回るのコアイメージ

1.内部に中心・軸を持つ回転自動詞初級★★★
表記回る
自身内部にある点・軸を中心にして、人やものが回転したり、人やもの(の一部)の向き(角度)が変わったりする
文型
<人・もの(の部分)>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ホテル入口の回転扉が回り、観光客が次々と出てきた。
バレリーナが舞台の上でくるくると回っている
(体育の授業で)先生は歩いている学生に「止まれ!回れ、右!」と号令をかけた。
そこはのどかな空港で、滑走路では小さな飛行機のプロペラが音を立てて回っていた
ゴルフのコーチから、もう少し体が回れば、目的の方向にボールが飛ぶと言われた。
事故直後は何も感じなかったが、しばらくして体が右に回らなくなり、体中に痛みを感じるようになった。
コロケーション
<人・もの>が
① 人:人
② 体の一部:上体、上半身、腰
③ もの:コマ、プロペラ、ファン、モーター、風車、水車
④ その他:(スケート)ボード、スキー
<回転数>
…回、…回転、90°
<様態>
① 一回の回転:くるっと、ぐるっと
② 複数回の回転:くるくる、ぐるぐる
<方向>に
右、左
解説
この語義は、自身の内部にある点・軸を中心にして人やものが回転すること、もしくは人やものの向き(角度)が変わることを表す。体の場合は、体のいずれかに点や軸がある場合で、回転したり全身の向き(角度)が変わったりする場合と、体の上体・上半身の向き(角度)が変わる場合(例5、例6)がある。
類義語・反義語
類義語回転する
反義語


2.円弧・楕円軌道の周回自動詞初級★★★
表記回る
人やものが、円弧、もしくは楕円を描いて周回する
文型
<人・もの>が<もの(の周り)>を回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
地球は太陽の周りを回っている
日が回り、あたりがすっかり暗くなった。
イザナギとイザナミは柱を回って、愛の言葉を交わした。
やせてから、昔はいていたスカートが回るようになった。
山手線の外回りは、時計回りに回っている
彼は自分を中心に世界が回っていると思っているようなわがままな奴だ。
コロケーション
<もの(の周り)>を
① 天体:太陽、惑星
② 中心:…の周り、…の周囲
③ その他:柱、…を中心に
<方向>に
時計回り、反時計回り、逆回り
<様態>
①スピード:時速…で||②1回の回転:くるっと、ぐるっと||③複数回の回転:くるくる、ぐるぐる
解説
この語義は、ものが円弧や楕円を描いて周回することを表す。また、周回するものには、軌道の長さに比べ小さいものが移動する場合(例:地球、人)も、軌道全体に渡る場合(例:スカート)もある。
例文6は、ある人がその人を中心にして「世界」が周回していると信じていることを比喩的に表している。
類義語・反義語
類義語周回する
反義語


3.器具・機械の順調な作動自動詞中級★★
表記回る
器具・機械(の一部分が回転することで)が作動する
文型
<器具・機械>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
うちは5人も子供がいるから、晴れている日は一日中洗濯機が回っている
A「誰か、扇風機消した?」B「消してないけど、これだけ暑いと、回っていても全然感じないよ」
昨日からブログのカウンターが回っていないので訪問者がいないことがわかる。
100年の歴史を誇る新聞社でも社屋が被災した1週間だけは輪転機が回らなかった
カメラが回っているところでは、A氏は記者の質問に何も答えてくれない。
テーブルの下でテープが回っているのにも気づかず、容疑者はぺらぺらと質問に答えた。
コロケーション
<器具・機械(の回転する部分)>が
① 器具:ルーレット
② 機械:洗濯機、輪転機、扇風機、換気扇、モーター、タービン
③ かつてテープ状のものが回っていた機械:(ビデオ)カメラ、テープレコーダー、テレコ
④ テープ状のもの:テープ、8ミリ、フィルム
非共起例
<器具・機械(の回転する部分)>が
 換気扇が回る
 洗濯機が回る
 掃除機が回る
 扇風機が回る
 エアコンが回る
器具・機械は、一部に回るものが含まれており、回るものが器具・機械の主要な機能を担っている場合に使用が可能である。例えば「ファン」が機械全体の主要な機能を担う「扇風機」では「回る」が使用可能であるが、「ファン」が内蔵されていても、ファンが主要な機能をになっていない「掃除機、エアコン(室外機)、パソコン」は、この語義では共起不可能である。
解説
語義1が「チェーンが回る」のように、チェーンそのものが回転することを表すのに対し、語義2は器具や機械全体は回転しないが、一部分に回転するものが含まれており、その回転する部分が相当のスピードで回転していて、その順調な回転ぶりが目で確認できるときに「『器具・機械の名称』が回る」でこれらが作動することを表す。
例えば回転する部分が観察可能な「扇風機」や「洗濯機」と「時計」とを比べると、扇風機・洗濯機は回転する「羽・洗濯槽」のスピードが速く、その順調な回転ぶりが目で確認できるため「回る」で順調に作動・機能していることを表すのに対し、時計は「針」の回転する動きは目で確認できるがスピードが遅く、順調な回転ぶりとは言えないため、「回る」で順調に作動・機能していことを表すことができない。
なお、「テープが回る」という表現は、語義1と語義3の両方の意味を表すことができる。
(語義1)テープ自体が回転する
(語義3)テープレコーダーが作動する
誤用解説
 テープレコーダーが回る
 テープが回る
△チェーンが回る
△水車/風車が回る
「テープが回る」は「テープ自体が回転すること(語義1)」と「テープレコーダーが作動・機能する=録音/録画する(語義3)」の2つの意味を表すが、「チェーンが回る」や「水車/風車が回る」は、チェーンや輪、羽が回転することのみを表し(語義1)、自転車が動く、粉をひくなどその部分を含む器具・装置全体が作動し、機能が発揮されていることを表さない。
類義語・反義語
類義語動く
反義語


