回すのコアイメージ

1.内部に中心・軸を持つものの回転・円弧軌道の動き他動詞初級★★★
表記回す
人が、ものの内部にある点や軸を中心に、回転させたり、向き(角度)を変えたり、円弧を描くように動かしたりする
文型
<人>が<もの>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「このふた、開かないよ!」B「これはね、回して開けるんだよ」
正月にコマを回す子どもを見かけなくなった。
方向音痴の私は、いつも地図をぐるぐる回しながら見て笑われる。
風が強いときは、船をゆっくり回すと正面から風を受けて止まってしまうので、すばやく向きを変えてください。
縄跳びで一番疲れるのは、縄を回している二人だと思う。
A「あっ、大田選手が打席に入るよ!」B「あ~あれ!一度バットをぐるりと回してから構えるのが、大田選手のくせなんだよね」
コロケーション
<もの>を
コマ、プロペラ、ろくろ、(スケート)ボード、スキー、船
<回転数・角度>
○回、○回転、90°
<様態>
① 一回の回転:くるっと、ぐるっと
② 複数回の回転:くるくる、ぐるぐる
<方向>に
右、左、内側
解説
この語義は、人がものの内部にある点や軸を中心にしてものを回転させたり、向き(角度)を変えたり、円弧を描くように動かしたりすることを表す。例1、例2は、ものを回転させる例であり、例3、例4は向き(角度)を変える例である。例5、例6は、ものの先端を固定して円弧を描くように動かす例である。
このように直接動かす「もの」のほかに、周波数帯(チャンネル)、音量(ボリューム)を変えるためにつまみを動かす操作を「チャンネルを回す」「ボリュームを回す」のように言うこともある。
類義語・反義語
類義語回転させる
反義語


2.人の体の一部の回転・円弧軌道の動き他動詞初級★★★
表記回す
人が自身の体の一点を中心として、体の部分を回転させたり、向き(角度)を変えたり、円弧を描くように動かしたりする
文型
<人>が<体の部分>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「太郎ちゃん、どうしてくるくる指を回してるの?」B「こうすると、トンボの目が回って、捕まえられるんだって」
コーチは、選手たちにしっかり足首や膝を回させて、怪我のないように努めている。
A「課長、ゆうべも終電まで残業されてたんだってね」B「ああ。人目も気にせずあんなに首を回されてるところを見ると、相当、肩がこってるね」
は~い、じゃ、こっち。カメラを見ながら、ゆっくりと顔を回してくださ~い。
それでは準備体操!両腕は大きく弧を描くように、体もゆっくりそれに合わせて回してください。
スノーボードで着地するときは、上半身を左に、下半身を右に回して、スノーボードの向きを着地に合わせてください。
コロケーション
<体の部分>を
首、足首、手首、指、目線、顔、腰、体、上半身、下半身、胴体
<様態>
ぐるりと、ゆっくり
解説
この語義は、人が体の内部のある点を中心に、体の一部分を回転させたり、向き(角度)を変えたり、円弧を描くように動かすことを表す。そのため例5の「体を回す」も上半身だけを動かすことを意味し、(フィギアスケーターがスピンをするような)全身が回転する場合は「(人が)回る」で表す。
類義語・反義語
類義語回転させる
反義語


3.器具・機械の順調な作動他動詞中級★★
表記回す
人が(器具・機械の一部を回転させることで)器具・機械を作動させる
文型
<人>が<器具・機械(の回転部分)>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
モノポリーはルーレットを回して、進む目の数を決めるすごろくのようなゲームだ。
悪いけど、扇風機、回してくれない? もう暑くて・・・。
昔の教師は、自ら輪転機を回して、自作の教材を印刷したものだ。
エンジンが回されると、あまりのうるささに、みんな耳をふさいだ。
父親がビデオを回そうとすると、子供たちがみんな集まって来た。
幼稚園の運動会で子供たちが走る姿に向かって、保護者がいっせいにビデオカメラを回した
コロケーション
<器具・機械(の回転部分)>を
① 器具:ルーレット
② 機械:洗濯機、輪転機、扇風機、換気扇
② かつてテープ状のものが回転していた機械:(ビデオ)カメラ、テープレコーダー、テレコ
③ 回転していたテープ状のもの:テープ、8ミリ、フィルム
非共起例
<器具・機械(の回転部分)>を
 換気扇を回す
 洗濯機を回す
 掃除機を回す
 扇風機を回す
 エアコンを回す
器具・機械は、一部に回転するものが含まれており、回転するものが器具・機械の主要な機能を担っている、もしくはその回転部分が容易に観察可能な場合に使用が可能である。例えば「ファン」が機械全体の主要な機能を担う「扇風機」では「回す」が使用可能であるが、「ファン」が内蔵されていても、ファンが主要な機能を担わず、容易に観察できない「掃除機、エアコン(室外機)、パソコン」は、この語義では共起不可能である。
解説
「誤ったコロケーション」で述べたとおり、この語義では「回す」は一部に回転するものが含まれており、その回転する部分が相当のスピードで回転していて、その順調な回転ぶりが目で確認できるときに、「『器具・機械の名称』を回す」でこれらが作動することを表す。
例えば回転する部分が観察可能な「扇風機」や「洗濯機」と「時計」とを比べると、扇風機・洗濯機は回転する「羽・洗濯槽」のスピードが速く、その順調な回転ぶりが目で確認できるため「回す」で順調に作動・機能していることを表すのに対し、時計は「針」の回転する動きは目で確認できるがスピードが遅く、順調な回転ぶりとは言えないため、「回す」で順調に作動・機能していることを表すことができない。
なお、「テープを回す」という表現は、語義2と語義3の両方の意味を表す事ができる。
(語義1)テープ自体を回転させる
(語義2)テープレコーダを作動させる
類義語・反義語
類義語使う
反義語


