つくのコアイメージ

1.接着(もの)自動詞初級★★★
表記付く
ものが、別のものに接した状態になる。
文型
<もの>が<もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
グラスに付いた水滴を拭き取る。
金属素材にもよく付く接着剤を買った。
接着剤で指が付かないように気を付けなさい。
「ペンキが手に付いてしまった」「洗ってきなさい」
「服に糸くずが付いているよ」「どこ?取ってくれる」
頬にご飯粒が付いていたのに気付かなかった。
コロケーション
<もの>が
ごみ、血、水滴、ほこり、花粉、泥、テープ
<もの>に
① もの:顔、頭、額、手、服
② 物の位置:表面、上、下、横、側面
<様態>
よく、しっかり、ぴったり、べったり、ちゃんと
解説
あるものが、別のものの表面に接して離れない状態になることを表す。
誤用解説
単に重力によって主体があるものに接しているだけでは「付く」は用いられない。主体の性質(粘着性など)や主体とものの接地面との兼ね合い(摩擦など)によって接しており、両者が自然には離れない場合に用いられる。したがって例えば以下のように、机を持ち上げて斜めにしたり机をひっくり返したりするなど、机の角度を変えると教科書が机から離れてしまうような状況では用いられない。
 机の上に教科書が付いている
 机の上に教科書が乗っている
類義語・反義語
類義語付着する、接着する、密着する
反義語離れる、取れる


2.付属(もの)自動詞初級★★★
表記付く
ものが、本体となるものに添えられ、本体と一体となる。
文型
<もの>が<もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
主語が三人称単数現在形の場合には動詞に“s”が付く
両サイドにポケットが付いた鞄が欲しい。
蓋の付いた茶碗はお客様用です。
サイドカーとは、側車が付いた二輪車です。
庭が付いている一軒家が欲しい。
「手作りのポーチは完成したの」「あとはレースが付けば出来上がり」
コロケーション
<もの>が
ポケット、飾り、レース、ボタン、取っ手、トイレ、風呂、庭
<もの>に
鞄、シャツ、服、家、部屋
<様態>
ちゃんと、きちんと
解説
この意味の「つく」は、主体であるものが本体とみなされる別のものに添え加わり、主体が別のものの一部として備わることを表す。語義1と同様、主体は別のもの(本体)に接しており、それにより本体の一部(付属物)とみなされる。
誤用解説
この意味での「つく」は、本体とは区別できるものが本体の一部分として捉えられる場合に用いられる。
 人間の体には目が二つ付いている。
 人間の体にはが付いている。
「目」は人体の一部分と捉えられるが、「肌」は人体の全面を覆っており一部分とは捉えられず本体とは区別しがたいため、「つく」を用いることはできない。
 人間の体にはが付いている。
 人間の体にはが付いている。
また、「手」や「足」などは身体から突出しているため本体(胴体)とは区別できるため、「足が付いている」のように表現することは可能だが、「腹」は胴体とは区別しにくいため、「腹が付いている」とは言いにくい。
類義語・反義語
類義語
反義語取れる(ボタンが取れる)、はずれる(ボタンがはずれる)


3.付随(物事)自動詞初級★★★
表記付く
物事が、主となる物事に添えられる。
文型
<物事>が<物事>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
1000円のお買いもので、1ポイントが付きます
今回の昇給には資格の取得等の条件は付かない
最近の雑誌は付録が付いているものが多い。
「この宿泊プランには朝食はついていますか」「はい」
今パソコンを買うと、画像処理ソフトが特典としてついてくる。
努力すれば結果は必ず付いてくる。
stairs空港までの送迎と1日目の夕食、2日目の市内観光まで付いてこの価格はかなりお得じゃない?
コロケーション
<物事>が
① 金:利子、利息、手当
② おまけ:おまけ、付録、特典、景品
③ 結果:結果、成果
④ その他:条件、保証、ポイント
<物事>に
雑誌、商品、プラン
<名目>として
おまけ、付録、特典
<様態>
必ず、少し、しっかり
解説
この意味の「つく」は、主となる物事に別の物事が加わることを表し、本体に別のものが添えられるという点では語義2と同様である。一方で、語義2の主体が物理的物体であり、実際に本体となる別のものに接した状態になるのとは異なり、語義3の主体は物理的物体に限らず、また実際に本体となる別のものに接している必要はない。これに関連して、語義2の主体は本体に付属して本体の一部分と捉えられるが、語義3の主体は主となる物事に付随するがその一部分とはみなされないという点で異なる。
誤用解説
 ピザを注文するとジュースが付いてくる。
 注射を打つと飴が付いてくる。
 注射を打つと飴がもらえる。
何かをすると何かをもらえるという、同様に物事の付随を表すことのできる状況であっても、付随する主体(上記の例では「ジュース」や「飴」)は一般に、主となる物事(上記の例では「ピザ」や「注射」)と同種の物事でなければならない。


4.発生・増加(人・植物の一部)自動詞中級★★
表記付く
人・植物の一部が新たに発生したり、増加したりする。
文型
<もの>がつく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
朝顔は芽が出てしばらくすると二枚の葉が付く
昇降運動で適度な筋肉が付き、足腰が丈夫になった。
1か月のトレーニングで少し筋肉が付いた気がする。
庭で育てているオリーブに簡単に実を付かせる方法を教えてもらった。
最近お腹に脂肪が付いてきた。
レモンは、花が咲いて実が付いたらしばらく肥料は与えないでおくと良い。
コロケーション
<もの>が
① 身体の一部:肉、筋肉、脂肪、贅肉
② 植物の一部:実、花、蕾、葉
<部分>に
腹、顔、枝、上半身、下半身
<様態>
だんだん、だいぶ、たくさん、さらに、徐々に
非共起例
<もの>が
 最近髪の毛が付いてきた。
 最近脂肪が付いてきた。
目で見て本体とは区別できるものに用いられるため、部分としての主体と本体が区別できないものについては用いることはできない。
解説
語義2は、あるものが別のものに接して本体の一部になることを表しており、それによって本体が大きくなったり容量が増したように感じたりするが、語義4も同様に、人間の身体の一部や植物の一部が新たに生じたり増加したりすることによって、本体(身体・植物)の一部分が増し、本体に加わることを表す。この時、語義2では本体とは別のものが主体となるが、語義4の主体は本体内部にて生じるものか本体の一部としてもともと備わっているものであり、両者は異なっている。ただしこの意味での主体も、本体の一部分とはいっても、茎に対する実や、筋肉のこぶ、突き出た脂肪など、目で見て本体とは区別できると捉えられるものに対して用いられ、この点でも語義2との関連が認められる。
類義語・反義語
類義語増える(脂肪が増える)、なる(実がなる)、咲く(花が咲く)
反義語落ちる(脂肪[実、花]が落ちる)


