あるのコアイメージ

1.物の存在自動詞初級★★★
表記ある
(ある時点やある期間において、あるところに)1つ、もしくは複数のものが存在する。
文型
<もの>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
リンゴがある
机の上に古い写真が3枚あります
あの山にはまだ少し雪があるかもしれない。
「LサイズのTシャツはどこにありますか」「今、在庫を確認してきますね」
信号があれば安全に通行できるというわけではない。
もしその物質が本当にあったとしたら、科学の常識が覆ることになる。
stairsすみません、子供服は何階にありますか
コロケーション
<場所>に
中、上、下、近く、机
<様態>
いろいろ、たくさん、少し、1つ、まだ
<時間>
かつて、今、現在
非共起例
<様態>ある
 犬が2匹ある
 犬が2匹いる
「ある」は、「1個」、「2つ」など、ものの数を表す要素と共に用いることができるが、「1人」、「2匹」など、人やその他の動物の数を表す要素と共に用いることはできない。(人やその他の動物の存在を表す際は、「ある」ではなく「いる」を用いる。)
解説
ここでの「ある」は、何が存在しているか、もしくはあるものが存在しているかどうか、という状況において、あるものが存在しているということを表す際に用いる。「ある」という動詞の最も基本的な意味である。なお、「あるもの」とは、主に視覚や触覚などの感覚によって捉えることが可能な物体である。ただし、生物(人やその他の動物)の存在を表す場合には「いる」を用いる。例外として、「あそこにタクシーがいる」、「前にいるトラックがなかなか進まない」などは、「ある」のみではなく「いる」も用いることができる。生物ではない物体(乗り物)であっても、動作主体(運転手)の存在を前提とした、動きのある物体として位置づけることで、「いる」を用いることができるのである。
誤用解説
あるものが存在しないことを表す際には、「ある」を否定形(ない形)にするのではなく、形容詞の「ない」を用いる。(この点は、「ある」の他の語義においても同様である。)
 昨日買ったはずのお菓子があらない。
 昨日買ったはずのお菓子がない。
また、丁寧体で、「ある」の後に「と思います」や「と考えます」などが続く場合には、「ある」は丁寧体にしない。(この点も、「ある」の他の語義においても同様である。)
 冷蔵庫の中にケーキが1個ありますと思います。
 冷蔵庫の中にケーキが1個あると思います。
類義語・反義語
類義語存在する
反義語ない


2.事の存在自動詞初級★★★
表記ある
(ある時点やある期間において、あるものやあるところに)物事が存在する。
文型
<こと>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今日の遅刻には正当な理由がある
この車には重大な欠陥があります
書類に問題があれば教えてください。
新しい薬にはどのような効果があるのだろうか。
トラブルを避けるための良い方法があったら知りたいものです。
機会があっても、それを生かさなければ意味がない。
コロケーション
<様態>
いろいろ、たくさん、少し、必ず、1つ
<時間>
かつて、今、現在、ずっと
非共起例
<様態>ある
 効果が少ししかある
 効果が少しだけある
 効果が少ししかない
ある物事の存在のみを限定して、他の事柄の存在を否定する際に用いる「しか」という助詞は、必ず動詞の否定形(ない形)や形容詞の「ない」と共に用いる。したがって、「ある」と共に用いることはできない。なお、「しか」と同様に、必ず動詞の否定形や形容詞の「ない」と共に用いるために、「ある」と共に用いることができない要素として、「全然」、「全く」、「ちっとも」などの副詞も挙げられる。(これらの点は、「ある」の他の語義においても同様である。)
解説
ここでの「ある」は、どんな物事(事柄)が存在しているか、もしくはある物事(事柄)が存在しているかどうか、という状況において、ある物事(事柄)が存在しているということを表す際に用いる。用いられる状況、および「存在」を表す(「存在」が認められる)という点は語義1と共通している。
誤用解説
「ある」と「存在する」は意味が類似しているが、「存在する」を用いるのは主に硬い文体の場合である。したがって、例えば同等の立場の相手や目下の相手とのくだけた会話(普通体での会話)で「存在する」を用いると不自然である場合が多い。(この点は、語義1も同様である。)
類義語・反義語
類義語存在する
反義語ない


3.人の存在自動詞上級
表記ある
1人、もしくは複数の(静的に捉えられる)人が存在する。
文型
<人>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この問題に異論のある人もある
むかし、むかし、おじいさんとおばあさんがありました
会議中に居眠りをしている議員があっても議長は注意しない。
無償の愛を信じる者もあれば、そうでない者もある
今回のイベントでは、予想を上回る参加者があった
交通事故は相手のある問題だからこそ、解決が難しいケースも多いのです。
コロケーション
<様態>
たくさん、多く、少し、多少、1人
非共起例
<人>がある
 馬がある
 馬がいる
「ある」を用いることができるのは、主体が人間の場合のみである。したがって、人間以外の生物の存在を表す場合には、「ある」を用いることはできず、通常、「いる」を用いる。
解説
ここでの「ある」は、どんな人が存在しているか、もしくはある人が存在しているかどうか、という状況において、ある人が存在しているということを表す際に用いる。用いられる状況、および「存在」を表す(「存在」が認められる)という点は語義1と共通している。なお、語義1では存在する主体が「もの」であるが、語義3では「人」である。語義1における「もの」は通常、自らの意志で動くことはない。このことと関連して、語義3でも、存在の主体である「人」の、自らの意志に基づいて動くという(本来、人が持っている)特徴は認識されず、「人」の存在(の有無)のみが捉えられる。つまり、特定の時間や空間に関わらない、もしくはそれらに明確に位置づけない形での、「人」の存在を表すのが語義3であると言える。
誤用解説
特定の時間や空間に明確に位置づけられる「人」の存在を表す場合には、「ある」ではなく「いる」を用いる。
 さっき、駅前に、山田君のお兄さんがあったよ。
 さっき、駅前に、山田君のお兄さんがいたよ。
類義語・反義語
類義語存在する、いる
反義語いない