4.組織・システムの順調な運営他動詞中級★★
表記回す
人が組織やシステムの機能をうまく発揮させたり、運営したりする
文型
<人>が<組織・システム>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「開店おめでとう!人手、足りてる?」B「うん、当面、キッチンは主人と息子で、フロアはパートさんと私で回そうと思ってるの」
従来の薄利多売で経済を回すようなビジネスモデルでは、我が国の今後の発展は見込めない。
ビジネスを回す上で、リスクはできるだけ軽減しなければならない。
限られた予算で組織を回していくのには限界がある。
社会を回していく潤滑油として、ボランティア活動はとても有効です。
A「父を亡くしてから、母が一人でこの旅館を切り盛りしているんです」B「女手ひとつでこんな大きな旅館を回されているなんて、すばらしいですね」
コロケーション
<組織・システム>を
① 組織・組織の活動:会社、組織、経営、ビジネス、事情
② 集団・集団の活動:社会、世界、家庭
③ システム:改善サイクル、PDCAサイクル、リサイクル、経済、仕組み
④ その他:生活、活動
非共起例
<組織・システム>を
 会社を回す
 学校を回す
 大学を回す
 研究所を回す
効率や利潤が重視される分野でのみ共起可能であるため、「学校」「大学」「研究所」などでは経営や運営の文脈でのみ使用が可能である。
解説
この語義は、人が組織やシステムの機能をうまく発揮させたり、うまく運営したりすることを表すが、口語的な使い方で、フォーマルな書き言葉では用いられない。
また、効率や利潤が問われる場面で用いられるため、教育や研究などの組織では(組織が順調に機能している場合でも)経営の文脈でのみ使用される。
また「組織やシステム」を表す語ではないが、組織・集団の運営や活動という意味で「生活を回す」「活動を回す」などの使い方もある。
例:A「副業、始めるんだって?」B「うん、給料が安くて、今のままでは生活を回すのがやっとだから」
  地方銀行や信用金庫は、地域の経済活動を回すために資金の面から支えていく役割を持っています。
類義語・反義語
類義語動かす、機能させる、運営する
反義語


5.動作の順調な実現他動詞中級★★
表記回す
人が動作や仕事などを順調に行う
文型
<人>が<業務に関わるもの・こと>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
人数を減らされて以前と同じ業務を回すのは大変だ。
A「中山部長って、本当すごいね」B「う~ん、たった一人であんな膨大な仕事量を回されてるんだもんね」
どんなに優秀でも、非正規社員は現場の実務を回すことが求められ、経営に参加できないのは、会社にとって損失ではないか。
彼の司会は、場を回そうとする気持ちが目について、人の意見をしっかり聞いていないように見える。
彼女は全体をよく見ていて、各部署の進行状況やスタッフの様子を見ながら現場を回すのが上手だ。
stairs一人でこの現場回してるんだもんね。
コロケーション
<業務に関わるもの・こと>を
① 業務など:仕事(量)、業務、実務
② その他:場、現場
非共起例
<業務に関わるもの・こと>を
 仕事を回す
 研究を回す
 実験を回す
 教育を回す
効率や利潤が重視される分野でのみ共起可能である。「実験」は計画通り順調に進めるという意味では使用可能だが、順調に実験の成果があがるという意味では用いられない。
解説
この語義は、人の動作や仕事などが順調に行われることを表すが、口語的な使い方で、フォーマルな書き言葉では用いられない。
「行う」に言い換えられる場合があるが、「回す」には利益や効率を重視し、順調に進めるという意味が含まれる点で「行う」とは異なっている。例えば例1の文の「回す」を「行う」とし、「人数を減らされて以前と同じ業務を行うのは大変だ」というときは、単純に「(人数が少なくなっても)同じ業務をするのは大変だ」という意味であるが、「同じ業務を回すのは大変だ」というときは、「(人数が少なくなっても)滞りのないように効率的に業務をするのは大変だ」という意味になる。
類義語・反義語
類義語こなす
反義語


