乗る・載るのコアイメージ

1.身を置く自動詞初級★★★
表記乗る
人・動物が、ものの上に身を置く。
文型
<人>が<もの>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
うちのインコは肩に乗る
猫に膝の上に乗られてトイレにも行けない。
子供が父親の背中に乗ってはしゃいでいる。
「電球に手が届かない」「何か台に乗ったら
「最近ダイエットしているんだってね」「でも、何度体重計に乗ってもあまり変わらないの」
閉会式では、表彰台に乗っている上位4名の写真が撮られた。
コロケーション
<もの>に
台、背中、膝、肩、脚立
<様態>
おとなしく、ちゃんと、よく、ちょこんと
解説
人・動物などの主体が自らの意志で移動して、あるものの上に身を置くことを表す。なお、典型的には地面よりも高くなっているものの上に身を置くことを表すが、「白線の上に乗らないでください」のように、地面と比較して高さが認められない場合でも、地面とは区別できるものであれば「のる」と言える場合もある。
誤用解説
この「のる」は、ものの上に移動してそこに身(体全体)を置くことを表すため、あるものの上に体の一部が置かれている場合には用いられない。したがって、単に椅子に座ることを表す場合には「椅子に乗る」とは言えないが、椅子を台のように使用する場合には「のる」を用いることができる。
 椅子に乗って休む。
 椅子に座って休む。
 椅子に乗って電球を変える。
また、高さのある場所に移動してそこに身を置いたとしても、それが丘や山のように地面と一続きになっている場合には「のる」は用いられない。「のる」は単に高いところに移動することではなく、地面とは区別できるものの上に移動して身を置くことを表す。
 丘に乗って町を見渡した。
 丘に登って町を見渡した。
類義語・反義語
類義語あがる
反義語おりる


2.乗車自動詞初級★★★
表記乗る
人が、移動のために、乗り物の上・中に身を置く。
文型
<人>が<乗り物>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
昨日初めて馬に乗った
東京から名古屋までは新幹線に乗って、そこから目的地までは地下鉄に乗ります
私は飛行機に乗ることはめったにない。
エレベーターに乗る時は、降りる人を優先してください。
術後トイレに行く患者さんには、安全のために車椅子に乗ってもらいます。
入園後にファストパスを手に入れると、優先的にアトラクションに乗れる
コロケーション
<人>が
客、乗客
<乗り物>に
① 移動手段:車、バス、電車、自転車、船、飛行機、バイク、エレベーター
② 遊具:ジェットコースター、アトラクション、ブランコ
③ 動物:馬、ラクダ、象、白馬、ロバ
<場所>から
駅、空港、乗り場、バス停、自宅
<場所>まで
駅、終点、空港、ホテル、途中
<様態>
ちょっと、うまく、なんとか、安く、わざわざ、たまたま
<頻度>
はじめて、いつも、よく、ほとんど~ない、たまに
<期間>
長く、ずっと、しばらく
非共起例
<乗り物>に
 ローラースケートに乗る。
 スケートボードに乗る。
足に装着するようなものの場合には「のる」は用いられない。
<乗り物>に
 サルに乗る。
 に乗る。
移動のための乗り物とみなすことができる場合にのみ、動物とも共起可能になる。
解説
この意味の「のる」は、人が自らの意志で移動して、あるものの上に身を置くという点では語義1と同様であるが、着点となるものは運動・移動を可能にする乗り物に限定されている。また、「馬に乗る」のように乗り物の上だけでなく、「車に乗る」のように乗り物の中に身を置くことも表すが、後者のように最終的にはものの中に身を置いていると思われる場合でも、地面より高い場所に位置するもの(車の床)の上に移動していると考えられる。なお、着点は運動・移動を可能にする乗り物であるため、以下のように乗り物に身を置くことによって移動することまでを含んで表すこともできる
 「ここまでどうやって来たの」「東京から横浜まで電車に乗って、そこからはバスに乗ったよ」
類義語・反義語
類義語またがる(バイク[馬]にまたがる)
反義語おりる


3.水流・気流の利用(人・動物)自動詞初級★★★
表記乗る
人・動物が、液体・気体の動きに合わせて移動する。
文型
<人・動物>が<水流・気流>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
鳶が上昇気流に乗ってゆっくりと空を旋回している。
かつおは2月中旬頃から黒潮に乗って北上を始める。
マラソン大会当日は少し気温が低かったが、追い風に乗って気持ちよく完走できた。
波に乗ろうとしてサーフボードの上で身を起こしたら、バランスを崩してしまった。
「本当にサーフィンが好きだね」「波に乗れると気持ちいいよ」
パラグライダーの練習では、上昇気流に乗る訓練もします。
コロケーション
<動物>が
魚、鳥、かつお、まぐろ、鳶
<水流>に
波、流れ、黒潮、海流、潮流
<気流>に
風、気流、追い風、上昇気流
<様態>
うまく、なんとか
非共起例
<水流>に
 に乗って海に出る。
 川の流れに乗って海に出る。
「川」自体流れのあるものであるが、「川に乗る」とは言えず、必ず「流れ」を伴う。
解説
この意味の「のる」は、運動・移動を可能にする乗り物に身を置くことを表す語義2と、主体が移動するものに身を置くという点で類似している。一方で、語義2の着点が移動のために用いられる乗り物や、乗り物とみなされる動物であるのに対して、語義3は動きのある液体や気体である点が異なる。なお、語義2では、実際に動くのは主体ではなく主体が身を置く乗り物であるが、語義3でも同様に、液体や気体自体が移動するものであり、生物がその動きに合わせて移動するか、あるいは移動のために身を任せることを表す。
類義語・反義語
類義語
反義語はずれる(潮の流れから外れる)