4.ある場所での物の存在自動詞初級★★★
表記ある
(ある時点やある期間において)空間的な広がりを有するあるものがあるところに位置している。
文型
<もの>が<場所>にある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
自由の女神像はニューヨークにあります
本社はたしか名古屋市にあるはずです。
「新しくできたカフェはどこにあるの?」「金沢駅のすぐ近くにあるよ」
この銀行は、かつては駅前にあったのですが、昨年の7月にここに移転しました。
大間崎は本州最北端にある岬です。
羽咋市は石川県にあります
コロケーション
<場所>に
近く、そば、遠く、真ん中、○○県(地名や国名など)
<様態>
ずっと、今も、かつて、昔、3年前
非共起例
<場所>にある
 自由の女神像はニューヨークあります。
 自由の女神像はニューヨークあります。
助詞の「で」と「に」はいずれも場所を表す際に用いる。ただし、「で」は「ドイツで勉強する」「体育館で走る」のように、行為を行う場所を表す際に用いる。「自由の女神像はニューヨークにある」「彼は今、ニューヨークにいます」のように、ものや人が存在する場所を表す際には、「に」を用いる。
解説
語義4は語義1と、あるものの存在を表すという点では共通している。ただし、語義4は語義1よりも限定的に、ある場所におけるものの存在を表している。したがって、語義4は通常、あるものが存在するという事実を前提として、そのものがどこに位置しているか、という文脈において用いられる。なお、語義4は、「Aは(が)Bにある」という形で用いられることが多い。このとき、Aが建物、会社、店などである場合には、BはAの存在する場所となる。また、Aが地名である場合には、Bは(Aを部分として含む)さらに広域の地名となる。
類義語・反義語
類義語位置する、存在する
反義語ない


5.所有物の存在自動詞初級★★★
表記ある
ある1人、もしくは複数の人(によって構成される組織や団体)が所有しているあるものが存在する。
文型
<人・組織・団体>は[に・には]<もの>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
山口さんは多くの財産がある
石田先生には良い車があるらしいですね。
「もしあなたに1億円あったら、何に使いますか?」「まずは、大きな家を建てたいと思います」
父の会社には、かつて莫大な借金があって、父もとても苦労したそうだ。
あの国には極めて多くの軍事機器があり、それらは諸外国に輸出されているようだ。
あそこの花屋さんに珍しい花がたくさんあることを最近知りました。
コロケーション
<様態>
多く、たくさん、少し、少々、多少
解説
語義5も語義1と同様、ものの存在を表す。ただし語義5においては、存在しているのが、ある人、組織、団体などによって意志的に所有されているものに限定される。
誤用解説
語義5は、あくまでも「ものの存在」に最も焦点が置かれている。したがって、「ものの存在」よりも、「ある人による意志的な所有」に焦点が置かれる場合には、「持つ」(持っている)や「所有する」(所有している)などが用いられる。このことに関連して、「ある」においては、存在しているものは助詞の「が」を伴って表され、そのものの所有者は助詞の「は」、「には」、「に」を伴って表される。一方「持つ」においては、存在しているものは助詞の「を」を伴って表され、そのものの所有者は助詞の「は」、「が」を伴って表される。
 山田さんが莫大な財産をある。
 山田さんは莫大な財産が持っている。
 山田さんは[には]莫大な財産がある。
 山田さんは[が]莫大な財産を持っている。
類義語・反義語
類義語存在する、持つ、所有する
反義語ない


6.生物・ものの数量自動詞初級★★★
表記ある
ある生物やものに備わっている一定の数量(重さ、長さ、高さ、距離、数)が存在する。
文型
<人・生物・もの>が[は]<数量詞>ある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
伊藤さんは170センチある
父はかつて、体重が90キロもありました
「東京スカイツリーの高さって、どれくらいだっけ?」「確か、634メートルあるはずだよ」
ここから目的地までは20キロほどあるので、さすがに徒歩で行くのは厳しいのではないでしょうか。
昨日釣った魚は1メートル以上もあって、さばくのがとても大変だった。
頭が2つあるワニが発見されたというのは、本当ですか?
stairsもう7キロもあるのよ。
コロケーション
<起点>から
ここ、出発地、スタート地点
<着点>まで
そこ、あそこ、目的地、ゴール地点
<時間>
今、かつて(は)、昔(は)、ずっと
非共起例
<時間>ある
 伊藤君はいつか90キロあるかもしれない。
 伊藤君はいつか90キロになるかもしれない。
「いつか」、「これから」、「今後」などを伴って、将来(未来)のある時点で人、ものが(変化を経て)ある数量を有するようになる場合、「ある」を用いることはできず、「(に)なる」を用いる。
解説
語義6は語義1と、あるものの存在を表すという点では共通しているが、語義6では単に存在を表すのではなく、ある数量を有するもの(もしくは人)の存在を表す。なお、基本形「ある」を用いる場合には現在(現時点)での数量を、タ形「あった」を用いる場合には過去の数量を、それぞれ表す。ところで、ここでの「ある」は数量詞を必要とするが、通常、数量詞は「が」、「は」といった助詞を伴わない。ただし、表される数量がおよそのものである場合には、数量詞の直後に「ほど」「くらい」「程度」などを伴う。また、表される数量が一定水準以上(予想以上)である場合には、数量詞の直後に「以上」「も」などを伴う。
誤用解説
ここでの「ある」は数量詞を必要とするが、通常、数量詞は「が」、「は」といった助詞を伴わない。
 父は90キロがある。
 父は90キロある。
類義語・反義語
類義語有する
反義語ない


