来るのコアイメージ

1.話者への移動1自動詞初級★★★
表記くる、来る
人[組織、団体]・動物・乗り物が話者のいる(または、注目する)方向・場所に向かって移動する。
文型
<人[組織、団体]・動物・乗り物>が<場所>に[へ]来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
友達が家に来た
電車が5分遅れて来ました
この渡り鳥はアラスカやシベリアなどから日本へ来るそうです。
今、京都に来ている。
アメリカから来たジョンソンです。
次は事前に連絡してから来てください。
コロケーション
<場所>に[へ]
家、学校、病院、店、会社
<乗り物>で
車、電車、バス、船、飛行機
<場所・方向>から
名古屋、アメリカ、右の方、遠く、後ろ
<人>と
友人、学生、先生、息子、仲間
<時期>
明日、もうすぐ、来週、来月、来年
<様態>
ちゃんと、わざわざ、突然、ゆっくり、しょっちゅう、よく
非共起例
<人[職名]>に[へ]来る。
 母に「へ]来る。
 母のところに[へ]来る。
 先生に[へ]来る。
 先生のところに[へ]来る。
「<場所>に[へ]来る」とは言えるが、「<人[職名]>に[へ]来る」とは言えない。この場合は、「<人[職名]>のところへ来る」などと言う。
解説
語義1における話者への移動の対象は人・動物のように基本的に意志性を持つものに限られる。従って、机、椅子のように意志を持たない対象は用いられない。
 机[椅子]が来た(ただし、「注文した机[椅子]が届いた」という解釈の場合は可能である(語義3を参照))。
また、「車、電車、船」のような乗り物はそれ自体は意志性を持たないが、人の操作によって動くものであるため、意志性を持つものとして捉えられ、問題なく用いられる。
語義1における尊敬語は「いらっしゃる」であり、謙譲語は「参る」となる。
先生、明日何時に来ますか(→いらっしゃいますか)。
それでは、明日9時までに来ます(→参ります)。
誤用解説
ある空間の外から中に移動する場合は、話者のほうに近づいても「どうぞ来てください」とは言えず、「どうぞ入ってください/どうぞ入ってきてください」と言う。
 スタッフさん、ちょっとこっちに来てください。
 (医者が診察室の外で待っている患者に向かって)どうぞ、来てください。
 (医者が診察室の外で待っている患者に向かって)どうぞ、入って[入ってきて]ください。
類義語・反義語
類義語近づく、到着する、到達する
反義語行く


2.話者への移動2自動詞初級★★★
表記くる、来る
人が何らかの目的で話者のいる(または、注目する)方向・場所に向かって移動する。
文型
<人>が<目的>に来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
友達が遊びに来た
先生、進路のことで相談に来ました
大勢の人が見学に来ている。
高校時代の友人がお見舞いに来てくれた。
次回の公演も必ず見に来たいと思います。
入社式を終えた新入社員が挨拶に来ている。
コロケーション
<目的>に
相談、見学、お見舞い、手伝い、遊び
<乗り物>で
車、電車、バス、船、飛行機
<場所>から
名古屋、外国、遠く、田舎、世界中
<人>と
友人、学生、先生、息子、仲間
<時期>
明日、明後日、来週、来月、来年
<様態>
わざわざ、よく、しょっちゅう、三日に一度、たまに
解説
この「来る」は、単なる移動ではなく「何らかの目的を持つ」というところに注目する使い方である。人がある場所から他の場所へ移動する時は、必ず目的(理由)が伴うと考えられるからである。
語義2における尊敬語は「いらっしゃる」であり、謙譲語は「参る」となる。
先生がお見舞いに来ました(→いらっしゃいました)。
レポートのことで、相談に来ました(→参りました)。
誤用解説
「スポーツに来る」「テレビに来る」のように、それだけでは目的が特定しにくい場合は不自然な表現となる。
 スポーツに来る
 スポーツを見に来る
 スポーツをしに来る
 テレビに来る
 テレビを買いに来る
 テレビを見に来る
類義語・反義語
類義語
反義語行く


