生きるのコアイメージ

1.命がある自動詞初級★★★
表記生きる
人・動物・植物が命ある状態で存在する。
文型
<人・動物・植物>が生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私の父方の叔母は元気に百歳まで生きた
水だけで一週間以上生きることは難しい。
このゴキブリ、死んだと思ったけど、まだ生きてる
来年の今頃までは生きられないと医者に言われた。
自分が生きている間に、せめて家族で旅行にでも行きたい。
この細菌は濃い塩水の中でも生きていられるのです。
コロケーション
<時>まで
① 年齢:百歳、九十歳
② 時期:50年後、来年の今頃
<期間>
一週間、20年、300年、1900年から1980年まで
<食物>で
水、食べ物、パン、草、栄養剤
<様態>
健康に、元気に、どうにか、なんとか
<環境>でも
濃い塩水の中、無酸素状態、過酷な自然の中、極寒の地
非共起例
<環境>でも
 チューリップは花壇でも生きている。||〇チューリップは花壇に植わっている
 母は10年に建てた家でも生きている。||〇母は10年前に建てた家に住んでいる
<環境>は命を保つことが可能かどうか問題になるような、過酷なものでなければならない。「チューリップ」にとっての「花壇」、「人」にとっての「自宅」は過酷な環境とは言えない。
解説
「生きる」の「語義1」は、「死ぬ」との対立が問題となるような文脈において使われる。
人・動物について言うのが一般的であるが、植物について「この木は100年以上生きている」と言うこともできる。
誤用解説
「生きる」は「死ぬ」可能性がある状況で使われる。現代では生まれたばかりの子供について、翌日に死ぬ可能性を考えるのは普通ではないため、次のように言うのは不自然である。
 昨日、子供が生まれてね。生きているよ。
〇昨日、子供が生まれてね。元気だよ。
類義語・反義語
類義語息をする
反義語死ぬ


2.特別な環境に命がある自動詞上級
表記生きる
人・動物・植物が特別な環境の下、命ある状態で存在する。
文型
<人・動物・植物>が<時代>を/に生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
これから社会は大きく変わる。我々は変革の時代を生きることになる。
あの作家は我々と同時代を生きている。彼もこの閉塞感を肌で感じているはずだ。
動乱の世に生きた人々にも、それぞれのささやかな幸せがあった。
現代に生きる若者たちは皆、先の見えない不安を抱えている。
その小説には、海辺に生きる人々の日常が淡々と描かれています。
人はみな、限られた命を一所懸命に生きている
コロケーション
<時代>を/に
戦乱の世、中世、混乱期、激動の時代、氷河期
<場所>に/で
海辺、山、国境の町、沙漠
<与えられた状況>を
① 寿命:命、二人分の命
② 状態:繰り返し、日常、現実、運命、自己
<様態>
懸命に、必死に、淡々と、自分の思い通り(に)
非共起例
<与えられた状況>を
 私は命を生きているのです。||〇私は天から奇跡的に与えられた命を生きているのです。
 我々は寿命を生きています。||〇我々は神が運命として定めた寿命を生きているのです。
「命」や「寿命」が<与えられた状況>であることは当然であるので、単に「命を生きる」「寿命を生きる」と言うのは不自然で、「特別な」命や寿命であることを示す必要がある。
<与えられた状況>を
 彼は寿命を生きた。||〇彼は寿命を全うした
「病気などで早く死ぬことなく長生きする」ことは「寿命を全うする」と言う。
解説
「語義1」が「命ある状態で存在する」ことを表すのに対し、この「語義2」は、人が「特別な環境の下で」「命ある状態で存在する」ことを表す。この「語義2」の主体は、一般的には「人」であり、「特別な環境」に対し、強い思いを持っていることが示される。しかし「動物・植物」が主体になることも可能であり、「これらの生物は、環境に適応しながら氷河期を生きた」「砂漠に生きる植物」「野生の小動物はより強い生き物に捕食される運命を生きている」などと言うことができる。その場合、「特別な環境」に強い思いを持っているという意味は持たない。
誤用解説
 あの人は海に生きているんだよ。
この「語義2」の「<場所>に生きる」は文学的な表現であり、日常の会話で用いるとやや不自然である。
類義語・反義語
類義語生活する、暮らす、生を受ける
反義語