7.実現する物事自動詞初級★★★
表記ある
ある時点において実現する、ある出来事、行為が存在する。
文型
<こと>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
来週、お祭りがある
昨夜、突然の地震がありました
事故があってからでは遅いですから、気を付けて運転してくださいね。
もし来週の木曜日にも会議があれば、一緒に食事に行く日をまた延期しなければならないのですが・・・。
「課長、来月、何が行われるんですか?」「社長から新商品についての発表があるそうだよ」
一言くらい謝罪があっても良いのに。
stairsあら、会社で飲み会でもあるの?
コロケーション
<こと>が
地震、事故、会議、発表、謝罪、イベント
<様態>
急に、やっと、ようやく、突然、きっと
<時間>
昨日、去年、先月、今日、明日、来月、来年
非共起例
<時間>ある
 今、お祭りがある
 今、お祭りが行われている
 今、お祭りをしている
語義7で「ある」が基本形で用いられる場合、現時点(発話時点)ではなく、現時点(発話時点)以降の出来事や行為の実現を表す。したがって、現時点での実現を表したい場合には、「行われている」、「している」などを用いる。
解説
語義7では、ある出来事(人によってコントロールされずに生じる物事)や行為(人によって行われる物事)の実現を表す。ある物事の有無(における「有」)を話題にしているという点で、語義7は語義2と共通している。ただし、基本形(「ある」)で用いる場合、語義2では現時点(発話時点)でのある物事の存在を表すのに対し、語義7では現時点(発話時点)以降のある時点における出来事や行為の実現を表す、という時間の位置づけに関する相違が見られる。
誤用解説
語義7はある物事(出来事や行為)の実現(発生)に焦点が置かれているため、その物事は「が」[は]を伴って、実現の主体として表される。物事を、「を」を伴った形で行為の対象として表し、人による行為の遂行に焦点を置く場合には「ある」を用いず、「する」や「行う」などを用いる。
 来月、社長が新商品の発表をある。
 来月、社長から新商品の発表がある。
 来月、社長が新商品の発表をする。
 来月、社長が新商品の発表を行う。
類義語・反義語
類義語起きる、起こる、生じる、行われる
反義語ない、発生しない、生じない、されない、行われない


8.伝聞により把握される情報自動詞上級
表記ある
他者の言葉(文字情報もしくは音声情報)に基づいてある人が把握する何らかの情報が存在する。
文型
<もの>に(は)<こと>とある・<こと>とあれば
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
姉からの手紙に、「来年、ドイツへ旅行に行く」とあった
メモには、夕飯の前には帰宅するとあるが、兄は本当にそれまでに帰宅するのだろうか。
仙台市環境基本条例には、「市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し必要な規制の措置を講じなければならない」とあります
「本当に、住み慣れた名古屋を離れて北海道の支社に転勤されるのですか?」「社長の命令とあれば仕方ないじゃないか」
親友の山口君から、電話で結婚式に出てくれと言われた。彼の結婚式とあれば、行かないわけにはいかない。
お呼びとあれば、いつでも伺いますよ。
コロケーション
<もの>に(は)
手紙、メモ、書き置き、条文、法令
非共起例
<もの>に(は)ある
 兄の手紙「夏休みには帰省する」とある。
 兄の手紙「夏休みには帰省する」とある。
語義8では、把握する情報の根拠となる存在を表す名詞は、助詞の「に(は)」を伴い、それ以外の「が」、「は」などの助詞は伴わない。
解説
ここでの「ある」は必ず助詞の「と」を伴って用いられ、「と」の直前にはある人が把握する情報の内容が表される。この情報の根拠となる他者の言葉は、「とある」(基本形)および「とあった」(タ形)で用いる場合は、通常、手紙や条文などの文字情報である。そして、この文字情報は、助詞の「に(は)」を伴って表される。「AとあればB」という形で用いる場合は、他者の言葉は文字情報であっても音声情報(例えば、電話や、直接の会話)であっても良い。なお、語義8は、ある情報の把握を表すが、この情報が、何らかの認識や判断の根拠となる場合がある。「とある」および「とあった」という形で用いる場合、それらの認識や判断は「とある」および「とあった」が含まれる文の後の文脈に表現されることが多い。また、「AとあればB」という形で用いる場合、通常、Bがそれらの認識や判断を表す。
誤用解説
語義8では、「とある」(基本形)および「とあった」(タ形)で用いる場合、把握する情報の根拠となる他者の言葉は通常、文字情報(他者によって書かれたもの)である。例えば「電話」をはじめ、音声情報である場合には、「とある」ではなく、「ということだ」、「ということである」、「とのことだ」、「とのことである」などを用いる。
 母からの電話では、「父の手術が成功した」とあった
 母からの電話では、「父の手術が成功した」ということだった
 母からの電話では、「父の手術が成功した」とのことだった
類義語・反義語
類義語と書いてある、という(ことである・ことだ)、なら、であれば
反義語と書いていない、ということではない


9.人の生存自動詞上級
表記ある
ある人が現世に、生きた状態で存在する。
文型
<人>が<現世>にある(ありし<人・時間>)
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
鈴木社長が世にあった頃は、わが社も安泰だった。
祖母が今もこの世にあれば、どんなに幸せなことだろう。
私がこの世にある間に、再び日本でオリンピックが開催されることはないと思っていました。
もし、失踪した父が今もこの世にあるのなら、一目でいいから会って直接話したい。
今夜は皆で、恩師のありし日の思い出を心ゆくまで語り合いましょう。
祖父の、ありし日の面影をしのぶ。
コロケーション
<現世>に
世、この世
<様態>
かつて、今(も)、この先(も)
非共起例
<様態>ある
 苦労の絶えない日々だが、何とか世にある
 これからも強く世にある
 苦労の絶えない日々だが、何とか生きている
 これからも強く生きる
「何とか」、「強く」、「しっかり」といった、人の、生存に対する何らかの態度や意志を表す表現は、(人の存在という側面に焦点が置かれている)「世にある」と共には用いにくい。これらの表現は通常、「生きる」という動詞と共に用いる。
解説
語義3と語義9は、人の存在を表すという点では共通しているが、語義9は特に「生きている状態」という側面に焦点が置かれている。
誤用解説
過去の、生きていた期間を表す「ありし日」は慣用表現であり、「ある」のタ形「あった」を用いて「あった日」と表現することはできない。
 あった日
 ありし日
類義語・反義語
類義語生きている、生存している
反義語ない、いない