4.組織・システムの順調な運営自動詞中級★★
表記回る
組織やシステムがうまく機能し、運営される
文型
<組織・システム>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この会社は、専務のおかげで回っていると言わざるを得ない。
A「えっ、今日、チーフ休み? 困ったなあ」B「急に誰かがいなくなっても、ちゃんと回る職場にしなくちゃ」
計画→実行→評価→改善のサイクルがうまく回るようになれば、会社の収支もよくなるでしょう。
我が国の国政が{回っている」のは、官僚が優秀だからと言う人がいる。
書店が本の面白さを伝え読者を育て、その読者がまた書店を育てる、そんな正のスパイラルが回ることで出版業界が発展していくのだろう。
コロケーション
<組織・システム>が
① 組織:会社、組織
② 集団:社会、世界、家庭
③ システム:改善サイクル、PDCAサイクル、リサイクル、スパイラル、国政
④ 機能:経営、ビジネス、生活、活動
非共起例
<組織・システム>が
 会社が回る
 学校が回る
 大学が回る
 研究所が回る
 あの人のような有能な職員がいるおかげで、この大学が回っている
効率や利潤が重視される分野でよく使用されるため、「学校」「大学」「研究所」などでは経営や運営の文脈でのみ使用が可能である。
解説
この語義は、組織やシステムがうまく機能し、運営されることを表すが、口語的な使い方で、フォーマルな書き言葉では用いられない。この語義の「回る」は効率や利潤が重視される場面で用いられるため、効率や利潤より教育や研究が重視される組織やシステムでは、用いられる文脈は限られている。したがって単純に組織が順調に機能していると言う意味で「会社が回っている」は可能だが、「大学が回っている」は不自然である。
類義語・反義語
類義語やって行ける、機能する
反義語


5.動作の順調な実現自動詞中級★★
表記回る
動作や仕事などが順調に行われる
文型
<人間の活動・頭の機能>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
(お見合いをしている隣の部屋で)A「お見合い、どう?」B「とりあえず会話は順調に回っているようだよ」
この仕事には適正人数があり、それ以上でも以下でもうまく回らない
どんなに練習しても、舞台に上がるとせりふが回らなくて困っている。
A「夏休み、何する?」B「今は期末試験が心配で、そんな先のことまで頭が回らないよ」
実家の母の助けがなかったら、とても一日が回らない
一度ことが回り始めると、すべてがうまくいった。
stairs全然家事が回らない
コロケーション
<人間の活動・頭の機能>が
① 動作:会話
仕事:仕事、一日(の仕事)、業務
③ 作動する体の部分:頭、脳
④ その他:台詞
<様態>
順調に、うまく
非共起例
<人間の活動・頭の機能>が
 仕事が回る
 実験が回る
 研究が回る
 教育が回る
語義3と同様に、この語義は効率や利潤が重視される分野でのみ使用される。実験は計画通り順調に進むという意味では使用可能だが、順調に実験の成果があがるという意味では用いられない。
解説
この語義は、動作や仕事などが順調に行われることを表すが、口語的な使い方で、フォーマルな書き言葉では用いられない。語義3は主体が組織やシステムをうまく経営・運営し、(収支などが)循環し成り立っている状況・状態を表すのに対し、語義4は主に具体的な動作や仕事が主体で、それらの具体的な動作や仕事が順調に進行することを表す。
例文5の「一日が回らない」の「一日」は、「(ルーティーン的に行っている)一日にするべき仕事」という意味で、「一日が回らない」は、そのような一日にするべき仕事が順調に進まないという意味である。
例文6の「ことが回り始める」の「こと」は、「(そのときに話題にしている)事態・できごと」という意味で、「ことが回り始める」は、「(それまでは膠着していた事態・問題が)ある事態・できごとをきっかけに順調に動き始めると」という意味である。
類義語・反義語
類義語進む
反義語


6.複数地経由の周回自動詞中級★★
表記回る
人やものが複数個所を移動した後、出発点に戻る
文型
<人・もの>が<回遊する範囲・複数の通過点>を回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
店内を回って、友達の誕生日プレゼントを探した。
先生はこの秋、ご家族と京都の観光地を回られるそうだ。
上司は若い社員にお酒を注ぎに回らせた
昨日の事件について、警察が関係者を回って、証言を集めている。
A「今月の回覧板、もう来た?」B「うん、今月のなら、うちの方はもう回ってるよ」
今日は「新人は、まず挨拶回り!」と言われて、一日中取り引き先を回らされたのでくたくただ。
コロケーション
<人・もの>が
① 人:観光客、社員、
② もの:回覧板、文書、料理、皿、カンパ、ノート
<回遊する範囲・複数の通過点>を
① 回遊する範囲:店内、海、全国、…部(例:南部)、グリーン、コース
② 位置:…の間(例:机)
③ 複数の通過点:観光地、(全国)津々浦々、家々、村々、島々
<目的>に
説明、セールス、お願い、あいさつ、手伝い、弁明、聞き込み、取材、キャンペーン
非共起例
<回遊する範囲・複数の通過点>を
 来年、その歌手は、ライブハウスを回るそうだ。
 来年、その歌手は、各地[全国、国内]を回るそうだ。
 その歌手は、アジア各国/アジア全域を回るそうだ。
 来年、その歌手は、アジアを回るそうだ。
 その歌手は、東京、大阪、福岡/東京都内を回るそうだ。
 その歌手は、東京を回るそうだ。
「ライブハウス」のような複数存在するものを表す普通名詞と異なり、指示するものがひとつしかない固有名詞と共起する場合、「各…」など、複数であることを示す表現や「全…、…内」など範囲を示す表現を用いると自然になる。
解説
この語義は、人やものが複数個所を移動した後、出発点に戻ることを表す。語義12との違いは、語義12では経由地は1か所でも可能であるのに対し、語義6は必ず複数箇所であること、また語義6はその複数の経由地それぞれで何かを行うことが目的であるのに対し、語義12は当初・最終の目的(地)への到達に関心があること、さらに語義6は必ず出発点に戻るのに対し、語義12は出発点と到着点が別であることなどである。


7.プロセスの進行自動詞中級★★
表記回る
ものや人がいくつかの段階を含むプロセスのひとつの段階を進む
文型
<人・もの>が<プロセスの次の段階>に<回る>
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「朝やった血液検査、結果出た?」B「朝採血した血液でしたら、今、検査に回ってます
原稿は校正に回ったばかりなので、出版は遅れそうだ。
A「記事の見出しに誤字があるなんて。どうしてこんなミスが起こったんだろう」B「何人もの目を通してからでないと印刷には回らないはずなのにね」
彼が提出した論文は無事審査に回ったが、口頭試問の結果は良いとは言えなかった。
日本チームは、相手の強烈なアタックをなんとかレシーブしたものの、セッター宮田からのトスが、タイミングがずれて回ってきたため、エースの山田も思うようなアタックができなかった。
温暖化対策の一環として、当市では市民の皆様から回収し、分別した不用品の再利用を進め、その上で焼却に回ったごみから、さらにエネルギーを回収しています。
コロケーション
<プロセスの次の段階>に
検査、審査、校正、印刷、焼却
解説
この語義は、人やものが全体としていくつかの段階を含むプロセスの中のひとつの段階を進むことを表す。