3.自立自動詞中級★★
表記生きる
人が自立して暮らす。
文型
<人>が生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
そんなに幼稚な考え方をしていたら、社会人になったとき生きていけないよ。
手伝いの仕事でわずかな給与をもらい、どうにか生きている
勤めていた会社をやめ、ペンで生きる決心をした。
当時は女が一人で生きていくのは大変だった。
これからは自分で生きていってください。
精神的にも経済的にも自立して自分の力で生きると固く決意をした。
コロケーション
<手段>で
① 道具:ペン
② 能力:自分(の力)、一人(の力)、芸
<様態>
どうにか、なんとか
非共起例
<手段>で
 彼は会社員で生きた。||〇彼は会社員として生きた
 彼は教師で生きた。||〇彼は教師として生きた
命を保つ<手段>は、職業や地位ではなく、仕事で用いる道具や能力でなければならない。
解説
「語義1」が単に「命ある状態で存在する」ことを表すのに対し、この「語義3」は、人が、自分自身の能力など社会の中で命を保つ手段を持つことで「命ある状態で存在する」ことを表す。
誤用解説
「ペンで生きる」は、文学的な表現とは感じられるが比較的よく用いられる。しかし「ペン」以外の道具について「<手段>で生きる」と言うと、かなり特殊な文学的表現と感じられる。たとえば「料理人として自立して暮らす」ということを次のように言う場合、文学的なテクストの中に置かれなければ、不自然であると感じられる。
 彼は包丁で生きる決意をした。
 彼はまな板で生きる決意をした。
「ピアノで生きる」「映像で生きる」なども同様に日常的な用法ではない。
類義語・反義語
類義語暮らす、自立する、生活する、生計を立てる
反義語


4.暮らす自動詞初級★★★
表記生きる
人が暮らし方を選択して日々を過ごす。
文型
<人>が生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
何があってもくよくよせず、前向きに生きていこう。
生活に疲れた。私にはもう生きる気力がない。
これからの人生、どう生きればよいのか。
彼は一生を、小さな町の牧師として貧しい人たちのために生きた
私は残りの人生を、海のそばの別荘で趣味に生きることにした。
彼が亡くなった後の残りの人生を、私は思い出に生きている
コロケーション
<場所>で
この国、この町、都会、村、沙漠、海外
<期間>を
老後、これらからの10年、青春、一生、人生、生涯
<様態>
懸命に、前向きに、刹那的に、豊かに、自由に 奔放に 惰性で、正直に、まじめに、自分らしく、思いどおり、精一杯
<目的>に
① 人:困っている人たちのため、家族のため
② 使命:社会を改革するため、よい作品を作るため
③ 日々の暮らしの中で最も重視する事項:学問、趣味、芸(一筋)、愛、過去
<役割>として
人間、人、親、教師、社会人
<共同者>
兄と一緒に、妹と共に
非共起例
<期間>を
 この一週間を自由に生きることにした。||〇この一週間は自由に暮らすことにした。
 今年を海外で生きることにした。||〇今年は海外で暮らすことにした。
<期間>は、人生の中でかなりの部分を占めると感じられるような長いものでなければならない。ただし、「今この瞬間を精一杯生きる」と言うことはできる。「今この瞬間」が人生のすべてと感じられることによると考えられる。
解説
「語義1」が「命ある状態で存在する」ことを表すのに対し、この「語義4」は、「命ある状態で存在する」だけではなく、「暮らし方を選択して日々を過ごす」ことを表す。「日々を過ごす」主体は通常、人であるが、国や植物などを人にたとえて「日本はアジアと手をたずさえて生きるべきだ」「この植物は砂漠で自然と闘いながら生きている」と言うことはできる。しかし、これらはやや文学的な表現であるため「(理科の授業で)この植物は砂漠で生きています」と言うよりも、「(理科の授業で)この植物は砂漠に生えています」と言うほうが自然である。
誤用解説
 彼は自分で建てた家で生きている
〇彼は自分で建てた家で暮らしている
 この民族は、未開の川の上流で生きています
〇この民族は、未開の川の上流で暮らしています
「語義4」は、「暮らし方を選択して日々を過ごす」場合に使われる。したがってどのように暮らしているのかが、何らかの形で示されている必要がある。たとえば次の例のように、「自由気ままに」「周囲と交流を持つことなく」という表現を加えれば自然になる。
〇彼は自分で建てた家で自由気ままに生きている
〇この民族は、未開の川の上流で周囲と交流を持つことなく生きている
類義語・反義語
類義語暮らす、生活(を)する
反義語