10.人の立場自動詞上級
表記ある
ある人が、(肩書、役割、環境などに関する)何らかの立場に位置づけられる。
文型
<人>が<立場>にある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
佐藤氏は長年、社長の職にあります
中間管理職の立場にある父は、いつも上司と部下の間に立って苦労しているそうだ。
彼は教師という立場にありながら、これまで数々の問題を起こしてきた。
皆さんはこれまで教育を受ける立場にあったわけですが、教師を目指す以上、教育を行う立場に立ってものを考える機会を増やしてください。
君はこれから、現場にあって工事の指揮に当たりなさい。
山川氏は我が党にあって、いくつかの要職を歴任してきた。
コロケーション
<立場>に
立場、職、地位、座、現場、党
<様態>
長年、ずっと、しばらく、今も、未だ
非共起例
<立場>にある
 山口氏は准教授にある。
 山口氏は准教授という立場にある。
 山口氏は准教授の立場にある。
「にある」の前に置かれるのは、通常、「AのB」、「AというB」という形である。このうち、Aは「教師」、「社長」、「独身」など、ある人の立場を具体的に表す語であり、Bは「立場」、「職」、「地位」などの語である。(AはBが具体的に何かを表している。)したがって、Bにあたる語を用いず、Aにあたる語のみで「教師にある」、「社長にある」などのように表すことはできない。なお、「教育を受ける立場」のように、Aにあたる表現に動詞が含まれる場合には、「の」や「という」は不要である。
解説
語義10は、「XがYにある」という形で用いられ、XがYという領域において存在するという点で、語義4と共通している。ただし、語義4では、Xが「もの」、Yが「ところ」(空間領域)であるのに対し、語義10ではXが「人」、Yが「立場」(社会的領域)である点が異なる。なお、語義10における「Y」は、通常、「AのB」、「AというB」という形で表される。このうち、Aは「教師」、「社長」、「独身」など、ある人の立場を具体的に表す語であり、Bは「立場」、「職」、「地位」などの語である。(AはBが具体的に何かを表している。)また、「わが党にあって」、「現場にあって」のように、「Y」が「AのB」という形を取らない場合もある。しかし、「AのB」というケースと同様、ある人の立場を表す。すなわち、「わが党にあって」の場合は、ある人が、自分自身の党に所属している立場だということを表している。また「現場にあって」の場合は、単に現場に存在している、というだけではなく、ある人が現場での何らかの仕事を担当する立場だということを表している。
誤用解説
語義10において、「ある」が基本形で用いられる場合、通常、ある人が過去から現在に至るまで何らかの立場を有している状態だということを表す。この立場が未来にまで続くだろうということを表す際には、基本形「ある」のみでは用いにくく、その後に「だろう」「かもしれない」などの表現を伴って用いられる。
 坂本氏は今後も会長の職にある。
 坂本氏は今後も会長の職にある(こと)だろう。
 坂本氏は今後も会長の職にあるかもしれない。
 坂本氏は今後も会長の職にあり続ける(だろう)。
類義語・反義語
類義語有する、務める
反義語ない


11.状態、権利、役割の帰属自動詞上級
表記ある
ある1人、もしくは複数の人が有していると位置づけられるある状態、権利、役割が存在する。
文型
<こと>が<人>にある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
非は先方にあります
「この問題の責任は誰にあると思う?」「間違いなく、林さんにあるでしょうね」
事故の原因が鈴木先生にあるなどという見解は間違っている。
このプロジェクトにおける決定権は君にあったのだから、今回のミスの責任を取りなさい。
A案を採用するかB案を採用するか、選択権が私にあっても、優柔不断だから到底決められないだろう。
離婚したとしても、果たして親権は私にあるのだろうか。
コロケーション
<こと>が
非、責任、原因、決定権、選択権、親権
<様態>
きっと、恐らく、たぶん、間違いなく、絶対に
解説
語義11は、「Xが(ある)」における「X」がある人に所有されているという点で、語義5と共通している。ただし、語義5では「X」が具体的な「もの」であるのに対し、語義11では「こと」(状態や権利)である。なお、語義11において「ある」が基本形で用いられる場合、何らかの状態や権利が現時点(発話時点)である人に所有されていると位置付けられる。
誤用解説
語義11では、ある状態や権利がどのように位置づけられるか(どのようにみなされるか)を表している。これらの状態や権利を、人が(自らの意志で)所有しているということを表す際には、「有する(有している)」、「持つ(持っている)」などを用いる。
 彼が決定権をある。
 彼が決定権を持っている。
類義語・反義語
類義語有する、持つ、存在する
反義語ない、存在しない


12.事物の状況自動詞上級
表記ある
あるもの、場所、物事が、何らかの状況に置かれている。
文型
<もの・場所・こと>が<こと>にある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
この会社の株価は下落の傾向にある
私の村は、ゲリラ組織の支配下にあります
インフルエンザの患者数は増加傾向にあり、各自治体も対策に苦慮している。
「あなたの出身地は今、どんな状況にありますか?」「急激に過疎化が進んでいます」
両国の戦いは膠着状態にあって、今後の展開が全く予測できない。
我が国の財政が危機的な状況にあるということを、国民1人1人が意識しなければならない。
コロケーション
<こと>に
傾向、状況、状態
<様態>
ずっと、しばらく、今(も)、最近、近年
非共起例
<こと>にある
 株価は下落にある。
 株価は下落(の)傾向にある。
語義12では、「<こと>にある」の「に」の直前には、「傾向」、「状況」、「状態」などの語がくるが、具体的にどのような状態や傾向にあるかを表す語は、通常、「傾向」、「状況」、「状態」などの語を伴って表される。
解説
語義12は、「X がY にある」という形で用いられ、「Y」が「X」の置かれている状況を表すという点で、語義19と共通している。ただし、語義19では「X」が人を表すのに対して、語義12ではもの、場所、物事を表すという違いがある。
誤用解説
語義12では、基本形「ある」を用いる場合、現時点(発話時点)での状態、傾向を表す。現時点(発話時点)以降の状態、傾向を表す場合、通常、「ある」ではなく「なる(だろう・かもしれない)」を用いる。
 今後、おそらく日本の財政は厳しい状況にある。
 今後、おそらく日本の財政は厳しい状況になる(だろう)。
類義語・反義語
類義語状態である、有する
反義語ない