3.ものの到達自動詞初級★★★
表記くる、来る
あるものが(通信手段などによって)運ばれ、話者のいる(または、注目する)場所に到達する。
文型
<もの>が来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
妹から手紙が来た
いくら待っても返事が来ない
ハリウッドから映画出演のオファーが来ている
先日、注文した商品が来ました
インターネットに広告を出したら、世界中から注文が来るようになった。
応募した会社から面接の知らせが来た
コロケーション
<もの>が
手紙、返事、案内、品物、問い合わせ
<人・場所・組織>から
友達、親、東京、アメリカ、本社、海外支部
<時期>
昨日、3日前に、もうすぐ、来週、来月
<様態>
ちゃんと、遅れて、なかなか(否定)、突然、しょっちゅう、よく
非共起例
<もの>が来る
 抗議[脅迫]が来た。
 抗議[脅迫]の手紙が来た。
解説
この「来る」は、移動の対象が「意志性を持たない」という点で語義1と異なるが、あるものが「話者のいる(または、注目する)場所に移動する」という点では共通している。
類義語・反義語
類義語届く、着く
反義語行く


4.動作・作用の到達自動詞中級★★
表記くる、来る
ある動作・作用(の影響)が話者側に到達する。
文型
<動作・作用(の影響)>が来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
敵陣から砲撃が来た
ワンコインでおつりが来る
攻撃が来るのを待つ。
負けたらビンタが来る
敵の反撃が来る前に、引き上げる。
ちょっと油断した隙に、横から強烈なパンチが来た
コロケーション
<動作・作用(の影響)>が
攻撃、パンチ、おつり、ビンタ、反撃
<方向>から
横、右の方、遠く、後ろ、真っ正面
<様態>
突然、いきなり、ひっきりなしに、容赦なく、ガツンと
非共起例
<動作・作用(の影響)>が来る
 1日働いただけで、多額の報酬が来た。
 1日働いただけで、多額の報酬を得た。
解説
この「来る」は、語義3のように、移動の対象が何らかの手段によって運ばれるということを表しているわけではないが、あるもの(動作・作用)が「話者側に移動する」という点では共通している。


5.自然現象の発生自動詞初級★★★
表記くる、来る
自然現象が話者のいる(または、注目する)場所に向かって移動しながら起こる。
文型
<自然現象>が来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
昨夜、大きな地震が来ました
今日はいい風が来るね。
今にも雨が来そうな空模様です。
週末にかけて大型の台風が来るらしい。
震度6の地震が来たことを想定して、防災訓練を実施しました。
建物の二階まで津波が来るとは思ってもいなかった。
コロケーション
<自然現象>が
台風、津波、地震、風、嵐
<場所>に
日本列島、三陸沖、東京、東海地方、北陸地方
<時期>
昨日、3日前に、先週、もうすぐ、今週末に
<様態・頻度>
どんと、いきなり、突然、よく、しょっちゅう
非共起例
<自然現象>が来る
 風の音が来る
 風の音が聞こえる[聞こえてくる]。
 オーロラが来た。
 オーロラが現れた。
解説
この「来る」は、移動の対象が「意志性を持たない」という点で語義1と異なるが、自然現象が「話者のいる(または、注目する)場所に向かって移動する」という点では共通している。
誤用解説
「一雨来そうだ」とは言えても、「晴れが来そうだ」とは言えない。
 明日は晴れが来そうだ。
 明日は晴れそうだ。
類義語・反義語
類義語近づく、到達する
反義語去る、過ぎる


6.構成員の新加入自動詞中級★★
表記くる、来る
人が話者のいる(または、注目する)組織に新しく加わり、何らかの役割を果たす。
文型
<人>が<来る>
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
うちのチームに新しいコーチが来た
うちに嫁が来る
日本交響楽団に初めて外国人の指揮者が来た
次期所長は来年4月に来るそうです。
今度来る広報担当者はどんな人ですか。
この病院に20代の若い医者が来るのは珍しいことである。
コロケーション
<人[職名]>が
新入社員、コーチ、新しい社長、嫁、次期所長
<(家族・役割)関係>に
嫁、婿、養子、弟子、助手
<組織・団体>に
我が家、うち、田中家、病院、大学、チーム
<時期>
もうすぐ、来週、4月に、来年、半年後に
非共起例
<(家族・役割)関係>に来る
 私の妹[姉・母]に来る
 私の妹[姉・母]になる。
そもそも血縁関係にある家族には使えない。
解説
この「来る」は、単なる移動ではなく、移動先で「何らかの役割を担う」というところに注目する使い方である。
類義語・反義語
類義語赴任する、着任する
反義語去る、出る