5.発生・増加(習慣・性質・力)自動詞中級★★
表記付く、着く
習慣・性質・力などが新たに備わったり、増加したりする。
文型
<習慣・性質・力>が<人・もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
人前で話すことを繰り返すうちに、積極性が身に付いた
日舞を習うことで教養も身に付いた
努力で身に付いた仕草や身のこなしには価値がある。
うちの子にも悪知恵が付いてきた。
新しい製品には、今までにない機能が付いている
いつのまにか、何でも疑ってかかる癖がついてしまった。
stairs子どもの場合、免疫がつきにくいので2回接種を行います。
コロケーション
<習慣>が
癖、習慣
<性質>が
自信、機能、物心、度胸、分別、貫録、知識、免疫、知恵、教養
<力>が
力、体力、実力、能力、スタミナ、精、精力
<人・もの>に
身、製品、商品
<場所>で
学校、社会、コース、大学、家庭、海外
<手段>で
仕事、勉強、留学、スポーツ、レッスン、トレーニング
<様態>
すぐ、しっかり、ある程度、自然に、どんどん、徐々に、だんだん、着実に
解説
この意味の「つく」は、本体となる人やものに、習慣・性質・力が備わったり増加したりすることを表しており、あるものが本体に新たに生じたり増加したりするという点で、人・植物の一部が発生・増加することを表す語義4と類似している。一方で、語義4の主体は脂肪や花などの物理的な<もの>であるが、語義5の主体は習慣、性質、力のような抽象的な<もの>であり、両者は異なる。
誤用解説
 最近早起きの習慣が付いた。
 最近早起きの習慣が身に付いた。
 最近思いやりが付いた。
 最近思いやりが身に付いた。
<習慣>と<力>は「-が付く」と「-が身に付く」のどちらの形でも可能だが、人の<性質>のうち、感情に関わるものは「-が付く」の形にすると不自然になるものが多い。
類義語・反義語
類義語備わる、増す
反義語抜ける(癖が抜ける)、なくなる(自信がなくなる)、落ちる(体力が落ちる)


6.発生・増加(状態・作用)自動詞中級★★
表記付く
状態・作用などが新たに備わったり増加したりする。
文型
<状態・作用>が<物事>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
作成したアニメーションに音が付く
春休みの努力次第で成績に差が付きます
仕上げに水溶き片栗粉を加えることでとろみが付きます
下り坂では勾配によって加速がつくのでブレーキを使って速度を押さえる。
ここ最近、株価の上昇に勢いが付いている。
「日本は初戦で強豪国相手に勝ったね」「これで弾みがつけば良いんだけど」
コロケーション
<状態・作用>が
めりはり、強弱、勢い、差、スピード、色、味、香り、動き、変化、アクセント、角度
<物事>に
生活、動画、チーム、肉、動き
<様態>
一気に、ますます、しっかり、ある程度
解説
この意味の「つく」は、本体となる物事に、新たに状態・作用が備わったり増加したりすることを表しており、ものが本体とみなされる別のものに加わることによって、そのものが全体の一部として備わるという点で、あるものが本体に接して備わることを表す語義2と類似している。一方で、語義2の主体が物理的な物体であるのに対して、語義6の主体は<状態>や<作用>などであるという点で異なる。
なお、以下の例のように、本体となる物事が二格で示されない場合もある。
 努力によってライバルと差が付く
上記の例では、本体となる物事として、例えばリレーであれば「速さ」や「距離」、勉強であれば「成績」など、「ライバルと自分の成果」のようなものが想定されていると思われる。
誤用解説
「つく」は新たに状態・作用が備わったり増加したりすることを表すため、例えば同様に髪の色が変化するという以下のような状況でも、色素を加えて色が変化した場合と色素がなくなって色が変化した場合では、前者にしか「つく」は用いられない。
 (染色して)髪に色が付いた。
 (白髪になって)髪に色が付いた。
類義語・反義語
類義語加わる(味[変化]が加わる)、増す(勢いが増す)、開く(差が開く)
反義語落ちる(勢いが落ちる)、なくなる(勢い[差]がなくなる)


7.付与(ラベル・価値)自動詞中級★★
表記付く
ラベル・価値が、ものに与えられる。
文型
<ラベル・価値>が<人・生き物・もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あいつは「馬鹿」が付くほど正直だ。
関西には愛称が付いた路線が多く存在する。
ずるをしたので点数が付かなかった
彼はどんな肩書きが付こうとも謙虚で誠実な人間だ。
今年収穫したメロンに、Aランクという高評価が付いている
サルビアには、「尊敬」や「知恵」といった花言葉が付いている
コロケーション
<ラベル>が
名前、名、あだ名、病名、肩書き、タイトル、見出し、言葉、番号
<価値>が
高値、値段、プレミア、価格、評価、成績、点数
<人・生き物・もの>に
人、犬、商品、作品
<様態>
新たに、早速、とりあえず 
非共起例
<ラベル・価値>が
 その犬には太郎[5万円]が付いた。
 その犬には太郎という名前[5万円という値段]が付いた。
主体はあくまでもラベルであり、具体的な内容(名前・値段)は主体にならない。
解説
この意味の「つく」は、ものに名前や価値が与えられてそのものの一部として定着することを表しており、あるものが別のものに備わるという点で、ものが別のものに加わり一部となることを表す語義2と同様である。ただし、主体は<名前>や<価値>などの形のないものであり、この点では語義2の物理的な付属とは異なる。


8.付与(意見)自動詞上級
表記付く
否定的な意見が、物事に与えられる。
文型
<意見>が<物事>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
得意先からクレームが付いた
上司から企画書に細かい注文が付いた
その種の事件の裁判で反対意見が付くのは珍しいことだ。
横綱は会見で「物言いが付くような相撲は取れない」と言った。
作品に思わぬ形でけちがついてしまった。
このコースでは、受講後、講師陣から丁寧なアドバイスやコメントが付く
コロケーション
<意見>が
クレーム、文句、けち、注文
<物事>に
行動、作品、人
<人>から
お客さん、得意先、上司
<様態>
あれこれ、たちまち、たくさん、いちいち
解説
この意味の「つく」は、ある物事に意見が与えられることを表しており、ものが抽象的なものを獲得するという点で、ものが名前・価値を与えられることを表す語義7と同様である。一方で、語義7のように与えられたものが定着するということは含意しておらず、付与されるという点のみに焦点が当たっている。
誤用解説
この「つく」は、典型的にはマイナスの見解が付与されることを表す。
 法案に反対[厳しい]意見が付く。
 法案に賛成[優しい]意見が付く。
類義語・反義語
類義語出る(文句[反対意見]が出る)、あがる(クレームがあがる)
反義語


9.定着(コスト)自動詞中級★★
表記付く
物事のコストがある状態で定まる。
文型
<物事(のコスト)>が<高く・安く>つく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
改造を重ねるとバイクは車より高く付く
私の場合、JRを使うと交通費が安く付く
製造モデルが新しいほど、同じ型のパソコンでも高くつきます
修理をするより新しい車を買ったほうが安くつく場合もある。
家の改築で、リビングが特に高くつきそうです。
一か月の生活費で飲食代が一番高くついている
stairsおまけ欲しさに出かけて、かえって高くついてしまいました
コロケーション
<物事(のコスト)>が
① もの:製品、商品、家、車
② こと:修理、買い物、外食、治療
③ 物事のコスト:費用、コスト、代金、料金
<高く・安く>
高く、安く
<様態>
はるかに、結局、最終的に、特に、思いのほか
解説
この意味の「つく」は、物事のコストがある状態で定まることを表しており、ものに名前や価値が与えられてそのものの一部として定着するという点では語義7と同様である。一方で、語義7は名前や価値が付与されることを表し、その結果としてそれがものに定着するということを含意しているが、語義9では価値の付与ではなく価値の定着のみに焦点が当たっている。なお、<物事のコスト>には典型的に費用が想定され、したがって「高く・安く」と共に用いられるが、以下のように費用ではなく、時間や労力について用いられることもある。
 「Aさんは浮気で離婚して、子供にも会えないらしいよ」「一夜の過ちが高くついたわね」
誤用解説
語義7の主体は<ラベル・価値>であり、それらが付与されるものが二格で表されるが(「彼の絵に高値がついた」)、語義9の主体は<物事(のコスト)>であり、それが「高く」、「安く」によって表されるある状態で定着することを意味する。
 100万円という値段高くついた。
 修理高くついた。