4.交通の利用自動詞上級
表記乗る
人が、交通上のルートを利用して移動する。
文型
<人>が<道>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
明日は下呂で41号線に乗り、高山へ向かうことにしよう。
初めてETCを利用して高速道路に乗れた
機上のパイロットは、管制塔の指示に従って適切な進入コースに乗ることができる。
「お客さん、どのルートにいたしましょうか」「霞ヶ関から首都高に乗ってください」
国道12号線に乗っていけば江別に、274号線に乗っていけば北広島に辿り着くはずだ。
土砂崩れで道が封鎖されており、今来た道を引き返して迂回ルートに乗らなければならなくなった。
コロケーション
<道>に
高速(道路)、国道、首都高、ルート、コース、バイパス
<様態>
初めて、そのまま、良く、すでに、とりあえず、しばらく
解説
この意味の「のる」は、交通上のルートを利用して移動することを表し、ものが水流や気流の動きに合わせて移動することを表す語義3と、ものの流れに合わせて移動するという点で類似している。一般に、交通上のルートである「道路」には水流や気流と同様交通の流れがあり、「のる」はそれに沿って進むことを表すため、実際に高い位置にある「高速道路」だけでなく、何らかの「ルート」や「コース」に対しても用いられ、必ずしも位置の高低は関わらない。ただし、以下の誤用解説で述べるように、交通の流れが認められる場合でも、高い位置から下方向へ移動する場合には「のる」は用いられない。
誤用解説
高速道路は一般道よりも高い位置にある(そのため、一般道は「下道」と呼ばれる)。「のる」は本来、物の上に身を置くことを表すため、高い位置から低い位置に身を移す場合には「のる」は用いられない。
 しばらく一般道を走った後、高速に乗る。
 しばらく高速を走った後、一般道に乗る。
類義語・反義語
類義語入る(国道[コース]に入る)
反義語おりる


5.調和(人)自動詞上級
表記乗る
人が、物事の動きに身を任せる。
文型
<人>が<物事の流れ>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
参拝客で大賑わいの境内を、流れに乗って進んだ。
リズムに乗って踊りましょう。
軽快な音楽に乗って体を動かす。
彼は入社後すぐに出世コースに乗ったようだ。
新たな法人制度が出てきたら、その制度に乗る乗らないかをきちんと議論する必要がある。
集団のペースに乗ると、かえって楽に走れることを知りました。
コロケーション
<物事の流れ>に
① 時流、流行、流れ
② ルート、レール
③ 音楽、リズム、曲、音
<様態>
ようやく、順調に、やっと、うまく、なかなか~ない
解説
この意味の「のる」は、物事の流れに合わせるという点で、交通上のルートを利用して(その流れに沿って)移動することを表す語義4と類似している。ただし、その流れを持つものは道路のような具体的な存在ではなく、時代やプロセス、音楽など、なんらかの流れや道筋を持つより抽象的な物事である。
誤用解説
上述のように、二格に来るのは何らかの流れを持つ物事であるため、例えば以下のように「笛の合図」に合わせる場合であっても、笛が一度だけ吹かれた場合には「のる」とは言えない。一方笛を何度も吹くことによって音の流れ(リズム)が生み出される場合には「のる」を用いることができる。
 笛の合図に乗って一斉に走り出す。(笛が一度だけ吹かれる場合)
 笛の合図に乗って踊りの練習をする。(笛が連続して吹かれリズムになっている場合)
類義語・反義語
類義語合わせる(音楽[ペース]に合わせる)、従う(制度[流れ]に従う)
反義語はずれる(出世コースから外れる)