13.人や動植物に備わる特徴自動詞中級★★
表記ある
ある人・動植物・具体物に備わっている、何らかの特徴や関係(性質、付属物、人)が存在する。
文型
<人・動物・植物>は[には]<こと・もの・人>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
加藤氏には深い知識と教養がある
森先生は優しさと気品のある素敵な女性です。
「奈良県に縁があるんですか?」「ええ、奈良県に親戚がありますから」
顔に大きなほくろがあっても、それがあなたのチャームポイントだから、気にしなくていいと思いますよ。
あの魚には鋭い歯があった
薔薇には棘がありますから、触れる際には注意してくださいね。
コロケーション
<人>が
妻、子、妻子、兄、妹、親戚、家族
<こと>が
知識、教養、優しさ、気品、縁
<もの>が
歯、角、ほくろ、皺、棘
<様態>
たくさん、少し、多少
非共起例
<人>がある
 横山さんには大好きな作曲家がある
 横山さんには大好きな作曲家がいる
「<人>がある」という形で用いられる場合、<人>は、「妻」、「子」、「兄」、「家族」など、内在的な関係(縁を切ってしまうことができない関係)を有する親族名詞に限定される。つまり、ある人に備わる特徴の1つとして、その人との内在的な関係を有する親族が位置付けられるのである。「(大好きな)作曲家」、「(すばらしい)家庭教師」など、内在的な関係のない人を表す名詞を用いることはできない。
解説
語義13は、「X(に)はYがある」という形で用いられ、「Y」は「X」が有する存在を表すという点で、語義5と共通している。語義5では「Y」は必ず具体物であり、それは「X」の意志で所有されているものである。一方、語義13では「Y」は「こと」(性質)や「人」も用いることができる。さらに、語義13では「Y」は「X」の意志で所有されているものではなく、「X」に本来的に備わっている存在である。
類義語・反義語
類義語備わっている、持つ、有する
反義語ない、持たない、有さない


14.所有物としての事柄の存在自動詞中級★★
表記ある
ある人が有する、何らかの事柄が存在する。
文型
<人>は[には]<こと>がある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私は、昨日からずっと肩の痛みがある
「何か願い事はありますか?」「はい、一度で良いからデンマークへ行ってみたいと思っています」
西田さんは、言いたいことがあればはっきり主張できる女性だ。
あなたには、この問題を解決する良い案がありますか?もしあったらぜひ教えてください。
もし悩みがあるのなら、聞いてあげるよ。
この国の政策に対してたくさんの意見がある若者が集まった。
stairs右の奥歯に痛みがあるんです
コロケーション
<こと>が
考え、意見、仕事、願い(事)、痛み
<様態>
ずっと、常に、いつも、かなり、少々
非共起例
<様態>ある
 そのうち痛みがあるかもしれない。
 いずれ意見もたくさんあるだろう。
 そのうち痛みが出るかもしれない。
 いずれ意見もたくさん出るだろう。
語義14において、「ある」(基本形)は現時点(発話時点)で何らかの事柄を有することを表す。その事柄が現時点(発話時点)以降のある時点で生じる際には、通常、「出る」を用いる。
解説
語義14は、「Xは(には)Yがある」という形で用いられ、「X」(人)が「Y」を有するという点で、語義5と共通している。ただし、語義5では「Y」が具体物であるのに対し、語義14では事柄一般であるという違いがある。
誤用解説
語義14「Xは(には)Yがある」では、(Xが有する)「Y」の存在に焦点が置かれている。これに対し、「X」が「Y」を有する、という「X」の行為に焦点を置く場合には、「ある」ではなく「持っている」「有する」などを用いる。
 若者たちが(は)たくさんの意見をある
 若者たちが(は)たくさんの意見を持っている
類義語・反義語
類義語有する、持っている
反義語ない


15.期間・時間自動詞初級★★★
表記ある
ある物事に備わっている一定の期間、時間が存在する。
文型
<こと>が[は・まで]<数量詞>ある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
休憩時間が30分ある
夏休みに集中講義が2週間あった
我が社の研修期間は1週間あります
「ワールドカップの開幕まで、残り何日あるんだったっけ?」「たった9日だよ」
あと2か月あってもこの仕事は終わらないだろう。
斎藤さんが帰国するまでまだ4年もあります
stairsまだ時間あったよね?
コロケーション
<様態>
まだ、さらに、およそ、大体、約
非共起例
<様態>ある
 休憩時間はたった30分ある
 休憩時間はたった30分しかない
 休憩時間はたった30分あるだけだ
「たった」、「わずか」など、数量が少ないことを表す表現を伴う際には、文末は「ある」のみでは用いられない。通常、「ある」ではなく「しかない」が用いられる。もしくは、「ある」の後に「だけ(だ)」を伴う。(なお、これらの点は、語義6でも共通している。)
解説
語義15は、「Xが<数量詞>ある」という形で用いられ、一定の数量を有する存在を表すという点で、語義6と共通している。ただし、語義6では「X」が「人・もの」であるのに対し、語義15では「こと」である。また語義6では数量詞が物理的領域における数量を表すのに対し、語義15では時間的領域における数量(すなわち、期間あるいは時間)を表す。ところで、ここでの「ある」は数量詞を必要とするが、通常、数量詞は「が」、「は」といった助詞を伴わない。ただし、表される数量がおよそのものである場合には、数量詞の直後に「ほど」「くらい」「程度」などを伴う。また、表される数量が一定水準以上(予想以上)である場合には、数量詞の直後に「以上」「も」などを伴う。
誤用解説
ここでの「ある」は数量詞を必要とするが、通常、数量詞は「が」、「は」といった助詞を伴わない。
 休憩時間は30分がある。
 休憩時間は30分ある。
類義語・反義語
類義語有する
反義語ない


