切れるのコアイメージ

1.ものの分断自動詞初級★★★
表記切れる
一続きのものが、力が掛かって離れた状態になる。
文型
<もの>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「あ!靴ひもが切れちゃった」「切れたところを結べば大丈夫。歩けるよ」
工事現場で、吊り下げられた鉄骨の重みでワイヤーが切れ、落下する事故が起こった。
「このギター、弾けるかなあ」「弦が切れているから、無理だよ」
「画像を見てください。血管のここが切れていて、大変危険な状態です」「助かるんですか?」
「尻尾が切れた猫がいるよ」「切れたみたいに見えるけど、元々尻尾の短い猫なんだよ」
「あれ、この紙、切れているよ」「さっきその上に置いていた紙をカッターで切った時に、一緒に切れちゃったのかも。
コロケーション
<もの(線状)>が
糸、線、ひも、ロープ、ワイヤ、チェーン、ケーブル、ゴム、バンド
<もの(身体)>が
血管、靭帯、神経、アキレス腱、尻尾
<もの(平面状)が
生地、紙、皮
<もの(端)>が
右端、先、上下、左右、先端、両端
<原因>で
重み、衝撃
<様態>と
プツン、プチン、プチッ
非共起例
<もの(棒状)>が
 台風で電線が切れた
 台風で木の枝が切れた
 台風で木の枝が折れた
硬い棒状のものは「切れる」ではなく「折れる」が使われる。
<もの(平面状)>が
 ひもを引っ張ったら切れてしまった。
 紙を引っ張ったら切れてしまった。
 紙を引っ張ったら裂けて/破れてしまった。
 紙を重ねてカッターで切ったら、下に敷いていた紙まで切れてしまった。
平面状のものの場合、「切れる」より「裂ける」「破れる」のほうが使われやすい。ただし、刃物状の物が触れるなどした場合は「切れる」でも可能な場合もある。
解説
一続きのものが、力が加わって分断される。平面状のものに刃物などがあたって直線状に分断された場合にも使えるが、人が刃物で切る行為をしなくても自然の力(経年による劣化、牽引力、物の重み、風圧)などで分断されやすい線状のものの場合によく使われる。
類義語・反義語
類義語ちぎれる、裂ける、破れる
反義語つながる


2.けが自動詞初級★★★
表記切れる
人の身体の部分が傷ついてけがをする。
文型
<身体部位>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私は昨日、割れたガラスに触れて指が切れ、1針縫った。
「どうしたの?」「転んだ拍子に口の中が切れたみたい。血の味がする」
「鏡、見てごらん。あごが切れているよ」「えっ、気づかなかった」
山田さんは、海岸を歩いているとき、ガラスの破片を踏んで足の裏が切れたそうだ。
冬になると、乾燥のせいで唇が切れて痛い。
なんか歩きにくいと思ったら、足の指の間が切れていて、血が出ていた。
コロケーション
<身体部位>が
手、口、口の中、指、足、唇、耳、顔、肛門、皮膚
<刃物状のもの>で
カッター、包丁、ナイフ、ガラス、破片、紙、葉
<原因>で
靴ずれ、乾燥
解説
刃物や刃物状のもので身体の表面が傷つき、けがをする。擦過や乾燥で表皮に亀裂が入る。その部位が分断されるという意味ではない。例えば「私はガラスで手が切れた」は手が切り離されたという意味ではなく、手の表皮が切れるけがをしたという意味。ただし、腱など線状のものでは分断されたという意味になる(「私は練習中の事故で靭帯が切れた」)。他動詞「切る」を使って「私はガラスで手を切った」とも言える。


3.決壊自動詞上級
表記切れる
土手や堰の一部が崩れて、水や土砂が流れ出る状態になる。
文型
<堰>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
台風による大雨で土手が切れ、川の水が市街地に流れ込んだ。
雨の中、土嚢を積んで補強したが、大量の土砂にあっという間に堰が切れてしまった。
一度堰が切れると、あっという間に流域の街は流されてしまった。
津波で堤防が切れて被害が出たことから、より高くより厚い堤防の建造が計画された。
またやって来る台風に備えて、前回の台風で切れた土手を急いで補修する必要がある。
多くの箇所で土手が切れているので、修復工事が追いつかない状況だ。
コロケーション
<堰>が
堤防、堤、堰、土手
<水・土>で
大水、津波、土砂、土石流
<災害>で
台風、大雨、洪水、大水、津波
解説
大水や土砂をせき止めるために作られている細長く延びる土手や堰のある個所が、災害などに伴う大水や土石流などによって、水や土砂が流れ出てしまう状態にまで崩される、壊される。
類義語・反義語
類義語壊れる、崩れる
反義語


