吹くのコアイメージ

1.噴出他動詞初級★★★
表記噴く、吹く
人や動物や物が、小さい開口部を通して、内部から何かを勢いよく出す。
文型
<人・動物・もの>が<もの>をふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
口から炎をふく大道芸を見て、子どもが泣き出した。
銃声とともに、熊が眉間から血をふいた
ついに火山が火をふき、町を黒煙で覆った。
鯨が潮をふいているところを写真に撮った。
トラックが突然煙をふいたとたん、止まってしまった。
突然の来客に応対している間に、鍋がふいていた
コロケーション
<人>が
選手、兵士、病人、芸人、魔法使い
<動物>が
熊、鯨、ライオン、鹿、いのしし、闘牛
<もの>が
銃、火山、噴出孔、鍋、飛行機、トラック
<もの>を
火、血、潮、水蒸気、煙、湯気、息
<身体>から
口、全身、鼻、傷口、顔、腕
<様態>
突然、急に、どっと、勢いよく、一斉に
非共起例
<もの>を
 その俳優はどんなシーンでもすぐに涙をふくことができる。
 その俳優はどんなシーンでもすぐに涙を出すことができる。
 その俳優はどんなシーンでもすぐに涙を流すことができる。
「涙」は勢いよく出るものではないため。
解説
人や動物や物が、それ自体にある亀裂やすき間、傷口など小さい開口部を通して、その内部から、何かを勢いよく出すことを表す。それは突然のことであることが多い。
誤用解説
「ふく」は突発的に内部から出されることを表し、下の例のように、ある程度の時間、意識的に息を放出することには使えない。
 息をふきながら、上体を起こしましょう。
 息をはきながら、上体を起こしましょう。
類義語・反義語
類義語出す、吐く
反義語


2.接触他動詞初級★★★
表記吹く
人が呼気をものに当てる。
文型
<人>が<もの>をふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
スープはまだ熱いから、ふうふうふいて冷ましたほうがいい。
彼はときどき前髪をふくくせがある。
もっと強くふかないと、ろうそくの火は消えないよ。
絵具を早く乾かそうと、一生懸命ふいているうちに苦しくなってきた。
息子に風車をふかせてやった。
みんなで一緒にたんぽぽの綿毛をふこう
コロケーション
<人>が
子ども、友だち、生徒、客、役者
<もの>を
ろうそく、スープ、髪、風車、ほこり、砂
<様態>
そっと、静かに、ふうふう(と)、一気に、みんなで
<道具>で
ストロー、筒、パイプ、管、鼻息
非共起例
<もの>を
 大きく息を吸ってから、ガスの火をふこう
 大きく息を吸ってから、ろうそくの火をふこう
<もの>は、呼気によって動いたり、弱くなったりする程度のものでなければならないため。
<もの>を
 風呂のお湯が熱すぎたのでふいて冷まそう。
 お茶が熱すぎたのでふいて冷まそう。
<もの>が液体の場合、呼気によって温度の低下が期待される量でなければならない。
解説
この語義は、人が口腔内から気流を出し、それをものに当てることを表す。語義1では、内部から何かを出すことを表していたが、この語義では内部から出されるものは「人の呼気」に限られる。また、語義1では内部から出るものがヲ格で示されるが、この語義では、呼気が当てられるものがヲ格で示される。そして、呼気との接触の結果として、そのものが動いたり変化したりすることを表す。
誤用解説
 部屋を真っ暗にするため、ろうそくの火をふいた
 部屋を真っ暗にするため、ろうそくの火をふいて消した。
「ふく」の対象物は呼気との接触によって変化や移動はするが、消滅はしない。そのため、対象物の消滅までを示すのであれば、上の例のように「消す」と言う必要がある。
類義語・反義語
類義語当てる
反義語