10.追尾自動詞中級★★
表記付く
人・乗り物が、別の人・乗り物の後に続く。
文型
<人・乗り物>が<人・乗り物>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
遅れをとらないように、先頭集団にぴったりつく
行列の最後尾について開店を待つ。
トップ走者は先導バイクについて走った。
前の車に付いてしばらく走ると目的地に辿り着いた。
先頭集団にぴったりついているのは入部したばかりの一年生だ。
ライバル走者にぴったりと背後に付かれて走りにくかった。
stairsそれまで全く運動をしていなかったので、はじめは皆についていくのが精一杯でした。
コロケーション
<人・乗り物>に
前の車、前の人、最後尾、先頭集団、先頭、先導車
<様態>
ぴったり(と)、しばらく、ずっと
解説
この意味の「つく」は、人・乗り物が別の人・乗り物に接するほどに近づくことを表しており、典型的には主体と同様、それが接近する別の人・ものも前進しているため、両者は実際には接していない。人・乗り物が接近した結果別の人や乗り物に接するため、この意味の「つく」は、ものが別のものに接することを表す語義1と、結果(接触)と原因(接近)の関係にある。
類義語・反義語
類義語続く
反義語


11.補佐自動詞中級★★
表記付く
人が、別の人のそばで助ける。
文型
<人>が<人>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
要人には護衛が付く
検査中は必ずスタッフが一人つきます
「彼は立ち直れるかな」「僕たちが付いているから大丈夫だ」
プロスポーツ選手は多くのスポンサーが付けば活動しやすくなる。
選挙は背後に誰が付くかに掛かっている。
あの子は母親が付いていなければ何もできない。
コロケーション
<人>が
スポンサー、母親、スタッフ、護衛、お供、保証人
<人>に
選手、客、子供、一人一人
<様態>
いつでも、いつも、必ず、ずっと、ちゃんと
解説
この意味の「つく」は、人が別の人に接するほど近くにいて助けたり支えたりすることを表しており、語義10の接するほど近づくという意味とは目的と手段の関係にあると考えられる。なお、実際にそばにいて行動を助ける場合だけでなく、精神的に支える場合にも用いることができ、物理的な近さだけでなく精神的な近さを表すこともできる。


12.追従自動詞中級★★
表記付く
人が、別の人に賛同して行動を共にする。
文型
<人>が<人(の意見・行動)>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あいつはいつも有利な側に付く
今の師匠について7年になる。
茶道を本格的に習うため、有名な先生に付くことにした。
新入社員はまず先輩の下につかせ、業務内容を覚えてもらう。
彼の考えにはついていけない。
「たった3か月で仕事を辞めたの」「どうしても上司のやり方についていけなかったの」
コロケーション
<人>に
師匠、先生、先輩、上司、リーダー、インストラクター
<人の意見・行動>に
考え方、やり方、方針
<様態>
すぐ、ずっと、しっかり、迷わず
解説
語義9は人や乗り物が別の人や乗り物に空間的に近づいて離れない状態になることを表し、これは両者が同一の進路を進むことを含意するが、語義12の「つく」は、別の人の意見や行動に賛同してその人に従うことを表し、その人と同じ意見を持ったり行動を共にしたりすることを含意する。したがって、語義10と語義12は、別の人と離れずに、進む方向を共にするという点で類似している。
類義語・反義語
類義語師事する、従う
反義語


13.接触(人・虫)自動詞上級
表記付く
人・虫が、人・ものに寄り集まる。
文型
<人・虫>が<人・もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私たちの店にもようやく常連客が付いた
開店以来、なかなか客が付かない
その父親は娘に変な虫が付いたと嘆いていた。
トマトは肥料をやりすぎると害虫が付きやすく、病気にかかりやすくなる。
果物を冷蔵庫に入れずにいたら、虫が付いてしまった。
妹に悪い虫を付かせないように常に目を光らせる。
コロケーション
<虫>が
虫、害虫、アブラムシ、ダニ
<人>が
客、ファン、人、変な虫、悪い虫
<もの>に
果物、野菜、衣類、服、店
<人>に
<様態>
すぐ、ようやく、やっと、あまり(~ない)、全然(~ない)
解説
この意味での「つく」は、人が別の人やものの何らかの魅力(人であれば容姿や性格、店などであれば居心地の良さ、商品の質、料理の味など)に引きつけられたり、虫がものの何らかの魅力(餌となるものの匂いなど)に引きつけられたりすることで、対象のそばに寄って留まることを表す。これは、ものが別のものに接して離れない状態になるという点で語義1と類似しているが、好んで接近するという点では語義12との関連性も認められる。
誤用解説
この意味は、単に人や虫が対象に接近するという状況では用いられない。例えば、「この店にもようやく客が付いた」という場合、一人の客が一度だけ店に来たという状況では用いることができず、一人の客が何度も店にやってきてその客が店から離れない状態になったとみなされる場合か、複数の客が(それぞれ一度限りでも)店にやってきて、客という存在が店から離れない状態になったとみなされる場合にのみ用いられる。
類義語・反義語
類義語たかる(虫がたかる)
反義語


14.到達(場所)自動詞初級★★★
表記着く
人・乗り物・ものが、ある場所に到達する。
文型
<人・乗り物・もの>が<場所>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
電車が定刻に着く
明日には手紙が着くはずだ。
彼らはとっくに目的地に着いている。
家に着いたら連絡してください。
会場に着いたらまず着替えてください。
「お父さんはまだ帰ってこないの」「さっき電話があったらからそろそろ着くころだよ」
stairs電車が遅れて、会場に着いたのは、試験開始の2分前。
コロケーション
<乗り物>が
電車、バス、船、車
<もの>が
荷物、手紙、商品
<場所>に
目的地、駅、家、場所、現地、会場
<様態>
やっと、もうすぐ、ちょうど、もう、まだ(~ない)、そろそろ、早く
解説
この意味の「つく」は、人・乗り物・ものがある場所(目的地)に到達することを表している。目的地に到達したら、典型的には主体の移動はそこで止まるため、ものが別のものに接して留まるという点で語義1と類似している。
誤用解説
尊敬、意志の形にできるのは主体が人の場合のみである。
 先生はもう会場に着かれたみたい。
 荷物はもう会場に着かれたみたい。
 他の人達は6時に会場に着くみたいだけど、私たちは5時までには会場に着こう。
 他の商品は6時に会社に着くみたいだけど、この商品だけは5時までには着こう。
類義語・反義語
類義語到着する
反義語