6.調和(もの)自動詞上級
表記乗る
ものが、物事の流れに身を任せる。
文型
<もの>が<物事の流れ>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
会社が成長サイクルに乗るまではみんなで必死になって働こう。
当店では市販ルートに乗らない珍しいお酒を扱っています。
バブルに乗らなかった企業は今も経営が比較的安定している。
このプロジェクトが軌道に乗ったら、新しい仕事を任せてもらえるかもしれない。
数が揃わない魚は流通ルートに乗ることはなく、地元の料亭や旅館でお客様に提供されます。
よく売れる商品は、生産コストが下がってさらに安くなるという好循環に乗っています
stairsこの流れにのって完売しそうね。
コロケーション
<物事>が
経営、仕事、会社、商売、生活
<物事の流れ>に
① 時流、流行、潮流
② 軌道、ルート、流通、システム
<様態>
ようやく、順調に、やっと、なかなか~ない
解説
この意味の「のる」は、語義5と同様、物事の流れに合わせるという点で、交通上のルートを利用して(その流れに沿って)移動することを表す語義4と類似している。しかし、語義5の主体が自らの意志、力で動くことのできる人間である一方で、この意味の「のる」の主体は自らの意志を持たず、また自らの力で動くことのできない物事である。したがって、語義5とは異なり意志形で用いることはできない。
誤用解説
ニ格にくる物事の動き・流れは、必ずしもプラスの流れでなくても良いが、マイナスのものには用いられにくい。
 商品が好循環に乗っている。
 商品が悪循環に乗っている。
 商品が悪循環に陥っている。
これは、風や水流に合わせて楽に移動できるのと同様に、自分の力だけでなく物事の流れによって自らの力による前進が促進されるためであり、この前進は現状からの進歩と捉えられるためだと考えられる。
類義語・反義語
類義語
反義語はずれる(市販ルートから外れる)


7.水流・気流の利用(もの)自動詞初級★★★
表記乗る
ものが、液体・気体の動きに合わせて移動する。
文型
<もの>が<水流・気流>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「いいにおいがする」「金木犀の香りが風に乗ってやってきたんだね」
春に発生した黄砂は、偏西風に乗ってわが国に到達する。
酸素は血液に乗って各細胞に送り届けられる。
汚染物質は海流に乗って絶えず移動している。
毒素は血流に乗って全身に回ってしまう。
潮に乗ってやってきた流木やヤシの実を拾って、海岸をきれいにする。
コロケーション
<水流>に
波、流れ、血液、血流
<気流>に
風、気流、北風、偏西風
<様態>
うまく、やがて、時には
非共起例
<水流>に
 山に捨てられたゴミがに乗って海に出た。
 山に捨てられたゴミが川の流れに乗って海に出た。
語義3と同様、「川」自体が流れのあるものであるが、「川に乗る」とは言えない。
解説
この意味の「のる」は、主体が液体・気体の動きに合わせて移動するという点で、語義3と同様である。一方で、語義3の主体は人や鳥、魚など、自らの意志あるいは自らの力で移動が可能なものであるのに対して、この意味の「のる」の主体はそれ自体の力では動くことのできないものであるという点で異なる。つまり、語義3では自らの意志または力で移動できる主体が、移動のために水流や気流の動きに身を任せることを表すが、語義7の「のる」の主体は自力で動くことができない無生物であるため、意志形で用いることはできない。
なお、この意味の「のる」は、「<水流・気流>に乗って移動する[やってくる]」のように、単独ではなく移動を表す他の動詞とともに用いられることが多い。


8.伝達自動詞上級
表記乗る
情報が、電波の動きに合わせて移動する。
文型
<情報>が<電波>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
PHSの電波に乗って実際に相手の声が届いた時には感動した。
偉大な功績を残した人物の名が、メディアに乗って世界中に広がっていった。
芸歴2年の新人タレントは、テレビやラジオの電波に乗って一躍有名になった。
幸いにも、事故の悲惨な場面は電波に乗らなかった
個人ブログとは言っても、情報が公共の電波に乗ることに変わりはない。
「この曲、素敵だね」「こういう曲こそもっと電波に乗るべきだよね」
stairs自分の名前が電波に乗って、しかもジェシーの声なら、やる気出ちゃうよね!
コロケーション
<情報>が
情報、声、シーン、場面
<電波>に
電波、メディア
<様態>
もっと、一時期、よく、すぐに
非共起例
<情報>が
 乱闘が電波に乗った。
 乱闘シーンが電波に乗った。
主体はひとまとまりの情報として捉えられるものであるため、出来事が主体となる場合には例えば「乱闘」ではなく「乱闘シーン」や「乱闘の場面」のようになる。
解説
この意味の「のる」は、情報が電波によって運ばれることを表し、主体であるものが液体・気体の動きに合わせて移動することを表す語義7と、移動物によってある場所に運ばれることを表すという点で類似している。つまり、葉っぱが風によって運ばれるように、「声」、「名前」、ある「場面」などの情報が電波によって運ばれることを表す。


