くれるのコアイメージ

1.ものの授与他動詞初級★★★
表記くれる
話し手または話し手側の人にものを与える。
文型
<人・組織>が<話し手・話し手側の人>に<もの>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
友達が私にお菓子をくれる
田中さんが私の弟にかばんをくれました
祖母が誕生日プレゼントに自転車をくれた
私の誕生日に何かくれたら、私もあなたの誕生日に何かあげるよ。
「誕生日デート、どうだった?」「何かくれようとしていたみたいなんだけど、決められなかったって言って、結局何ももらわなかった」
いつも私たちにお菓子をくれていたおばさんが引っ越してしまった。
コロケーション
<もの>を
お金、水、食べ物、本、お菓子
<目的>に[として]
プレゼント、お祝い、記念、お礼、お返し、ご褒美、お詫び(のしるし)
<時>に
クリスマス、誕生日、お正月、記念日
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


2.目的を持った授与他動詞中級★★
表記くれる
話し手または話し手側の人にある目的のためのものを与える。
文型
<人・組織>が<話し手・話し手側の人>に<授与の目的>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
両親が、結婚のお祝いをくれた
小さい子供は、サンタクロースがクリスマス・プレゼントをくれると信じている。
部長、出張のお土産くれるかな。確かパリに行ったんだよね。
あの課長は、どんなに遅くまで残業させても、差し入れひとつくれたことがない。
小さい頃、父がご褒美をくれようとすると、母は「甘すぎる」と父を叱った。
国を出るときに餞別をくれなかった人にまでおみやげを買うお金はない。
コロケーション
<授与の目的>を
プレゼント(贈り物)、お祝い(祝い、祝儀)、褒美、土産、餞別
解説
具体的に<もの>の中身が何かも言いたいときは、「目的」は助詞「に」で表わされる(語義1参照)。
「お年玉」だけは通常、中身が現金と決まっているため、「お金」という名詞と共起しない。
 両親は、結婚のお祝いに車をくれた
 両親は、お年玉にお金をくれた
 両親は、お年玉に1万円くれた
 両親は、お年玉を1万円くれた
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


3.許可・機会の授与他動詞中級★★
表記くれる
話し手または話し手側の人に時間、許可、評価などを与える。
文型
<人・組織>が<話し手・話し手側の人>に<抽象物>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
会社が特別休暇をくれる
上司が最後のチャンスをくれました
少し時間をくれませんか
もう少しましな評価をくれよ。
彼はインタビューの時間をくれようとしたが、マネージャーに止められてしまった。
先輩が許可をくれているので、いつでも研究室に出入りすることができる。
コロケーション
<抽象物>を
① 時間:時間、休み、休暇、猶予
② 許可:許可、機会、チャンス、お墨付き、OK
③ 評価:評価、賞、一等賞、満点
<目的>に[として]
ご褒美
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


4.言葉の授与他動詞中級★★
表記くれる
話し手または話し手側の人に言葉を伝える。
文型
<人・組織>が<話し手・話し手側の人>に<言葉>をくれる。
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
山本さんがコンサートの案内をくれました
何かアドバイスをくれない
友達がヒントをくれたので、解決方法が見つかった。
キャプテンが的確な指示をくれるから、私たちはまとまることができる。
この番組にリクエストをくれた皆さんの中から、抽選で素敵なプレゼントをお送りします。
私たちが困っていたときに、ただ一人具体的な提案をくれたのが田中先生だった。
コロケーション
<言葉>を
① 情報:情報、お知らせ、案内、連絡
② メッセージ:励まし[お祝い、慰め]の言葉、アイデア、ヒント、コメント、意見、感想
③ 行為の指示:指示、注文、提案、依頼、アドバイス
類義語・反義語
類義語下さる、与える
反義語


5.連絡の授与他動詞初級★★★
表記くれる
話し手または話し手側の人にメールなどコミュニケーション手段を介して連絡、伝達などを行う。
文型
<人・組織>が<話し手・話し手側の人>に<コミュニケーション手段>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
留学生のリンさんは、無事帰国したと手紙をくれた
息子は留学してから、メールひとつくれないので心配だ。
何かあったら、電話をくれ
もう着いたのだろうか。目的地に着いたら葉書ぐらいくれればいいのに。
めったに便りをくれない息子から手紙が来た。
小学校卒業以来、毎年年賀状だけはくれる友達が何人かいる。
stairs「息子は去年、仕事でアメリカに行ってから、電話の1本もくれなくて……」「昔の友だちも年賀状だけで、最近は手紙もくれないし……」「だから、いま連絡をくれるのはフェイスブックの友だちだけなのよ」
コロケーション
<コミュニケーション手段>を
手紙、レター、メール、電話、はがき、年賀状、便り
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