15.到達・接触(ものの一部)自動詞初級★★★
表記着く、付く
ものの一部がある場所に接する。
文型
<ものの一部>が<場所>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
船底が海底に着く
思い切り手を伸ばせば、なんとか天井につきます
枝が伸びてもう少しで塀につきそうだ。
このプールは底に足が着かないから、子供たちを遊ばせるのは止めておこう。
毎日のストレッチのおかげで、開脚前屈でマットにおでこが付くようになった。
相撲の決まり手である「鯖折り」とは、まわしを取って相手を引きつけ、上からのしかかって相手の膝を土俵につかせる技です。
コロケーション
<ものの一部>が
手、足、膝、尻、枝、底
<場所>に
地、壁、床、底、天井
<様態>
なんとか、軽く、ちょっと、もう少しで
解説
この意味の「つく」は、人やものの一部があるものや場所に到達して接することを表しており、ものがある場所に到達するという点で、人・乗り物・ものがある場所(目的地)に到達することを表す語義14と同様である。一方で、語義14の主体は人・乗り物・ものであるが、語義15の主体は人やものの一部であるという点で両者は異なる。また、語義14は移動の結果到達することに焦点が当たっているが、語義15は到達した結果ものに接するという点に焦点がある。なお、「船が海底に着く」も「船底が海底に着く」も同一の事態を表しているが、前者は到達に焦点が当たっており(語義14)、一方後者は「船底」という船の一部を取りあげることで、到達した結果その部分が接触することに焦点が当たっている。
誤用解説
主体が移動してその一部がある場所に届いて触れることを表すため、たとえ接触したとしてもそれが主体自身の移動や主体による操作によって引き起こされたのではない場合には用いられない。
 床におでこが付いた。(前屈運動で)
 母の手におでこが付いた。(熱があるか確認してもらうという状況で)
類義語・反義語
類義語届く、触れる
反義語


16.定着(場所)自動詞中級★★
表記着く、就く
人がある場所に身を置く。
文型
<人>が<場所>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
昨日は疲れていたので早々に床に就いた
選手が一斉にスタートラインに就いている
このプロジェクトを無事終えたら、帰国の途に就くつもりだ。
守備位置に就こうとしたら監督に止められた。
就業時間はとっくに過ぎたのに、なかなか家路に就こうとしない。
低学年の子供たちを大人しく席に着かせるのは大変だ。
コロケーション
<場所>に
席、テーブル、食卓、スタートライン、床、家路、帰路
<様態>
もう、まず、ちゃんと、そろそろ、なかなか(~ない)
解説
この意味の「つく」は、人がある場所に到達してその場に身を置くことを表しており、人・乗り物・ものがある場所(目的地)に到達することを表す語義14と類似している。一方で、語義14は移動の結果到達することに焦点が当たっているが、語義16は到達した結果その場所に身を置くという点に焦点がある。
誤用解説
その場所に身を置いて(とどまって)、その場所で何らかの典型的な行為を行う際に「つく」が用いられる。したがって、単に<その場所にいる>という意味では用いられない。例えば、野球の試合中に「彼は守備位置に就いている」とは言えるが、グラウンドの整備中に「彼は守備位置に就いている」とは言えない。
 彼は守備位置に就いて草を抜いた。
 彼は守備位置に就いてグローブを構えた。
類義語・反義語
類義語
反義語離れる(場所から離れる)、立つ(席を立つ)


17.定着(状態)自動詞上級
表記就く
人がある状態に身を置く。
文型
<人>が<状態>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
深い眠りに就くために大切なことは、就寝前にリラックスすることです。
祖父は今朝、祖母の手を握ったまま死出の旅路についたそうだ。
父は病床に就くまで昼夜を問わず働いていた。
事件のことを考えると、眠りにつこうとしても目が冴えてしまう。
相手を交渉の場につかせるにはどうすればよいだろう。
山田さんは脳梗塞で倒れたのち、ついに意識が戻ることはなく、静かに眠りにつかれた
コロケーション
<状態>に
眠り、病床、壮途
<様態>
ようやく、やっと、なかなか(~ない)
解説
この意味の「つく」は、人がある状態に身を置くことを表しており、ある場所に到達してそこに身を置くことを表す語義16と類似しているが、語義16はある空間に身を置くことを表す一方で、語義17はある状態に身を置くことを表しており、両者は異なる。


18.定着(仕事・役目)自動詞中級★★
表記就く、即く
人がある仕事・役目に身を置く。
文型
<人>が<仕事・役目>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
私が彼の補佐につきます
部下を重要な任務に就かせる
田中さんは東京で教職に就かれているそうです。
大学卒業後はメーカーの営業職に就きたい
うちの子は定職に就かず夢ばかり追っている。
念願かなって責任のあるポジションに就くことができた。
コロケーション
<仕事>に
仕事、業務、任務
<役目>に
職、地位、ポスト、座、ポジション
<様態>
すぐ、ようやく、初めて、再び、いずれ
非共起例
<役目>に
 彼は社長に就いた。
 彼は社長職[社長のポスト]に就いた。
役目を表す場合、具体的な役職名は不可。
解説
この意味の「つく」は、人がある仕事・役職に関与することを表しており、ある状態に身を置くという点で語義17と同様だが、語義18の「つく」はその状態が<仕事・役目>に特定されている。
誤用解説
 社長の地位に就く
 社長の地位に昇る
 社長の地位まで就く
 社長の地位まで昇る
ある地位に身を置くことを表す際に、その地位を二格で表す場合には、「つく」と「のぼる」の両方が可能だが、「<地位>まで」で表す場合には「つく」を用いることができない。これは、「のぼる」が<(それなりのプロセスを経て)ある地位に到達する>ことを表し、到達点と経路の両方に焦点が当たるのに対し、「つく」は到達点に<身を置く>ことのみに焦点があるためである。
類義語・反義語
類義語当たる(職務[社長職]にあたる)、のぼる(社長の地位にのぼる)
反義語辞める(社長職を辞める)、離れる(職務を離れる)、降りる(社長のポストを降りる)


19.決着(物事)自動詞中級★★
表記付く
物事が最終段階に到達する。
文型
<物事>がつく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
5回の延長の末、ようやく勝負がついた
その件については先方とは話がついている。
「次の打ち合わせは来週の水曜でどうですか」「その日なら都合が付きます
この仕事の片が付くまで他のことは考えられない。
例の件に関して調べが付いたらすぐにご連絡します。
事態は収拾がつかないところまできてしまった。
コロケーション
<物事>が
① 結末:決着、勝負、落ち、始末、けり、折り合い
② 整理:整理、片、収拾、収まり
③ その他:話、調べ、説明、都合、段取り
<様態>
① すぐ、すでに、ようやく、やっと
② (「~ない」の形で)まだ、まったく、なかなか、全然
<方法>で
話し合い、裁判、多数決
解説
この意味の「つく」は、物事が最終段階に達することを表しており、人・乗り物・ものがある場所(目的地)に到達することを表す語義14と、目的地に達するという点で類似している。また、語義14では、主体が目的地に到達したら主体の移動はそこで止まると述べたが、語義19の「つく」でも、主体である物事が最終段階に達し、進行がそこで止まることを含意している。
類義語・反義語
類義語決まる(勝負が決まる)、終わる(話が終わる)
反義語