6.複数地経由の周回他動詞中級★★
表記回す
人がものを複数個所移動させたりした後、出発点に戻す
文型
<人>が<もの>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
回覧板が来たら、できるだけ早く回そう
(飲み会で)A「お刺身の盛り合わせ、もう来た? それひとつしか注文してないんだよね」B「は~い、今、回してま~す
今から名簿を回しますので、ご自分のお名前のところにチェックマークをつけていただけますでしょうか。
彼らとは学生時代、試験前にお互いの得意科目のノートを回して助け合った仲だ。
子どもの頃はお金がなかったので、みんなで違うマンガを買って回して読んだ。
ひさしぶりに兄弟がみんな実家に集まったので、昔のアルバムを回しながら懐かしい話をいろいろした。
コロケーション
<もの>を
回覧板、文書、料理、ノート、皿、名簿
解説
この語義は、人がものを複数箇所移動させた後、出発点に戻るようにすることを表し、1箇所経由して戻すだけの場合は使用できない点が、語彙11(出発点と終点が別、経由地が1箇所でも複数でもよい)と異なる。


7.プロセスの進行他動詞中級★★
表記回る
いくつかの段階を含むプロセスのひとつの段階を進める
文型
<人>が<人・もの>を<プロセスの次の段階>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
セッターの山田は、中村にトスを回したが、中村のスパイクはアウトになってしまった。
主治医は、病院で採血した私の血液を検査に回した
編集長は部下に校正が終わった原稿を印刷に回させた
容疑者は、起訴前に精神鑑定に回されることになった。
企画書を決裁に回そうと思うけど、本当に実現できるのか心配だ。
A「先週、福井の発掘現場で掘り出された化石はどこ?」B「今、洗浄作業に回されています。来週には先生の大学に届くと思います」
コロケーション
<もの>を
血液、トス、原稿、容疑者、企画書、化石
<プロセスの中の次の段階>に
検査、印刷、精神鑑定、○○作業
解説
この語義は、全体としていくつかの段階を含むプロセスの中のひとつの段階を進めることを表す。例えば例1は、バレーボールの「レシーブ→トス→スパイク」という一連のプロセスの中のひとつの段階を進める場合であり、例2は血液検査「採血→検査」という一連のプロセスの中のひとつの段階を進める場合である。
類義語・反義語
類義語送る
反義語


8.必要な場所への移動他動詞中級★★
表記回す
人やものを必要な別のところに移す
文型
<人>が<必要なこと・ところ>に<人・もの>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
社長「じゃ、車を頼む」秘書「今、運転手が玄関のほうに回しております
宣伝費を削減して、新商品のためのマーケティングに回そうと思う。
お金が消費に回されないと、経済は回復しない。
災害のときには、必要な物資を必要な場所に回せるようなシステムを考える必要がある。
優秀な人材を開発部門に回してほしい。
多くの銀行で、12月は小切手が交換に回される件数が多くなる。
コロケーション
<必要なこと・ところ>に
① 活動:マーケティング、消費、交換
② 場所:玄関、戦闘地域
<人・もの>を
① 人:部隊、人材
② もの:車、お金、○○費、物資
解説
この語義は、人やものを今あるところから、より必要性の高いところに移動させることを表す。必要な場所に移動されるものには、お金に関する語が用いられることが多い。
類義語・反義語
類義語移動させる、行かせる
反義語


9.順番や仕事の配置他動詞中級★★
表記回す
順番や複数の人に課され得る仕事などを特定の人に充てる
文型
<順番・仕事>を<人・組織>に[で]回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今年のBチームは、4投手でローテーションを回している
我が社の少数の幹部で役職を回す悪い慣習は早くなくしてほしい。
この仕事は、暇そうな山田くんに回そう
このまま4番打者まで回してほしい。
部長に「俺は忙しいから頼む!」と言われて、嫌な客の対応を回された
あの建設会社は、仕事を請け負っても下請けに回すほうが多いらしい。
コロケーション
<順番・仕事>を
① 順番:順番、番、ローテーション、打順、打席
② 仕事:仕事、勤務、出張、割り当て、役員、対応
<人・組織>に
① 人:打者、○○さん
② 組織:下請け
<人・組織>で
① 人:4投手、幹部
② 組織:○○の中で
解説
この語義は、順番や仕事などを課すことを表すが、課される人や組織は、特定の一人・一か所である場合は「に」を、複数の人、あるいは(複数の構成員がいる)グループの中でローテーションなどで課す場合は「で」が用いられる。
例:この仕事は営業部の田中さんに回してください。
  この仕事は営業部で回してください。
類義語・反義語
類義語させる、やらせる、担当させる
反義語