4.水分の除去自動詞中級★★
表記切る
ものに付着していた水分が、落ちて取れる。
文型
<ものの水分>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
野菜は水がちゃんと切れていれば、シャキッとした食感が楽しめます。
揚げ物はいったん網の上に上げて、余分な油が切れてから皿に盛り付けます」
「豆腐をざるに上げてしばらく置き、水分が切れたら2センチ角に切ります」
材料の水気が切れていないと、和え物はおいしくできあがりません。
「この新しいスプレーを一吹きすると、フロントガラスの水が驚くほどスッキリ切れて、快適なドライブが楽しめます!」
コロケーション
<ものの水分>が
水、水分、水気、油、汁、汁気
<程度>
よく、しっかり、軽く、ちょっと
解説
物に付着しているあるいは含まれている不要な水分・油分が、したたり落ちるなどして取り去られる。料理でよく使用される。
類義語・反義語
類義語取れる
反義語


5.画像の欠損自動詞上級
表記切る
画像の一部が欠ける。
文型
<画像>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
印刷ミスでタイトルの文字が半分切れてしまっている。
HP上にアップした画像の一部が切れていたので貼りなおした。
証明写真を撮ったが、頭の上のほうが少し切れていたので撮りなおした。
このスペースにこの写真を入れようとすると、どうしても写真の左側が切れてしまうんですよね。
コロケーション
<画像>が
写真、文字、画像
解説
紙面やコンピューターの画面の大きさの都合で、写真・画像の端や角などの一部が紙面・画面に入らない・映らないことを指す。画面上ではその部分が切り取られているように見える。


6.景観の変化自動詞上級
表記切れる
連なっていたものが、ある地点から先にはなくなる。
文型
<連なっているもの>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
森の中を歩いていたら、木立が突然切れて、広い草原に出た。
丘から見下ろすと、切れることなく家並みが続いている。
厚い雲が切れて、待望の太陽が顔を見せた。
あの山並みが切れたところに、私のふるさとがある。
舗装道路はそこで切れていて、そこから先はでこぼこ道が続いた。
なかなか車の流れが切れなくて、道路を渡るのが難しい。
コロケーション
<連なっているもの>が
道、舗装、山、樹林、木立、家並み、町並み、雲、車、流れ、人波、人通り
解説
連なっている雲、山、木立、家並み、道、また車や人の列や流れが、ある地点からなくなる。途切れる。
類義語・反義語
類義語途切れる
反義語


7.作動停止自動詞初級★★★
表記切る
電流などが遮断されることで、作動している装置・機器やその機能が停止する。
文型
<電源・装置・機器・機能>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
蛍光灯が切れそうだ。パタパタついたり消えたりする。
停電でエアコンが切れて、寒くてたまらない。
佐藤氏はマイクが切れたのにも気づかず話し続けた。
アラームが切れていたため、火事に気付くのが遅れたらしい。
5時でタイマーが切れるように設定してある。
「あれ、空調が切れているんじゃない?」「電源が自動的に切れたみたい」
コロケーション
<電源・装置>が
電源、スイッチ、タイマー、サーモスタット
<装置・機器(照明)>が
電気、ランプ、電灯、照明、ライト
<装置・機器(空調)>が
エアコン、空調
<機能>が
仕掛け、~機能、保温、~モード
解説
作動していた装置や機器あるいはその一つの機能が停止する。ふつう装置や機器は人間が止めないかぎりずっと作動し続けることが予想される。ちょうど一続きの物が「切れる」ように、その継続が「切れる」と、「停止する」という意味になる。
類義語・反義語
類義語止まる、停止する
反義語入る、動く


8.通信の途絶自動詞中級★★
表記切れる
通信のための接続がつながらない状態になる。
文型
<通信・接続>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「インターネットの接続がすぐ切れてしまうんですが、どうしたらいいですか?」
「昨日からいくら電話しても出ないんだ」「電話回線が切れてるんじゃないか?」
彼女からの電話が一方的に切れた
突然の悲報に、電話が切れてからもしばらく受話器を持ったまま立ち尽くしていた。
飛行機との通信が切れてもう3時間も経つ。
この国は通信網の整備が進んでないので、電話をしていても通話がたびたび切れることがある。
stairs電話で話をしている時に、声が途切れたり、通話が切れるんです。
コロケーション
<通信>が
電話、通話、通信
<接続>が
接続、回線、インターネット、ネット
解説
接続されていた電話やインターネットがつながらなくなる。また、電話やインターネットでの会話や通信ができなくなる。
類義語・反義語
類義語途切れる、断線する
反義語つながる