7.時期・順番の到来自動詞初級★★★
表記くる、来る
時間が経過し、ある時期、機会、順番などが近づく。
文型
<時間・時期・順番>が来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ついに合格発表の日が来ました
待ちに待った春が来た
列の後ろに並んで、順番が来るのを待つ。
有効期限が来たら、更新の手続きが必要です。
搭乗の時間が来たので、機内に入りました。
少子高齢化の時代が来るのは以前から予測していたことである。
コロケーション
<時間・時期・順番>が
春、朝、順番、出番、時間、季節
<様態>
ついに、とうとう、ようやく、いよいよ、そろそろ
非共起例
<時間・時期>が来る
 3月が来た。
 春が来た。
 3月になった。
解説
語義1は具体物の物理的な移動を表しているが、この「来る」は、抽象物(時間)の心理的な移動を表していると考えられる。ただし、いずれも話者のいる(または、注目する)ところに向かって移動するという点では共通している。
誤用解説
「春に来てもらう」とは言えず、「春が来てくれる」と言う。
 春に来てもらう。
 春が来てくれる。
類義語・反義語
類義語近づく
反義語過ぎる


8.設備の開設自動詞中級★★
表記くる、来る
道路や電気などの設備が話者のいる(または、注目する)場所に通じる。
文型
<設備>が来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ついにこの村にも電気が来た
山頂付近まで道路が来ている。
この集落は未だに水道が来ていない。
最近は田舎も光回線が来ているところが多い。
家を建てる時、都市ガスが来ているかどうかも大事なチェックポイントである。
この地域は電気が来てから、だいぶ住みやすくなった。
コロケーション
<設備>が
電気、水道、ガス、回線、道路
<場所>に
村、地区、地域、町、田舎
<様態>
ついに、とうとう、ようやく、いよいよ、来年
非共起例
<設備>が来る
 ようやくこの村にも公民館[コンビニ]来た
 ようやくこの村にも公民館[コンビニ]できた
「公民館[コンビニ]」などの建物は、「~来る」とは言えない。
解説
この「来る」は、語義1のように具体物の物理的な移動を表しているわけではないが、電気・水道などの設備が話者のいる(または、注目する)場所に設置される、つまり、話者のいる場所に心理的に近づくという点で共通している。
類義語・反義語
類義語通じる
反義語


9.現象・事態の発生自動詞中級★★
表記くる、来る
ある現象・事態が何らかの原因によって起こる。
文型
<現象・事態>が来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
背中に痛みが来る
体温が下がると、眠気が来るそうです。
最近、ストレスから来る病気が増えている。
最近の病気は、環境や生活習慣から来るものが多い。
不注意から来る事故を減らすために、警察が重い腰をあげた。
犯罪の増加や治安の悪化が懸念されているが、根本的には貧困から来ているものと考えられる。
コロケーション
<現象・事態>が
痛み、病気、眠気、事故、誤解
<理由・原因>から
ストレス、過労、歪み、不注意、違い
<時期>
昨日、昨日、3日前、先週、最近
<様態>
いきなり、突然、急に、しょっちゅう、よく
解説
この「来る」は、語義5のように話者に向かって「移動する」ことを表しているわけではないが、ある現象・事態が「発生する」という点では共通している。また、この「来る」は、ある現象・事態の単なる発生ではなく「その理由・原因」というところに注目する使い方である。ある現象・事態が発生する時は、必ず何らかの理由・原因が伴うと考えられるからである。
誤用解説
この「来る」の主体である<現象・事態>は、通常好ましくないことである。したがって、「注意深さから来る安全」などとは言えない。
 注意深さから来る安全運転。
 注意深さによる安全運転。
 不注意から来る自動車事故。
類義語・反義語
類義語起こる、発生する
反義語