10.幸運・不運なことの配分他動詞上級
表記回す
人が他の人にも訪れる可能性がある幸運やチャンス、不運や負担などを特定の人に与える
文型
<幸運・不運なこと>を<人>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
試合に出るチャンスを、下級生にも回してほしい
兄が宝くじに当たったと言って、欲しかったものを次々と買っているが、おこぼれを回してくれる気配はない。
今、国の財政を建て直さないと、将来の世代につけが回されることになる。
今年の地球サミットでは、次世代に負担を回さないための行動計画が提案された。
stairs大切な後輩にチャンスを回そうと思ってね。
コロケーション
<幸運・不運なこと>を
幸運:チャンス、おこぼれ
不運:つけ、負担
<人・未来>に
① 人:私
② 未来:将来(の世代)、次(の)世代
類義語・反義語
類義語くれる・あげる・与える
反義語


11.経由後の到達他動詞中級★★
表記回す
人がものを場所や人を経由して終点(目的地)に着かせる
文型
<人>が<経由地・終点>に<もの>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
すみません、話し終わったら、次の人にマイクを回してくれませんか。
それでは回答用紙を配りますから、後ろに回してください。
日本のリレーチームの強みは、バトンを確実に早く回せることだ。
帰国したリンさんからのメールを森田さんにも回そうと思う。
メーカーに電話をすると、受付を通して担当者に電話が回された
クラスの生徒たちに「明日は台風で学校は休み」という連絡を連絡網で回した
コロケーション
<経由地・終点>に
後ろ(の人)、次(の工程)
<もの>を
トス、マイク、メール、電話、回答用紙
解説
この語義は、出発点と終点が別である点、経由地が1箇所でも複数でもよい点が語義6(出発点と終点が一致し、経由地は複数でなければならない)と異なっている。
類義語・反義語
類義語渡す
反義語


12.延期・後回し他動詞中級★★
表記回す
人が人やものの順番を変えたり、時間を延ばしたりして遅らせる
文型
<人>が<人・もの>を<遅らせた時期・順番>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼は同僚に誘われれば、仕事を翌日に回しても飲みに行くタイプだ。
A「明日の試験、時間が足りるかな」B「心配なら、難しい問題は最後に回して、できる問題から先にやったほうがいいよ」
今日はもう時間がないので、この件は来月の定例会議に回そう
レストランで待っていた客が順番を後に回されたと店員に文句を言っていた。
詳しい説明は長くなるので後日に回しますが、結局、社長は私たちとの交渉には応じられないとのことでした。
今日は臨時ニュースが入ったので、新番組紹介のコーナーは次回以降に回されることになった。
コロケーション
<人・もの>を
順番、問題、議題、件、コーナー
<遅らせた時期・順番>に
後、最後、後日、翌日、来週[来月]の○○、○○以降
解説
この語義は、人が人・ものを本来の順序・手続きの通りではなく、途中に何かを入れて順番を変えたり、時間を延ばしたりするなど変更を加えて遅らせることを表す。
これらの例とは逆に、来月の予定が今月になる、順番が早くなるなど、当初・本来の時間より短くなる場合には「回す」は用いられにくい。
 順番を後に回された
 今月は時間がないので、この件は来月の会議に回そう
 順番を前に回してくれた
 来月は時間がないので、この件は今月の会議に回そう
類義語・反義語
類義語送る、変える
反義語


13.異なる立場をとらせる他動詞中級★★
表記回す
人が他の人にそれまでと異なる立場をとらせる
文型
<人>を<立場>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「今日こそは、あの先輩に一言(ひとこと)言ってやる!」B「やめたほうがいいよ。あの人を敵に回すと大変だよ」
彼女は、後輩のサポート役に回されて、落ち込んでいるようだ。
A「あいつは本当、目立つことしかやらないね」B「じゃ、勉強のために今回は裏方に回そうか
いくら有名な女優でも、視聴率が取れなければ、脇役に回される可能性はある。
入社以来、本店勤務のエリートだった彼が、たった一度の失敗で支店勤務に回された
課長は、次の人事異動で閑職に回されるのではないかと心配している。
stairs敵に回したら大変だよ!!
コロケーション
<人>を
あの人、あいつ、彼女
<立場>に
① 立場:敵
② 役割:裏方、サポート(役)、脇役、守勢
③ その他:閑職
非共起例
<立場>に
 彼を敵に回す
 彼を味方に回す
 彼を脇役に回す
 彼を主役に回す
 彼をサポート役に回す
 彼をリーダーに回す
 彼を裏方に回す
 彼を表舞台に回す
立場や役割に評価的な意味を含む場合は、「主役」「表舞台」「リーダー」「味方」のように重要・表(目立つ役)・プラスの意味を含むものには用いられない。
解説
この語義は、人を今までと異なる立場をとらせることを表すが、自動詞「回る」の対応する語義よりも共起する語の範囲が狭く、意見(賛成・反対)などを表す語とは共起しない。
また、異なる立場・役割は、「主役→脇役」「敵→見方」「リーダー→サポート役」「表舞台→裏方」のように一般的に評価が高いほうから低い方向に移動させることを表す。
類義語・反義語
類義語(に)する
反義語