9.言語活動の中断自動詞上級
表記切る
話や会話が急に止まる。続かなくなる。
文型
<言語活動>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
先生の話はそこで切れた。見ると、ハンカチで目を押さえられていた。
「デート、どうだった?」「会話が切れないようにって考えてたら、それだけで疲れたよ」
彼女と話していると、一つの話題が急に切れて全然別の話が始まったりするから混乱する。
彼の文章は変なところで切れるので、読みにくい。
「人生は難しい」。彼の日記はそこで切れていた
コロケーション
<言語活動>が
話、言葉、会話、文章、文
<様態>
プツンと、プツッと、いきなり
解説
まだ先に続くことが期待されていた話や文章が中断されたり、急に終わったりする。「一続きのもの」が分かれた状態になる「切れる」のイメージから、続いている話しや会話の流れが中断することを「切れる」というイメージでとらえている。
類義語・反義語
類義語途切れる、止まる、終わる
反義語続く


10.人間関係の断絶自動詞中級★★
表記切る
人と人とのつながりがなくなる。
文型
<人・組織>と<つながり>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「最近Aとは会ってるの?」「会わないわよ。Aとはもうずっと前から関係が切れているの」
私たちの固い絆は、未来永劫切れることはない。
「あいつは父親なんかじゃない!30年前、親子の縁は切れたんだ」「切っても切れないのが親子の縁というものだよ」
弁護士の仲介で暴力団とのつながりが切れて、心底ほっとしている。
A銀行との関係が切れることは我が社にとって重大事だ。
田中さんのおかげで長い間切れていた親子の絆をようやくまたつなぐことができた。
コロケーション
<つながり>が
縁、関係、つながり、絆、関係性
<人・組織>と
相手、彼女、友だち
解説
人と人の間のつながりを線のように捉え、それが「切れる」ことでつながりがなくなることを意味する。
類義語・反義語
類義語終わる
反義語つながる、続く、できる


11.時間終了自動詞上級
表記切れる
あらかじめ決められていた時間・期間が終了する。
文型
<制限時間>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「どうしたの?」「賞味期限が切れた牛乳を飲んでしまった…」
「現在の保証期間が来月で切れますから、早めの契約更新をお勧めします」
「この小麦粉、消費期限が1年前に切れているよ!」「小麦粉に消費期限があるなんて知らなかった…」
A国での任期は今年で切れるが、私は会社を辞めてこのままこの国に残るつもりだ。
雇用期間が切れるまでに、できるだけ実績を積んでいい転職を目指したい。
ゲームでは、私がもたついている間に持ち時間が切れてしまって、メンバーからブーイングを受けた。
stairs食材を使う時、賞味期限が切れていないか、チェックしましょう。
コロケーション
<制限時間>が
~期限、~期間、時間、持ち時間、任期、寿命
<日付・時刻>に[で]
~月、~日、~時、~以内
解説
決められていた制限時間・期間が終了する。そのことによって、それまで続けていた活動や続いていたことをやめなければならない。
類義語・反義語
類義語来る、なる
反義語


12.失効自動詞上級
表記切る
契約・保障・資格・権利・支援などが、その有効期間・実施期間が終わり、失効する。
文型
<契約・保障・資格・権利・支援>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
来年雇用契約が切れるので、今から仕事を探さなければならない。
「ビザが切れる前に早く更新に行かなくては!」
「免許証の提示お願いします。…あれ、この免許証、先月切れていますよ」「え!じゃ免許が切れたまま運転してたんだ!」
"「パソコンのサポートはいつまでですか?」「普通は2年ですが、結構、保証が切れた後で壊れたりするんですよね。ですから5年をお勧めします」
日本の現在の法律では、著作権は著者の死後50年で切れることになっている。
児童手当の給付が15歳で切れるのは納得できない。
stairs実は……こないだけがをして病院に行ったんだけど、先々月退職したから健康保険が切れていて……。
コロケーション
<契約・保障>が
契約、車検、保険、保障、~法
<資格>が
パスポート、免許証、ビザ、ライセンス、資格
<権利>が
著作権、特許、権利
<支援>が
サポート、補助金、給付
<日付>に[で]
~月、~年、~日、~以内、月末、~末、今年、来月、末日
<期間>で
~月、~日、~年
解説
結んでいた契約や持っていた資格や権利、保障が、その有効期限が来て失効する。なお、このうち、他動詞「切る」と対応するのは契約に関するものに限られる。また意味も異なり、「契約が切れる」(自動詞)は満期終了、「契約を切る」「契約を切られる」(他動詞)は契約の途中で解約することを指す。
類義語・反義語
類義語失効する
反義語


