著 『目に効く「ルテイン」』, 2001, 496)
<汚れている場所>を
お風呂から出るときに、シャワーでを流し、できれば水けを拭き取ります。
(婦人之友, 2003, 一般)
<道具>で
あたしがスポンジで洗った食器を圭二郎さんがで流してくれる。
(秋野ひとみ著 『思い出の軽井沢でつかまえて』, 1998, 913)
<様態>
顔はお湯でさっと流すか、濡れタオルでていねいにぬぐいます。
(磯部芳郎監修;増田勝正写真 『ワンちゃん大好き!』, 2003, 645)
<もの>を
ティッシュペーパー、新聞紙、タバコの吸い殻、紙おむつなどの異物を流すと、下水管が詰まる原因になりますので、絶対に流さないでください。
(広報やかげ, 2008, 岡山県)
<川・海など>に
2水質汚濁(水のよごれ) 有毒物をふくむ工場の廃液、家庭からの下水などを川や海にながすことによって水がよごれること。
(矢野恒太記念会編 『日本のすがた』, 2002, )
<人>を
鎌倉幕府が後醍醐天皇を隠岐へ流す(1332)
(Yahoo!ブログ, 2008, 祝日、記念日、年中行事)
<場所>に
ヨーロッパを席巻したナポレオンが失脚して、エルバ島に流されたのは、一八一四年のことであった。
(志鳥栄八郎著 『大作曲家とそのCD名曲名盤』, 1989, 760)
<人・もの>を
地中に隠れていた岩がを流されて姿を現わし、泥しぶきをあげてころげ落ちはじめる。
(半村良著 『黄金奉行』, 1991, 913)
<場所>に
何か隠したいものをトイレに流してしまったのではないかと確かめに行ったのだ。
(赤川次郎著 『死なないで』, 2004, 913)
<大量の液状物>で[によって]
 「もともとはわしらも自分たちの土地を持っておったが、に流されてしもうた。
(NHKアジアハイウェー・プロジェクト著 『アジアハイウェー』, 1994, 302)
それで、深窓に育ったお嬢さんでございますけど、十五歳のときに水害でうちが流されてしまうわけですね。
(NHK「小朝が参りました」班編 『11人の愉快な100歳』, 1995, 367)
<様態>
後、私が相談っぽいことを話ししても、軽く流され、逆にストレスがたまってしまいます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)
クレイは記者たちに自分はムスリムではないと語り、このときはメディアの人間たちも、またクレイお得意の奇行かと、さっと流したようだった。
(マイク・マークシー著;藤永康政訳 『モハメド・アリとその時代』, 2001, 788)
<様態>
いやな感情はさらりと流して、何かもっと自分のプラスになることに目を向けましょう。
(浅野裕子著 『20代で女を磨く本』, 2003, 159)
<予定・計画>を
今日の演説会を流そうとしてやったことだろう」
(浅沼稲次郎著 『浅沼稲次郎』, 1998, 289)
<精神的な穢(けが)れ・疲労・ダメージ>を
散歩やスポーツで身体を動かして汗と一緒にを流すことがラッキーアクション。
(小林祥晃著 『誕生月でわかるDr.コパの風水大開運』, 2005, )
熱いお風呂に入りながら体の新陳代謝をよくして、疲れを流しているのでしよう。
(うつみ宮土理著 『うつみ宮土理のカチンカチン体操』, 1986, 595)
<もの>を
活アジを背がけにし、沖の島との水道に仕掛けを流し、じっくりと攻めると、メーター級数尾も夢ではない。
(石原弘美著 『淡路の釣りガイド』, 2001, 787)
<粘性のある原材料>を
溶いたを一気に流して、パセリ(瓶詰めのもの)を振り掛けて、蓋をして卵が固まったらお皿に移す。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 料理、グルメ、レシピ)
<場所>に
3.サラダ油を熱したフライパンに生地を流し、焦げ色がついたら裏返して全体に透明感が出るまで焼く。
(星澤幸子著 『しあわせのひとりごはん』, 2003, 596)
<お金・商品>を
水道システムの目的が必要に応じて水を流すことであるように、ロジスティクス・システムの目的は市場の必要性に合わせて商品を流すことです。
(中田信哉著 『ロジスティクス入門』, 2004, 675)
<人・組織・場所>に
そもそも、昨今の企業倒産の原因に運転資金の枯渇が上げられるが、これは銀行が、中小企業に資金を流さなかったことも一因にあるのではないのか?