6.応答の授与他動詞中級★★
表記くれる
話し手または話し手側の人に応答する。
文型
<人・組織>が<話し手・話し手側の人>に<応答>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼女がプロポーズの返事をくれるまで、何年でも待つつもりだ。
以前は必ず返信をくれていたのに、最近は返事がなくて心配だ。
私の悩みに誰も明確な答えをくれない
社員側の要求に、会社側は一向に返答をくれようとしない
この記事について新聞社に問い合わせをしたら、文書で回答をくれた
(インターネットの掲示板で)レスをくれた皆さん、ありがとう!おかげで元気が出ました。
コロケーション
<応答>を
返事、答え、回答、返信、レスポンス、レス
※「レス」は特にメールやインターネット上で用いる。
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


7.好意的な行いの授与他動詞中級★★
表記くれる
話し手や話し手側の人に好意的な行いをする。
文型
<人・もの>が<話し手・話し手側の人>に<抽象物・動作>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私がうちに帰ると、妻はいつもとびきりの笑顔をくれる
妻は最近、おやすみのキスをくれなくなった。
貧しいながらも、母は私たちに精いっぱいの愛情をくれている
自然は、毎年私たちにすばらしい恵みをくれる
大きな拍手をくれたみなさん、どうもありがとうございました。
アスリートは、自分のため、そして声援をくれる観客のために、ベストを尽くす必要がある。
コロケーション
<抽象物・動作>を
① 抽象物:愛情、愛
② 動作:笑顔、キス、拍手、声援、援助
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


8.よい変化の授与他動詞中級★★
表記くれる
人やものの存在や言動が、話し手または話し手側の人の姿勢や気持ちを前向きにさせる変化を与える。
文型
<人・もの・こと>が<話し手・話し手側の人>に<活力・満足な気持ち>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
桜は私に元気をくれる
先生の「君ならできる」の一言が、私に勇気をくれた
妹は、この石がパワーをくれているから、自分は元気なのだと信じている。
「最後までひとりでできた」という経験が子供たちに自信をくれるのだという。
(オリンピック後)すばらしい感動をくれた選手たちに、改めて拍手を送りたい。
彼との出会いは、あの子に生きる幸せと喜びをくれたに違いありません。
stairs「どんなに落ち込んでも、この子が元気をくれるのよね~」
コロケーション
<活力・満足な気持ち>を
勇気、元気、パワー、感動、喜び、自信
非共起例
<活力・満足な気持ち>を
 桜はいつも私にうれしさをくれる。
 桜はいつも私に元気をくれる。
「うれしい」「楽しい」などの感情を表す形容詞の派生語は使用されにくい
類義語・反義語
類義語下さる
反義語


9.視線の授与他動詞上級
表記くれる
人やものを見る。
文型
<人>が<人・もの>に<視線>をくれる。
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
知らない町で出会ったその小さな子どもは、私がカメラを向けるとちゃんと目線をくれた
合図をすると、彼女はファインダー越しに訴えかけるような視線をくれた
運が向いていた頃は私に熱い視線をくれていた人たちも、最近は醒めた視線で「いい加減にしたら」と言うようになった。
バッターボックスに入ったバッターは、客席に一瞥をくれると、すぐにプレーに集中した。
彼は、路上の貧しい子どもたちには一瞥もくれず、急いでその場を離れた。
彼女は男たちに妖しい流し目をくれると、何も言わずに出て行った。
コロケーション
<視線>を
① 見る:目線、視線、流し目
② ちらっと見る:一瞥
解説
「<人>が<人・もの>に<視線>をくれる」の<人・もの>は、<話し手・話し手側の人>以外の人の場合もある。