14.ものの循環他動詞中級★★
表記回す
ものや体の器官などが液体・気体などを、生物の体やもの(全体)の内部で循環させる
文型
<人・もの>が<液体・気体など>を<生物の体・もの>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
心臓は、全身に血を回すためのポンプの役割をしています。
温泉が循環装置を使っているというと、お湯をあまり交換しないでぐるぐる回しているイメージになりがちだ。
屋根にある集熱パイプ内の不凍液をポンプで回すことで、地上のタンク内の水に熱を伝えます。
落としぶたをすることで、熱の通りを早くし、煮汁を全体に回すことができる。
なべでふたをして蒸気を回すことにより、ふっくらと蒸し上がります。
エアコンをつけるときは、扇風機で室内の空気を<回す>と冷房効率がよくなるそうだ。
コロケーション
<液体・気体など>を
① 液体:血、血液、お湯
② 気体:蒸気、空気
<生物の体・もの>に
全○○、○○全体、○○中(じゅう)、○○内(例:体内)
<様態>
ぐるぐる
<道具>で[をすることで、をして]
ポンプ、落としぶた、扇風機
解説
この語義は、一定範囲の中で液体や気体、また液体に混じった細かい物質を循環させることを表し、多くの場合、循環させることによって物質を行き渡らせたり、(それによって)効果を高めたりすることを表す。
類義語・反義語
類義語循環させる
反義語


15.ものの広がり他動詞中級★★
表記回す
人や生物が気体・液体などを体の内部、ものや地域など範囲全体に広げる
文型
<人・もの>が<気体・液体など>を<生物の体・もの>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
具材全体に油を回そうと思ってフライパンを振ってみた。
全ての部屋の床にこのパイプが回されているので、冬はどの部屋も暖かい。
木の表皮のすぐ下の部分は、栄養分を木全体に回す重要な役割を持つ。
パイプを吸うときには、点火した後、注意深く吸って奥まで火を回さないと葉は燃え続けてくれない。
椎茸栽培では、くさび状の木片に菌を回したものを種として、木材に打ち込む。
この町では、ゴミ焼却センターで作ったお湯を暖房用に各家庭に回している
コロケーション
<気体・液体など>を
② 気体:煙、火、炎
② 液体:油、お湯
③ その他:栄養(分)、パイプ、熱
<生物の体・もの>に
○○全体、○○中(じゅう)、○○内(例:体内)
解説
この語義は、(回転させたり向きを変えたりすることで)一定範囲の中に液体や気体を広げて行きわたらせることを表す。液体や気体を循環させるという意味を表さない点が語義14と異なる。
類義語・反義語
類義語広げる
反義語


16.ものの普及他動詞中級★★
表記回す
人がものを場所・地域に行きわたらせる
文型
<人>が<もの>を<広がる場所・到着場所>に回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ビル建設反対派の家庭には、デモ参加を呼び掛けるビラが回してある
各ご家庭には、調査用紙を回しておきますので、記入後、調査員にお渡しください。
A「これが駅前に建設中のマンションの宣伝チラシです」B「了解です。今回は駅南側の賃貸住宅を中心に回そうと思います」
ボランティアに選挙区内に県政報告会の案内を回すように頼んだ。
幕府は全国にキリシタン禁止の触れを回した
インフルエンザによる園閉鎖のお知らせは、園長自ら保護者の皆さんにメールで回されたそうです。
コロケーション
<もの>を
チラシ、紙、情報、ビラ、案内
<広がる場所・到着場所>に
○○全体、○○中(じゅう)、○○内(例:町内、社内)、全○○、各○○
解説
この語義は、人がものを場所・地域に行き渡らせるように、個別に配布したり届けたりして普及させることを表す。語義15が気体や液体を行き渡らせるのに対し、語義16はものを各個人や家庭などにそれぞれ行き渡らせる点が異なる。
誤用解説
渡す、配布する、届ける、配る


17.注意の到達他動詞中級★★
表記回す
人が意識や考えをことの隅々・詳細な点まで行き渡らせる
文型
<人>が<人・もの・こと>に[まで]<意識・考え>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「どうして旅行の写真、持って来てくれなかったの?」B「ごめん。そんなことに意識を回している余裕はなかったんだよ」
最初からうまくやろうと知恵を回すと力が入りすぎるから、無心で行きましょう。
(ホームパーティーで)A「部長の奥さん、みんなの世話ばっかりだね」B「うん、私たちにまで気を回されて・・・申し訳ないね」
あの政治家の発言を聞いていると、働きたくても働けない人のことにまで考えを回していないのではないかと思ってしまう。
A「一人で店に入るときって、店員さんの目が気になちゃって・・・」B「そんなとこまで神経回すことないのに!」
stairs仲間が気を回して彼と二人きりにしてくれたの。
コロケーション
<意識・考え>を
意識・考え:意識、気、知恵、神経
<人・もの・こと>に[まで]
私たち、○○のこと、そんなこと、そんなとこ(ろ)
解説
この語義は、人が意識や考えをことの隅々・詳細な点まで行き渡らせることを表す。
この語義では、意識や考えの及ぶ先は「に」で表わされるが、人が配慮を行き渡らせていることに対する驚きや感謝などの気持ちを強く言いたい場合、例3、4の「にまで」のように「まで」を伴う場合が多い。また同様の意味で(特に話し言葉では)例5のように「まで」のみで強調の意味を表すこともある。
類義語・反義語
類義語気をつける、気を遣う、配慮する
反義語