8.必要な場所への移動自動詞中級★★
表記回る
人やものが必要な別のところに移る、もしくは移される
文型
<人・もの>が<必要なところ>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この商品は、売り上げの数%が産地である被災地の支援に回る
大きめの果実はデパートや高級店に行ってしまって地元のスーパーには小ぶりのものしか回ってこない
国民の間に医療や介護に対する安心感が広まれば、貯蓄は消費に回るだろう。
A「村井さんは?」B「今日は、イベントの手伝いに回ってるから帰ってこないよ」
各部署が予算の取り合いをしていたら、本当に必要なところにお金が回らない
大学の予算の削減で、人文・社会科学や基礎科学の研究費に回る予算は年々少なくなっている。
コロケーション
<必要なところ>に
① 活動:消費、手伝い、研究費
② 場所:被災地、デパート
解説
この語義は、人や物が必要な別のところに移る、もしくは移されることを表す。回されるものは、お金に関する語が用いられることが多い。
類義語・反義語
類義語行く
反義語


9.異なる立場をとる自動詞上級
表記回る
人がそれまでと異なる立場をとる
文型
<人・集団>が<立場>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
A「昨日、ずいぶん課長に叱られてたね」B「仕方ないよ、私のミスだから。でもその課長が部長の前ではフォローに回ってくれたんで感激しちゃった」
○○党に反対に回られると、多数決で勝ち目はない。
A「株主総会、社長派と副社長派とどっちが優勢かな」B「きっと会長は社長支持に回られるだろうから・・・やっぱ社長派かな」
B氏は政界を引退し、息子を候補にして、そのサポート役に回った
勝負は先手必勝!守りに回るより、攻めに回ろう
検察から任意同行を求められたK氏だが、すでに与党はK氏の擁護に回っている
stairs困ったときは俺がフォローに回るから。
コロケーション
<立場>に
① 意見:賛成、反対、…支持、擁護、弁護
② 立場:敵、…側
③ 役割:裏方、聞き役、サポート(役)、控え
④ その他:批判、保身、弁明、カバー、フォロー、攻撃、攻め、守備、守り、劣勢
非共起例
<立場>に
 彼は、敵に回った
 彼は、(私の)味方に回った
 (姉/私達姉妹は)母親の味方に回った
 彼は、脇役に回った
 彼は、主役に回った
 彼は、サポート役に回った
 彼は、リーダーに回った
 彼は、裏方に回った
 彼は、表舞台に回った
 「悪いが、新人の失敗のフォローに回ってくれ
立場や役割に評価的な意味を含む場合は、「主役」「表舞台」「リーダー」「味方」のように重要あるいは表(おもて)(=目立つ役)の意味を含むものには用いられない。また「(失敗した人などの)フォローに回る」のように、主たる役割を演じている人を支援する・援護する意味でも用いられる。
解説
この語義は、人がそれまでの立場と違う立場に立つことを表す。それまでと「役割」が違う立場に立つときは、(主導的な立場から)補佐的な立場に変わる場合を言う。
類義語・反義語
類義語なる
反義語


10.順番や仕事の到来自動詞中級★★
表記回る
順番や複数の人に課され得る仕事などが、特定の人に当たる
文型
<順番・仕事>が<人>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
同僚が断ったので、海外勤務の話が回ってきた
(駅伝で)いよいよアンカーの自分にタスキが回ってきた
今はこの表にしたがって夜勤のローテーションが回っている
書類を急いで送っても国によっては担当者まで書類が回るのに時間がかかることがある。
どんな内容でも上司から任務が回って来たら、拒否はできない。
とうとう9回の裏まできた。なんとか8番、9番と続いて、打順が1番まで回ってほしい。
コロケーション
<順番・仕事>が
① 順番:順番、番、出番、ローテーション、打順、打席
② 仕事:仕事、勤務、出張、割り当て、役員、処理
<人>に/まで
共起語
<副詞>
いよいよ、ついに、とうとう、なんとか
解説
この語義は、順番や複数の人に課される可能性がある仕事などが当たることを表す。順番で当たる場合には当たる人にとって想定内であるが、仕事が当たる場合は、複数人が課される可能性がある中でランダムに当たる場合があり、その場合は意外性がある場合もある。
類義語・反義語
類義語来る
反義語


11.幸運・不運なことの到来自動詞上級
表記回る
他の人にも訪れる可能性がある幸運やチャンス、不運や負担などが特定の人に訪れる
文型
<幸運・不運なこと>が<人>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あの有力候補が入院したなんて、私にも運が回ってきたというものだ。
長男、次男が権利を放棄したため、三男の私に家督が回ってきた
急に辞めた社員がいて、関係のない部署にまで負担が回ってきた
今まで宿題をさぼっていたつけが回ってきて、夏休みの最後の日々が楽しめない。
ひょっとすると自分にも責任が回ってくるかもしれないと思うと、冷や汗が出た。
大手の業績不振のしわ寄せが、下請けにも回って来た
コロケーション
<幸運・不運なこと>が
① 幸運:つき、チャンス、運、恩恵、家督、おこぼれ
② 不運:つけ、負担、しわよせ、とばっちり
解説
この語義は、思いがけない幸運なことや予想していなかった不運なことなどが、ある人に訪れることを述べる。この語義では、偶然が起こり(重なり)自分の順番になるなど、予想や期待をしていなかったという意外性がある場合が多い。「~てくる/きた」の形でよく用いられる。
類義語・反義語
類義語来る
反義語