20.決定(思考・感情)自動詞中級★★
表記付く
思考・感情が最終段階に到達する。
文型
<思考・感情>がつく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
彼の居場所は見当がついた
あいつには善悪の判断が付かない
転職をしようと考えているが、なかなか踏ん切りが付かない
急に会社を首になって、まだ気持ちの整理が付きません
あの人が次に何をするかはだいたい察しが付いている。
これら二つの商品は、素人には区別がつきにくい。
コロケーション
<思考>が
① 予想:見当、想像、察し、予想、予測、見通し、目星
② 判断:区別、見分け、判断、診断、見極め
<感情>が
決心、諦め、踏ん切り、整理
<様態>
① すぐ、すでに、ようやく、やっと、だいたい、そのうち、そろそろ
② (「~ない」の形で)まだ、まったく、さっぱり、皆目、なかなか、全然
解説
この意味の「つく」は、思考・感情が最終段階に達することを表しており、物事が最終段階に達することを表す語義19と類似している一方で、主体である物事は<思考・感情>に特定されている。また、語義14では、主体が目的地に到達したら、典型的には主体の移動はそこで止まると述べたが、語義20の「つく」でも、主体である思考・感情が最終段階に達し、進行がそこで止まることを含意しており、この点も語義14と同様である。
誤用解説
思考・感情のなかでも、「判断」、「予測」、「諦め」、「見切り」など、思考・感情の推移を経て何らかの時点でその推移が止まるものについて用いられるため、「意志がつく」、「期待がつく」などのように用いることはできない。
類義語・反義語
類義語できる(想像ができる)、決まる(勝敗が決まる)、立つ(見通しが立つ)、固まる(決心が固まる)
反義語


21.点火自動詞初級★★★
表記点く
火・あかりがともる。
文型
<火・あかり>がつく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
車はエンジンをかけると自動的にライトが点く
うちのマンションは6時になると廊下の電灯が点く
玄関に入るとパッとライトが点いた
停電になっても非常用照明が点くようになっている。
寒いと思ったら暖炉に火がついていなかった。
夕方になるとぽつぽつと街の明かりが点きはじめた。
コロケーション
<火>が
<あかり>が
明かり、電気、ランプ、電灯
<もの>に
暖炉、ろうそく、紙、炭、タバコ
<様態>
すぐ、パッと、ぽつぽつと、点々と
非共起例
<火>が
 ろうそくにが点く。
 ろうそくにが点く。
「炎」は「火」に含まれるが、「火」の中でも特に気体が燃焼している状態を表す。そのため、火がものに接した状態になりそのものに火がともることを表すのに「炎」は用いられない。
解説
この意味の「つく」は、火がものに接してそのものに火がともることを表しており、あるものに別のものが接してそこに留まるという点で、語義1と同様である。
また、「明かり」、「ランプ」などは実際に火がともらないものもあるが、これらが主体になりうるのは、火がともったように明るくなるためである。例えばランプには実際に火をともらせる引火式のオイルランプとその形態を模した電気ランプがあり、その両者に「つく」が同様に用いられる。
また、この「つく」は、主体に<火>だけでなく、それと隣接する<火を生じさせるもの>(ライターやマッチ)や<火がともるもの>(ろうそくや上述のランプなど)をとることもできる。
 マッチで火が点く。
 マッチが点く。
 ランプに火が点かない。
 ランプが点かない。
類義語・反義語
類義語ともる
反義語消える


22.起動自動詞中級★★
表記点く
機械類が起動する。
文型
<機械類>がつく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
やっとテレビが点いて、地震被害の状況が確認できた。
パソコンを立ち上げてからモニターが点くまで数秒かかります。
朝一番に出社すると、何台かのパソコンの電源が点いたままだった。
「この部屋は何でこんなに暑いの」「ずっと暖房が点いていたみたい」
なかなかストーブが点かないのでコートを脱げなかった。
入寮以来、排水口が詰まる、ヒーターが点かないなどのトラブルが続いている。
コロケーション
<機械類>が
電源、暖房、冷房、ストーブ、テレビ、モニター、ヒーター
<様態>
すぐ、突然、なかなか(~ない)
解説
この意味の「つく」は、機械類が起動することを表しているが、これは、火がものに接してそのものに火がともること、そこからさらに、電気が起動して火がともるように明かりがともることを表す語義21からの拡張と考えられる。つまり、語義21と語義22は、電気が起動するという点で類似している。
誤用解説
この「つく」は、すべての機械類に用いることができるのではなく、起動時に明かりや温度変化を生じさせることが確認できる機械類に用いられる。
 テレビがつく
 暖房がつく
 がつく。
類義語・反義語
類義語入る(電源[暖房]が入る)
反義語消える


23.感染自動詞上級
表記付く
菌がものの表面(または内部)にとどまる。
文型
<菌>が<もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
砂場遊びでばい菌が付く
夏場は水虫菌が付きやすい。
まな板はしっかり洗って乾燥させておけば雑菌が付きにくい。
人間の皮膚には様々な菌が付いており、日常的に存在するものを皮膚常在菌という。
生肉や加熱不十分の肉には食中毒の原因菌が付いている可能性があります。
肉に菌が付いていても、増殖させなければ食中毒は避けられる。
コロケーション
<菌>が
菌、ばい菌、雑菌
<様態>
すぐ、よく、すでに、簡単に、あっという間に
解説
この意味の「付く」は、菌がものに接し、感染することを表しており、ものが別のものに接して離れない状態になるという点で、ものが別のものの表面に接して留まることを表す語義1と同様である。一方で、語義23の主体は<菌>に特定されているという点と、表面に接するだけでなく内部に浸透するということ、またそれによって人やものに影響を及ぼすことも表すことができるという点で語義1とは異なる。
類義語・反義語
類義語感染する、付着する
反義語抜ける、消える


24.憑依自動詞上級
表記憑く
霊などが人に乗り移る。
文型
<霊など>が<人>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
お墓を荒らすと悪い霊が憑くよ。
精神的な病のことを昔は「キツネが憑いた」と言っていた。
あの人はものに憑かれたような目をしている。
霊能者に、「あなたには女性の生霊が憑いている」と言われた。
守護霊を占ってもらったら、曾祖母が憑いていると言われた。
卑弥呼には地祇の墨江の神が憑いていたと言われている。
コロケーション
<霊など>が
霊、神、キツネ、もの、悪霊
<人>に
人、人間、体
解説
この意味の「つく」は、霊などの人知を超えたものが人に乗り移ることを表しており、ものが付着して別のものに影響を及ぼすという点で、菌が付着して感染することを表す語義23と類似している。なお、この「つく」は、典型的には好ましくない影響を及ぼすもの(悪霊など)に対して用いられるが、「守護霊が憑く」のようにも用いられる。また、主体に言及せずに「今日はついている」のように表現することで、自らの努力や行いとはかかわらないところで運が向くことを表すこともできるが、この表現は、人知を超えた存在が影響を及ぼすという点で語義24から派生していると考えられる。
類義語・反義語
類義語乗り移る、とりつく
反義語抜ける、離れる