10.物事の由来自動詞中級★★
表記くる、来る
ある物事がある場所や言葉などに由来する。
文型
<物事>が<場所・言葉>から来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
仏教はインドから来ている。
日本語には中国から来た言葉がたくさんある。
コンピューター用語は英語から来たものが多い。
「サボる」は、フランス語の「サボタージュ」という言葉から来ている。
サッカーはイギリスから来たスポーツとして知られている。
「チョンガー」は「独身男性」のことを意味し、韓国・朝鮮語から来たと言われている。
stairs戦後、日本語に入ってきた外来語は、英語から来たものが圧倒的に多いです。
コロケーション
<物事>が
思想、仏教、考え方、言葉、サッカー
<場所・言葉>から
インド、西洋、東洋、英語、ギリシャ語
解説
この「来る」は、語義9のようなものの発生を表しているわけではないが、何らかのものがきっかけ(理由・原因)になっている点では共通している。
誤用解説
「サブカルチャー」などの文化的営みには、この「来る」は使いにくい。
 このサブカルチャーは、大阪の若者から来ている
 このサブカルチャーは、大阪の若者に端を発する[から始まった]
類義語・反義語
類義語伝わる、由来する
反義語


11.身体反応の発生自動詞上級
表記くる、来る
ある動作・作用に対する反応が(話者の体に)起こる。
文型
<様態>(と)来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼の何気ない一言にカチンと来た
心にジーンと来るいい歌である。
説明を聞いてもピンと来ない
試合に負けてガックリ(と)来た
お寿司を食べたら、わさびがきいていて鼻にツンと来た
玄関を開けようとノブに手をかけた瞬間、静電気がビリッと来た
stairsヒロくん、写真見てくれた?これだけあればぴんとくる人もいたでしょ?
コロケーション
<様態>(と)
ピンと、カチンと、ビリッと、しっくり、ぴったり
<身体部位>に
鼻、頭、目、心、胸
非共起例
<様態>(と)来る
 彼の指摘にギクッと来た。
 彼の指摘にギクッとした。
解説
この「来る」は、語義5のように話者に向かって「移動する」ことを表しているわけではないが、ある現象(動作・作用に対する反応)が「起きる」という点では共通している。


12.事態の到達自動詞上級
表記くる、来る
ある事態が進行し、ある状態に至る。
文型
<事態>が<状況・様態>に[へ、まで]来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
体力が限界に来ている。
作業は最終段階に来ている。
もはや取り返しがつかないところまで来てしまった。
作品の完成まで、あと一歩のところに来ている。
撮影は順調に進んでいたが、ここへ来て問題が発生した。
ここまで来たら、勝ったも同然だよ。
コロケーション
<事態>が
体力、限界、(作品の)完成、作業
<状況>に[へ・まで]
限界、最終段階、ところ、ここ、寸前
<様態>
順調に、予定通りに、問題なく、滞りなく、思い通りに
<方向>に
良い方向、悪い方向、変な方向、予期せぬ方向、まずい方向
解説
この「来る」は、語義7と同じように抽象物(時間)の心理的な移動を表していると考えられる。つまり、ある状態が話者のいる(または、注目する)ところに向かって移動するという点で共通している。
誤用解説
「作品が、あと一歩で完成という段階まで来た」とは言えるが、「作品が完成に来た」とは言えない。
 作品がようやく完成に来た。
 作品がようやく完成した。
類義語・反義語
類義語
反義語行く


13.話者への働きかけ自動詞上級
表記くる、来る
相手があるやり方で話者側に働きかける。
文型
<相手>が<やり方>で来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
なるほど、その手で来たか。
相手チームがどんな戦術で来るかを予想する。
向こうが強気で来たら、こっちも強気で返す。
お前がそういう態度で来るなら、こっちにも考えがある。
相手がどんなやり方で来るか、見当もつかない。
数で来られたら、負けるのは時間の問題だ。
stairsそうか、そう来たか。
コロケーション
<相手>が
相手、敵、お前、対戦相手、向こう
<やり方>(で)
そう、その手、強気、数、そんな態度
<様態>
いきなり、突然、容赦なく、平然と、何食わぬ顔で
解説
この「来る」は、相手が単に移動するだけではなく、その移動に伴い話者の方に「何らかの働きかけをする」というところに注目する使い方である。
誤用解説
この「来る」は、基本的に相手と対立関係にある場合に用いられる。したがって、「担当医は薬ではもう効かないと言って、今度は注射で来た」などとは言わない。
 担当医は薬ではもう効かないと言って、今度は注射で来た
 担当医は薬ではもう効かないと言って、今度は注射で治療を始めた。
類義語・反義語
類義語
反義語行く