16.過去に経験した物事自動詞初級★★★
表記ある
過去に1回もしくは複数回実現しているある出来事、行為が存在する。
文型
<人・ところ>が[は]<こと>ことがある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私は子供の頃、富士山に登ったことがある
「イギリスに行ったことがありますか?」「はい、これまでに4回行きました」
この村は、津波に襲われたことが何度もあるのです。
タイへ行ったことはあっても、ミャンマーへ行ったことはない。
過去に、母校で日本語学の講義を担当したことがありました
アルバイトをしたことがあるなら、お金を稼ぐことの大変さは分かるよね。
コロケーション
<様態>
かつて、昔、過去(に)、これまで(に)、5年前(に)
非共起例
<こと>ことがある
 父はかつて、富士山に登ることがある。
 父はかつて、富士山に登ったことがある。
語義16での「<こと>ことがある」の<こと>は、通常、動詞のタ形を用いて表す。(なお、動詞の基本形を用いると、語義17の用法となる。)
解説
語義7が、現時点(発話時点)以降の、ある出来事や行為の実現を表すのに対し、語義16は現時点(発話時点)以前の、ある出来事や行為の実現を表す。なお、「<こと>ことがある」という形(ここでの<こと>は動詞のタ形)を「<こと>ことがあった」にすると、過去の経験について思い起こしている(回想している)状態を表す。
類義語・反義語
類義語経験した、実現した、生じた
反義語(ことが)ない


17.不定期に実現する物事自動詞中級★★
表記ある
不定期に、もしくは状況に応じて実現する(可能性がある)ある出来事、行為が存在する。
文型
<人・もの・こと>が[は]<こと>ことが[も]ある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
このPCは、ここ最近、フリーズすることがある
季節によっては、メニューが変わることもあります
かつては、この部屋から富士山が見えることがあったが、高層ビルが増えて、今では全く見えなくなってしまった。
ルールを守っていただけないと、当社としては契約を解除することもあります
なぜか最近、たびたび父の表情に悲しみが見えることがあり、心配している。
今後、津波が押し寄せることがあっても、私はこの村を離れない。
コロケーション
<様態>
最近、今も、将来、今後、かつて
非共起例
<こと>ことがある
 今後、メニューが変わったこともあります。
 今後、メニューが変わることもあります。
語義17では、「<こと>ことがある」の<こと>は通常、動詞の基本形が用いられる。
解説
語義7が、現時点(発話時点)以降の、ある出来事や行為の実現を表すのに対し、語義8は、(過去から)現在の、もしくは現時点(発話時点)以降の、ある出来事や行為の不定期の実現(の可能性)を表す。
類義語・反義語
類義語実現する、生じる、行う
反義語(ことは)ない


18.帰結自動詞上級
表記ある
ある人にある物事(行為、出来事、思考、感情)の明確な根拠として認識される、何らかの事実が存在する。
文型
<こと・もの>とあって・<こと・もの>だけあって、<こと>だけある・<こと>だけのことはある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
お盆とあって、新幹線も満席だ。
四川料理の本場というだけあって、どの料理も格別の味でした。
毎朝道場で稽古しただけのことはあり、何とか予選突破できた。
ヨゼフさんは、20年も日本に住んでいるだけあって、とても流暢に日本語を話します。
石塚さんは70歳になった今も、毎朝のランニングを欠かすことがありません。さすが、オリンピックに出場しただけのことはありますよね。
今日は休日とあって、ものすごい人出だ。
コロケーション
<様態>とあって、<様態>だけあって、<様態>だけある、<様態>だけのことはある
さすが、やっぱり、やはり
解説
語義8では(他者の言葉に基づき)ある物事(情報)を把握することを表すのに対し、語義18では単にある物事を把握するだけでなく、何らかの物事が存在するからこそある物事が実現するのだという、明確な因果関係の認識を表す。
類義語・反義語
類義語だから(こそ)
反義語なのに、でありながら


19.人の状況自動詞中級★★
表記ある
ある人が、(肉体、あるいは精神に関する)何らかの状況に置かれている。
文型
<人>が<こと>にある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
祖父は今、病床にある
どのような逆境にあっても、決して諦めないでください。
河合さんは大事故にあって、瀕死の状況にあるようです。
ここ最近の積み重なったストレスのせいで、発狂寸前の精神状態にあります
最近、鈴木さんに全然会わないのですが、彼は今どんな状況にあるのでしょうか。
深い悲しみの中にある彼女に、どんな言葉をかけて良いのか分からない。
コロケーション
<こと>に
病床、逆境、状況、状態、中
<様態>
今、最近、しばらく、ずっと
非共起例
<こと>にある
 彼は今、瀕死にある。
 彼は今、瀕死の状態にある。
「X(の)状態にある」、「<X(の)状況にある」、「Xの中にある」という形において、「X」には具体的にどのような状態かを表す語が入る。このとき、「状態」、「状況」、「中」を用いず、「Xにある」という形で表すことはできない。
解説
語義19は、「X(人)がY にある」という形で用いられ、「Y」がある人の属性(あり方)を表すという点で、語義10と共通している。ただし、語義10では「Y」が比較的安定したもの(立場)であるのに対して、語義19では変動し得るもの(状況)である。
類義語・反義語
類義語状態である
反義語ない