5.命があるかのように存在自動詞中級★★
表記生きる、活きる   ※主体が人の場合は「生きる」、物事の場合は「活きる」が使われやすい。
存在しないと考えられるものが、影響力を持って存在する。
文型
<人・物事>が生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
アインシュタインは、いまも物理を愛する人々の心の中に生きている
彼は人々に敬愛されていた。亡くなった後も人々の心に生き、社会に影響を与え続けるだろう。
君がこの世にいなくなっても僕は君のことを忘れない。君は今でもぼくの心の中で生きている
戦前に作られた法律は、その後改正されることなく今もそのまま活きている
先代社長の経営哲学は今なお生きている
あのときの会議で決議された事柄は活きている。変更したいならまた会議を開かなきゃ。
コロケーション
<人・物事>が
① 亡くなった人:(亡くなった)父、(亡くなった)母、(亡くなった)彼、(亡くなった)彼女
② 物事:約束、条約、精神、思い出、哲学
<期間>
永遠に、私が生きている限り
<場所>に/で
心(の中)、思い出の中、記憶(の中)
非共起例
<物事>が
 未成年者との契約書は生きていない。||〇未成年者との契約書は有効ではない
理由
解説
「語義1」が、人などが「命ある状態で存在する」ことを表すのに対し、この「語義5」は、存在しないと考えられる人や物事などが「影響力を持って」存在することを表す。
誤用解説
「生きる」主体が「存在しないと考えられる」ことを示す文脈がない場合「生きる」は、この語義と理解されない。たとえば、
 彼は生きている。(「語義5」として)
と言う場合には、「語義1(命ある状態で存在する)」と理解されるのが自然である。これに対し、次例の場合は「私の心に」という表現があるため、「語義5」と理解される。
〇彼は私の心に生きている
類義語・反義語
類義語有効だ
反義語死ぬ、無効だ


6.ゲームにおいて機能自動詞上級
表記生きる、活きる   ※主体が人の場合は「生きる」、物事の場合は「活きる」が使われやすい。
ゲームに参加中の人などが、勝利に貢献できる状態にある。
文型
<勝負に参加中の人・もの>が生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
打者は一塁に生き、三塁走者もホームを踏んだ。
三塁はアウトになったが二塁のランナーは生きている
捕手の悪送球により、打者は一塁に生きた
囲碁をはじめたければ、石が活きるとはどういうことか、最初に覚えなければなりません。
囲碁をはじめたばかりのとき、どの石が生きているのかよくわからなかった。
この局面を見ると、うまく打てているわけではないようですが、隅の黒石が活きていることは評価できます。
stairsボールはまだ生きているーー!!
コロケーション
<勝負に参加中の人・もの>が
選手、打者、ランナー、石、黒石
非共起例
<勝負に参加中の人・もの>
A:へえ、(テレビで)野球見てるんだ。今、試合どうなってるの?
 B:阪神が勝ってる。この回もチャンスで一塁と二塁にランナーが生きている。||A:へえ、(テレビで)野球見てるんだ。今、試合どうなってるの
 B:〇阪神が勝ってる。この回もチャンスで一塁と二塁にランナーがいる
「生きる」は、ランナーがアウトになるかセーフになるかが問題になるような局面があった後にセーフになったことを示す場合に用いられるのであって、単に一塁と二塁にランナーがいる状況を表す場合にはふさわしくない。
解説
「語義5」が「存在しないと考えられる人・物事」が「影響力を持って存在する」ことを表すのに対し、この「語義6」は、「ゲームに参加中の人やもの」がゲームの勝敗に関与するという意味で「影響力を持つ」ことを表す。たとえば、野球では、塁に出たランナーがアウトにならずにすむこと、囲碁では、一群の石が二つ以上の独立した目を持ち、相手に取られない状態にあることを表す。
この「語義6」は、野球や囲碁の世界でよく用いられるが、テニスで「打ち返された球がライン上にあるなら活きているから、きっちり打ち返せ」と言うことも可能であるし、サッカーで「ゴールポストに当たった球はまだ生きている」と言うことも可能である。
誤用解説
「生きる」は、一対一の戦いに喩えられるようなゲームについて言う場合にしか使えない。したがって、複数のランナーが競う陸上競技で勝敗にかかわる立場にあることを、「生きる」と言うことはできない。
 ランナーはコーナーで転倒し、生きていません
〇ランナーはコーナーで転倒し、棄権しました
類義語・反義語
類義語セーフになる
反義語アウトになる、死ぬ