14.話題の取り上げ自動詞上級
表記くる、来る
あるものを特に取り上げて話題にする。
文型
<人・もの>ときたら[とくれば、とくると、ときては]
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
北海道ときたら、やっぱり海の幸でしょう。
名古屋とくれば、ひつまぶしでしょう。
とくれば、最初に何が思い浮かびますか。
野球の話とくると、つい熱くなってしまう。
うちの嫁ときては、味噌汁もろくに作れない。
彼は酒ときたら、目がない。
stairs北海道とくれば、乳製品よね。
コロケーション
<人・もの>ときたら[とくれば・とくると・ときては]
うちの嫁、妻、酒、京都、日本料理
解説
この「来る」は、語義1のように人やものなどの移動を表しているわけではないが、取り上げる話題というのは「話者のいる(または、注目する)ところにある」という点で共通している。
誤用解説
この「ときたら[とくれば・とくると・ときては]」という形式は、「命令・指示」などの表現とは共起しない。
 リンゴときたら、青森産を買ってきてください。
 リンゴときたら、やっぱり青森産でしょう。
類義語・反義語
類義語~について言えば
反義語


15.ものの位置占拠自動詞上級
表記くる、来る
あるものがある特定の位置を占める。
文型
<もの>が<位置>に来る
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
十の位には数字3が来る
論文の謝辞は目次の前に来るようにしてください。
日本語では主語の次に目的語が来る
行頭に句読点が来ないように注意する。
普段私は、バッグは体の左に来るようにかける。
両足の親指の付け根に重心が来るようにして立ってください。
コロケーション
<もの>が
数字、主語、名詞、句読点、重心
<位置>に
前、後ろ、左、真ん中、中央
<様態>
ちゃんと、ちょうど、きちんと、ぴったり、ぴたっと
非共起例
<もの>が<位置>に来る
 建物の前に立派な庭が来る[来ている]。
 建物の前に立派な庭がある。
「建物」「庭」などの建造物の位置関係には、「来る」は使えない。
解説
この「来る」は、語義1のように人やものなどの移動を表しているわけではないが、特定の位置を占めるのは「話者のいる(または、注目する)ところにある」という点で共通している。
類義語・反義語
類義語位置する
反義語


来るの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<場所>に[へ]来る
明日にでも家に来ていただけますか?
(ジャン=フランソワ・ルメール著;長島良三訳 『恐怖病棟』, 1997, 953)
<乗り物>で来る
日本に船で来ることも多いらしいです。
(望月健,ジン・ネット取材班著 『蛇頭「密航者飼育」アジト』, 2000, 916)
<場所・方向>から来る
1943年、私は両親と沖縄から本土へ来た。
(石川文洋著 『てくてくカメラ紀行』, 2004, 291)
<時期>来る
三時に家に来て」彼女は言った。
(エドワード・スチュアート著;和泉晶子訳 『アメリカを手に入れた女』, 1999, 933)
<目的>に来る
ぜひ遊びに来てください!!
(広報南アルプス, 2008, 山梨県)
同僚や上司が心配して、お見舞いに来てくれました。
(野沢真弓著;山田和男監修 『私のパニック障害』, 2004, 493)
<場所>から来る
弥生は、親に内緒で徳島から遊びに来ていたのだが、一緒に上京した友人が六本木ヒルズ近くで消え、困っていたのだ。
(TVぴあ関東版,関西版,東海版,北海道・青森版,福岡・山口版, 2005, 娯楽/芸能)
<時期>来る
18日からの連休、友達が遊びに来ます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, マナー)
<様態>来る
で、わざわざお見舞いに来てくれた訳?
(新井素子著 『扉を開けて』, 1996, 913)
<もの>が来る
最近何度か変なメールが来ます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, インターネット)
既に自動車部品メーカーなど5社と顧問契約を結び、東京方面からも問い合わせが来ているという。
(AERA(アエラ), 2001, 一般)
<人・場所・組織>から来る
派遣会社から契約打ち切りの連絡が突然来た
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<自然現象>が来る
今にも台風が来るかと思われるぐらい空が曇っていました。
(山中和子著;養老孟司解説 『昭和二十一年八月の絵日記』, 2001, )
道東でもわが町はあまり地震が来ない地方なのですが久しぶりに地震の揺れで目が覚めました
(Yahoo!ブログ, 2008, 日本)
<時期>来る
夏の終わりから秋口にかけて台風が来る。
( 『熱き心、炎のごとく』, 2004, 210)
<人[職名]>が来る
今日から新入社員が来ました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, メンタルヘルス)
<(家族・役割)関係>に来る
倅に嫁が来たんですが、どうやら私の墓参りもしてくれそうな嫁なので、ホッとしております
(永六輔著 『二度目の大往生』, 1995, 159)
<時間・時期・順番>が来る
自分の出番が来るか否かは三成の健闘にかかっていた。
(岳宏一郎著 『群雲、関ケ原へ』, 1994, 913)
あたしたちの順番が来るまでにはまだ時間があるわ。
(川西桂司著 『薄曇りの肖像』, 2002, 913)
<様態>来る
いよいよ出発の朝が来た。
(清水孝純著 『幻景のロシア』, 1991, 302)
<現象・事態>が来る
肺には神経がないから直接には痛みが来ない。
(右遠俊郎著 『桜橋』, 2003, 913)
<様態>(と)来る
妻のいうことがいちいち胸にグサッと来るように感じて、つい突っかかってしまいました。
(日本LCA著 『再就職・独立・起業成功の法則』, 2004, 366)
<身体部位>に来る
鼻にツーンとくる刺激臭。
(福本和也著 『知能暴力悪の線描』, 1992, 913)
<事態>が来る
このままでは、ご家族のストレスが限界に来て、あぶないですね。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)
<状況>に[へ・まで]来る
研究熱心もここまでくると相当なものだ。
(猪谷千春著 『わが人生のシュプール』, 1994, 784)
<人・もの>ときたら[とくれば・とくると・ときては]
それにしても、あの久井と来たら、そんな肝心なことを、一言も言わずに…。
(赤川次郎著 『愛情物語』, 1983, 913)
<もの>が来る
ところが、日本語は、最初に主語が来ても述語は最後に来る場合が多いし、少なくとも後半になっているのが通常である。
(小坂浩著 『己が禄は』, 2002, 318)
<位置>に来る
常に前足のヒザを曲げて、重心が前足の真上にくるように体勢をキープ。
( 『スノーボードクリニック』, 1999, 784)






