10.物理的な暴力行為の授与他動詞上級
表記くれる
人が人に物理的な暴力を行う。
文型
<人1>が<人2>に<暴力的な行為>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
田中は頭に来て、その男の背中に蹴りをくれた
別れた彼がしつこいので、私は彼に思い切りびんたをくれた
通りかかった男性が突然、前にいた老人の後頭部に一撃をくれた
山本が無我夢中で頭突きをくれると、相手は一瞬ひるんだ。
平然と嘘をつく私に我慢できなくなったのか、母はいきなり平手打ちをくれた
弟は、小さいながらも、兄に体当たりをくれて反撃した。
コロケーション
<暴力的な行為>を
一撃、蹴り、びんた、頭突き、体当たり
解説
ここでは他の語義と異なり、話し手または話し手側の人が与え手になることもある。
●私が彼に平手打ちをくれる。:私が彼に平手打ちをする。
●彼が私にお菓子をくれる。:私がお菓子を得る。
また、第三者同士の授受が可能な場合もある。
●通りかかった男性が突然、前にいた老人の後頭部に一撃をくれた
類義語・反義語
類義語与える、行う
反義語


11.卑しめる気持ちを込めた授与他動詞上級
表記くれる
受け手を卑しめる気持ちを込めて、話し手または話し手側の人が受け手にものを与えたり行為を行ったりする。
文型
<話し手・話し手側の人>が<受け手>に<もの・行為>をくれる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
そんなに欲しいなら、小遣いをくれてやる
別れる時に、彼にお気に入りのソファをくれてやろうと思う。
息子に土地をくれてやった
近所のいたずら好きの子どもにげんこつをくれてやりました
こんなアイデア、ただでくれてやる
この命、お前にくれてやるよ
stairs「おじいちゃんがお人形(を)くれたよ。たけしにも車(を)くれたんだよ」
コロケーション
<もの・行為>を
① 金銭:お金、小遣い、財産
② 暴力的行為:げんこつ、一撃、蹴り、びんた
③ その他:食べ物、アイデア、命
解説
他の語義と異なり、話し手または話し手側の人が与え手になる。
●小遣いをくれてやる。:私が小遣いを与える。
●小遣いをくれる。:私が小遣いを得る。


くれるの全体解説 1. 「くれる」はものの移動とともに所有権も移動する。
 友達が私にパソコンをくれた
「渡す」はものが移動するだけで、所有権については問題にしない。
 友達はパソコンの修理が得意なので、パソコンを渡して修理をお願いした。
2. 「くれる」は受け手が話し手自身、あるいは話し手の家族など話し手側の人である場合にしか使わない。
 田中さんが私の弟にかばんをくれました。
同じ場面で「もらう」も使われる。動作主によって「もらう」か「くれる」か選択する。話し手または話し手側の人が動作主の場合は「もらう」が、与え手が動作主の場合は「くれる」が使われる。
 私は田中さんにプレゼントをもらいました。(動作主:話し手・話し手側の人)
 田中さんは私にプレゼントをくれました。(動作主:与え手)
「あげる」は受け手が話し手または話し手側の人間以外の場合に使う。
 田中さんが私の弟にかばんをあげました
 田中さんが山本さんにかばんをあげました
3. 与え手が目上の人である場合は、「くださる」を使う。
 先生が私にプレゼントをくださいました。
4. 目下の相手などの受け手を卑しめる気持ちを込めてあげるという意味で「くれる」を使用する場合もある。この場合は「くれてやる」という形を使用することが多い。
 そんなにお金がほしいなら、お前がほしいだけくれてやる
5. 聞き手と第三者の授受について述べる場合、聞き手を話し手側と捉える。
 田中:そのお土産、森さんがくれたんですか。
山本:そうなんですよ。京都に行ったそうですよ。
 田中:そのお土産、森さんがあげたんですか。
山本:そうなんですよ。京都に行ったそうですよ。
6. 人やものを(ちらっと)見る、あるいは人が人に暴力的な行為を行うという意味においては、与え手や受け手に関する制限はなく、第三者同士の授受も表すことが可能である。
●彼女は男たちに妖しい流し目をくれると、何も言わずに出て行った。:与え手=彼女、受け手=男たち
●通りかかった男性が突然、前にいた老人の後頭部に一撃をくれた。:与え手=男性、受け手=老人
