7.本領を発揮自動詞中級★★
表記生きる、活きる
本来の特性が発揮される。
文型
<本来の特性>が生きる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
塩の使い方ひとつで素材の味が生きるか死ぬかが決まる。
定年後、新しい会社に就職したが、そこでは長年の営業経験が活きた
前半部分を削ることで、文章全体が生きてきた。
あの映画は、一つひとつのセリフが生きていてすばらしい。
舞台では、それぞれの俳優の持ち味が生きるように工夫を凝らした演出をする必要があります。
このお豆腐は大豆の風味がいきている
コロケーション
<本来の特性>が
① 本来の特性:風味、能力、決断力、持ち味、経験
② 工夫をすれば本来の特性が発揮され得るもの:料理、セリフ、文章全体、映像、絵画、作品
非共起例
<本来の特性>が
 今回の会議でも、社長の優柔不断が生きました。||〇今回の会議でも、社長の優柔不断が目立ちました
<本来の特性>は、よいものでなければならない。
解説
「語義5」が「存在しないと考えられる人・物事」が「影響力を持って存在する」ことを表すのに対し、この「語義7」は、物事に本来そなわってはいるが、活用できないために「存在しないと考えられる特性」が「影響力を持つ(発揮される)」ことを表す。
誤用解説
 大臣の処刑の決定にあたっては、独裁的な王の権力が生きた
〇大臣の処刑に決定にあたっては、独裁的な王の権力が行使された
この「語義7」では、活用しなければ発揮されない特性が発揮されることを表すのであって、権力者の持つ権限のように、発揮されるのが通常の特性が発揮されることを表すのではない。
類義語・反義語
類義語引き立つ
反義語死ぬ


生きるの全体解説 「生きる」は、「人・動物・植物が命ある状態で存在する(例:このゴキブリ、殺虫剤をかけてもまだ生きてる!)」(語義1)を基本的な意味とする。ここから「語義2」「語義3」「語義4」へと意味が広がる。このうち、特別な環境下で「命ある状態で存在する」ことを表すのが「人・動物・植物が特定の環境の下、命ある状態で存在する(例:戦乱の世を生きる)」(語義2)である。一方、自分の能力など、社会の中で命を保つ手段によって「命ある状態で存在する」ことを表すのが、「人が自立して暮らす(例:わずかな給与でほそぼそと生きている)」(語義3)である。また、どのように「命がある状態で存在」しているのかに注目したのが、「人が暮らし方を選択して日々を過ごす(例:これからの人生どう生きればよいのか」」(語義4)である。
