戦後、日本語に入ってきた外来語は、英語から来たものが圧倒的に多いです。
ヒロくん、写真見てくれた?これだけあればぴんとくる人もいたでしょ?
そうか、そう来たか。
北海道とくれば、乳製品よね。
飽きが来る

意味
いや(きらい)になり、続ける気がなくなる
用例
いくら食べても飽きが来ない
コーパスからの用例
毎回同じような料理では、室津様も飽きがくるでしょう。(龍島穣著 『人妻秘書』, 2001, 913)
頭に来る

意味
不満・不快なことが原因で、興奮する
用例
あいつは頭に来ることを平気で言う。
コーパスからの用例
何度も同じ事柄を説明することほど、頭にくることはありません。(古谷治子著 『心を動かす電話の応対』, 2003, 336)
がたが来る

意味
年月が経って古くなり、働きが鈍る
用例
最近、体のいたるところにガタが来ている。
コーパスからの用例
加齢とともに股関節にガタが来ると洋式便器はとても有り難いものになります。(Yahoo!ブログ, 2008, 乗り物)
来る者(は)拒まず

意味
仲間になりたい,行動をともにしたいと寄ってくる者は誰でも快く受け入れる
用例
来る者は拒まず去る者は追わず」というのが私の人生観です。
コーパスからの用例
北海道には人のルーツを詮索しない、来る者は拒まず去る者は追わずのメンタリティーがある。(船木春仁著 『時代がやっと追いついた』, 2003, 332)
来るところまで来た

意味
限界に達する
用例
二人の関係は来るところまできてしまった。
コーパスからの用例
社会の構造が変化し、個人のライフスタイルが複雑に入り組み、多様化と個性化が来るところまで来たのですから、人間と人間の関係もより分化したといえるでしょう。(佐藤義雄著;杉本康希取材・編集 『「人脈」創る・育てる・活かす』, 2003, 336)
複合動詞 V1

来合わせる、来始める
複合動詞 V2

迫り来る、流れ来る、吹き来る、寄せ来る
複合名詞

行き来
来る(3グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形ない
~なかったなかった
ます形
~ませんきま
~ましたした
~ませんでしたきまんでした
~ときるとき
ば形れば
意向形
て形
た形
可能形こらる(こる)
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