3.吹奏他動詞初級★★★
表記吹く
人が楽器などに呼気を通すことで音を出す。
文型
<人>が<もの>をふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
口笛をふくと、愛犬が駆け寄ってきた。
トランペットのふき方を教えてください。
こんな夜遅くに笛をふいているやつはだれだ。
僕にもハーモニカをふかせて
先生はオカリナをふかれたことがありますか。
リコーダーでメヌエットをふいてみた。
コロケーション
<人>が
演奏者、子ども、教師、牧童、車掌
<楽器>を
ラッパ、ハーモニカ、オカリナ、笛、サックス、ホイッスル
<楽曲>を
メヌエット、第一楽章、行進曲、祭りばやし、主旋律
<様態>
勢いよく、突然、細く、うるさく、ピーっと
<手段・方法>で
フルート、一人、みんな、タンギング、強めの息
<場所>で
ホール、教室、公園、人前、結婚式
非共起例
<楽器>を
 ギターをふく
 ギターをひく
「ふく」で用いられる楽器は、人の呼気によって音が出るものに限られるため。
解説
この語義は、人が口腔内から気流を出し、その通気によって楽器から音を出すことを表している。語義1では、内部から何かを出すことを表していたが、この語義では内部から出されるものは「人の呼気」に限られる。また、語義1では内部から出るものがヲ格で示されるが、この語義では、楽器がヲ格で示される。そして、楽器に呼気が入り、その結果として音が出るところまで、この語義は表している。
なお、その楽器を使って演奏を行う場合は、「<楽器>で<楽曲>をふく」という形をとる。
誤用解説
語義解説で示したように、「楽曲」ではなく、単に音を出す場合は、「大きな音をふく」の形は取らない。
 ハーモニカで大きな音をふいた
 ハーモニカで大きな音を鳴らした
 大きな音でハーモニカをふいた
類義語・反義語
類義語弾く、鳴らす
反義語


4.気流自動詞初級★★★
表記吹く
大気中に風が生じる。
文型
<風>がふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この辺りは毎年3月の終わりごろ、北から強い風がふく
北からの風さえふけば、この戦いは必ず勝てる。
これだけすき間風がふいていると、まるで外にいるようだ。
今日は追い風がふいたおかげで、いいタイムが出た。
突風にふかれて、帽子が飛んで行った。
こんなに風がふかなかったら、飛行機は定刻通りに離陸できたのに。
コロケーション
<風>が
強風、北風、季節風、追い風、すき間風、突風、神風、嵐、木枯らし
<様態>
強く、猛烈に、突然、ゴーッと、爽やかに、心地よく、そよそよ(と)、時折
<期間>
一日中、一週間、明日にかけて、昨夜から、しばらく
<方向>から
山の上、海、外、谷、頭上
非共起例
<風>が
 台風がふく
 強風がふく
「台風」は「風」の種類ではなく、熱帯低気圧の一つであるため。
解説
大気中に気流が発生することを表す。
語義1の特徴<何かを勢いよく出す>は、そのあと噴出物が空気中に流れることにつながる。この点から、空気の流れを表す自然現象を表すのに転用されている。
誤用解説
 外は強風がふきます
 外は強風がふいています
「風がふく」は未来において風が生じること表す。発話時点で気流が確認されるのであれば、「ふいている」の形にしなければならない。
類義語・反義語
類義語発生する
反義語やむ


5.表出他動詞中級★★
表記吹く
体や物の中から、その成分が表面に生じる。
文型
<体・もの>が<もの>をふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
そろそろ若木が芽をふく季節だ。
乾燥すると、おでこが粉をふいたようになる。
鍋をゆすり、じゃがいもが粉をふくまで水分を飛ばします。
炎天下の中、連日外回りをしていたら、ワイシャツが汗で塩をふいた
公園の銅像は全体に緑青をふいていて、風格を感じさせる。
暖かくなると苗の根元に新しく芽がふいて、やがて葉も茂り始めた。
コロケーション
<体>が
おでこ、鼻、口、首筋、頭皮
<もの>が
木、花、野菜、シャツ、金属
<もの>を
芽、塩、汗、粉、緑青
<様態>
少しずつ、知らぬ間に、急に、次第に、かすかに
非共起例
<もの>を
 古くなったパンがカビをふいた
 古くなったパンにカビがはえた
「カビ」も物の表面に発生するものだが、内部から生じるものではなく、外部から付着し、それが表面上に広がったものと考えられるため。
<もの>を
 ひまわりがようやく芽をふいた
 ひまわりがようやく芽を出した
この語義は、「若木」における「芽」のように、その成分として考えられるものでなければならない。しかし、この例で表されているのは土中の種子から出た「芽」が土の表面に突き出た様子である。
解説
何かの内部にある成分が、その表面上に生じることを表す。
この語義は、語義1の〈その内部から何かを出す〉という部分から拡張された意味である。
なお、表出する成分に注目して、例えば「枝に芽がふく」のように、「<もの>がふく」という形をとることもある。
誤用解説
 暖かくなり、毎日少しずつ芽をふいている
 暖かくなり、毎日少しずつ芽を出している
テイル形は結果状態を表し、継続は表さない。
類義語・反義語
類義語出す・生じる・発生する
反義語