▶全例文を聞く
<時>まで
たとえば夫婦一緒に、九十歳まで生きてこられてよかったとか。
(渡辺淳一著 『懲りない男と反省しない女』, 2005, 914)
一時、小康を得ましたが、先日またも悪化し、来年の正月まで生きておられるかどうかすら分かりませぬ
(酒見賢一著 『陋巷に在り』, 2002, 913)
<食物>で
人間は、だけでどのくらい生きられますか。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 動物、植物、ペット)
<様態>
さあ、これからも元気に生きていかなくちゃと自らに言い聞かせる。
(村上春樹著;村上陽子写真 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』, 1999, 915)
<時代>を[に]
乱世の時代を生きた人々は、平時では想像もできないような恐るべき残酷さに直面している。
(篠田正浩著 『私が生きたふたつの「日本」』, 2003, 778)
編者は斎藤幸成で、江戸期を生き、明治になってもながらえた人である。
(司馬遼太郎著 『韃靼疾風録』, 1987, 913)
<場所>に[で]
こうして薩花は、十勝の地に生きる素朴な自然人との交流や、そこに広がる大らかな原生自然を堪能している。
(岩井洋著 『国木田独歩空知川の岸辺で』, 2003, 910)
<与えられた状況>を
彼は公私両面で二人分の命を生きている。
(リン・グレアム作;駒月雅子訳 『砂の迷路』, 2002, 933)
禅という生き方によって、日常生活の現実を生きるというわけです。
(栗田勇著 『白隠禅師の読み方』, 2001, 498)
<様態>
後十年したら…、考えるのがとてもこわい。でも今を懸命に生きるしかないのだ。
(木藤亜也著 『1リットルの涙』, 2005, 916)
<手段>で
ただ、ひとりで、自分流に生きようとしているだけだった。
(ロバート・ジェームズ・ウォラー著;村松潔訳 『スローワルツの川』, 1994, 933)
<場所>で
この都会で生きるのはひどく残酷なことなのだが、誰もそうとは思わぬようだし、また、活字にしようとも思っていないらしい。
(小林信彦著 『昭和の東京、平成の東京』, 2002, 914)
<期間>を
彼女こそ、残りの人生をともに生きるべき女だと思った。
(スティーヴ・ハミルトン著;越前敏弥訳 『狩りの風よ吹け』, 2002, 933)
<目的>に
僕の心の中にもポッカリ大きな空洞ができ、何のために生きているのかわからない。
(栗生守著 『枯れ逝く人』, 2000, 916)
しかし昭和13年に,智恵子は静かに息を引き取り,光太郎とのに生きた生涯を閉じた。
(竹内均編 『竹内均の日本の地誌』, 2000, 291)
<役割>として
哲学とは、ものごとの根本をつきつめ、人間として生きる原理を追い求めるものです。
(盛口襄著 『実験大好き!化学はおもしろい』, 2003, 430)
五十余年を医師として生きてきて、その終わりにこのような悲しいできごとが待っていようとは、思いもかけないことでした。
(山崎敏子著 『告発-人工透析死』, 1998, 916)
<人・物事>が
M先生の心の中に、今も亡き同僚の一史はまだ、生きている。
(清川妙著 『花明かりのことば』, 2003, 914)
少年時代に身延の山を駆け回った経験が、今でも生きているのでしょう。
(山梨県・身延竹炭企業組合編;片田義光著 『竹炭をやく生かす伸ばす』, 2002, 658)
<場所>に[で]
実際にもう会うことは出来ないけど、すべての人との思い出が私の胸の中ではまだ生き続けています。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<本来の特性>が
実にシンプルなものでしたが、にんじんの味、里芋の味など、素材の味が生きていました。
(野崎洋光著 『名人板前日本料理の秘伝』, 2004, 596)






























ボールはまだ生きているーー!!
生きた心地も/がしない

意味
恐ろしくて生きている感じがしない。
用例
ノルマを達成せよと来る日も来る日も厳しく責めたてられ、生きた心地もしない。
コーパスからの用例
いつしかエスキモー犬が現れ、とうとう八十匹全部が集まった。犬にとって、人間の腸で消化しきれない物は最高のごちそうなのだ。二重、三重の輪になって私をとり囲み、キバをむき、うなり声をあげて迫ってくるのだから、生きた心地がしない。(藤木高嶺著『秘境の民の暮らしとこころ』1993)
生きとし生けるもの

意味
生きているすべてのもの
用例
年をとるにつれ、生きとし生けるものへの愛情が深まっていくのを感じる。
コーパスからの用例
白神岳は、今でも地元の猟師にとっては灯台であり、農家にとっては山肌の形で農耕の時期を知る目安となり、天の恵み、地の栄えを多くの生きとし生けるものに与えているのである。(野口信彦著『どうする山のトイレ・ゴミ』2002)
生き馬の目を抜く

意味
他の人を出し抜いて利益を得ることが普通である。
用例
生き馬の目を抜く外交の世界で仕事をしていくには、あの人は人が良すぎる。
コーパスからの用例
自分は人と競うことが苦手で、ましてや生き馬の目を抜くビジネス界で勝ち抜くことなどとても考えられない、という人もたくさんいます。(中山治著『「生き方探し」の勉強法』2002」)
複合動詞 V1

生きながらえる、生きのびる、生き続ける、生き抜く、生き残る、生き返る、生き生きする
複合動詞 V2

生きがい、生き死に、生き写し、生き字引、生き地獄、生き血、長生き
生きる(2グループ)の活用 ▶活用を聞く
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