12.経由後の到達自動詞中級★★
表記回る
人・ものが終点(目的地)に到達する前に、他の場所を経由する
文型
<人・もの>が<経由場所>を回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
このシャトルバスは、主要なホテルを回ってから、空港に行く。
高齢者のデイサービスでは、車で利用者宅を回って施設まで連れて行ってくれるのが普通だ。
東京駅を出発すると間もなく、車掌が検察に回って来た
私は五人兄弟の末っ子で、服はいつも誰かのお下がりが回って来た
これは、三日月山の展望台を回って碓氷峠に抜ける縦走ルートです。
安いチケットを買ったので、バリ島直行ではなく、シンガポールを回って行かなければならない。
コロケーション
<経由場所>を
ホテル、…宅、展望台、地名(例:シンガポール)
解説
この語義は、人やものが当初の目的地・(話者にとっての)最終の目的(地)に到達する前に、他の場所を経由することを表す。語義6との違いは、語義6は複数経由する場所があり、その複数の経由地それぞれで何かを行うことが目的であるのに対し、語義11は経由地は1か所でもよく、また最終的に出発点とは異なる当初の目的地・(話者にとっての)最終の目的(地)があり(語義6は出発点に戻る)、「(~を)回って行く・来る」という形を用いてそこに到達することに話者の関心・目的がある。
類義語・反義語
類義語経由する、寄る
反義語


13.遅れた到達自動詞中級★★
表記回る
人・ものが通常と異なる経路を通り距離や時間がかかって到達する
文型
<人・もの>が<到着地>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
かぶりついた桃の汁があごに回って、ぽたぽたとテーブルに落ちた。
すみません。こちらは搬入口ですので、お客さんは正面玄関に回られてください。
総務から「お客様からのクレームです」と関係ない部署の私に電話が回ってきた
前のランナーを追い越すときは、外側を回るのがマナーだ。
私のような新人社員には、情報がなかなか回ってこない
鼻血が出たときに、のどに回った血液は、飲み込まないではき出してください。
コロケーション
<到着地>に
正面玄関、のど、あご
解説
この語義は人・ものが通常の経路と異なる経路を通り、距離や時間がかかって到達することを表す。語義12が経由をしながら最終目的地に着くことを述べるのに対して、語義13は、それぞれの経由地や目的地への到着に注目するのではなく、「通常の経路、想定される経路(多くの場合最短)」ではない経路を通り、そのことで「距離や時間がかかる」ことを述べる点が異なる。
例えば、例1は、通常桃の汁は口の中、もしくは皿の上に落ちることが想定されるが、通常と異なる「あご」に到達したという意味であり、例2はこの客が通常の出入口と判断したところ(実際には搬入口)ではなく距離のかかる「正面玄関」に到達するように述べている文である。
類義語・反義語
類義語行く
反義語


14.ものの循環自動詞中級★★
表記回る
気体・液体などが生物の体やもの(全体)の中で循環する
文型
<気体・液体など>が<生物の体・もの>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
鍋の中で蒸気が野菜全体に回るようにすることが、ふんわり均一に蒸すコツです。
A「半身浴って、何がいいの?」B「30分もお湯につかっていると、全身に血液がよく回って代謝がよくなるそうだよ」
A「そのねずみ、もう死んじゃったの?」B「もうだめだね。さっきのサソリの毒が体中に回っているよ」
けがをしたら、細菌が血管を通して体全体に回らないために、必ず消毒してください。
体内に寄生虫がいると、体に栄養が回らず、栄養失調になることがある。
A「エアコン、つけてないんでしょ? この家、なんか涼しいよね」B「実は外壁と内側の断熱ボードの間のすき間を空気が回っているんだ。自然空調でエコでしょ」
コロケーション
<気体・液体など>が
① 気体:酸素、蒸気、臭気
② 液体:血液、お湯
③ エネルギー:栄養(分)、電気刺激
④ その他:毒、とげ、抗がん剤、麻酔
<生物の体・もの>に
体、全身、…全体、…中(じゅう)、…内(例:体内)
<限界>まで
隅々
解説
この語義は、液体や気体が生物の体やもの(全体)の中を循環、すなわち複数回、回り、移動し続けることを表し、多くの場合その結果的として、その循環する物質の持つ効果が体やもの全体に広がることを表す。
類義語・反義語
類義語循環する、めぐる
反義語


15.ものの広がり自動詞中級★★
表記回る
気体・液体などが生物の体、ものや地域など範囲全体に広がる
文型
<気体・液体など>が<生物の体・もの>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
疲れていたのか、今日はいつもより早く酔いが回った
建物が燃えなくても、煙が回ると人は死んでしまう。
油がフライパンの材料全体に回ったら、だし汁と酒、みりんを入れてください。
1階の台所から出火したが、火はすでに2階にも回っている
医者に、既に癌が全身に回っていると言われた。
不確かな情報がネットなどで回ると、風評被害が起きやすい。
コロケーション
<気体・液体など>が
① 気体:煙、火、炎
② 液体:油、薬、麻酔、毒
③ その他:がん、味、錆、細菌、ウィルス、酔い、痙攣
<広がる範囲>に
…全体、…中(じゅう)、…内(例:体内)
解説
この語義は、液体や気体が生物の体、ものや地域など範囲全体に広がり、それらの効果が及ぶ範囲が広がることを表す。語義14が循環して広がるのに対し、語義15は液体や気体が循環はせず、ある範囲全体に広がることを表す。
類義語・反義語
類義語広がる
反義語


16.ものの普及自動詞中級★★
表記回る
ものが場所・地域に行きわたる
文型
<もの>が<広がる範囲・到着場所>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
団地中に、スーパー特売のチラシが回った
幼稚園から、今年の遠足は中止になったというプリントが回ってきた
今朝、会長の訃報が社内にメールで一斉に回った
私が現地に取材に行ったときには、すでにダム建設反対のビラが回っていた
全国に指名手配のポスターが回っているので、彼の顔にはみんな見覚えがある。
回答用紙が全員に回らないうちに試験が始まってしまった。
コロケーション
<もの>が
チラシ、紙、情報、ビラ、案内
<広がる範囲・到着場所>に
…全体、…中(じゅう)、…内(例:町内、社内)、全…(例:全員)、各…(例:各家庭)
解説
この語義は、ものが場所・地域に行きわたることを表す。語義15が液体・気体などで拡大・充満していくのに対し、語義16は各所に到達し、全体として普及すること、行き渡ることを表す。
類義語・反義語
類義語広がる、届く、渡る、配られる
反義語