6.誇張自動詞上級
表記吹く
自分には、他の人にはないものがあるように見せるために、事実とは異なることを言う。
文型
<人>がふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あのお客さんは酔うといつも「俺は有名俳優と親友だ」とかふくものだから、だれも寄り付かない。
久しぶりに会ったおじさんに、自分は若い頃どうだったとか、さんざんふかれてまいったよ。
すぐにばれるのに、そんなにふいてばかりいると、誰にも信用されなくなるからやめなさい。
部長の話は本気で聞かないほうがいいよ。ふく人だから。
その話、本当ですか?まさか、ふいているんじゃないでしょうね。
うちの近所にも、あることないこと何でもふいて回る人がいるよ。
コロケーション
<人>が
客、同僚、友人、親戚、近所の人
<内容>と
昔はけんかがとても強かった、逃がした魚は50cmはあった、電話一つで子分が100人集まる、都心にマンションを5つ持っている、人気俳優と親友だ
非共起例
<内容>と
 熱があるとふいて学校を休んだ。
 熱があるとうそをついて学校を休んだ。
この語義は、事実と異なることを言うことによって、他者よりも主体自身を大きく見せようとするものである。この場合の「熱がある」というのは、事実と異なることではあるが、自分を大きく見せようとするものではないため。
解説
この語義は、人が「他の人にはないものが自分にはある」と他者に言うことを表す。しかし、この「他の人にはないもの」は、実際にはその人にもない、あるいは、あったとしても平凡な程度にすぎない。
この語義における<発言>とは、人の口、すなわち語義1における<開口部>から言葉が発せられることである。そして、<事実とは異なる発言>というのは、語義1における<内部から勢いよく出されたもの>からの拡張である。<内部から勢いよく出されたもの>が空気中に広がっていくように、<事実とは異なる発言>も実態が確かではない。
誤用解説
 以前、あいつにだまされたから、今回はこっちがふいてやろう。
 あいつはいつもふくやつだから、だまされないようにしよう。
この語義の用法は、話者が他者の発言行為に対し、批判的な見方を示すものである。したがって、その発言主体は他者でなければならない。
類義語・反義語
類義語うそをつく
反義語


7.鋳造他動詞上級
表記吹く
高温化した鉱石に空気を送り込んで、純度と強度の高い金属を作る。
文型
<人>が<もの>をふく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
純度の高い銀をふくには、もっと燃料を足さなければならない。
たたら場でふかれた鉄は農具や武器に加工された。
弟子に初めてふかせた鋼はひび割れてしまった。
当時は、ふいた青銅に鉛を混ぜて鐘を造っていたようだ。
ふいごを使って金属をふいている職人はほとんどいなくなった。
今回の作品の原料は伝統的製法でふこうと思う。
stairsあとで、鋳物を吹くところを見てみましょう。
コロケーション
<人>が
職人、親方、弟子、鍛冶屋、農民
<もの>を
鉄、鋼、青銅、鉛、銀
<道具・手段>で
ふいご、たたら、高温、伝統的製法、溶鉱炉
<様態>
熱心に、休みなく、寝ずに、交代で、汗をかきながら
<場所>で
工場、工房、たたら場、屋外
非共起例
<もの>を
 高熱で石炭をふく精錬法です。
 高熱で鉄をふく精錬法です。
「石炭」は燃料であるため。ヲ格には「鉄」のように、精錬された金属が示される。
<もの>を
 ダイヤモンドをふく
 ダイヤモンドを採掘する
「ダイヤモンド」は結晶であり、鉱石に含まれる金属ではないため。
解説
この語義は鉱石に空気を送り込んで高温化し、純度の高い金属を取り出したり、強度を高めることを表す。
もともと金属の精錬のために「ふいご」という道具を使い、大量の空気を火に送り込むことで、高温化させていた。これは、語義2の特徴<呼気をものに当てる>からの拡張だと考えられる。語義2では、呼気が当てられたものは変化や移動を期待されている。この関係性が、この語義において「金属の精錬」に拡張されていると考えられる。
誤用解説
金属を精錬して製品を作る場合は「ふく」は使えない。
 新しく寺の鐘をふく
 銅をふいて、新しく寺の鐘をつくる
類義語・反義語
類義語作る
反義語