25.痕跡自動詞初級★★★
表記付く
物事の痕跡が別のものに残る。
文型
<痕跡>が<もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
犬にかまれて歯形が付いた
携帯電話の液晶画面は指紋が付きやすい。
「洋服に黄色い染みが付いているよ」「カレーうどんを食べたんだ」
起きたら顔に枕の跡が付いていた。
買ったばかりの靴にさっそく傷が付いてしまった。
革製品に傷が付いたらクリームを塗り込むと良い。
stairs桃は傷がつきやすいからね。
コロケーション
<痕跡>が
傷、跡、染み、汚れ、指紋、手垢、折り目、焦げ目
<もの>に
車、床、体、服、紙、画面
<様態>
深く、はっきり、べったり、まるく、くっきり、軽く、大きく
解説
この「つく」は、あるものが別のものに接した結果その痕跡が残るという意味を表している。したがって語義24は、ものが別のものに接した状態になることを表す語義1の結果として生じる意味である。なお、「足がつく」という表現でも<痕跡が残る>ことを表すことができるが、この表現では「足」は移動の結果生じる<足跡>(さらにそこから、<行為の痕跡>)の意味を表している。
誤用解説
この「つく」は、接触の結果痕跡が残ることを表すため、以下のように、熱によって生じた跡など、接触以外の理由によって残った痕跡については用いることができない。
 お灸をしたら一時的に赤みが付いた
 お灸をしたら一時的に赤みが残った
類義語・反義語
類義語残る
反義語消える


26.知覚自動詞上級
表記付く
物事が感覚に強く捉えられる。
文型
<物事>が<感覚器官>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
部屋干しの洗濯物のにおいが鼻につく
町の喧騒がやけに耳に付く
電車に乗っている時、ある車内広告がふと目に付いた
近所の犬の鳴き声が耳について離れない。
ベランダは泥棒の侵入経路になりやすいので人目に付くところに設置しましょう。
1人暮らしなので、下着などは人目に付かせないよう室内干しにする。
コロケーション
<物事>が
光景、におい、声、行為、言動
<感覚器官>に
目、鼻、人目、耳
<様態>
ふと、やけに、やたらと、ずっと、いつまでも
解説
この意味の「つく」は主体である物事が何らかの刺激を発し、それが場所としての感覚器官に捉えられることによって強く知覚されることを表す。これは、ものが別のものに接して離れない状態になるという点で、ものが別のものに接した状態になることを表す語義1と類似している。なお、「鼻につく」は、「あいつの高慢さが鼻につく」のように、実際に嗅覚器官では捉えられない物事についても用いられることがある。この場合、刺激が感覚器官に強く捉えられるという意味ではなく、刺激が感覚器官に強く捉えられるときに感じるように<嫌になる>あるいは<うっとうしく感じられる>という意味を表す。
誤用解説
この意味の「つく」は目(人目)、耳、鼻についてのみ用いることができ、味覚と触覚について用いることはできない。
 手[肌]に付く。
 口[舌]に付く。
また、主体の刺激が際立っていて「強く」知覚される場合にのみ用いられるため、単に知覚するという場合には用いられない。例えば、「目に付くゴミだけ拾っておこう」という場合、視覚可能なすべてのゴミではなく、その中でも目立ったゴミを指している。また、「彼の声が耳に付いた」という場合、単に<聞こえた>という意味ではなく、他の人の声と比べて<何らかの点で際立っていた>あるいは<不快だった>という意味を表す。
類義語・反義語
類義語する(目にする)、立つ(耳に立つ)
反義語


27.定着(植物)自動詞上級
表記付く
植物が根を張る。
文型
<植物(の根)>が<もの>につく
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
切った茎は挿し木用土にさしておけば根が付く
庭の松に苔が付き、風格が出てきた。
ハナミズキは根が付くまで3、4年かかる。
川幅を広げることで泥の付いていない石に苔を付かせ、鮎の餌場を増やす。
ローズマリーは簡単に挿し木が付くので神経質になる必要はない。
ここに植えられている苗はすでにしっかり根が付いているので冬を越せるだろう。
コロケーション
<植物>が
根、苔、挿し木
<もの>に
土、地面、石
<様態>
しっかり、ちゃんと
解説
この意味の「つく」は、植物が根を広げてそこで生長するために、その場所から動かしがたい状態になることを表しており、ものが別のものに接して離れない状態になるという点で、語義1と同様である。一方で、語義1では物は別のものの表面に接することを表すが、この意味では別のものの表面だけでなく内部まで浸透する状態を表すこともできる。
 苔が石に付く。(表面)
 根が土に付く。(内部)
誤用解説
根がその場で広がり、生長のための養分を吸収できる状態であっても、その場所から容易には離れない状態でなければ、この意味の「つく」は用いられない。
 ハナミズキの根に付く。
 浮草の根に付く。
類義語・反義語
類義語根付く(挿し木が根付く)、はる(根がはる)
反義語