18.長いのものによる包囲他動詞中級★★
表記回す
人が長いもので人やものの周囲を囲む
文型
<人>が<人・もの>に<長いもの>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
引っ越しの荷にロープを回してかけようとした。
彼女の首にペンダントのチェーンを回して留め金につないだ。
この神社は、あのしめ縄を回した杉の木が御神体だ。
赤ちゃんを抱くときには、手を首の後ろに回して、しっかり首を支えるようにしてください。
酔っぱらった部長に肩に腕を回されて、新入社員が困っていた。
裏の家で火事があったとき、消防車が入れなかったので、ぐるっとホースを回して消火した。
コロケーション
<長いもの>を
細くて長いもの:ひも、チェーン、ロープ、帯、腕、手
<もの>に
① 人の体:首、腰、肩、背中
② もの:荷(物)、杉
<様態>
ぐるっと
解説
この語義は、人が長いもので人やものの周囲に沿わせて囲むことを表す。例1、例2、例3のように長いものが囲むものを一巡する場合もあるが、例4、例5、例6のようにものの側面に沿ってものの一部の面だけを囲む場合もある。


19.周囲の囲い他動詞中級★★
表記回す、廻す   ※通常は「回す」が使用される。古い建築様式などには「廻す」が使用されることがある。
長いもので構造物などの四方を取り囲む
文型
<構造物など>に<長いもの>を回す
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
保育園の回りには、防犯上、高いフェンスが回してある
この附近では草葺屋根の周囲に瓦を葺いた庇を廻すのが一般的になっていて、これを四方下(しほうげ)の家と呼んでいる。
日曜日、銀行の駐車場はロープが回されていて、駐車できなかった。
城郭の周囲には、深さ3メートル、幅6メートルほどの空堀が回されている
江戸後期からの伝統を持つ旅館の回廊を回した趣ある部屋に宿泊した。
A「すてきなアイランド・キッチン!本当に自分で作ったの?」B「うん、カウンターの上の目隠しに、高めに腰壁(こしかべ)を回したのがポイントなんだ」
コロケーション
<構造物など>に
① 敷地・建造物:駐車場、幼稚園
② 周囲:○○の周り、××の周囲
<長いもの>を
① 囲い:ロープ、フェンス、(空)堀、
② 家屋の一部:回廊、(ぬれ)縁、腰壁
解説
この語義は、建造物などの四方を長いもので取り囲んでいる状態を表す。したがって、「回してある」もしくは「回されている」が使用される場合が多い。この語義では、建物や土地などを囲む場合を表すことから、囲むものはほぼ四角の形状で囲んでいる。
類義語・反義語
類義語(で)囲まれている
反義語


回すの全体解説 「回す」は、人が人やものを回転させたり、(ある点や軸を中心としてその周囲の)円周状の軌道を移動させたりする動きを表すことができ、これらのそれぞれの動きから意味が展開している。
①「回す」は、人やものが回転すること、あるいは、向き(一定の角度)を変えたり、円弧の軌道を移動したり360°(=一回転、一周)移動したりすることを表す(語義1、2)。
②ものが回転することにより、機能・役割を果たすことを表す(語義3、4、5)。
③円周を描くように、人やものを複数箇所経由させて出発点に戻らせること(語義6)、さらに複数経由しながら終点に到着すること(語義11)、いくつかの段階を含むプロセスを進めていくこと(語義7)を表す。また(直線よりも時間がかかる)曲線の軌道を表すことから、本来の順序・手続きに変更を加えて遅らせることを表したり(語義12)、(従来の場所から)必要なところに移動させたり(語義8)、異なる立場をとらせたりすること(語義13)を表す。
④人の体やものを囲むこと(語義18)、さらに円形のものばかりでなく敷地や建造物など四辺を表すこと(語義19)もある。
⑤ものが一定範囲内を広がり循環すること(語義14)、出発点から広がってその機能や効果を果たすこと(語義15、16、17)を表す。
⑥ローテーションのように複数の人が持ち回りで当たる順番・仕事(語義9)、幸運・不運なこと(語義10)を表す。
