17.注意の到達自動詞中級★★
表記回る
意識や考えがことの隅々・詳細な点まで行きわる
文型
<意識・考え>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼は趣味に夢中で、食事や服装まで気が回らないようだ。
A「ほら、顔!もっと笑顔で歌わなくちゃ」B「声や音程は気をつけているんですが、顔の表情まではなかなか意識が回らなくて
A「ほら、こうすれば簡単にできるでしょ?」B「な~るほど!そこまで考えが回らなかった
あいつは学校の成績は悪いが、お金儲けとなると知恵が回る
試験のときには、他人のことなど神経が回らない
A「あれ、お友達、もう帰ったの? お茶ぐらい出せばよかったのに」B「あっ、そこまで気が回らなかった
stairsここんとこ、仕事が忙しくてさ~、疲れちゃってそこまで意識が回らないのよ…
コロケーション
<意識・考え>が
意識・考え:意識、気、知恵、神経、心、気持ち
<意識や考えが及ぶ先>まで
① 及びにくいところ:指先、他人
② その他:そこ
解説
この語義は、意識や考えがことの隅々・詳細な点まで遺漏なく行きわたる意味であり、慣用的な表現も多い。
「考え、気、意識、神経」は「回る」と共起し、細かいところまでよく注意が行き届くという意味を表し、以下のように同様に用いられる場合も多い。「注意が行き届く」意味では、特に「考え、神経」は否定形が用いられることが多い。
例:○仕事が忙しくて、服装のことまで考え[気、意識、神経]が回らない
 忙しくても服装のことまでちゃんと考え[神経]が回る
「気が回る」は「自分自身への心配り」という意味でも用いられるが(例1)、「対人関係への心配り」という意味で用いられる場合が多い(例6、慣用表現4参照)。「考え」は配慮や注意のほかに思考することを含む。
例:○現役時代には、老後の生活のことまで考えが回らない
 現役時代には、老後の生活のことまで気が回らない
 現役時代には、老後の生活のことまで意識が回らない
 現役時代には、老後の生活のことまで神経が回らない
「知恵が回る」は、よく気がつき、頭の回転が速いことを表すが、例3のように皮肉などの意味で使われることが多い。
類義語・反義語
類義語及ぶ
反義語


18.曲線・縁に沿った移動自動詞中級★★
表記回る
人やものがものの縁に沿って曲線を描いて移動する
文型
<人・もの>が<地形やものの縁・曲線の経路>を回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
池の南側をぐるっと回って、キャンプ場に着いた。
バスコ・ダ・ガマは、喜望峰を東に回ってインド洋に出た最初のヨーロッパ人と言われる。
どこも閉まっているようなので、建物の正面に回って声をかけた。
彼氏の車はボロボロで、急な上り坂になると、私が後ろに回って押すこともあった。
カーブを回るときは、ハンドル操作に注意してください。
山頂から見下ろすと、絶壁が西側のくぼ地を回っているのが見える。
コロケーション
<中心・軌道>を
① 地形:半島、岬、池・湖(の縁)、山の裾
② 建造物・もの:建物、皇居、ベッドサイド、コーン、車
③ 中心との位置関係:…の後ろ、…の周り、…の周囲
④ 曲線の軌道:カーブ
<回る方向・目指す場所>に
① 方向:時計回り、反時計回り、右、左、…方向
② 目指す場所:正面、後ろ、…のほう
<様態>
ぐるっと、ぐるんと
解説
この語義は、地形やものの縁に沿って曲線を描いて移動することを表し、円や楕円を360度、周回するのではない。また、ものは必ずしも円形である必要はなく(例3、例4)、経路が曲線であることを表す。
類義語・反義語
類義語移動する
反義語


19.長いものによる包囲自動詞中級★★
表記回る
人の体や物の周りに沿って長いものが移動し、到達点に至る
文型
<長いもの>が<もの>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「大丈夫~?」という言葉とともに、彼の腕が彼女の肩に回っていった
肩が痛くて、腕がお尻のポケットまで回らない
この木の幹は樹齢100年だそうで、人ひとりでは腕が回らないくらいだ。
菌糸が米粒の表面全体に回っているが、奥までは入り込んでいないようだ。
太めの母のゆかたを借りたら、身頃が後ろまで回ってかっこ悪い。
スリングは、幅広の布がぐるっと肩から背中に回るので、赤ちゃんの重みが分散され、体への負担が減らせます。
コロケーション
<長いもの>が
① ひも状のもの:蔓、帯、手綱、ひも、菌糸、腕
② 布状のもの:身頃、布
<もの>に[まで]
① 人の体:肩、腰、背中
② もの:木の幹、…全体
<到着点>まで
後ろ、尻
<様態>
ぐるっと
解説
この語義は、長いものが曲線状の何かに接触しながら、伸びたり、包んだりすることを表す。ひものように細い形状のものは、添える、囲む、伸びるようになり、布のような幅のあるものは包む状態になる。ものは先だけが接するのではなく、曲線状のものの周囲に沿って伸びたり、包んだりする。
語義18も19も、人やものの周り・縁に沿って移動する点は似ているが、語彙18がものの周り・縁を曲線を描いて移動することを述べているのに対し、語義19は曲線(曲面)を描いているものの周り・縁に沿って移動してその曲線(曲面)上のいずれかの場所に到達することを表している。
類義語・反義語
類義語届く
反義語


20.周囲の囲い自動詞中級★★
表記回る、廻る
長いものが構造物などの四方を取り巻く形でめぐる
文型
<長いもの>が<構造物など>に回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
建物の四周に欄干が回っている
この辺の家屋は比較的大きく、塀が回って庭があるような家が多い。
昔のこの辺の農家は、四方に縁側が回っていた
このお寺は、本殿を中心に、山門と法堂を繋ぐ形で回廊が回っている
この地方では、家の前から右横へ雨戸の外に濡れ縁が回っているのが特徴だ。
このドアは戸のへりにゴムが回っているので、気密性の高さを実感できます。
コロケーション
<長いもの>が
① 建造物:回廊、生け垣、塀、濡れ縁
② その他:ゴム
<構造物など>に
① 建造物:建物、家(屋)、農家、本殿
② 場所:土地(の周囲)
③ 位置:四方、四周、…を中心、…の外、…のへり、…の周囲
④ その他:戸、船
解説
この語義は、建造物や長いものなどが建物やものの周囲に沿って四方を四角くめぐって存在する場合であり、ほとんどが「~ている」の形で表現される。
類義語・反義語
類義語めぐる、囲む
反義語