13.効果の喪失自動詞上級
表記切れる
薬成分の効き目・効果が、時間が経ってなくなる。
文型
<薬・効力>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
麻酔が切れたとたん、再び激しい痛みに見舞われた。
鎮痛剤が切れるのが怖くて、つい時間が来る前に飲んでしまう。
父は酒が切れると暴れ出す。
この薬は服用後5時間を過ぎると効き目がだんだん切れてきます。
飛行機の中で、ヘビースモーカーの彼はニコチンが切れてイライラしている。
化け薬の薬効が切れて、彼女は元の姿に戻ってしまった。
コロケーション
<薬>が
麻酔、薬、酒、ニコチン、アルコール
<効力>が
効き目、効力、薬効、作用
解説
作用が続いていた薬成分の効き目が、時間が経ってなくなる。
類義語・反義語
類義語なくなる
反義語続く


14.精神・気持ちの変化自動詞上級
表記切れる
維持していた気持ちや精神力が続かなくなる。
文型
<精神・気持ち>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
朝からずっと勉強しているから、もう集中力が切れそうだ。
うちの子の集中力は3分で切れる
面接が終わり、緊張の糸が切れてどっと疲れが出た。
その子は母親の姿を見つけると、張りつめていた気持ちが切れたのか、ワンワン泣き出した。
最近は周囲の音で集中が切れないように、イヤホンで音楽を聴きながら練習をするアスリートも多い。
コロケーション
<精神・気持ち>が
気持ち、集中、緊張、~状態
解説
それまで維持していた緊張・集中した精神状態や気持ちが続かなくなる。「緊張の糸が切れる」という表現がよく用いられる。
類義語・反義語
類義語緩む、解ける
反義語


15.人の性質自動詞中級★★
表記切れる、キレる
平静にみえていた人が、突然、異常な様子で怒りだす。
文型
<人>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
佐藤さんは普段はおとなしいが、キレると怖い。
最近すぐキレる子供たちが増えていると言われている。
僕の煮え切らない態度に、彼女もついにキレた
教師や友達のちょっとした言葉にキレて教室から出ていく学生もいる。
「あいつ、許せねえ!」「僕にキレられても困るよ。悪いのはあいつなんだから」
「何にそんなに切れているんだい?」「あいつのあの態度だよ!」
コロケーション
<人・言動>に
相手、態度、一言、言葉
<言動>で
発言、一言
解説
人が、それまでの平常の状態から、何かをきっかけに突然、激しく異常なほどの態度で怒る。それまで続いていた状態が突然終わること・絶たれることが「切れる」という意味につながる。
類義語・反義語
類義語激昂する
反義語


16.ものの消費自動詞中級★★
表記切れる
常に蓄えてあるものを使ってしまい、なくなる。
文型
<もの・燃料>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「この本がほしいんですけど」「今、在庫が切れているので、1週間ほど待ってもらうことになりますけどいいですか?」
山の中でガソリンが切れて車が動かなくなってしまった。
印刷の途中にプリンターのインクが切れてしまって、印刷できなかった。
料理の途中で醤油が切れているのに気付いて、あわてて隣の家に借りに行っていた時代もあった。
「トイレットペーパーの買い置きがもう切れているから、買っておいて」
兵は弾が切れた銃を放り投げ、素手で相手に向かっていった。
stairsあ、卵が切れてる。明日のお弁当どうしよう。買ってこなきゃ……。
コロケーション
<もの>が
弾、米、フィルム、本、インク、タバコ、ビール、商品、醤油、釣り銭
<燃料>が
燃料、充電、肥料、ガソリン、灯油
<在庫>が
在庫、ストック
解説
いつも貯めてあったり入れてあったりしたものが、使ってなくなってしまう。
類義語・反義語
類義語尽きる、なくなる
反義語