▶全例文を聞く
<もの>を
この正月も、源太郎は東吾に作ってもらった凧を一緒にあげていたし、独楽を廻すのも東吾に教えてもらっていた。
(平岩弓枝著 『雨月』, 1992, 913)
<体の部分>を
そして、グルッと、をまわしました。
(くぼしまりお作;佐竹美保絵 『ブンダバー』, 2004, 913)
そのままの姿勢で、股関節を外側にまわすようにして両脚を開き、かかとを前に押し出してつま先も開きます。
(後藤早知子編 『バレエ式ソフトストレッチダイエット』, 2004, 595)
<器具・機械(の回転部分)>を
服のポケットにうっかり入れたまま洗濯機を回しても、お札は溶けて消えたりしない。
(宣伝会議編 『紙とコスト』, 2003, 585)
<組織・システム>を
活性化された経済が社会を回していく潤滑油となり、絶望的だったインナーシティ問題に解決の糸口を与えた。
(岡部明子著 『サステイナブルシティ』, 2003, 518)
<もの>を
ふだん、ほとんど家にいないし、近所づきあいも回覧板を回すくらい。
(Yahoo!ブログ, 2008, 文化活動)
<もの>を
だから稟議書を回したり、重要な会議のときは根回しをするなど、あらかじめ組織内での調整を図る必要があるのだろう。
(大宮知信著 『ウチの社長は外国人』, 2005, 335)
<プロセスの中の次の段階>に
筆跡鑑定に回すので、数日後に結果が出るまで報道を待ってほしい。
(飯室勝彦,田島泰彦,渡邊眞次編 『報道される側の人権』, 1999, 316)
<人・もの>を
稼いだお金を趣味や教養のために回すということがなかなかできない。
(林信吾著 『これでもイギリスが好きですか?』, 2003, 302)
<順番・仕事>を
既製服の元請けの親方が、仕事を回してくれんのです。
(チャールズ・パリサー著;甲斐萬里江訳 『五輪の薔薇』, 2003, 933)
<幸運・不運なこと>を
その結果,当面の支出をまかなう費用を国債によって調達し,将来の世代に負担をまわす方法が選択されやすい.
(正村公宏,山田節夫著 『経済政策入門』, 2004, 333)
<立場>に
たとえここにいる全員をに回してでも、の覚悟だ。
(霜島ケイ著 『銀砂の覇者』, 1993, 913)
<液体・気体など>を
食事の直前・直後と空腹時の入浴は避け、消化器系に血液を回してあげましょう。
(齋藤美代子編 『40代、50代から美しくなる生活術』, 1998, 595)
<長いもの>を
パネル側面は黒の紙テープをまわして張り、化粧仕上げをします。
(アサヒカメラ, 2004, レジャー/趣味)
<もの>に
タオルを背中にまわし、両手でタオルをしっかりと持ちます。
(後藤早知子編 『バレエ式ソフトストレッチダイエット』, 2004, 595)
<構造物など>に
土台石のない堀立柱に貫を藤蔓でくくりつけ、敷居もなく、編んだ菅を家の周囲にまわして壁代わりとし、小さな窓が切ってあるだけの家です。
(鈴木牧之著;田村賢一訳著 『北越雪譜物語』, 2004, 914)
<長いもの>を
内湯の大浴場は、みごとな木造天井の浴槽と、檜のを回した浴槽の2カ所。
(旅の手帖, 2002, レジャー/趣味)






























一人でこの現場回してるんだもんね。
大切な後輩にチャンスを回そうと思ってね。
敵に回したら大変だよ!!
仲間が気を回して彼と二人きりにしてくれたの。
目を回す

意味
気を失う
用例
柔道の練習中、それ以上しめると後輩が目を回すからと寝技を止められた。
コーパスからの用例
お前が幽霊になって出てくれれば、あたしは嬉しいよ、決して怖いとも…恐ろしいとも思わない。大抵の嫁ならばそれを見て目廻す、目を廻さなくてもあくる日は里へ逃げて帰る、…そういうことが度重なれば、あすこへは先妻の幽霊が出るという評判が立ち、嫁の来手もなくなれば、・・・(三遊亭円生|著;飯島友治|編『古典落語 円生集 下』, 1990, 筑摩書房)
意味
とても忙しい
用例
今週はレポートのしめきりが3つもあって、目を回しそうだ
コーパスからの用例
五分ほどかけてクイーンズ地区に移動。さらにその間に松井のDL入り会見が行なわれ、ほぼ同時に井川もシェイ・スタジアム入りした。ハードワークを苦にしない(?)ニューヨーカーでも目を回しそうな強行スケジュール。(Yahoo!ブログ)
意味
目がくらくらする、目がくらむ
用例
フィギアスケートの選手は、スピンをしてもなぜ目を回さないのだろうか。
コーパスからの用例
それからカメラマンが下手過ぎ(失礼!)。女優さンをアップで撮るのだが、肌荒れとかシワが目立っちゃってる。また回り込みが下手で、特に見ているほうが目を回してしまうような処があった。(Yahoo!ブログ)
手を回す