21.らせん形の形状・円形の並び自動詞中級★★
表記回る
ものがらせん形の形状である、もしくは円形に並ぶ
文型
<もの>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この公園では、ぐるぐる回る滑り台が子供たちに人気だ。
広いロビーでは、らせん階段が中を回っていた
この花は小さめの鉢で育てたので、根がしっかり回っている
この遺跡は、柱の回りに石の列が円形に回るもので、この地域で最も古いと言われています。
山頂をぐるりと回る林道を通って、父の牧場に向かった。
国体を前に、スタジアムの外側を回る遊歩道の整備が行われた。
コロケーション
<もの>が
① 道路:道、林道
② 建造物:滑り台、らせん階段
③ その他:根、石
<様態>
ぐるりと、ぐるぐる(と)
解説
この語義は、ものがらせん状の形をしている状態や円形に並んでいる状態など、動作ではなく形状の描写をするために用いられる。述語としては「回っている」の形で用いられるが、名詞を修飾するときは「回る…」の形で用いられることもある。
例: 玄関を入ると、広いロビーの左右に優雅ならせん階段がぐるりと回っていた
  ぐるりと回るらせん階段を、華やかなスターたちがゆっくりと下りてきた。


22.めまい自動詞中級★★
表記回る
通常の感覚を失い、周囲が回転しているような感覚を覚える
文型
<見ている対象>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
めまいには、天井がぐるぐる回るタイプと体がふわふわ浮くような感じがするタイプの2つがあります。
メニエール病など耳の病気では、多くの場合、自分の体や地面がぐるぐる回るような症状が出ます。
突然、激しいはき気と頭痛に襲われ、景色がぐるぐると回った
意識はもうろうとして、天井や床が回っていた
医者「どうしたんですか」患者「周辺がぐるぐる回るようなめまいが、ここ数日間続いているんです」
その通知を見て、あまりのショックに視界が回り、床に倒れ込んでしまった。
コロケーション
<見ている対象>が
景色、天井、床、地面、周辺、視界
<様態>
ぐるぐる(と)
解説
この語義は、通常の感覚を失い、周囲が回転しているような感覚を覚える、すなわちめまいがすることを表す。この語義では「見ている対象」が共起するが、慣用表現「目が回る」では、見る器官(「目」)が共起して同じ「めまいがする」という意味を表す。


23.思いの逡巡自動詞中級★★
表記回す
思いや心象が頭の中を巡る
文型
<思い・心象>が<考えが巡るところ>を回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
仕事の悩みが頭をぐるぐる回って、ほかのことは何も考えられない。
コンサートで聞いた曲が頭の中でぐるぐる回っている
いざ別れるとなると、二人の思い出が走馬灯のように頭の中をぐるぐると回り始めた
偶然、彼女を見かけて、様々な感情が頭の中をぐるぐると回った
あの時のショックが忘れられず、今でも頭の中を彼女の言葉が回っている
ただ頭の中を「死」の一文字がぐるぐると回っている
stairsこの曲を聞くと、あの頃の思い出が頭の中を回るんだ……。
コロケーション
<思い・心象>が
① 考え:悩み、考え、恐怖、思い出、感情、心配ごと、問い、気持ち
② 心象:曲、音楽、言葉、一言、単語、記憶、(一)文字、顔、アイデア、場面
<考えがめぐるところ>を[で]
頭(の中)
<様態>
ぐるぐる(と)
解説
この語義は、思いや心象が頭の中を巡ることを表し、ほとんどの場合「ぐるぐる(と)」と一緒に用いられる。特に「ぐるぐる(と)」と共起した場合は、「曲」など心象も含めて何かが頭から離れないというマイナスの意味で用いられる場合が多い。
類義語・反義語
類義語巡る、逡巡する
反義語


24.循環的な時間の到来自動詞中級★★
表記回る
循環して回る時期や時間がくる
文型
<循環的な時期・時間>が回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
庭の桜が咲くたびに、季節が回って来たことを実感する。
祖父は、来年、生まれ月が回って来ると、80歳になる。
60年たつと生まれた年の干支が回って来るので、60歳を還暦と言います。
早いもので、もう父の三回忌が回ってきました
日付が回るくらいになると、みんな、眠くなって寝てしまった。
アミメアリは1年に1回しか世代が回らないので、実験や観察に適しているそうだ。
コロケーション
<循環的な時期・時間>が
① 暦:干支、十二支、休日、暦、日付
② 季節:季節、春、夏
③ その他:生まれ月、…回忌、世代
非共起例
<循環的な時期・時間>が
 干支が回る
 生れ月が回る
 1月が回る
 日曜日が回る
循環的な時間でも、使用できない語もある。
解説
この語義は、循環して回る時間や時期がやってくることを表すが、多くの場合「回ってくる」など「てくる」の形で用いられる。
類義語・反義語
類義語めぐる、(やって)来る
反義語


25.基準の時間の経過・場所の通過自動詞上級
表記回る
時刻が基準の時を過ぎたり、人が基準の場所を過ぎたりする
文型
<時間・人>が<基準の時間・場所>を回る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
時刻が1時を回りました。ここで最新のニュースをお知らせします。
時刻が予定の時間より若干回っている
あの時計でお昼を回ったら、休憩にしよう。
(競馬で)このレースは、第3コーナーを回ったときに、ほぼ勝負がついていた。
インタビュアー「よくあそこで2塁を回られましたね。英断でした」野球選手「ええ、打ってくれると信じていたので、何があっても回ろうと思っていました」
あそこで無理に3塁を回らせたコーチの責任は大きい。
stairsランナー三塁を回ります
コロケーション
<基準の時間・場所>を
① 基準の時刻:…時、…の時間、お昼、正午
② 基準の場所:コーナー(競馬)、…塁
<時間の副詞>
とっくに、既に
解説
この語義は、時刻が基準の時刻を越えたり、人が基準の場所を過ぎたりすることを表す。場所の場合、基準となる場所は、四角形やトラックのような周回できる軌道上の曲がる部分(例:塁、コーナー)に限られる。軌道が直線の場合や曲がらない場所にある基準には、この語義は使用できない。
類義語・反義語
類義語越える、過ぎる
反義語