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<人・組織・場所>から
A 郵政事業の巨大な資金を、から民に流すため
(女性セブン, 2005, 一般)
<人・組織>に
そのことが判明してから、公社と、多分、家宰バップ・アールスの新たな資金源として薬が、闇の市場に流され始めたのだ。
(水沢蝶児著 『獅子と薔薇の銀河』, 1991, 913)
<様態>
それもタイムを刻むような走り方ではなくて、軽く流す程度の走り方です。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 自動車)
<感情・周囲・時流>に
そして、われわれは、自分が思っている以上に、他人の意見に影響されやすく、また、感情に流されやすいという側面を持っています。
(田坂広志著 『こころのマネジメント』, 1999, 336)
何が必要なのか、雰囲気に流されて買わないように、よく考えて買ったほうがいいですよ。
(Yahoo!知恵袋, 2005, ファッション)
<場所>を
韓国のタクシーにはを流している一般のタクシー,各ホテルが持っているホテル・タクシー,それに外国人旅行者用のコール・タクシーの3種類があります。
(洪淑子著 『楽しみながら覚える韓国語会話』, 1986, 829)
<視線>を
七生の質問に岡島はちらりとこちらに横目を流すと、はっきりとこう告げた。
(高岡ミズミ著 『ハッピーハーレム』, 2003, 913)
<視線の先>に
それはそれでいいのかもしれないと考えながら、またガラスに頭をつけて外の景色に視線を流す。
(壁井ユカコ著 『キーリ』, 2004, 913)
<もの>を
色目の鮮やかな唐衣を身にまとい、豊かな黒髪を背から床へと流した姸子は、相変わらず艶やかで、出産直後とは思えないほど美しかった。
(毛利志生子著 『外法師冥路の月』, 2002, 913)
<方向>に
ほどいた髪を片側に流して軽く水をきってから、自分も浴槽にすべりこむ。
(丘野ゆうじ著 『破界戦士』, 1994, 913)
<マスコミ・人>が
宿に戻ると地元のテレビが「重油漂着のおそれ」というニュースを流していた。
(東海林さだお著 『のほほん行進曲』, 2002, 914)
<情報>を
部屋に戻ってテレビをつけると、アメリカのネットワーク・テレビは自局のエース・キャスターを投入して特別番組を流しつづけている。
(沢木耕太郎著 『オン・ザ・ボーダー』, 2003, 915)
<場所・人>に
コカ・コーラ社は、中国東北のど田舎を舞台にしたテレビCMを中国人の茶の間に流した。
(莫邦富著 『中国の心をつかんだ企業戦略』, 2004, 338)
<情報>を
このため、情報をインターネットに流すことは、新聞に情報を掲載するようなものとさえ言われていました。
(Richard E.Smith著;稲村雄監訳 『認証技術』, 2003, 007)
<人>に
そのライバル・S子に悪口や異性関係を揶揄するメールを社内に流された!
(an・an, 2003, 一般)
<メディア>に[で]
また、盗聴したデータに手を加えて再びインターネットに流すことを「改ざん」といいます。
(JEIC情報技術教育研究会著;SCCライブラリーズ編 『Webアプリケーション構築』, 2004, 547)
<マイナスの情報>を
それぐらいはいいとしても、部下やアルバイトの学生を使って、ライバル会社、商品を誹謗中傷するデマを流させたり、巧妙に営業窓口関係者の人身攻撃をしたりした。
(中川昌彦著 『「困った上司」とつき合う法』, 1998, 336)
<人・場所>に
放っておくにしても、すぐに周りに噂を流されるので仕事にも支障が出ます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 労働問題、働き方)
<秘匿事項>を
商人・プランター側に情報をながす黒人スパイの存在は、終始ユニオンを悩まし続けた問題だった。
(上杉忍著 『公民権運動への道』, 1998, 316)
<人・組織>に
詳しいことはこの次に会ったとき話すが、モレーノは会社の機密を外部に流していたんだ。
(仁科透著 『黒いコンドル』, 1996, 913)






