意味
手段をめぐらす
用例
あの家では、息子を溺愛する母親が手を回して、無理やり彼女と別れさせたらしい。
コーパスからの用例
このシャツは誂えた新品なのだそうで、首回りも袖の丈もぴったりなのだという。それにしても、どこへどう手を回して寸法を聞き出したのであろうか。正義面の裏に前近代性がこの種の話をしていたら際限ない。(本田靖春(著)『現代』2004年3月号(第38巻第3号)
意味
あらゆる手段を使って探し求める
用例
彼は政界はもちろん、財界にまで手を回して策略を練った。
コーパスからの用例
なし
意味
他の人にわからないように、画策をする
用例
A社もコンペに参加するつもりだったのに、ライバル社が裏で手を回して、参加を妨害した。
コーパスからの用例
うるせえこといったら、この娘がとうとう怒って親父に大ケガさせた。おっさん、病院にかつぎ込まれたんだ。この件は警察沙汰になっちやって大騒ぎになったんだけど、銀行が手をまわしてマスコミには報道されなかったんだぜ。(横田濱夫(著)『銀行マンの妻たちは、いま』, 1992, オーエス出版
気を回す

意味
余計なことまで考える
用例
私がいると二人のじゃまなのではないかと立ち去ろうとしたら、「気を回しすぎだ」と怒られた。
コーパスからの用例
シエンタを買うことは決定したんだけど、ダンナは買う気にはなったけど自分が欲しいわけじゃないので全く協力的ではないので、中古車巡りは行かないらしいし。じいちゃんに話したら、伯父さんに頼むなら即金じゃないかと言うし…即金は無理!これ以上話すと、じいちゃんがいつものようにいらん気を回しそうだし…じいちゃんに今以上に借りは作りたくない!(Yahoo!ブログ, 2008)
意味
気を遣う。心を配る。配慮する。
用例
部長は、飲み会でさえみんなが楽しめるように気を回して自ら盛り上げようとする気配りの人だ。
コーパスからの用例
これからは出来るだけ(笑)温かく見守ってあげようと思いましたよ。しかし。さり気にスメラギさんに気を回すアレルヤはほんと優しいやつだな〜とさらに大好きになりますた♥(Yahoo!ブログ, 2008)
向こうに回す

意味
相手として張り合う。敵とする
用例
日本チームは、ブラジルのようなサッカー強国を向こうに回して一歩もひかない試合をした。
コーパスからの用例
勝てる見込みはありません。大体日本の海軍は米英二国を一度に向こうにまわして戦争するようにはできておりません。(昭和史研究会編, 実著者不明『太平洋戦争人物列伝』, 2005, 扶桑社)
こぶしを回す

意味
民謡や演歌などで、装飾的に加える、ビブラートに似たうねるような歌い方をする。
用例
あの演歌歌手のこぶしを回して歌う姿にはほれぼれする。
コーパスからの用例
なし
奉加帳を回す

意味
寄付を集めて回る
用例
この度、母校Y高校野球部が全国大会に出場することになりましたので、OBの間で奉加帳を回すことになりました。
コーパスからの用例
なし
鼻面を取って回す

意味
〔馬を扱う人が馬を引き回す様子から〕自分の好きなように他人を動かす。「鼻面を引き回す」とも言う。
用例
一緒に誘い合って旅行することにしたのだが、「ここに行こう」「次はあそこ」と彼女の言いなりで、鼻面を取って引き回されている気分だ。
コーパスからの用例
立ち上がって、館内を歩いていると、重度痴呆症老人の部屋に、たまたま上半身裸の人がいる。それを見たUさんは、「この会社は、二流半だね」そこで、「そりゃそうですよ。Uさんの会社とは違いますよ。Uさんのところは超一流でしょ」などと調子を合わせたが、鼻面をひきまわされているようで、疲れる。(磯部裕三(著) 『会社人間のボランティア奮戦記』, 文芸春秋, 1992
複合動詞 V1

回し入れる、回しかける、回し切る
複合動詞 V2

いじくり回す、いじり回す、追い回す、押し回す、かき回す、切り回す、小突き回す、捏ね回す、差し回す、使い回す、付け回す、連れ回す、取り回す、眺め回す、なめ回す、乗り回す、引き摺り回す、引き回す、引っかき回す、引っ張り回す、ひねくり回す、ひねり回す、吹き回す、振り回す、見回す、追っかけ回す、ぶん回す、追いかけ回す、撫で回す
複合名詞

回し蹴り、回し読み、回し飲み、回し者、化粧まわし、着まわし、ペン回し、皿回し、逆回し、根回し、ねじ回し、たらい回し、後回し、来月回し、翌月回し、使い回し、早回し
回す(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板型
辞書形まわす
ない形まわさない
~なかったまわさかった
ます形まわし
~ませんまわしま
~ましたまわしした
~ませんでしたまわしまんでした
~ときまわすとき/まわす
ば形まわ
意向形まわ
て形まわして
た形まわした
可能形まわせる
受身形まわされる
使役形まわさせる
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