つくの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























▶全例文を聞く
<もの>が
額をこすると手にがついた。
(ジョン・フランクリン・バーディン著;今本渉訳 『死を呼ぶペルシュロン』, 2004, 933)
靴はもちろん、膝にもがついている。
(志水辰夫著 『情事』, 2000, 913)
<もの>に
髪がクシャクシャで、フラノのシャツにゴミがついていたから。
(ブルース・ワグナー著;柳下毅一郎訳 『バド・ウィギンズ氏のおかしな人生』, 1995, 933)
外との境界にある窓ガラスに無数の水滴がついている。
(渡部潤一著 『しし座流星雨がやってくる』, 1998, 447)
<もの>が
ウエストに小さなボタンがベルトのようについています。
(CLASSY., 2004, 一般)
<もの>に
色がアイボリーホワイト、衿と袖口にレースがつき、胴を小豆色のサッシュベルトで止めている。
志水辰夫著 『裂けて海峡』, 2004, 913)
<物事>が
例えば、ニュージーランドの銀行では4%前後の利子がつきます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家計、貯金)
中国の援助には常に付帯条件がついていた。
(ロバート・S.マクナマラ編著;仲晃訳 『果てしなき論争』, 2003, 392)
<物事>に
今年もまた多くの雑誌に絵双六の付録がつくはずである。
(山本正勝著 『双六遊美』, 1988, 798)
<もの>が
酒とうまいものが好きだから、腹のあたりにみっちりとがついている。
(Domani, 2001, 家庭/生活)
剪定して風通しがよくなるので、果樹はがつきやすくなります。
(ホームライフセミナー編 『ガーデニングの<裏ワザ>大事典』, 2000, 627)
<部分>に
太ももの後面にぜい肉がたくさんついていると、ヒップの位置が実際よりも下がって見えてしまうことがあります。
(浅見善康監修;高島政浩著 『金の糸&フェザーリフト切らない若返り術』, 2005, 494)
葉のないに、木蓮を大きくしたような真紅の花がついていた。
(ユン・チアン著;土屋京子訳 『ワイルド・スワン』, 1993, 289)
<習慣>が
結婚の日も決まり、あと何日と数えるがついてしまった。
(しずく著 『ゆりが咲くとき』, 2002, 913)
だけど、そのせいで、ぼくもいつのまにかマンガを読む習慣がついてしまった。
(石本伸晃著 『ピエールの司法修習ロワイヤル』, 2003, 327)
<性質>が
マラソンを始めて、いろいろな部分で自信がついた
(広報あつぎ, 2008, 神奈川県)
物ごころがついたときからもう、つねに家の中に猫がいたそうである。
(佐藤隆介著 『「鬼平先生」流男の作法、大人の嗜み』, 1998, 159)
<力>が
だんだん体力がついてきてお昼寝をしなくても一日遊べるようになります。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 幼児教育、幼稚園、保育園)
<人・もの>に
最近のメールソフトには迷惑メール除去機能がついています。
(Yahoo!知恵袋, 2005, パソコン、周辺機器)
<状態・作用>が
日本とアメリカは高等教育で圧倒的ながついてしまった。
(SAPIO, 2001, 一般)
予備校には行かず家で勉強しているのですが最近、メリハリがつかないというかダラダラ勉強して、時間だけが無駄に過ぎ肝心な内容が頭に入ってないような気がします。
(Yahoo!知恵袋, 2005, メンタルヘルス)
<ラベル>が
日本の伝統的な色には、植物の名前がついています。
( 『調べて学ぶ日本の衣食住』, 1997, )
協子はとりあえず主任という肩書きがついているが、経験がないので仕事内容がまだよくわからない。
(青春と読書, 2002, 総記/マスコミ)
<価値>が
どの物件を比較しても、4割以上安い値段がついています。
(藤山勇司著 『サラリーマンでも「大家さん」になれる「藤山流」成功の奥義』, 2004, 673)
プレス向けの印刷物なども、一般に出ない分だけプレミアがつくこともある。
(PRESIDENT(プレジデント), 2001, 経済/経営)
<人・生き物・もの>に
その安物に、唐物の茶壺なみの高値がついた。
(城山三郎著 『黄金の日日』, 1978, 913)
<意見>が
ところが、それは、旅館からクレームがついて放映されないことになった。
(山村美紗著 『京都・出雲殺人事件』, 1994, 913)
だが、この渡米旅費は、意外なことからケチがついた。
(渡辺淳一著 『遠き落日』, 1979, 913)
<物事>に
患者の委任を受けて実施した医療行為にクレームがつけば、それを解決せずして代理人としての責任は果たせない。
(橋本巌著 『医療費の審査』, 2004, 498)
<人>から
小売価格の設定について,輸入総代理店から何らかの注文がつくとする小売店が多い。
(公正取引委員会年次報告:独占禁止白書, 1990, )
<物事(のコスト)>が
安く買ったものの、修理代が高くついたり、修理不能で使えなくなったりすることもある。
(アサヒカメラ, 2001, レジャー/趣味)
細い木を多くだすよりも、太い木を一本だしたほうが、輸送コストが安くつく。
鎌田慧著 『日本列島を往く』, 2005, 304)
<高く・安く>
コスト的には3枚の掃き出し窓は高く付きます。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家事、住宅)
同じ物流作業でも,船の場合の方がはるかに安くつく。
(田村正紀著 『流通原理』, 2001, 675)
<様態>
たえず間に、関係ないクルマを一台割り込ませ、ピッタリ後ろにつくことはありません。
(横田濱夫著 『騙しのカラクリ』, 2003, 326)
<人>が
民間のテレビ局は スポンサーがつかなければ、経営が成り立たない。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<人>に
それで何とか上智の大学院に進学できたのだけれど、南雲先生についてからはえらくしごかれました。
立花隆,東京大学教養学部立花隆ゼミ著 『二十歳のころ』, 2002, 281)
<虫>が
この前、密封した袋の中に入れた米にがついていました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 料理、グルメ、レシピ)
鉢土を乾かしすぎるとアブラムシがつきやすくなるので注意します。
(趣味の園芸(NHKテレビ放送テキスト), 2003, レジャー/趣味)
<人>が
各山域の山小屋にも独自のファンがついていて、季節には常連がよく集まった。
(森村誠一著 『煌く誉生』, 2002, 914)
<もの>に
一本のに松ケムシがついても、自然の環境では、周囲の広葉樹にはばまれて松ケムシの勢力は広がらない、ところが松だけ植えたら広い面積がやられる。
(橋本克彦著 『森に訊け』, 1990, 519)
<人>に
もっぱらに虫がつかないように母親が一緒についているのかもしれないが、これでは結婚妨害役にしかならないのではないかと邪推したくもなろうというものである。
(会田雄次著 『表の論理・裏の論理』, 1977, 361)
<乗り物>が
ある日村を流れる川にジプシーたちのが着く。
(SCREEN, 2001, 娯楽/芸能)
電車がまもなく平和島に着くとアナウンスがあった。
(野性時代, 2005, 文学/芸術)
<もの>が
その上、荷物が着くのにもひどく手間取った。
(中川久定ほか編 『17・18世紀大旅行記叢書』, 1991, 290)
<場所>に
ゴンドラは西穂高口に着いた。
(松定ちよし著 『原本枕草子に操られたキツネとタヌキ』, 2004, 913)
に着いたら、お父さんに電話を入れてあげることね。
(門田泰明著 『愛憎のメス』, 1987, 913)
<ものの一部>が
いい感じでリラックスして滑れるようになってきた、次第にグリップもするようになってきて、最後はが雪面まで着く位、低い姿勢で滑れるようになった。
(Yahoo!ブログ, 2008, スポーツ)
彼らは地面にをついて、隆之に一礼した。
(井沢元彦著 『一千年の陰謀』, 2002, 913)
<場所>に
また、三脚架で国旗を立てる場合、旗が地面や床に着かないようにしなければならない。
(竹中敬明著 『知っておきたい国旗・旗の基礎知識』, 2003, 288)
<場所>に
モデルも含めてスタッフ全員がテーブルに着いた。
(赤羽建美著 『イヴの贈り物』, 1991, 913)
買い物を終えて家路に着いた。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
<状態>に
空が白みかけるころようやく眠りについた。
(青樹明子著 『日本の名前をください』, 2001, 302)
大正二年十一月初めに病床につき、二十二日に第六天の邸で七十七年の生涯を終えられた。
(榊原喜佐子著 『徳川慶喜家の子ども部屋』, 1996, 289)
<仕事>に
全く畑違いの仕事に就いたのは、技術を生かす仕事がなかったからだ。
(小杉健治著 『父からの手紙』, 2003, 913)
<役目>に
彼のほうは、博士課程を終えた後、国に戻ってに就いています。
服部真澄著 『龍の契り』, 2001, 913)
当然のことながら、Aは自分よりも実力の劣るBが広報のポストに就いたことに不満をもつ。
(太田肇著 『囲い込み症候群』, 2001, 361)
<物事>が
ものの5分と経たないうちにあっさり決着がついてしまった。
(Yahoo!ブログ, 2008, Yahoo!ブログ)
そうだとすれば、すべてに説明がつきます。
(マイク・ティッドウェル著;吉嶺英美訳 『アマゾンの白い酋長』, 1997, 936)
<方法>で
話し合いで決着がつくような雰囲気ではないので、裁判に持ち込まれるのでは、と親族の多くは見ています
(Yomiuri Weekly, 2005, 一般)
<思考>が
雪に進路をはばまれ、自分が今どこにいるのか、まったく見当がつかなくなりました。
ギャスケル著;松岡光治編訳 『ギャスケル短篇集』, 2000, 933)
造花とほんものの花の区別がつかなくなっている。
(轡田隆史著 『「国語力」をつける本』, 2002, 810)
<感情>が
それでようやく、かねてからの願望だった職人になる決心がついたのよ。
(モリー・マーティン編;原美奈子訳 『素敵なヘルメット』, 1992, 366)
<様態>
レイの考えていることは、だいたい想像がつく。
(池田美代子作;さこやん絵 『占い魔女は消えた』, 2001, )
<火>が
そして着火剤にがつけば、上側の炭や薪に火が移ります。
( 『関西・名古屋から行くオートキャンプ場ガイド』, 2001, 786)
<あかり>が
最初の上映が終わると、灯りがついた。
(レジーナ・エシェヴェヒア著;国安真奈訳 『台風エリス』, 2002, 767)
<機械類>が
奥でテレビがついていて、受付の椅子に座ったままそれを観ている義文の後ろ頭が見える。
(宮部みゆき著 『理由』, 2004, 913)
<菌>が
野生動物のフンを直接ふれると、ばい菌がつく可能性があります。
(太田京子著 『人はクマと友だちになれるか?』, 2004, 489)
<霊など>が
母に悪い鬼神が憑いたのではないか、とさえ廐戸は悩んだ。
(黒岩重吾著 『聖徳太子』, 1990, 913)
<痕跡>が
フローリングは案外キズがつきやすい上に、そのキズも目立ちます。
( 『暮らしの達人』, 2001, 590)
おまけに画集を見る時は、素手で触ると手垢がつくからと白手袋を渡される。
(到津伸子著 『不眠の都市』, 2002, 914)
<もの>に
とても大事にしていたトレーナーにしみがついてしまいました。
(Yahoo!知恵袋, 2005, ファッション)
白いには何本もの切り傷がついていた。
(龍一京著 『絆』, 2004, 913)
<物事>が
作り立ては、醬油の臭いが鼻につき、味もどこかぴんとこない。
(荒川勝利著 『誰にでも打てる掟破りの簡単手打ちそば』, 2001, 596)
ときには、あまりにも強いアクセントが耳につき、不快になることすらある。
秋島百合子著 『アナウンサーはなぜ消えたのか』, 1989, 699)
<感覚器官>に
どこにいっても家族連れがについた。
(小説宝石, 2001, 文学/芸術)
斎藤は人目につかぬよう部屋をそっと出た。
秋山香乃著 『新選組藤堂平助』, 2003, 913)
<植物>が
みんな、うまくが付いてくれるといいんだけどね〜。
(Yahoo!ブログ, 2008, ペット、動物)






