一日中汗水流して働いたもんじゃよ。
では、社長のメッセージビデオも流しましょうか。
ほら、よくゴシゴシして、ちゃんと流してね。
あ、そこは流さないで聞いてたのね。
実は、彼は私の古い友人でして、特別に流してもらっているんですよ。
人に流されないで、自分で自分の進路を真剣に考えなさい。
立て板に水を流す

意味
すらすらと流暢に話す。
用例
その司会者は、立て板に水を流すような早口でユーモアたっぷりに番組を進めることで人気がある。
コーパスからの用例
一度はそらんじてみたい寅さんの啖呵売集。立て板に水を流すような寅さんの啖呵売。今ではタンカバイとして親しまれているが、シリーズ当初はシナリオでも「啖呵売」と書いて「タク売」と読んでいた。佐藤利明(著)『男はつらいよパーフェクト・ガイド』日本放送出版協会、2005
水に流す

意味
過去のいさかいや問題などをすべて忘れる。全部なかったことにして、怒ったり、責めたりしない。
用例
A社とは過去のいきさつはすべて水に流して将来の協力関係を築いていきたい。
コーパスからの用例
そして、何より、ボクを仲間外れにした人たちは、大人になってから、謝ってくれました……。じゃぁ、それで全て水に流せばいいじゃないか!!…と、思われるでしょうね。…だけど、ボクの昔の体験を話すことで、未来に希望がもてたらいいかな。Yahoo!ブログ、2008
浮き名を流す

意味
恋愛の噂話が世間に広まる。
用例
多くの女優と浮き名を流してきた俳優Bも、ついに結婚を決意したようだ。
コーパスからの用例
イギリスに子供を残してパリ社交界で浮名を流すアラベルの生き方は、結婚によってのみ社会的地位を保証され、母であることによってのみ敬われるブルジョワ型女性の生き方を踏み越える道のありかを示している。野崎 歓(著)『フランス小説の扉』白水社、2001
血を流す

意味
革命や戦争などの争いで(複数の人が)傷ついたり、亡くなったりする。
用例
ここは先の大戦で血を流した無名兵士の墓です。
コーパスからの用例
・・・「そのころアメリカの顧問団が早く十八万人をつくれと言ってきていました。極東の果、朝鮮で若者の血を流した。これがアメリカの母親にこたえた。そこで自由諸国の一員として日本に十八万人を、というんです。佐道 明広(著)『戦後日本の防衛と政治』吉川弘文館、2003
汗を流す

意味
(「汗水を流す」と同じ)一生懸命働く。
用例
この新製品の完成は、社員みんなが汗を流した結果だ。
コーパスからの用例
これに関連して、死刑囚(一審ないし二審で死刑判決を受けた者を含める)などには刑務作業は科されず、禁固刑受刑者などのように、自己労(未決囚の「請願作業」)といって希望する者のみに認めているが、死刑囚にこそ刑務作業で汗水を流させて遺族などへの補償をさせ、悔い改めさせることも検討されるべきではないか。三國 隆三(著)『死刑囚』、展望社、2004
意味
(スポーツなど)運動をする。
用例
私は毎朝会社に行く前に、ジムで1時間ほど汗を流す
コーパスからの用例
ゴルフで昨季の賞金王に輝いた片山晋呉(二十八)が一日、茨城県下館市で新シーズンに向けて本格的に始動した。昨年十二月の最終戦で逆転賞金王を決めた後は、一月に一度プロアマ大会に出場しただけで、ほとんどボールを打っていなかった。「やっとゴルフをやりたい気持ちになった」と言い、久々の感触を楽しむように汗を流した。共同通信社(著)/朝日新聞社(著)『朝日新聞』、朝日新聞社、2001
車軸を流すような

意味
車軸のように太い(大粒の)雨が降る。
用例
最近、夏になると、ゲリラ豪雨と呼ばれる車軸を流すような大雨がいきなり降り出すことが全国で問題になっている。
コーパスからの用例
結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降りだし、やがて車軸を流すような大雨となった。宮地裕ほか著『国語2』、光村図書出版株式会社、2005
油を流したよう

意味
海や湖などの水面が、波もなく静かである。
用例
海は油を流したように凪ぎ。船の航行には全く問題がなかった。
コーパスからの用例
ドレークを取り巻く海は噓のように静かで、平らだった。海面は油を流したように滑らかで、それは北海では異常ともいえる現象であった。フレデリック・フォーサイス(著)/篠原 慎(訳)『悪魔の選択』、角川書店、1979
墨を流したような

意味
暗い。真っ暗な。
用例
田舎道はずっと墨を流したような暗さで、車が通るときだけライトで辺りが照らされた。
コーパスからの用例
文中「私」とあるのは、言うまでもなく筆者の社会部記者自身のことである。私は墨を流したような暗闇の中で、ふと麻酔の夢からさめた。はて、ここはいったいどこかしら。江戸川 乱歩(著)『大暗室』、東京創元社、1996
複合動詞 V1

流し入れる、流し打つ、流し込む、流し出す
複合動詞 V2

洗い流す、受け流す、押し流す、書き流す、聞き流す、着流す、垂れ流す、読み流す
複合名詞

流し網、流しそうめん、流し台、流し目、着流し、島流し、精霊流し、垂れ流し、吹き流し、横流し
流す(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形ながない
~なかったながなかった
ます形ながし
~ませんながしま
~ましたながしした
~ませんでしたながしまんでした
~ときすとき
ば形せば
意向形なが
て形して
た形した
可能形なが
受身形ながさ
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