20.実現に関与する事柄の存在自動詞上級
表記ある
ある物事の実現に関与すると位置づけられる、何らかの事柄が存在する。
文型
<こと>は[が]<こと>にある
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
解決の糸口は、相手の出方にあるでしょう。
成功するかどうかの鍵は、私たちの努力にあります
我が社が収益を上げられるかどうかのポイントは、顧客満足度にあるのかもしれない。
事件解決の鍵は、どこにあると思いますか。
新たな発見の手がかりは、きっと地道な実験にあります
この状況を打破する糸口は、自分の意志の持ち方にあるのではないだろうか。
コロケーション
<こと>は[が]
糸口、鍵、キー、手がかり、ポイント
<こと>に
努力、方法、実験、ここ、どこ
<様態>
きっと、恐らく、たぶん、絶対に
解説
語義2は物事一般の存在を表すが、語義20はさらに限定的な物事の存在を表す。すなわち、ある物事が実現するかどうかの決め手となる物事の存在を表す。
誤用解説
語義20は通常、「XのYはZにある」という形で用いられる。ここで、「X」にはある物事の実現の可否を表す語が、「Y」には「手がかり」という意味表す語(糸口、鍵、キー、ポイント、手がかり)が、「Z」には「X」の実現の決め手となる物事を表す語がそれぞれ入る。このうち、「Y」を伴わない場合には「にある」は用いられず、通常、「次第だ(である)」が用いられる。
 成功するかどうかはあなたの努力にあります。
 成功するかどうかはあなたの努力次第です。
類義語・反義語
類義語決まる、次第だ
反義語ない、関わらない


あるの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<場所>に
船は闇のにあった。
(遠藤ケイ著 『雑想小舎便り』, 1987, 365)
橋のに、小さな地蔵がある。
(殊能将之著 『美濃牛』, 2000, 913)
<様態>
漢方といっても色々ありますよ。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 健康、病気、ダイエット)
県内に鍾乳洞が沢山ある。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 国内)
<時間>
ここは、かつて浅江島農場があった土地である。
(大貫茂文・写真 『日本の巨樹100選』, 2002, 653)
<時間>
エンジニアリング世界のほうがサイエンスよりずっと興味があります。
(赤井邦彦著 『走れ、俺たちのF1』, 2005, 788)
<様態>
成年後見監督人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
(額田洋一,秦悟志編 『Q&A成年後見制度解説』, 2000, 324)
<場所>に
父の墓は今もシベリアにある。
(福島鋳郎編著 『ポーランドから』, 1991, 302)
<様態>
そう、その昔、福井にも空港があったのである。
(石本伸晃著 『ピエールの司法修習ロワイヤル』, 2003, 327)
<様態>
ずいぶん借金があるらしい。
(山脇あさ子作;津田櫓冬絵 『ピンチヒッター日の神さん』, 1999, )
<起点>から
さらに新京から鞍山までは四〇〇キロもあるのだ。
(上家富靖著 『一番大きなお星さん』, 2001, 916)
<着点>まで
「大人のキリンって、頭のてっぺんまで四〜五メートルもあるそうよ」
(島田和子作;宮崎耕平画 『義足のキリンたいよう』, 2002, )
<こと>が
人生には、多くの思いがけない出来事があります。
(山下京子著 『彩花へ』, 2002, 326)
そこには温かく希望をもって、励ましてくれる人たちとの出会いがあった。
(pumpkin, 2002, 一般)
<様態>
とにかくそうやって、大野があまりくわしくないリース業の世界へ本式に足を踏み入れて行って間もなく、突然あの大野忠夫という人物から連絡があった。
(半村良著 『回転扉』, 1999, 913)
<時間>
今日、朝方、福岡県で地震がありました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 天気、天文、宇宙)
<もの>に(は)
手紙には、こうありました。
(神田紅監修;夢野晴吉著 『新門辰五郎』, 2004, 913)
<現世>に
清盛が亡くなった当時、関屋もそれを聞き知ったにちがいないのに、それから三年もたったいま、まだこの世に在る人のように噂するのである。
(安西篤子著 『義経の母』, 1989, 913)
<立場>に
しかしいま、当時の部下を疑わなければならない立場にある。
(山崎光夫著 『ジェンナーの遺言』, 1986, 913)
そうした家では第一の地位にあるのが家父長であり、第二が妻である。
(比較家族史学会編 『家族』, 2002, 361)
<こと>が
大人にも虫歯になりやすい特有の原因があるのです。
(広報おとふけ, 2008, 北海道)
<様態>
それは姑と嫁の宿業だけではなく、おそらく周囲の者たちにも責任があったかもしれない。
(有吉佐和子著 『華岡青洲の妻』, 2004, 913)
<こと>に
住宅火災は、年々増加の傾向にあります。
(広報「町から町へ」, 2008, 奈良県)
アテネとオリーブはきってもきれない関係にある。
(内林政夫著 『ことばで探る食の文化誌』, 1999, 383)
<様態>
確かに、会社は危険な状態にあったからだ。
(笠原のり子著 『ザ・ミルキー・ウェイ』, 2002, 913)
<人>が
少なくとも、わたしには家族があり、ほかの人間との生活がありました。
(ロバート・ジェームズ・ウォラー著;村松潔訳 『マディソン郡の橋』, 1993, 933)
当時の草平はすでにがあり、子や妻を郷里へ帰して別の女性と同棲していた。
(近藤富枝著 『今は幻吉原のものがたり』, 1986, 913)
<こと>が
長年に亘って蓄積してきた映画作りの技術と知識がある。
(熊本大学・映画文化史講座編集執筆 『映画この百年』, 1995, 778)
そのきびしげな威容には、なるほどと思われる気品があった。
(清岡卓行著 『李杜の国で』, 1986, 913)
<もの>が
笑うと丸見えのところに銀歯が2つあるんです。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 小・中学校、高校)
善珠禅師は、あごの右に大きなほくろがあった。
(神山重彦著 『3日で読む世界文学1000人の物語』, 2005, 904)
<こと>が
現在,この税制に対してはさまざまな意見がある.
(石弘光編;環境税研究会著 『環境税』, 1993, 345)
私には私なりの考えがあるのよ。
(安田均原案;三田誠著 『虎は歪める』, 2001, 913)
<様態>
また、三年前胃潰瘍で入院して、退院後もずっと胃の痛みがありましたが、なくなりました。
(石井普雄著 『最後の超念力』, 1987, 147)
<様態>
あたしたちの順番が来るまでにはまだ時間があるわ。
(川西桂司著 『薄曇りの肖像』, 2002, 913)
<様態>
父は、かつて一度だけ東京に行ったことがある。
(工藤直子著 『象のブランコ』, 2002, 914)
これまで、乱蔵とは二度ほど組んで仕事をしたことがあった。
(夢枕獏著 『蒼獣鬼』, 1985, 913)
<様態>
彼とたまに酒なんか飲むことがあるんですよ。
(齊藤勇監修 『即戦力の心理話術』, 2001, 809)
<様態>とあって、<様態>だけあって、<様態>だけある、<様態>だけのことはある
さすがプレゼンのプロだけあって、書かれている内容んがすんなり頭に入ってきます。
(Yahoo!ブログ, 2008)
<様態>とあって、<様態>だけあって、<様態>だけある、<様態>だけのことは
田中警部が、一気に言ったが、さすがにそこまでのつながりが見えてくるとは、やはり軍団の猛者だけのことはある。
(城戸礼著 『爆裂スパーク刑事』, 1994, 913)
<こと>に
チェーホフが病床にありながら一年をかけて書いた四幕ものである。
(卞宰洙著 『作家と作品でつづるロシア文学史』, 2005, 980)
<こと>は[が]
朝、脳をリセットするためには、3つの大事なポイントがあります。
(鈴木みゆき著 『早起き・早寝・朝ごはん』, 2005, 599)
<こと>に
ここに林芙美子を解く鍵があるのではないか。
石本隆一ほか編纂 『日本文芸鑑賞事典』, 1988, 910)






