空港までの送迎と1日目の夕食、2日目の市内観光まで付いてこの価格はかなりお得じゃない?
子どもの場合、免疫がつきにくいので2回接種を行います。
おまけ欲しさに出かけて、かえって高くついてしまいました
それまで全く運動をしていなかったので、はじめは皆についていくのが精一杯でした。
電車が遅れて、会場に着いたのは、試験開始の2分前。
桃は傷がつきやすいからね。
板に付く

意味
役者が経験を積んで、芸や振る舞いが板(板張りの舞台)と調和する
用例
その女優は数々の舞台をこなし、喋り方や所作が板に付いてきた。
コーパスからの用例
葉山はステージの上の女に目を遣った。派手な衣装は着ているが、どこか板に付かず、水商売にもみえなかった。 (五條瑛著 『スリー・アゲーツ』, 2002, 913)
意味
人が経験を積んで、態度、服装、働きなどが地位や職業にしっくり合う。
用例
入社二年目で、ようやくスーツ姿が板に付いてきた。
コーパスからの用例
その言い方には、特に感情がこもっているわけではなかった。もの慣れない新客に対しても、すっかり板についた流れ者の労働者に対しても、義文は同情したり軽んじたりすることがない。(宮部みゆき著 『理由』, 2004, 913)
尾ひれがつく

意味
話が誇張される
用例
あいつの話にはいつも尾ひれがついている
コーパスからの用例
異国の都会という名のジャングルで、連中が生き残るための最大の武器が情報だ。 凄まじいスピードで飛び交う情報―話に尾鰭がつき、やがて噂となる。 噂の大元を辿るのは不可能だった。(馳星周著 『鎮魂歌』, 1997, 913)
恰好が付く

意味
人に見せられるようになる、体裁が整う
用例
レストランも予約したし花束も買った。これでなんとか恰好が付く
コーパスからの用例
車は、黒塗りの大型ベンツである。専属運転手がいなければ恰好がつかないような高級車だった。 (竹河聖著 『闇に光る眼』, 1999, 913)
気が付く

意味
認識する
用例
原稿を読み直して間違いに気が付いた
コーパスからの用例
同級生だが、岸本は少し敬語をまじえて話しかけてきた。「気がつかなかった。あのあたりに勤めているの?」(渡辺淳一著 『ひとひらの雪』, 1983, 913)
意味
細かいところにまで注意がおよぶ
用例
彼女は本当によく気が付くね。
コーパスからの用例
はい、千織ちゃんのはこれよ、とビールの下から彼女はオレンジジュースを出す。 気のつく人なんだ、と改めて感心した。(浅倉卓弥著 『四日間の奇蹟』, 2003, 913)
意味
意識が回復する
用例
電車で寝てしまい、気が付くと終点だった。
コーパスからの用例
仕方なく、少し横になろうとベッドに身を投げ出したとたん、もう記憶がとんでしまった。気がつくと朝だった。(鈴木康央著 『ぐーるど先生の怪異譚』, 2003, 913)
付いて回る

意味
いつも離れずに付き従う。また、ある特定の事柄が、いつまでもそのものにつきまとう。
用例
彼はどこに行っても悪評が付いて回る
コーパスからの用例
だが、もちろん、堀河の個人的な力には限界がある。公にできないことで、片桐やそのほかのスタッフの協力が仰げないとすれば、見落としの不安は必ず付いて回る。(永井均著 『倫理とは何か』, 2003, 150)
手につかない

意味
他のことが気になって、あることに集中できない
用例
彼女に振られて仕事が手に付かない
コーパスからの用例
不合格の場合は、もう一度受験しようと思っていたのですが、スランプで受験後は勉強が手につきませんでした。試験の出来もあまり良くなかったのですが、この年は合格発表を試しに見に行くことにしました。(佐藤尚弘著 『35歳までに自分を変えたい人の勉強法』, 1999, 159)
取り返しがつかない

意味
失ったものを取り戻したり、失敗したことをはじめからやり直したりすることが不可能である
用例
取引先を怒らせたら取り返しが付かなくなる
コーパスからの用例
第二次世界大戦中、県は食糧増産のため、この山もイモ畑にしてしまおうと計画した。しかし、それでは自然破壊が進み取り返しがつかないことになる。 そこで先代がオリーブ園にすることを思いついた。(松谷みよ子著 『現代民話考』, 1994, 388)
引っ込みがつかない

意味
やりかけたことを途中で止めることができない
用例
喧嘩の発端は些細なことだったが、引っ込みが付かなくなってしまった。
コーパスからの用例
そのとき、はっきりノーと言わなかったのがまずかった。二人とも引っ込みがつかなくなってしまった。(森村誠一著 『青春の証明』, 1977, 913)
複合動詞 V1

付き合う、付き添う、付き従う、付きまとう
複合動詞 V2

抱きつく、しがみつく、気付く、勘付く、傷付く、食いつく、噛みつく、思いつく、こびりつく、さび付く、根付く、片付く、追い付く、勢いづく、住みつく、憑りつく、ふらつく、帰り着く、辿り着く、流れ着く、落ち着く
複合名詞

曰くつき、思いつき、折り紙つき、生まれつき、顔つき、寝付き、条件付き、付き人、憑き物
つく(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型起伏型
辞書形
ない形ない
~なかったなかった
ます形つき
~ませんつきま
~ましたつきした
~ませんでしたつきまんでした
~ときくとき
ば形けば
意向形
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た形いた
可能形
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