9.便乗自動詞中級★★
表記乗る
人・組織が、物事の勢いに身を任せる。
文型
<人・組織>が<物事の勢い>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
あまり図に乗るなよ。
このまま勢いに乗って決勝まで進もう。
景気拡大の追い風に乗って、会社は急成長した。
スピードに乗ったまま自転車で坂を下っていく。
「健康食品が注目されているから、いくつかの会社がサプリメントを扱い始めたね」「うちの会社もブームに乗ろう
あいつは最近調子に乗っている
コロケーション
<物事の勢い>に
図、調子、勢い、スピード、ブーム、トレンド
<様態>
つい、完全に、すぐ、うまく、ますます
解説
この意味の「のる」は、物事の流れに身を任せるという点で、水流や気流の流れに身を任せてある場所に移動することを表す語義3と類似している。なお、何らかの流れを持つものに合わせるという点では語義3から派生した語義5とも類似しているが、語義5と異なるのは、水流や気流の単なる流れではなく、その「勢い」に焦点が当たっている点である。つまりこの意味の「のる」は、単に物事の動向に身を任せることを表すのではなく、主体的に勢いのある物事に合わせることを表す。
なお、この意味の「のる」の主体は人または人の集団(組織)であるが、以下の例のように人の「気持ち」、「気分」を主体とすることもできる。この場合は必須項である二格が表されず、また「気持ち」に修飾要素を付加しにくいため、慣用的な表現であるといえる。しかし、表示されない二格はこの意味の「のる」の他の例と同様、その場の状況において認められる何らかの物事の勢いであると考えられる。
 勉強しなきゃと思うけど、なかなか気持ちがのらない
 今日は気分がのっている
さらに、同様に二格を明示せずに以下のように用いることもできる。
 「今日は3件契約が取れた」「最近のってるね」
この場合も、勢いや調子の良さに身を任せ、順調であることを表す。
誤用解説
「調子」はもともと、音楽の強弱や物の良し悪しなど、ある状態を表す語であり、勢いの有無については限定されない。しかし、「調子に乗る」の「調子」は、勢いがある精神状態のみを表す。
 たくさん褒められて調子に乗った。
 たくさんけなされて調子に乗った。


10.同調・参与自動詞中級★★
表記乗る
人が、人の言動に身を任せる。
文型
<人>が<人の言動>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
儲け話に簡単に乗ってはいけない。
すぐにおだてに乗ってしまうのは、あいつの悪い癖だ。
その手には乗らないぞ。
「田中さんの誕生日をサプライズでお祝いしようと思うんだ」「その話、私も乗った!」
見知らぬ人、初対面の人の誘いには軽々しく乗らないようにしましょう。
お困りでしたらいつでもご相談に乗らせていただきます。
コロケーション
<人の言動>に
① 言葉:話、口車、甘い言葉
② 考え:提案、計画
④ 行為:相談、誘い、誘惑、挑発
<様態>
すぐ、安易に、親身に、気軽に、いつも、つい、軽々しく
解説
この意味の「のる」は、人が他人の言動に合わせることを表しており、人が移動のために、乗り物の上または中に身を置くことを表す語義2と類似している。語義2では、移動のために乗り物に身を置くことを表し、その<乗り物>を利用してある場所へ移動することをも表すことができるが、この意味の「のる」は、<人の言動>に身を任せることである状況へと運ばれることを表す。この<人の言動>が挑発、嘘、うまい話などマイナスのものであれば、それに「のる」ことは「喧嘩をする」ことや「だまされる」ことなどのマイナスの事態に運ばれる(参与する)ことにつながり、一方で<人の言動>が、相談、提案、計画などのマイナス評価を持たないものであれば、それに「のる」ことは単にある事態に参与することにつながる。これは、この意味の「のる」が語義2と同様に、動きのあるものに身を任せることを表すためである。
誤用解説
<人の言動>として「話」があるが、以下の「内緒話」のように話の様態を表す語とは共起せず、「うまい話」のように、計画や提案などの話の内容を表すものとのみ共起する。
 相手の内緒話に乗る。
 相手のに乗る。(この場合の「話」は相手の持ち掛けてきた事柄など、話の内容を表す)


11.積載自動詞初級★★★
表記載る、乗る
ものが、別のものの上に位置する。
文型
<もの>が<もの>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
「荷造りも済んだし、あとはトラックに載せるだけだね」「こんなにたくさん載るかな」
焼きあがったせんべいがベルトコンベアに乗って運ばれてくる。
ゴルフでは、ボールがグリーンに乗ったら、そこからはパターでプレーします。
店内の棚には所狭しと商品がのっている
「新しい店のラーメンはどうだった」「野菜がたっぷり乗っていて、おいしかったよ」
テーブルに載っているご馳走を見て、ますますお腹が空いてきた。
stairs様々な付属物が載っている分重いので、バッテリーが切れるとかえってお荷物になってしまいます。
コロケーション
<もの>に
机、テーブル、棚、トラック、荷台、車
<様態>
たっぷり、たくさん、すこし、ちょこんと、もう~ない
解説
この意味の「のる」は、主体が別のものの上に位置するという点で、人・動物などがあるものの上に身を置くことを表す語義1と類似している。一方で、語義1は主体が人・動物であるのに対して、この意味の「のる」の主体は人・動物以外のものであるという点で異なる。また、主体が人・動物以外のものであるため、自らの意志で移動してあるものの上に身を置くのではなく、何らかの外的な力によって移動させられて別のものの上に位置することを表すという点でも語義1とは異なる。例えば、ゴルフで「ボールがグリーンに乗った」と言う場合、ボールはそれを打つ人間や風などの外的な力によって移動し、別のものの上に位置することを表す。
なお、この意味の「のる」は外的要因によりある場所に位置する状態になることを表し、基本的にはテイル形で用いられて結果状態を表す。それ以外の場合は「たくさん載る」、「もう載らない」のように、能力を表すことが多い。
誤用解説
ひとまとまりのものが別のものの上に位置することを表し、液体や気体などには(それが缶やボンベに入っていたとしても)「のる」は用いられない。
 灯油が載った軽トラ
 灯油を積んだ軽トラ
 あのトラックにはガスが載っている
 あのトラックにはガスが積んである