17.エネルギーの消費自動詞上級
表記切れる
ものや人を動かしているエネルギーが使い尽くされてなくなる。
文型
<エネルギー>が切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「いざというときに電池が切れていて使えないなんてことにならないように、懐中電灯の電池は予備を用意しておきましょう」
「彼と連絡が取れないの」「スマホの充電が切れているんじゃない?」
「さ、食べて食べて!試合の途中でスタミナが切れては大変よ」「もう食べられないよ」
「もうエネルギーが切れた!お腹がぺこぺこでもうこれ以上勉強できない!」
コロケーション
<エネルギー>が
電池、力、バッテリー、充電、エネルギー、スタミナ
解説
エネルギーが使い尽くされてなくなり、その結果、そのエネルギーによって持続していた機器の動きや人の活動が停止してしまう。
類義語・反義語
類義語尽きる、なくなる
反義語


18.進行方向の変化自動詞上級
表記切れる
乗り物・飛球の進行方向が直進方向から逸れる。
文型
<移動するもの・道>が<方向>に切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ゴルフボールは右に切れ、池に落ちていった。
「山田、一球目投げました!…ストライク!バッターの手前で左に切れるいい球でした」
「田中、打ちました。どうでしょう。若干、左に切れているでしょうか…ファールです」
打球は観客席の方向に切れていった。
事故では、Aの車がコースを右に切れ、対向車Bと衝突したようだ。
道はこの先で右へ切れ、山頂の方向へ進んでいく。
コロケーション
<移動するもの>が
車、球、弾、打球
<道>が
道、コース
<方向>に[へ]
~方向、右、左、斜め、逆
解説
本来まっすぐに進むと考えられる乗り物や打球が、左右に逸れて進んでいく。人が操縦する乗り物だけでなく、人が投げたり打ったりした「球」、さらに実際には移動しないが人がその上を移動する「道・経路」が主語にくる場合もあり、これは曲っている、蛇行していることを表して、「ている」の形が多い。(「道がそこから右に大きく切れている」)。
類義語・反義語
類義語逸れる、曲がる
反義語


19.刃物の性質自動詞中級★★
表記切れる
刃物が鋭利で切れ味がよい。
文型
<刃物>は切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「このナイフはよく切れるね」
切れない包丁ほど手を切りやすいと言われています。
よく切れるハサミを使って切ってください。
この包丁は、買ったばかりの時はよく切れたのだが、手入れが悪くて切れなくなってしまった。
包丁が切れないと料理の味も落ちる。
これは本当によく切れる刀だ。
コロケーション
<刃物>が
包丁、刃物、ナイフ
<程度>
よく、あまり~ない、ぜんぜん~ない
解説
刃物の切れ味のよさを表す形容詞的用法。
類義語・反義語
類義語鋭い、鋭利な
反義語


20.人の性質自動詞上級
表記切れる
人が、思考・判断が鋭く的確で、処理も素早い。
文型
<人>は(頭が)切れる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
佐藤さんは本当に切れる人だ。
ちょっと頭が切れるからって、偉そうにしないでほしい。
「あの人は頭が切れるね」「本当に。脳みそをちょっと分けてほしいよ」
田中さんみたいに頭の切れる人がこのグループにいてくれて助かるよ。
コロケーション
解説
刃物が物をスパッと切るように、物事を素早くきれいに判断・処理する能力を持つ人を表す形容詞的用法。「<人>は頭が切れる」は慣用句としてもよく使われる。


切れるの全体解説 「切れる」の中心義は、一続きだった物がある部分で離れた状態になることである。「切れる」物は「一続き」という特徴を持ち、線状の物でも平面状の物でもよいが、特に刃物などを意図的に用いなくとも分断されやすい糸や線など「線状の物」で多く用いられる。平面状の物の場合は、刃物で切った時のように切り口が直線的である。また、目に見えないものや抽象的なものでも人が「一続きだ」「続いている」と認知する様々なもの(例えば、家並み、電気、通信接続、話、時間、人と人のつながり、人の精神力など)も主格となり、多くの語義を持つことにつながっている。
このように一続きのものがある部分で離れてしまうというイメージから、「切れる」の語義は、継続している(と認知される、あるいはそう期待される)ものが切れることで「終わる」という意味を持つ語義が多く、そこからさらに通常いつもある・蓄えてあるものが「尽きる」「無くなる」という意味(「弾が切れる」「在庫が切れる」)に意味が拡張している。これらとは別に、刃物の性質を表す形容詞的語義もあり(「この包丁はよく切れる」)、それが比喩としてスパッと切るように物事を処理していく判断力・処理力に優れた人の形容ともなっている。
「切れる」の対となる他動詞には「切る」と「切らす」がある。上述の意味拡張の内、大まかには「終わる」を意味する用法には他動詞「切る」が、「尽きる」を意味する用法には「切らす」が対応する。ただし、自・他動詞で語義が対応する場合も意味にかなりずれがあったり、語義によっては対応する他動詞がない場合がある。
