▶全例文を聞く
<もの>をくれる
帝国ホテルを出ると、クルマで帰りなさいと、父はお金をくれました。
(阿久悠著 『詩小説』, 2000, 913)
お茶を出そうとすると、それより水をくれと言った。
(志水辰夫著 『情事』, 2000, 913)
お菓子をくれなきゃいたずらするぞ
(Yahoo!知恵袋, 2005, 言葉、語学)
<目的>に[として]くれる
昨年大阪の伯父を訪ねた時、伯母が一通の古い手紙を出して、土産にくれた。
(野口明著 『追憶の二高』, 2001, 377)
勝虞が餞別にくれた数珠もあった。
(澤田ふじ子著 『陸奥甲冑記』, 2004, 913)
<時>にくれる
あと おばあちゃんがクリスマスにってお小遣いをくれました。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<授与の目的>をくれる
今年のクリスマス、ダーズリー一家はどんなプレゼントをくれると思いますか?
(ビル・アドラー編;和爾桃子訳 『大好きなハリー・ポッターへ』, 2002, )
お出かけのたびにお土産をくれるママ友がいます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 子育て、出産)
大事なのは,お祝いをくれた相手に対する感謝の気持ちを表すこと。
(辞典編集部編 『冠婚葬祭実用辞典』, 2001, 385)
<抽象物>をくれる
二日間だけ時間をくれと、悦子に頼んだのだ。
(夢枕獏著 『魔性菩薩』, 1986, 913)
もう一度チャンスをくれませんか。
(野沢尚著 『映画館に、日本映画があった頃』, 1995, 778)
<言葉>をくれる
「…さっき私に連絡をくれたのはきみかね?」
(嬉野秋彦著 『ヒミツの転校生』, 2001, 913)
「ノエルは、元気になれる言葉をいつもくれました」
(あすか正太著 『恋する国家権力』, 2001, 913)
もうだめだと絶望しかけたとき、会社を経営している友人がアドバイスをくれた。
(芦崎治著 『逃げない人を、人は助ける』, 2004, 673)
<コミュニケーション手段>をくれる
明日の午後にでも電話をくれないか。
(小杉健治著 『影の核心』, 1991, 913)
彼女は翌日手紙をくれました。
(石黒美佐子著 『死を見つめたわが子麻意の三年』, 1993, 916)
旅行から帰ってきた時も「帰ってきたよー」みたいなメールをくれました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)
<応答>をくれる
駄目なら駄目で返事をくれたらいいのに・・・
(Yahoo!知恵袋, 2005, 恋愛相談、人間関係の悩み)
わたしの簡単な質問に対して、彼女はすぐに以下のような回答をくれた。
(鶴岡雄二著 『急がば廻れ’99』, 2002, 764)
<抽象物・動作>をくれる
受け取った友達はとても喜び、「早速飾らせてもらうね」と笑顔をくれました。
(Yahoo!ブログ, 2008, 芸術、アート)
<活力・満足な気持ち>をくれる
青春真っ直中の私の心を捉え、笑顔を与え、元気をくれたB子さんだった。
(中元輝夫著 『雑草の記』, 2002, 366)
キラキラと輝くゴールドの光は、積極性と自信をくれます。
(小林祥晃著 『誕生月でわかるDr.コパの風水大開運』, 2005, )
<視線>をくれる
次いで、姫は、半蔵に鋭い視線をくれた。
(朝松健著 『真田三妖伝』, 2002, 913)
八重はちらりと流し目を里美にくれた。
(和田はつ子著 『密通』, 1998, 913)
思わず抗議の声をあげようとした藤原に、下條先生は冷たい一瞥をくれた。
(八神ひろき原作・画;金春智子作 『Dear boys』, 2002, 913)
<暴力的な行為>をくれる
私の姿を見たとたん、ゴーヴィンド伯父は駄菓子屋の奥から飛び出してきて、いきなり私の頬に平手打ちをくれる。
(岳真也編訳 『現代インド短篇小説集』, 1992, 929)






























「息子は去年、仕事でアメリカに行ってから、電話の1本もくれなくて……」「昔の友だちも年賀状だけで、最近は手紙もくれないし……」「だから、いま連絡をくれるのはフェイスブックの友だちだけなのよ」
「どんなに落ち込んでも、この子が元気をくれるのよね~」
「おじいちゃんがお人形(を)くれたよ。たけしにも車(を)くれたんだよ」
目もくれない

意味
何かに注意や関心を払わない(で別のことをする)
用例
ブランド好きの彼女は、安物には目もくれない。||田中さんは、おいしそうな料理には目もくれないで[目もくれず]、おしゃべりに夢中になっている。||彼は仕事以外には目もくれず、ひたすらキャリアの道を邁進した。
くれる(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板型
辞書形くれる
ない形くれない
~なかったくれかった
ます形くれ
~ませんくれま
~ましたくれした
~ませんでしたくれまんでした
~ときくれるとき くれる
ば形くれ
意向形くれ
て形くれて
た形くれた
可能形-----
受身形-----
使役形くれさせる
閉じる