12.付着自動詞中級★★
表記乗る
ものが、別のものの表面・内部につく。
文型
<もの>が<もの>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
今日はなんだか化粧がのらない
「たっぷり脂がのった秋刀魚はいかがですか」「おいくらですか」
紙の材質によってはインクがうまくのらないことがある。
「最近お腹に肉が乗ってきた」「お酒を控えた方がいいよ」
彼は、鍛えた体に程よく筋肉が乗っている
子供のプレゼントに、胸のあたりにキャラクターの刺繍が乗っているブラウスを買った。
コロケーション
<もの>が
① 脂肪:脂、肉、筋肉、脂肪
② 染料:インク、色
③ 化粧:化粧、ファンデーション
<様態>
しっかり、ある程度、たっぷり、ほどよく、均一に
解説
この意味の「のる」は、ものが別のものの上に置かれることによって、そのものにぴったりと付着することを表す。したがって、ものが別ものの上に位置することを表す語義11と原因と結果の関係にある。なお、「脂がのる」などでは、「インクが紙に乗る」とは異なり、あるものがそれとは別に存在していたものに付着するのではなく、ものの内部であるものが新たに生じることを表すが、その場合でも、筋肉や脂肪は視覚で捉えられるもの(力こぶや身体から突出した部分など)であり、あたかももとからあるものに新たに付着したように捉えられる。
また、「脂がのる」は、魚などの脂肪が増えて味が良くなることから、さらに人間が仕事などにおいて調子が出ることを比喩的に表すこともできる(慣用句1参照)。
誤用解説
この意味の「のる」は、画びょうやテープ等を用いてものを別のものに付着させる場合には用いられない。
 壁にポスターがのっている
 壁にポスターが貼ってある
さらに、表面にぴったりと付着することを表すため、「汚れ」などの浸透するものには用いられない。なお、インクや絵の具も厳密には浸透するものだが、浸透して滲んでしまったり、逆に弾いてしまったりする場合には「のる」は用いられず、ぴったりと付着しているように捉えられる場合にのみ「のる」と言える。
 紙に汚れが乗っている
 紙に汚れが付いている
類義語・反義語
類義語つく
反義語とれる、おちる


13.掲載自動詞中級★★
表記載る
情報が、紙面に掲載される。
文型
<情報>が<紙面>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
我々の地域活動が新聞に載った
ブラックリストに名前が載ってしまった。
普段目にする地図には住民の名前までは載らない
ふつう、ガイドブックには市街地図や路線図が載っている
「どの参考書を買えばいいかな」「解説が詳しく載っているのがいいよ」
この本には、ホームページ入門や掲示板・カウンターの設置方法まで幅広く載っています
stairs自分の名前が載った新しい番付表を手にし、インタビューに答えます。
コロケーション
<情報>が
記事、情報、写真、名前、コメント、データ、解説、作品、論文、表
<紙面>に
新聞、教科書、雑誌、本、地図、リスト、ページ、サイト、メニュー
<様態>
必ず、ちゃんと、そのまま、ばっちり、詳しく、よく、大きく、小さく、いち早く
解説
この意味の「のる」は、ものが別のものに付着することを表す語義12と原因と結果の関係にある。つまり、語義12ではインクのような物理的物体が紙などの別の物理的物体に付着することを表すが、この意味の「のる」では、インクが付着した結果として、情報が紙面に記載されることを表す。なお、インターネットの普及により、「ホームページに載る」、「ネットに載る」のように紙面でない場合も可能になっている。
誤用解説
この意味の「のる」の主体は、伝達内容を伴う<情報>であるため、記号や文字であってもそれが特別な情報としての意味を持たない模様のようなものであれば、「のる」を用いることはできない。
 ノートに何か文字[無数の丸印]が載っている
 ノートに何か文字[無数の丸印]が書いてある
類義語・反義語
類義語出る(記事[名前、写真]が出る)
反義語