▶全例文を聞く
<もの(線状)>が
出掛けに、靴紐が切れてしまいました。
(小俣和美著 『あっ!と驚くしあわせのコツ』, 1999, 159)
箸で持ち上げるとはプツプツ切れる。
(麺通団著 『恐るべきさぬきうどん』, 2000, 673)
<もの(身体)>が
そのために膀胱内の血管が切れて血尿が出たのです。
(穂積隆信著 『積木くずし』, 1982, 916)
<もの(平面状)が
この感触では、表皮が切れただけで、内臓にまでは達していない。
(ロイス・マクマスター・ビジョルド著;梶元靖子訳 『スピリット・リング』, 2001, 933)
<もの(端)>が
手袋のが切れて血で黒く染まっている。
(折原一著 『灰色の仮面』, 1992, 913)
<様態>と
どんどん走ってきたその山道で、運悪く草履の鼻緒がぷっつり切れた。
神坂次郎著 『勝者こそわが主君』, 1998, 913)
<身体部位>が
右目を丸く赤黒いあざがかこみ、が切れて血をにじませていても、あのときのアキラには内側から輝きでる力があった。
(別册文藝春秋, 2003, 文学/芸術)
<刃物状のもの>で
頬の、ガラスの破片で切れた側を、血がつたい落ちるのが分った。
(ポール・マイヤーズ著;田中昌太郎訳 『死の変奏曲』, 1989, 933)
<堰>が
人々は堤防が切れそうになると、地主や富農から畳を提供してもらい、堤防に運んで堤防が崩れるのを防いだといいます。
(市川健夫,小林詢監修;信州地理研究会編 『長野県の自然とくらし』, 2002, 291)
<ものの水分>が
で、蛇口の水を、細〜く出して、レンズと水を水平にして洗剤を流すと、レンズを拭かなくても、きれいにが切れます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, Yahoo!知恵袋)
<画像>が
インターネットの画面を印刷したいのですが、画面によってが切れてしまいます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, インターネット)
<連なっているもの>が
私と同様、横の車の流れが切れるのを待っていた。
( 『人は涙とともに蘇る』, 1996, 159)
近道はすぐに舗装が切れ、急なつづら折れの坂になった。
(安部公房著 『方舟さくら丸』, 1984, 913)
僕は歩道が切れるまで歩き続けた。
(レーモン・クノー著;宮川明子訳 『オディール』, 2003, 953)
<電源・装置>が
電源ボタンを長押ししても電源が切れません。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家電、AV機器)
<装置・機器(照明)>が
昨日は室内照明の点灯管を2本買い、今日は風呂の電灯がバチッと切れたようです。
(Yahoo!ブログ, 2008, 乗り物)
<装置・機器(空調)>が
15分ほど前なんですが、突然3階のエアコンが切れました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家電、AV機器)
<通信>が
そのままぷつりと電話が切れる。
(渡辺淳一著 『別れぬ理由』, 1987, 913)
<接続>が
CATVのインターネット契約をしているのですが、なぜか接続が数分で切れてしまいます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, インターネット)
ネット回線が切れる事もなく安定したので喜んでいる。
(Yahoo!ブログ, 2008, 季節)
ブログフォルダの名前を変更すると、記事のURLが変わってしまったり、画像のリンクが切れてしまったりすることがあるので、なるべく避けましょう。
(ケイズプロダクション著 『ココログでつくるかんたんブログ&ホームページ』, 2005, )
<言語活動>が
相槌を打ちながら男は、女の言葉が切れる間を見計らって、DKへ行こうとする。
(原田宗典著 『優しくって少しばか』, 1986, 913)
月刊スキージャーナル12月号『道程』内、63ページの本文が途中で切れてしまっています。
(月刊SKI JOURNAL, 2005, スポーツ)
<つながり>が
それ以後は親とはが切れたのと同然になったままだ。
(瀬口黎生著 『潮のわかれ』, 2003, 913)
ピンチのときは四面楚歌に陥りやすいし、日ごろの交友関係がプツリと切れてしまうことも往々にして起りがちだが、そのような苦しさの中で、たまさか心ある人から受ける情けや恩ほど、身にしみてありがたく感じられることはないからだ。
(清水英雄著 『「ありがとう」戦略』, 2003, 159)
<人・組織>と
その人でしたら、もう、この芦田家とは縁が切れたはずです。
(ひかわ玲子著 『惑乱の華』, 1995, 913)
<制限時間>が
松本氏も一年延期の予定でしたが、期間が切れた際は帰国かも知れないと言っている。
(照井定幸著 『マダンザリー回想記』, 2001, 560)