吹くの全体解説 各語義の解説を参照。
























▶全例文を聞く
<人>が
スミ江がふっと紫煙を吹く。
(有澤透世著 『世界のキズナ』, 2005, 913)
<動物>が
それはクジラが潮を吹くように、肺活量が大きかった。
(ネルソン・ボンド作;亀山竜樹訳 『宇宙人ビッグスの冒険』, 1986, )
<もの>が
機関銃が火を吹いている姿が見えた。
(北山猛邦著 『『瑠璃城』殺人事件』, 2002, 913)
まして火山が火を噴き、溶岩流が流れ出し、いまにも人家を飲みこもうという図は、見ていてじつに興奮する。
(嵐山光三郎著 『気分の構造』, 1988, 914)
<もの>を
怪獣はまた、を噴きはじめた。
( 『シルクロード糸綢之路』, 1981, 292)
ビンの口に唇を当て、を吹くと音が出る、それを応用したのがこの缶オカリナです。
(かざまりんぺい著 『本当の遊びが子どもの能力を伸ばす』, 2002, 379)
<身体>から
けれど、コンスタンティおじさんは、煙のかたまりを口から吐きだすかわりに、から吹いた!
(川村二郎ほか編 『集英社ギャラリー「世界の文学」』, 1989, 908)
テオフィラとサラのからも、やはり鮮血が噴きだしていた。
(五島勉著 『ノストラダムスの大予言』, 1981, 147)
<様態>
大砲や銃器が一斉に火を噴き、山林が銃火に薙ぎ倒されて山相が変った。
(森村誠一著 『西郷斬首剣』, 2004, 913)
息を整えるために立ちどまると、体が思いだしたようにどっと汗を噴いた。
(連城三紀彦著 『牡牛の柔らかな肉』, 1996, 913)
<もの>を
ガラスに貼りついたを息で吹いて時計を見ると、鋼鉄の針は十時をいくらか過ぎたところを指していた。
(久世光彦著 『陛下』, 1996, 913)
便所に行く途中で、ゴムの葉の上にたまったほこりを、私はふっと吹いたりする。
(川上弘美著 『龍宮』, 2002, 913)
<様態>
汗をかいている銭を返しちゃ、山嵐がなんとか言うだろうと思ったから、机の上へ置いてふうふう吹いてまた握った。
(夏目漱石著 『坊っちゃん』, 2004, 913)
と、香子は進み出ると、細い筒を口にくわえて、フッと吹いた。
(赤川次郎著 『寝台車の悪魔』, 1991, 913)
<道具>で
それでホコリをかぶってしまうのだが、軽いホコリぐらいだったら、でフッと吹くのが一番いい。
(永田美穂と平成暮らしの研究会編 『ヨゴレを落とす裏ワザ・隠しワザ』, 2002, 597)
<人>が
荷車の屋上では、鎧を着たがクラリネットを吹いていた。
(F.クライン=ルブール著;北沢真木訳 『パリ職業づくし』, 1995, 382)
<楽器>を
夕方になると、ラッパを吹いておとうふ屋さんがとうふを売りにくる。
(盛口襄著 『いま、プラスチックが新しい』, 1994, )
そこには他のユーゴスラヴィア人も大勢いて、歌ったり、踊ったり、ハーモニカを吹いたりした。
(パトリック・ベッソン著;朝比奈弘治訳 『ダラ』, 1992, 953)
<楽曲>を
陽一郎を真似て、やさしいをカノンで吹くのが楽しかった。
(落合恵子著 『バーバラが歌っている』, 1993, 913)
なにかのメロディを口笛で吹き、パイプに火をつけると、ドアを大きく開けて、雨が降っているかどうかたしかめた。
(ジャン・レイ作;榊原晃三訳 『地下の怪寺院』, 1987, )
<手段・方法>で
日によって辻は尺八で「トロイメライ」を吹くことがあった。
(瀬戸内晴美著 『諧調は偽りなり』, 1987, 913)
<場所>で
リコーダーというのは、小学校の子供たちが学校で吹いているあの縦笛である。
(斎藤茂太著 『いま家族しか子供を守れない』, 1996, 367)
<風>が
どこからともなく、そよ風が吹いてきた。
(ジョン・グリシャム著;白石朗訳 『ペインテッド・ハウス』, 2003, 933)
冬がまだ去らない野山を春一番が吹いている。
(辰濃和男著 『「私流」を創る』, 2003, 914)
<様態>
突然、風が強く吹いた。
(沙藤一樹著 『プルトニウムと半月』, 2000, 913)
ひんやりと、古い物置の床下の臭いのような風が吹いていた。
(安部公房著 『密会』, 1977, 913)
<期間>
風は夜通し吹きつづけ、朝になってもまだ吹いていた。
(残雪著;近藤直子訳 『黄泥街』, 1992, 923)
<方向>から
この木は、から吹く風をよける役割も果たす。
(ルカ・インヴェルニッツィ・テットーニ写真;ジャンニ・フランチョーネ文;山下理恵子訳 『バリ・モダン』, 2004, 523)
風もあらゆる方角から吹いてくる。
(リンダ・ホーガン著;浅見淳子訳 『大地に抱かれて』, 1996, 934)
<体>が
顔も、額と鼻の頭が、あまり汗を吹くのでひりひりしていました。
(阿部初枝著 『看護婦一年生』, 1988, )
<もの>が
そして復活祭が近づき、街路樹が芽を吹いて、パリ全体が温かい靄の中で光り出すと、懐に一文もなくても幸福を感じた。
(高田博厚著 『フランスから』, 1999, 702)
<もの>を
北側の道路沿いに植えてあるモミの木が鮮やかな黄緑色の新芽を吹き始めました(写真6・7枚目)。
(Yahoo!ブログ, 2008, 住まい)
年を重ねると冬はカサついてを吹いた様に乾燥するんです。
(Yahoo!知恵袋, 2005, Yahoo!知恵袋)
<もの>を
あんだもご存じのとおり、を吹くには大量の薪炭が必要だ」
(西木正明著 『養安先生、呼ばれ!』, 2003, 913)






