すみません、子供服は何階にありますか
もう7キロもあるのよ。
あら、会社で飲み会でもあるの?
右の奥歯に痛みがあるんです
まだ時間あったよね?
腕に覚えがある

意味
自分の技術、技能、力量に自信を持っている。
用例
剣道なら少しばかり腕に覚えがある
コーパスからの用例
その後、腕に覚えのある者は武芸道場を開き、学問のある者は寺子屋の師匠などになって落ち着く。 (山本博文著 『サラリーマン武士道』, 2001, 210)
身に覚えがある

意味
ある物事を行った記憶を有する。
用例
彼女が号泣するきっかけを作ったかどうかについて、言われてみれば少々身に覚えがあります
コーパスからの用例
地上波テレビ放送がデジタル放送(地デジ)に移行するのを前に、不用な工事やテレビの調整などにより金銭をだまし取られる被害が発生しています。身に覚えのない工事や代金請求にはご注意ください。 (広報なすしおばら, 2008, 栃木県)
残り物に(は)福がある

意味
最後に残った物には、以外に良い物が存在している。
用例
残り物に福があるというから、最後にくじを引くことに決めた。
足がある

意味
速く走る能力を有する。
用例
あの野球選手は、打撃は大したことないが、足があるようだ。
コーパスからの用例
小坂の加入は、内野守備陣の大きな底上げにつながる。 2度の盗塁王という足があるのもノムさん好み。 しかも、小坂は宮城出身。(Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ)
意味
交通手段を有する
用例
今、足がある友達が近くにいてくれたら駅まですぐに行ける。
手がある

意味
人手(働き手)が存在する。
用例
もしもっと手があれば、仕事もどんどん進むんだけどなあ。
意味
手段、方法、方策が存在する。
用例
まだ、この問題を解決するための手があるかもしれない。
コーパスからの用例
ベンチで横になるという人もいるが、ちょっと恥ずかしい。 そこで、アトラクション施設で休息という手がある。また、木陰のあるベンチやスペースが休息には重宝する。(東京ディズニーランド裏技調査隊編 『東京ディズニーランド裏技ガイド』, 2002, 689)
名がある

意味
知名度が高い。
用例
ここ最近、何人もの名がある作曲家と直接お話する機会に恵まれている。
コーパスからの用例
「たたかいぶりから察するに、あっぱれ剛の者。いずれ、名のある武士に相違ない」直垂の片袖を裂いて首を包み、縄手の土手の上へ押し据えた。(杉本苑子著 『風の群像』, 2000, 913)
二度あることは三度ある

意味
物事は繰り返されるものである。
用例
まさに二度あることは三度あるという通り、立て続けに3回も交通事故を起こしてしまった。
花も実もある

意味
外観も内容もいずれも素晴らしい。
用例
彼はパーティーで、花も実もある粋な計らいをしてくれた。
コーパスからの用例
もっとも、この世の中の人間全部が自制心というブレーキにきちんとコントロールされていたとしたら、それこそ小説になるような題材も生まれず、すばらしい芸術も生まれないことでしょう。 欲望という泥沼があり、そこに溺れる人、危うく助かる人がいるからこそ、花も実もある社会が生まれるのかも知れません。(井畑正明著 『人を思いやる力』, 2004, 159)
一癖も二癖もある

意味
ある人が、一般的な人々と極めて異なる(通常好ましくない)性質を有する。
用例
山口先生は、一癖も二癖もあるとても付き合いにくい方だと思います。
コーパスからの用例
すべての手続きがすんでからびっくりしたのは、戦争中高木さん一家が地方へ疎開したあと、三世帯六人の人たちが高木医院に住みついていて、この人たちがいすわったきり出てくれないという大問題。いずれも一癖も二癖もある連中でなまなかなことじゃ立ちのいてくれそうにない。(青島幸男著 『人間万事塞翁が丙午』, 1981, 913)
色も香もある

意味
名実や情理を兼ね備えている。
用例
あの判事はいつも色も香もある裁判をしてくださる。
複合動詞 V1

あり余る、ありあわせる、あり得る、ありつく、ありふれる
複合動詞 V2

余りある
複合名詞

あり合わせ、ありか、あり方、有り金、ありさま、ありったけ、あり場所、ありよう
ある(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形
~なかったかった
ます形あり
~ませんありま
~ましたありした
~ませんでしたありまんでした
~ときるとき
ば形れば
意向形
て形って
た形った
可能形
受身形
使役形
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