しかし、この規制緩和の推進を担っていた行政改革委員会は、昨年十二月をもって設置期限が切れてしまいました。
(国会会議録, 1998, 本会議)
<日付・時刻>に[で]
今年の6月に現在の文化祭委員の任期が切れることに伴い、新たに文化祭委員を募集します。
(広報なごや 守山区版, 2008, 愛知県)
要介護・要支援認定の有効期限が7月31日で切れる方はお早めに更新手続きをしてください。
(広報とりで, 2008, 茨城県)
<契約・保障>が
俺の住んでるマンション今年で契約が切れるんだけど、来年からお前一緒に住まないか?
(辻村深月著 『子どもたちは夜と遊ぶ』, 2005, 913)
車検が切れてるので公道は走ることが出来ません。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 自動車)
<資格>が
日本語学校に通っていたが、就学期間が終わってビザが切れるとそのまま不法滞在者となった。
(駒村吉重著 『ダッカへ帰る日』, 2003, 334)
<権利>が
一九九〇年代に発売された多くの大型新薬が二〇一〇年前後に相次いで特許が切れる。
(週刊ダイヤモンド, 2005, 経済/経営)
<支援>が
失業給付が切れるまであと一カ月しかないというのに、新たな出費。
(日本LCA著 『再就職・独立・起業成功の法則』, 2004, 366)
<日付>に[で]
一九九〇年代に発売された多くの大型新薬が二〇一〇年前後に相次いで特許が切れる。
(週刊ダイヤモンド, 2005, 経済/経営)
<薬>が
厚くガーゼを当てられた胸は麻酔が切れてきたのか少しずつ痛み始めていた。
(瑞やえ子著 『神様がくれたプレゼント』, 2004, 049)
が切れると、圧さえていた言葉が自然に脳髄から喉に溢れて、口を押さえても黙っていられない。
(見沢知廉著 『調律の帝国』, 1997, 913)
<効力>が
一般的には15〜30分ぐらいで効果があり持続時間は7〜8時間で効果が切れます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 健康、病気、ダイエット)
気分はいくらか良くなってはいたが、どうやら薬の効き目が切れかかっているらしく、胸がまた焼けるように痛みはじめ、息をするごとに痛みがひどくなっていった。
(クレイグ・ホールデン著;近藤純夫訳 『リバー・ソロー』, 1995, 933)
<精神・気持ち>が
集中が切れてわずかにいらつき、浅緋は小さく溜息をつくと、野次馬が駆けていく先へ足を向けた。
(菅沼理恵著 『しろがねの追憶』, 2005, 913)
そして5-5とされ、マッチポイントを逃したということで集中力が切れてしまったか、ここからは普通にラリーもできないくらい見事にボールがコートに入らなくなりました。
(Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ)
<人・言動>に
やろうと思えばやれることを、面倒だから追い払うというあからさまな態度にキレました。
(高橋英子,宇都宮基子著 『Nakata mode』, 2003, 783)
<言動>で
ちょっとしたことでキレる人に、相談する人はいない。
(斎藤茂太著 『「なぜか人に思われる人」の共通点』, 2005, 159)
<もの>が
前に病院からもらったが切れてて、頭痛薬を飲ませました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 健康、病気、ダイエット)
<燃料>が
夜のうちには、部屋のランプの燃料が切れてしまい、暗闇の中でアンデルセンは船のスクリューの音を聞いていた。
(アリソン・プリンス著;立原えりか監修;黒田俊也監訳;小林淳子,籠宮史子,坂田和代,島田智紀訳 『ハンス・クリスチャン・アンデルセン哀しき道化』, 2005, 949)
写真を撮ろうとしたら、バッテリーが切れてました。
(Yahoo!ブログ, 2008, 日本)
<在庫>が
薬も途中で在庫が切れて補充されてましたよ。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 子育て、出産)
<エネルギー>が
使い方にもよるが、電池が切れると、突然パソコンが操作できなくなってしまうので、予備の電池を常に用意しておくことを勧める。
(ネットワークマガジン, 2001, 電気機/電子)
そんな感じだと、すぐに気持ちがいっぱいになり、意欲的に取り組むエネルギーが切れてしまうのも無理はありません。
(萩原光著 『お母さんの抱っこでよい子に育つ』, 2005, 599)
<移動するもの>が
もっとも飛距離の出るのが落ち際に左に切れるドローボールとされています。
(金井清一解説・監修 『金井清一の完全バランススウィング』, 2004, 783)
<刃物>が
そのせいか、包丁が切れなかったせいか、なかなかむけなくて、カメラは回ってるし、私はとても焦った。
(平野レミ著 『平野レミのエプロン手帖』, 1995, 596)






