14.付加自動詞上級
表記乗る
ものが、別のものに加わる。
文型
<もの>が<もの>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ジャズのベースサウンドにDJのスクラッチ音が乗る、新しい音楽。
うちの洋ナシは、追熟して香りと甘みが十分に乗ったタイミングで収穫します。
生産者から消費者の手に届くまでに、卸売市場などの手数料と小売店のマージンが乗るので、価格は3倍近くになる。
機械の接触不良で音声にノイズがのってしまう。
自転車で坂道を降りていたらぐんぐんスピードが乗ってきて、曲がり切れずに転んでしまった。
この日本酒は、飲みやすいながらもしっかりと味が乗っていておいしい。
コロケーション
<もの>が
スピード、ノイズ、味、うま味、甘味
<様態>
しっかり、ちゃんと、うまく、十分(に)、少し
非共起例
<もの>が
 今月は給料に3万が乗るはずだ。
 今月は給料にインセンティブの3万が乗るはずだ。
「のる」は典型的に、あるものが別のものの上に位置することを表すため、単にあるものに同種のものが加わるという場合には用いられない。
解説
この意味の「のる」は、あるものに別のものが加えられて一体となるという点で、ものが別のものにぴったりと付着することを表す語義12と類似している。一方で、語義12では物理的物体が別の物理的物体に付着することが表されるが、この意味の「のる」では、味、音、スピードなどの効果がものに加えられることを表すという点で異なる。
類義語・反義語
類義語加わる、つく
反義語


15.加重自動詞上級
表記乗る
重量が、ものにかかる。
文型
<重量>が<もの>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
ハシゴを使うときは、踏み段の中央にからだの重心がしっかり乗るようにしましょう。
この靴のインソールは、体重が乗っても型崩れしにくい素材を使っている。
自転車で加速するときは、ちゃんと右ペダルに体重が乗ったら次は左を踏む。
バイクの前輪に荷重が乗っている時にハンドルを切ると、ハンドルは重くなる。
サッカーで強いパスを打つ時は、軸足に十分体重が乗っていないとうまくいきません。
ウキが沈んでしばらくしたら、竿に魚の重みが乗ってくるはずです。
コロケーション
<重量>が
体重、重心、荷重、重み
<もの>に
軸足、かかと、シート、前輪
<様態>
しっかり、十分(に)、ちゃんと、軽く
解説
この意味の「のる」は、あるものに人・ものの重量がかかることを表しており、この意味は語義1と原因と結果の関係にある。つまり、あるものの上に身を置く(語義1)と、そのものに重量が加えられる(語義15)。なお、基本的には人やものが「別のもの」の上に身を置くことで、そのものに体重がかかることを表すが、例文に示したように、別のものではなく身体全体の中である部分に体重がかかること(「軸足に体重が乗る」)や、さらに二つのものの位置は関係なく重量がかかること(「竿に魚の重みが乗る」)を表すこともできる。身体全体の中で、ある部分に体重がかかる場合には、その部分は「腰」、「足」などのように身体の下に位置していてそれより上の部分の重みを支える部位が二格で表され、<主体がものの上に身を置く>と捉えることが可能である。
誤用解説
語義解説で述べたように、典型的には下に位置するものが上に来るものの重みを支える状況で用いられるが、例文中にあるように「竿に魚の重みが乗る」のような例では、下方から引っ張られて重みを感じることを表すため、下にあるものが上に来るものの重みを支える以外の状況でも用いられるように思われる。しかし、以下の例では「のる」は用いられない。
 手に、提げたかばんの重みがのっている。
これは、重量を感じる人の手の向きが関与していると考えられる。手に提げたかばんの重みを感じる場合、手は垂直軸の下方から重みを感じるが、竿の場合には竿を持つ手は水平方向に位置しており、実際には魚の重みは下方から引っ張られることによって感じるが、かばんを手のひらに乗せた時と同様に、あたかも竿を水平方向に持つ手に上から重量がかかるかのように感じられるのである。このような状況でのみ、下方からの重みであっても「のる」を用いることができる。
 魚の重みが竿に乗る。
 魚の重みが浮きに乗る。
類義語・反義語
類義語かかる(体重がかかる)
反義語


16.超過自動詞上級
表記乗る
数値で表されるものが、何らかの基準を超える。
文型
<数値で表されるもの>が<基準>にのる
文法
受身尊敬使役意思継続結果・完了
例文
30歳ちょっとで年収1000万円の大台に乗る
体重がついに大台に乗ってしまった。
TOEICの点数がなかなか800点台に乗らない
最後の模試でなんとか合格ラインに乗ることができた。
施設の利用者が一カ月だいたい100人を超えた時点で、採算ラインに乗ったといえる。
国内で開発した商品は、ある程度の量産ラインに乗ってきたら外国で生産し、各国に輸出する。
コロケーション
<数値で表されるもの>が
体重、点数、年収、収入
<基準>に
大台、合格ライン、採算ライン
<様態>
なんとか、やっと、ようやく、なかなか~ない、ついに
非共起例
<基準>に
 模試で最低ラインにのった。
 模試で合格ラインにのった。
この意味の「のる」の<基準>は、現状よりも多い基準や上の基準に限られ、例えば体重であれば増加、点数であればより大きい点数、商品の生産であればより多い量を表す。これは、「のる」が本来ものの上に身を置くことを表すためであり、より低い方向への移動(推移)を表すことはできないのである。
解説
この意味の「のる」は、数値で表されるものが何らかの基準を超えることを表す。これは、人があるものの上に身を置くことを表す語義1と、ものの上に移動するという点で類似している。したがって、上で述べたように、この意味の「のる」の<基準>は、現状よりも多い数量の基準に限られる。
類義語・反義語
類義語達する、届く
反義語