回るの全体解説 「回る」は自身が回転する動き(地球の自転のような動き)と、ある点や軸を中心としてその周囲を移動する動き(地球の公転のような動き)、さらに円弧を描くように移動する動きを表すことができ、それぞれに意味が展開している。
①「回る」は、自転・公転の別を問わず、360°(=一回転、一周)移動することも、一定の角度や向きを変えたり、軌道の一部だけを移動したりすることも表すことができる(語義1、2、18)。
②円周を描くように、一定範囲内で複数箇所経由して(多角形)出発点に戻ること(語義6)、さらに複数経由しながら起点と終点が異なること(語義12)、また曲線の軌道を表すことから(直線に比べて)距離や時間がかかる経路を通ることを表したり(語義13)、(従来の場所から)必要なところに移動したり(語義8)、違う立場になったりすること(語義9)を表す。
③ものの周囲をめぐることを表したり(語義19)、めぐるものの形状がらせん形であることを表したり(語義21)、四辺をめぐることを表す(語義20)ことがある。
④ものやことが回転、もしくは循環して動くことにより、その機能・役割・目的を果たすことを表したり(語義3、4、5)、循環はせず出発点から周囲に広がってその機能や効果を果たしたりすることを表す(語義14、15、16、17)。
⑤循環する時間(語義24)や順番・仕事(語義10)、運・不運(語義11)がある人に当たることを表す。
⑥自身を中心に周囲が回転するように見えるめまい(語義22)や思考や心象が頭の中を回転すること(語義23)を表す。また循環、もしくは周回するものが、基準の時間や場所を過ぎることを表すのにも用いられる(語義25)。
























▶全例文を聞く
<人・もの>が
天井には大型のファンがゆっくりと回っている。
(松瀬学著 『日本を想い、イラクを翔けた』, 2005, 289)
<もの(の周り)>を
太陽が地球のまわりをまわろうと、地球が太陽のまわりをまわろうと、自分には関係ない、といったことを、わたしはまだおぼえているからね。
(コナン・ドイル作;各務三郎訳 『バスカビル家の犬』, 1998, )
<器具・機械(の回転する部分)>が
電気の通り道ができると,かん電池の+極からモーターを通って−極に電気が流れ,モーターが回る。
(新編 新しい理科 4上, 2006, 小)
<組織・システム>が
苦しくてやったことが経営の原理原則に合っていて、それで会社が回っていったのです
(芦崎治著 『逃げない人を、人は助ける』, 2004, 673)
<人間の活動・頭の機能>が
正直言って、そこまでが回らなかった。
(サンデー毎日, 2004, 一般)
<回遊する範囲・複数の通過点>を
寒風吹きすさぶ中を自転車に乗ってコースを何度も何度も回り、すべてのポイントをチェックしたらしい。
(高毛礼誠著 『あなたを忘れきれない男たち』, 1993, 913)
<目的>に
客に挨拶をし、営業に回り、クレームの処理をし、従業員の相談に乗る。
(野地秩嘉著 『サービスの天才たち』, 2003, 673)
<必要なところ>に
減税によって所得が増えればそれが消費に回るであろう。
(水谷研治著 『「縮少均衡」革命』, 1995, 332)
<立場>に
全国特定郵便局の会長の住む町の自民党候補者は、阿部さんの説得もかなわず反対に回りました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 政治、社会問題)
<順番・仕事>が
待つこと二十分、ようやく私の順番が回ってきた。
(福田明男著 『西アフリカ放浪』, 2005, 294)
<幸運・不運なこと>が
きっと寝惚けていたんでしょう、エッセイ賞を一千万円と聞き違え、バアさんと女房と、これでやっと貧乏古本屋にも金運が回ってきたと、抱きあって喜んだんですが、翌日ぬか喜びだとわかり、三人でまた寝込んでしまいました
(佐野眞一著 『人を覗にいく』, 2002, 281)
<到着地>に
横の階段を上って神社の正面に回ってみましょう。
(堀越正光著 『東京「探見」』, 2005, 910)
<気体・液体など>が
そこでよく使われるのが、毒を塗った矢で獲物に傷を負わせてあとを追い、獲物が疲れ果て、がまわって倒れたところにとどめの一撃を加えるという方法だ。
(フェリペ・フェルナンデス=アルメスト著;小田切勝子訳 『食べる人類誌』, 2003, 383)
<気体・液体など>が
全体にが回ったら、ごはんを加えていため合わせ、酒大さじ1杯をふる。
(家の光, 2002, 家庭/生活)
<もの>が
「県内一周ウォーキング」の参加案内が総務部から回ってきた。
津屋英樹著 『新・肥前の町から』, 2003, 291)
<意識・考え>が
相手はきっとそこまでが回らない人なんでしょう。
(Yahoo!知恵袋, 2005, Yahoo!オークション)
<回る方向・目指す場所>に
要するに、北太平洋を、海流は時計回りに回り続けているのである(図20)。
(茂在寅男著 『船と古代日本』, 1987, 557)
<長いもの>が
が反対側の肩に回らないケースでは、眉間から上へ小指3本分の正中線上の圧痛点と、回らない肩側の眉の中央が治療点です。
(阿部昇弘著 『速効!顔のツボ』, 2001, 492)
<もの>が
果菜類はプランターにじかまきするよりは、三号鉢くらいの小鉢で育て、が鉢に充分まわった頃にプランターに定植した方がよい株が作れます。
(湯浅浩史著;広瀬高一イラスト 『農薬を使わないミニミニ菜園』, 1993, 626)
<見ている対象>が
甲板上でみていると、洲の景色がぐるぐるまわった。
(司馬遼太郎著 『甲賀と伊賀のみち、砂鉄のみち』, 2005, 915)
<思い・心象>が
その言葉が、未来の頭の中をぐるぐると回っていた。
(Yoshi著 『恋バナ』, 2005, 913)






























全然家事が回らない
困ったときは俺がフォローに回るから。
ここんとこ、仕事が忙しくてさ~、疲れちゃってそこまで意識が回らないのよ…
この曲を聞くと、あの頃の思い出が頭の中を回るんだ……。
ランナー三塁を回ります
目が回る

意味
めまいがしたり、目がくらんだりすること
用例
昨日から何も食べていなくて、お腹がすいて目が回りそうだ
コーパスからの用例
この辺りの道は鬼怒川にそった岩場に造られている。ところどころ断崖絶壁になっていて、下を蒼々とした清流が、躍るように流れている。下を見ると目が回る。(星亮一(著)『会津将軍山川浩』, 1994, 新人物往来社)
意味
とても忙しいことを描写する言い方。
用例
朝から千客万来で、忙しくて目が回りそうだ
コーパスからの用例
大根とカブを植え付ける畝だけは、今日中に仕上げたかった。ベイナスと栗の収穫が重なった日々は、目が回ると譬えられるほど忙しかった。(笹山久三(著)『母の四万十川 第3部』, 1999, 河出書房新社)
手が回る