電話で話をしている時に、声が途切れたり、通話が切れるんです。
食材を使う時、賞味期限が切れていないか、チェックしましょう。
実は……こないだけがをして病院に行ったんだけど、先々月退職したから健康保険が切れていて……。
あ、卵が切れてる。明日のお弁当どうしよう。買ってこなきゃ……。
息が切れる

意味
激しい運動の後など苦しそうに呼吸する
用例
彼女は普段から運動しているので、100メートルくらい走っても息も切れない
コーパスからの用例
運動するのが久しぶりだったので、最初のころは足がすぐにつるし、十分もしないうちに息が切れた。(樋口修吉(著)『花川戸へ』中央公論社1995)(LBj9_00133)
意味
長時間同じことを続けていて疲れる
用例
「ずいぶん長い時間勉強していたから、さすがにもう息が切れたかな。休憩しよう」
コーパスからの用例
しかし、ベトナムで疲れはてたアメリカは、売られた「けんか」を買って核戦力増強に走るのは、なんとか避けたかった。ソ連の方も、この頃になると、さすがに息が切れてきた。(森本良男(著)『冷戦・人と事件』サイマル出版会1995)( LBj3_00149)
しびれが切れる

意味
長い間正座をして足がしびれる
用例
長いお経の後、しびれが切れて立てなかった。
コーパスからの用例
ただし、しびれが切れていたら、「失礼します」と言えば、あぐらをかいてもいい。(米長邦雄著 『宮本武蔵の次の一手』, 2002, 159)
意味
長い時間待たされて待ちくたびれる
用例
「ごめん!待たせて」「もう、しびれが切れたわ
油が切れる

意味
燃料が切れた車が動かないように、人が働かなくなる
用例
「もう油が切れたから一歩も動けない!」
コーパスからの用例
いま一つ元気が出ないんだ」トビーが溜め息をついた。「なんか油が切れた感じだ。もう歳なのかもしれない」(シドニィ・シェルダン(著)天馬龍行/紀泰隆(訳)『私は別人下巻』英アカデミー出版1993) (OB4X_00033)
手が切れる

意味
悪い人やことと関係がなくなる
用例
「息子が悪い友達と手が切れて一安心だ」
コーパスからの用例
東京を離れれば、少しは薬と手が切れるかもしれない―そう思って私も賛成した。大沢在昌(著)『夢の島』双葉社2001)(LBp9_00166)
頭が切れる

意味
非常に頭がよく、素早い思考力、判断力に優れている
用例
あの人は頭が切れすぎて怖いくらいだ。
コーパスからの用例
鈴原は本当に頭が切れるよ。成績のことじゃなく、物事を考える筋道がわかっている。釣巻礼公(著)『滅びの種子』祥伝社1999)(LBn9_00192)
堪忍袋の緒が切れる

意味
ずいぶん我慢したがもうこれ以上我慢できない
用例
「何度言っても素行が良くならない。あなたにはさすがの私も堪忍袋の緒が切れた
複合動詞 V1

切れ上がる、切れ落ちる、切れ込む、切れ下がる
複合動詞 V2

売り切れる、擦り切れる、吹っ切れる
複合名詞

切れ味、切れ者、切れ込み、売り切れ、布切れ
切れる(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
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