乗る・載るの全体解説 各語義の解説をご覧ください。
























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<もの>に
みんなに分かりやすいように、カメラマンの中村さんが脚立に乗って、かなり上のほうからパチリ☆
(My Birthday, 2004, 児童)
祖父のに乗って、子供の私はよく彼の耳から伸びた毛で遊んだ。
(文學界, 2001, 文学/芸術)
<人>が
釣り客がたくさん乗るので通称「魚釣電車」と呼ばれている。
(川島令三著 『全国鉄道事情大研究』, 1993, 686)
<乗り物>に
三時に島を出るに乗れば四時には戻れます。
(沖島博美文・写真;一志敦子絵 『北ドイツ=海の街の物語』, 2001, 293)
ふたつほどアトラクションに乗って、ワールドポーターズでちょこっと買い物をして一旦帰宅。
(Yahoo!ブログ, 2008, 日本)
<場所>から
柿生のから大谷行きのバスに乗る。
(庄野潤三著 『鳥の水浴び』, 2000, 913)
<場所>まで
四月になったら、生まれて初めての休暇をとって、深夜の疎らな人影の駅から、終点まで、長距離列車に乗るのだ。
(粕谷栄市詩集, 2003, )
<水流>に
寒い時期に南にいたカツオは黒潮に乗りイワシやイカを追って北上します。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 料理、グルメ、レシピ)
<気流>に
ワタリアホウドリはほとんど翼を動かさずにに乗って何千キロも飛ぶことができる。
(ジャック=イヴ・クストー著;奥寺百合子翻訳 『南の聖域を守れ!』, 1994, )
<道>に
此処から長岡方面の現場へ向かう為に、北陸自動車道に乗ろうと新潟中央インターへ向っていました。
(Yahoo!ブログ, 2008, 日本)
<物事の流れ>に
その車はそのまま南に向かう五番街の車の流れに乗り、見えなくなった。
(キース・ピータースン著;芹沢恵訳 『幻の終わり』, 1991, 933)
そして強いアメリカという力の信仰が崩れたときに、例の勇猛果敢なテーマ曲に乗って『ロッキー』のロッキーが登場する。
(日本アメリカ文学・文化研究所編著 『アメリカ文化ガイド』, 2000, 302)
<物事>が
「―でも保田さんよ、まあ商売が軌道に乗って会社にするって話は偶に聞くが、左前になったからするッて話は聞かないがなァ」
(京極夏彦著 『塗仏の宴』, 1998, 913)
<物事の流れ>に
利益のあるビジネス、時流に乗ったビジネスには、大勢の人々がそこに群がり、その結果、競争が激化し、ダンピング合戦が始まります。
(新村貢一著 『個人事業の始め方・儲け方』, 1998, 335)
トヨタの再建は予想より早く軌道に乗った。
(佐藤正明著 『ザ・ハウス・オブ・トヨタ』, 2005, 537)
<水流>に
すべての船がに乗り、水平線に向かって次第に小さくなるころ、浜ではホッとした表情の男衆と女衆が、たき火を囲んで暖をとる。
(朝日新聞社編 『昭和にんげん史』, 1989, 281)
<気流>に
アラシュが扉を開けると、強いに乗って雪が吹きこんだ。
<電波>に
そして、ラジコン・ヘリに搭載されている小型受信機が電波に乗った情報を解読し、サーボモーターを制御する。
(和久峻三著 『死のハイテクビル・パニック』, 1989, 913)
この結果、発表型の情報や、声の大きい人のいうことだけがメディアに乗り、その影にかくれている真実が見えなくなる。
(月崎時央著 『「少女監禁」と「バスジャック」』, 2001, 493)
<物事の勢い>に
そのまま勢いに乗り、決勝で唐津地区の代表と対戦しました。
(広報有田, 2008, 佐賀県)
同時に「癒し」のブームに乗り、この犬型ロボットは人々の心を和ませる、人間の友達としても浸透し始めた。
(沖光正著 『鉄腕アトム解体新書』, 2003, 726)
<様態>
地方巡業の劇団ではあるが、文化面でいち早く当時のスキーブームに乗ったものとして、注目されよう。
(長岡忠一著 『日本スキー事始め』, 1989, 784)
<人の言動>に
訪販業者の口車に乗ってしまうと大変なこともあるそうです。
(Yahoo!知恵袋, 2005, 家電、AV機器)
しかし、NWはあくまで自社によるサービス開始を目指し、大手の譲渡提案になかなか乗ってこない。
(iNTERNET magazine, 2002, 電気機/電子)
<もの>に
分厚く切ったようかんふた切れが、春慶塗の菓子皿に載っている。
(山本一力著 『赤絵の桜』, 2005, 913)
<もの>が
夏場より秋口の鱧のほうが完全にが乗って、ぐっとおいしくなります。
(柿澤津八百語り;平松洋子聞き書き 『旬の味、だしの味』, 2004, 596)
<情報>が
最近の新聞では大事件が起きると、報道検証の記事が載る。
(飯室勝彦,田島泰彦,渡邊眞次編 『報道される側の人権』, 1999, 316)
新聞の高額納税者番付にも一度名前が載ったことがある。
(村上春樹著 『ねじまき鳥クロニクル』, 1994, 913)
<紙面>に
「映画評論家として独立したって聞いたけど、映画雑誌に名前が載ってるのを見たことないわ」
(安達千夏ほか著 『Friends』, 2003, 913)
<様態>
さすがに本名は明かされていなかったが、顔写真が不鮮明ながらも大きく載っていたのだ。
(折原一著 『耳すます部屋』, 2003, 913)
<もの>が
また、ホームストレートを初め全般的にスピードが乗るコースなので、最高速性能も重要な要素となる。
(キュービスト編 『グランツーリスモ3 A-spec公式ガイドブック』, 2001, 798)
<重量>が
こういう人は、まず平地で前足だけで片足立ちして、後足を前後に大きくブラブラさせてみよう。 それが前足に体重が100%乗っている状態なので、その感覚をしっかり頭に入れて練習しよう。
( 『スノーボードクリニック』, 1999, 784)
<数値で表されるもの>が
完全失業者数も九一年の一三七万人から増え続け、九五年春から二〇〇万人の大台に乗ったままだ。
(日本経済新聞社編 『日本経済today』, 1995, 332)
<基準>に
ここは、合格ラインに乗った者だけが残るシステムになっていて、三年の進級試験で成績不振だった者は、自動的に留年させられる。
(維住玲子著 『ブラボーセブン』, 1999, 913)






