あとで、鋳物を吹くところを見てみましょう。
ほらを吹く

意味
実際とはまったく異なる規模の話をして、それを他人に信じ込ませようとする。
用例
彼はよくほらを吹くから、話を本気で聞かないほうがいいよ。
コーパスからの用例
「終戦直後には荒木虎美のようなホラを吹くよたれんどもが、ぎょうさんおった。 特攻帰りを吹聴するが、特攻はもとより、予科練とは名ばかりの雑用係です」(日高恒太朗『不時着』,2004,210)
風を吹かせる

意味
相手に対してどのように接しようとしているか、その態度に表れている。
用例
あいつは、俺より3か月早く入社したというだけで、いつも先輩風を吹かせるから、あまり付き合いたくない。
コーパスからの用例
小夜子は末っ子のせいもあって人一倍甘えるたちなのに、隆の前では姉貴風を吹かせているようだった。(真野朋子『わたしから好きになる』,1992,914)
羮に懲りて膾を吹く

意味
一度失敗したことで、必要以上に慎重になり、なかなか行動しようとしない。
用例
海でおぼれかけたからと言って、プールにも行こうとしないなんて、羮に懲りて膾を吹くようなものだ。
コーパスからの用例
もしここに何か悪い物を食って当った人間が、それに懲りて、羮に懲りて膾を吹くどころじゃない、飲食も止めてしまったらどうなるか。(安岡正篤『この国を思う』,1996,304)
毛を吹いて疵をもとめる

意味
他人の弱点や失敗を細かく調べ上げ、追及しようとする。
用例
そんなふうに相手の毛を吹いて疵をもとめるようなことばかりしていると、いつか自分も同じ目に遭うよ。
コーパスからの用例
虎の威を借る狐というが、代理店はしばしば広告主の威を借りる。広告主は怒ってないばかりか気がついてもいないのに、代理店が毛を吹いて疵を求めるのである。(山本夏彦『世は〆切』,1999,049)
風が吹けば桶屋がもうかる

意味
ある出来事によって、意外なところに影響が生じる。
用例
感染症流行でリモートワークが進んだために、肥満対策グッズの売れ行きが伸びるなんて。風が吹けば桶屋がもうかるとは、よく言ったものだ。
コーパスからの用例
風が吹けば桶屋が儲かる的な屁理屈かも知れないし、かなり釈然としないところが残るけれども、つまるところ、死せる西郷どん、生ける漱石を「筆は一本」の決意に走らす、ということになるんである。(半藤一利『漱石先生お久しぶりです』,2003,910)
複合動詞 V1

ふきこぼす、ふきこぼれる、ふき出す、ふき込む、ふき上げる、ふき上がる、ふき下ろす、ふき飛ぶ、ふき飛ばす、ふき荒れる、ふきさらす、ふきすさぶ、ふき抜ける、ふき消す、ふき返す、ふき鳴らす、ふきかける、ふき付ける
複合動詞 V2

芽ぶく、うそぶく
複合名詞

ふきさらし、ふき流し、ふき口、ふきだまり、ふき抜け、ふき付け、ふき上げ、ふき下ろし、霧ふき、風呂ふき、ほらふき
吹く(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
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~なかったなかった
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~ませんふきま
~ましたふきした
~ませんでしたふきまんでした
~ときくとき
ば形けば
意向形
て形いて
た形いた
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