意味
(「手が回らない」という否定形で)注意や世話がよく行き渡ること
用例
今の顧客への対応が忙しくて、新規開拓まで手が回らない
コーパスからの用例
主人についてなのですが、もう疲れました・・・。バッグや靴下は置きっぱなしだし、引き出しは開けっ放しだし、そこらじゅうに物をぽいぽいするので、注意すると「今使おうと思ってた」とか「今片付けようと思ってた」などとやらないくせに言ってきます。3ヶ月の子もおりまして、家事に手が回らない状況です。(Yahoo!知恵袋, 2005)
意味
警察の捜査や逮捕の手配・準備がなされる
用例
指名手配犯は、実家にも警察の手が回ったと聞き、ついに自首を決意した。
コーパスからの用例
「どうにもヤバイな」ということで大蔵と別れ、繁とヒモは大阪から遁走。四国から中国筋に走ったが、行く先々、どうにも様子がおかしい。「ここにも手がまわったか」と故郷に舞い戻って、同県の羽犬塚の浅吉の家にころげこんだ。(神坂次郎(著)『勝者こそわが主君』, 1998, 新潮社)
手が後ろに回る

意味
警察に逮捕される
用例
あいつは若い頃から悪かったが、ついに手が後ろに回るようになってしまったか・・・。
コーパスからの用例
できるだけのことはさせていただくつもりです」「できるだけのことって、何だね」「お役に立てることは何なりと」「いやだよ、おれは手が後ろに回るような馬鹿なことは」なあ、と北見は美穂の顔を見て笑った。(江波戸哲夫(著)『偽薬』, 2002, 講談社)
気が回る

意味
細かいところまでよく気がつく
用例
今年の新入社員は、若いのによく気が回ると上司の評判が良い。
コーパスからの用例
しかしものには程度問題ということがあって、これも度がすぎると、やはり問題が起きてきます。その一つは、あまりにいろいろのことに気が回りすぎて、枝葉末節にとらわれがちになることです。そして一番大切な、本筋を見失ってしまうことがあります。(和田秀樹(著)『なぜ、あの人は"人付き合い"が上手いのか』, 2002, ゴマブックス)
酒が回る

意味
酔った状態になる
用例
部長は酒が回ると、いつも同じ話をする。
コーパスからの用例
酒を飲めても飲まないヤクザが、多い。誰でもそうだが、酒がまわると口が軽くなる。軽くなれば、よけいなことをしゃべる。それがもとでケンカになる。しかも個人のケンカは、当然のこととして、組どうしの抗争にまで発展する恐れがある。(宮崎学(著)『突破者の条件』, 1999, 幻冬舎)
呂律が回らない

意味
酒に酔ったり人や子どもなどの舌がよく動かず、話していることばがはっきりしない
用例
飲酒運転で捕まったその男性は、ろれつが回らないほど酔っぱらっていた。
コーパスからの用例
横顔に見とれていたら、先生が気がついて、「どうかした?」ぷるぷる。首をふって、麻酔でロレツがまわらない舌でお礼をいった。「どうもありがとうございました」(青山えりか(著)『好きから始まるkiss物語』, 講談社, 1993)
首が回らない

意味
借金がたくさんあって、生活が難しい
用例
彼はあんなにおしゃれでグルメだけど、実は借金で首が回らないという噂だ。
コーパスからの用例
いくら長期で低金利だからって、そんなに巨額なおカネを、援助が必要なほど貧しい国々に毎年毎年貸し続けていたら、途上国が巨額の借金で(首)が まわらなくなるのは目に見えてます。(小田智郎(著)他『現代』, 2001年10月号(第35巻第10号))
舌が回る

意味
すらすらと、よどみなくしゃべる。
用例
初めて会社でプレゼンをしたが、緊張で舌が回らなかった
コーパスからの用例
病気そのものは脳動脈に動脈硬化がおこり、中大脳動脈に血液がかたまり、つまったのです。そのために手足の運動は思わしくなく、言語中枢もいためつけられ、舌がまわらずうまく話せないという症状に苦しみました。(平塚秀雄(著)『頭痛の恐さを知っているか』, 青春出版社, 1992)
口が回る

意味
すらすらと、よどみなくしゃべる。
用例
子供の頃から、よく口が回る妹に口げんかで勝ったことがない。
コーパスからの用例
ついでやけど、江川も奥さんを大切にしとる。斉藤慶子との仲が騒がれたりしたけど、江川ほど女遊びをせんやつは、珍しいらしい。図体がでかいし、よう口がまわるから、なにかと誤解されやすいんかもしれへんね。(板東英二(著)『プロ野球殺られても書かずにいられない ここまで知ったらヤミツキになる』, 青春出版社, 1985)
後手に回る

意味
先を越された相手や状況に合わせた対応を取らざるを得ない立場になること。
用例
湾岸地域の人口は急激に増加し、公共サービスや施設の整備など、自治体の対応は後手に回っている
コーパスからの用例
政府は放送法・電波法の改正案を考えている。メディア側の進展がはげしく、ここでも法改正が常に後手にまわっているのが現況だ。(乾直明(著),『外国テレビフィルム盛衰史』, 晶文社, 1990)
複合動詞 V1

回り込む、回り出す、回り始める、回り切る
複合動詞 V2

暴れ回る、動き回る、歌い回る、売り回る、嗅ぎ回る、担ぎ回る、転がり回る、転げ回る、探し回る、探り回る、騒ぎ回る、しゃべり回る、立ち回る、付け回る、連れ回る、出回る、飛び回る、逃げ回る、乗り回る、這い回る、運び回る、走り回る、跳ね回る、ふれ回る、見回る、持ち回る、呼び回る、歩き回る、遊び回る、言い回る、聞き回る
複合名詞

回り灯籠、回り灯籠、回り道、回り会談、回り将棋、回り舞台、回り持ち閣議、夜回り、利回り、時計回り、反時計回り、足回り、水回り、どさ回り、生活回り、身の回り、逆回り、田舎回り、居回り、内回り、外回り、馬回り、襟回り、大回り、お巡りさん、金回り、空回り、首回り、腰回り、小回り、先回り、下回り、立ち回り、旅回り、手回り、胴回り、遠回り、得意回り、年始回り、右回り、左回り、一回り、星回り、見回り、胸回り、持ち回り、役回り、前回り、月回り、年回り
回る(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
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辞書形まわる
ない形まわらない
~なかったまわらかった
ます形まわり
~ませんまわりま
~ましたまわりした
~ませんでしたまわりまんでした
~ときまわるとき/まわる
ば形まわ
意向形まわ
て形まわって
た形まわった
可能形まわれる
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