この流れにのって完売しそうね。
自分の名前が電波に乗って、しかもジェシーの声なら、やる気出ちゃうよね!
様々な付属物が載っている分重いので、バッテリーが切れるとかえってお荷物になってしまいます。
自分の名前が載った新しい番付表を手にし、インタビューに答えます。
脂が乗る

意味
魚などの脂肪が増えて味が良くなるように、人間が仕事などにおいて調子が出る。
用例
彼は今脂が乗っているから、必ずこのプロジェクトを成功させるだろう。
コーパスからの用例
それでテレビになりにくいと思って、しまいこんでいた素材を、エッセーや小説にすることができた。脂が乗ってる、と人にいわれるが、あぐりはそうは思わない。カンが冴えているだけだとひそかに思っている。(田辺聖子著 『ジョゼと虎と魚たち』, 1987, 913)
大船に乗る

意味
なかなか転覆しない大きな船に乗っているように、信頼できる基盤を得て安心できる状態になる。
用例
彼が全面的にサポートしてくれるとは、大船に乗った気持ちだ。
コーパスからの用例
私が口をきけば、必ず引き受けてくれますよ。樫村先生の威力は絶大ですから、大船に乗ったつもりでいてください(和久峻三著 『不倫判事』, 2002, 913)
尻馬に乗る

意味
他人が乗っている馬の後部に乗るように、良く考えもせずに他人の言動に同調し、軽はずみな行動をとる。
用例
彼らの尻馬に乗って一緒になって彼女の悪口を言ってしまったことを、後になって反省した。
コーパスからの用例
その瞬間、私の背筋には確かに快感のようなものがはい上がったのである。権力の尻馬に乗った快感。「有志連合」の一員と認められた嬉しさ。(勝谷誠彦著 『イラク生残記』, 2004, 302)
玉の輿に乗る

意味
女性が身分の高い人や収入の多い人と結婚する。「玉の輿」とは本来、身分の高い人・家柄の良い人の乗る美しい立派な乗り物を表す。
用例
「将来、玉の輿に乗りたい」「それならもっと教養を身につけなさい」
コーパスからの用例
玉の輿に乗った先には、子供のため、実家のために、すべてを諦めて耐え忍ぶだけの人生が待っていたのである。(木谷喜美枝監修 『樋口一葉と十三人の男たち』, 2004, 910)
複合動詞 V1

乗り上げる、乗り合わせる、乗り入れる、乗り遅れる、乗り換える、乗り切る、乗り越える、乗り越す、乗りこなす、乗り込む、乗り出す、乗り継ぐ、乗り回す
複合動詞 V2

飛び乗る
複合名詞

相乗り、気乗り、手乗り、波乗り、悪乗り、乗り合い、乗り降り、乗り換え、乗り気、乗り越し、乗り心地、乗り継ぎ、乗り逃げ、乗り物
乗る・載る(1グループ)の活用 ▶活用を聞く
アクセント型平板型
辞書形のる
ない形のらない
~なかったのらかった
ます形のり
~ませんのりま
~ましたのりした
~ませんでしたのりまんでした
~ときのるとき のる
ば形
意向形
て形のって
た形のった
可能形のれる
受身形のられる
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